営業職の職種図鑑

総合商社・専門商社の営業職

総合商社・専門商社の営業職の男性

自社で商品を仕入れ、その商品が必要な企業に対して販売します。

総合商社・専門商社の営業職は、「自社で仕入れた商品を、企業に対して販売する職種」です。
しかし漠然とはわかっていても、
実際どのような仕事内容なのかイメージができない人もいるでしょう。
ここでは総合商社・専門商社の営業職の主な仕事内容や年収、キャリアパス、
転職するときに必要なスキルや資格などについてご紹介します。

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総合商社・専門商社の営業職とは?

総合商社・専門商社の営業職とは?

総合商社・専門商社の営業職とは、自社で商品を仕入れ、その商品が必要な企業に対して販売する職種です。商社の事業モデルは、生産している業者とその生産物を必要としている企業との橋渡し(トレーディング)をしている、いわゆる卸売業となります。需要と供給をマッチングさせ、円滑な商流(商品の流れ)を創出するのが商社の事業内容。その際にできるだけ安く仕入れ、できるだけ高く売ることで得られる利ざや(マージン)や、仲介手数料(コミッション)が主な収益源です。

商社はあらゆる商品を扱う「総合商社」と、専門特化した商品を扱う「専門商社」の大きく2つに分かれます。総合商社はラーメンなどの食品から石油・石炭などのエネルギー、航空機などの機械製品まで幅広く扱うため、大企業がほとんどです。また、総合商社の場合は商品を仕入れて売るだけではなく、「事業投資」も総合商社の事業の1つ。近年はコンビニエンスストア事業への投資など、トレーディングよりも事業投資のウエイトが高くなっている傾向があります。これに対して専門商社は、特定の商品に特化した商品のみを扱う企業です。そのため、大企業だけでなく中小企業も存在します。専門商社には3種類に大別され、「総合商社系」「メーカー系」「独立系」があります。

商社マンと呼ばれる職種は、一般的にこれらの総合商社や専門商社で営業職として働く総合商社・専門商社の営業職のことを指しているのです。

総合商社・専門商社の営業職の仕事内容

総合商社・専門商社の営業職の仕事内容について、大きく3つにわけて解説します。

新規営業・既存営業業務

総合商社・専門商社の営業職の仕事内容には、新規営業と既存営業のどちらもあります。新規営業は自身の担当する業種や領域で販売先の新規顧客を探し出し、ビジネスを生む提案を行う仕事です。ここでのゴールは、企業の状況をヒアリングしたり新たな事業の提案をしたりして、必要な商材を見つけ出すこと。必要な商材が確定したら、どの仕入先でその商品や資材・原料を調達するかを調査し、金額や調達量などを交渉します。この仕入先を開拓するのも、総合商社・専門商社の営業職の仕事内容の1つです。

既存営業は、すでにお取引のある企業に対する既存のトレードの新たな受注・規模拡大や、新規ビジネスとなるアイディアを提案するなどして売上を伸ばしていきます。幅広いネットワークを活用した安定的な供給、そして商材に関する豐富な知識などが総合商社・専門商社の営業職の付加価値なので、それらを得ることも重要です。また、総合商社には海外で商材や資源を調達することも多く、グローバルな仕事内容も少なくありません。

市場調査・分析

総合商社・専門商社の営業職の重要な仕事内容の1つに、市場調査があります。商社が利ざやを得るには、商品を安く仕入れて、高く売ることが重要。市場や産業のトレンドやニーズを常に調査・分析し、先を読んで仕入れをすることで安く商品を調達することができるのです。

具体的な調査手法としては、メーカーなどのイベントや展示会に参加したり、取引先との商談の中から情報を得たりして、なるべく早くかつ確実なトレンド情報をキャッチします。市場にトレンドが発生したら高く売れるよう、先見性を持って商品を仕入れるための市場調査や分析は、総合商社・専門商社の営業職の重要な仕事内容といえるでしょう。

調整業務

総合商社・専門商社の営業職は、仕入先と販売先をつなげて終わりではありません。それに付随するさまざまな調整業務も、総合商社・専門商社の営業職の仕事内容になります。例えば、契約内容の取りまとめや輸入・輸出に関わる貿易事務業務、物流ルートの確保、納期や生産数の調整など。これら調整業務をスムーズに確実に行うことで信頼が得られ、継続した取引につながるでしょう。

総合商社・専門商社の営業職のその他の仕事内容

総合商社の営業の場合、上記に挙げた3つの他にも多岐にわたる仕事があります。例えば、以下のような内容です。

・販売戦略を企画立案、マーケティング
・投資先の開拓、投資業務
・投資先事業、企業の管理
・子会社や出資先企業への出向

総合商社の投資事業は、将来の伸びが期待できる企業に対して出資して、企業の経営に参画することで利益を得ています。その出資先の子会社を管理したり、出向して経営企画を担ったりするのも総合商社・専門商社の営業職の仕事内容の1つです。

総合商社・専門商社の営業職のやりがい

一般的に激務といわれている総合商社・専門商社の営業職ですが、一方でやりがいを感じられる職種でもあります。やりがいの1つに、海外でのグローバルな環境で仕事ができる点が挙げられるでしょう。資源を調達する際に、海外出張や海外転勤をして業務に当たるケースも少なくないからです。
また、取引金額が大きいことも、スケールの大きい仕事をしたい人にとってはやりがいに感じられるでしょう。特に総合商社では、誰もが知っている大手企業で大きなプロジェクトに関わることも多くあります。そのため、「自分が日本や世界を動かしている」という感覚を得られるかもしれません。

総合商社・専門商社の営業職はその仕事内容から、最先端かつ幅広い業界・業種の知識を得る必要があります。そのため、覚えるべきことは膨大ですが、その分だけ成長スピードが速いこともやりがいにつながるでしょう。

総合商社・専門商社の営業職に向いている人

総合商社・専門商社の営業職は、どのような人に向いているのでしょうか。まず、総合商社・専門商社の営業職は体力がある人が向いています。なぜなら業務の幅広さや多さから、体力がないと仕事をやりきることができない可能性があるからです。
また、常に市場を調査・分析する必要がある総合商社・専門商社の営業職は、好奇心旺盛で時代の最先端を行きたい人も向いているといえるでしょう。次々に移り変わる時代のトレンドや潮流に合わせて、市場や産業の情報をいち早くキャッチし、自分のものにしなければいけません。

そして、業務量や覚える量が多い分、成長スピードが速いのも総合商社・専門商社の営業職の特徴の1つ。そのため、成長志向が強いことも総合商社・専門商社の営業職に向いている人の特徴として挙げられるでしょう。

総合商社・専門商社の営業職に必要なスキル・資格

総合商社・専門商社の営業職になるのに、共通した必須資格は原則ありません。しかし、持っていると有利になる資格、そして業務上で求められるスキルがあります。ここで、詳しく見ていきましょう。

英語力(語学力)

総合商社・専門商社の営業職は海外とのやりとりや出張、転勤なども少なくない職種です。そのため、英語をはじめとした語学力は必須のスキルといえます。専門商社であれば、中には海外とのやり取りが不要な会社もあります。しかし、総合商社では欠かせないものとなるはずです。

コミュニケーションスキル

営業職全般にいえることですが、特に総合商社・専門商社の営業職にはコミュニケーションスキルが必須です。なぜなら売り手と買い手、そして輸送業者など多くの人とやり取りしながら業務をすすめる必要があるから。相手を動かす伝える力、あるいは正確に状況を把握する聞く力などのコミュニケーションスキルは、総合商社・専門商社の営業職にとってコアなスキルといえます。

分析力

時代を先読みしてビジネスを作り出す必要がある総合商社・専門商社の営業職には、分析力も重要なスキルです。業界やマーケットの潮流やニーズをキャッチし、今後時代がどのように変化していくかを分析できるからこそ、必要な商品をいち早く仕入れることができます。

TOEIC

海外から仕入れをする場合などに、現地の言語や英語を使ってコミュニケーションを取る必要があります。そのため、英語力の証としてTOEICは有効です。総合商社の中には、社員全員に一定以上のTOEICスコアの取得を義務付けているところもあります。

通関士・貿易実務検定

石油や石炭などの原材料を代表として、輸出入に携わる総合商社・専門商社の営業職は貿易に関する資格を持っておくと有利です。例えば国家資格である通関士は、輸出入時に必要な通関手続きを行うのに必要な資格。総合商社・専門商社の営業職が通関手続きを行うことないため、必須の資格ではありません。しかし通関士を取得することで、輸出入を行ううえで各種法令や規制に抵触しないようチェックできるようになります。
また、通関士は国家資格のため難易度が高いですが、同じく貿易取引に関わる検定の貿易実務検定は比較的取りやすく、総合商社・専門商社の営業職にとっても実務的に有利に働くでしょう。

簿記検定

事業投資に携わることが多い総合商社・専門商社の営業職は、簿記検定を取得して会計知識を身につけておくと業務に役立つでしょう。貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を読めるようになるため、投資先企業の経営状態が把握できるようになるからです。総合商社の中には、簿記検定3級の取得を必須化しているところもあります。

中小企業診断士

中小企業診断士は、コンサルタントとして必要な知識・ノウハウが得られる国家資格です。総合商社・専門商社の営業職は投資先企業の事業管理やアドバイス、経営企画として参画することも少なくないため、コンサルタント的な要素もある仕事となります。そのようなときに中小企業診断士を持っていると、的確なコンサルティングができるため事業業績も上がっていきやすいあがっていきやすいでしょう。難関の国家資格ですが、総合商社・専門商社の営業職として活躍するために役立つ可能性は高いはずです。

総合商社・専門商社の営業職の年収

マイナビエージェントの調査によると、総合商社・専門商社の営業職の平均年収は総合商社で「425万円」、専門商社では「423万円」となっています。

総合商社か専門商社か、さらには専門商社の中でもどの業界・商材なのかによって、年収は大きく変わることがあります。

総合商社・専門商社の営業職の就職/転職先・活躍の場

総合商社・専門商社の営業職としての就職先・転職先は、総合商社や専門商社になります。ただし、総合商社は新卒の就職先としても人気の高い業種です。そのため、専門商社から総合商社への転職は学歴や職歴が問われ、ハードルが高いのが現実でしょう。

総合商社の総合商社・専門商社の営業職は、別業種への転職も活躍の場として十分あり得ます。例えば法人営業のスキルや事業投資・管理のノウハウを活かせる「戦略系コンサルティングファーム」、「投資銀行」「ベンチャーキャピタル」「PE(プライベートエクイティ)ファンド」「証券会社」などが考えられるでしょう。専門商社の場合は、取引先の小売業やメーカーへ転職すると、専門性を活かして活躍できる可能性が高いといえます。

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総合商社・専門商社の営業職のキャリアパス

総合商社・専門商社の営業職のキャリアパスは、営業部門でレイヤーを上げていくことの他にも多くあります。総合商社の場合は海外での業務や投資先企業への出向、子会社のCXO・経営者などが考えられるでしょう。また、法人営業や事業投資・管理の経験を活かして、「コンサルティングファーム」、「投資銀行」「証券会社」などの営業職へのキャリアパスもあります。さまざまな事業への知見と経営ノウハウが得られる総合商社の総合商社・専門商社の営業職は、独立起業というキャリアパスも実現可能性が高いはずです。

専門商社合は社内で別部門への異動、あるいは専門性を活用できる取引先への転職もキャリアパスとして考えられます。

総合商社・専門商社の営業職に転職する際の志望動機

総合商社・専門商社の営業職に転職する際の志望動機は、商社の仕事内容の特徴を押さえたものにすると良いでしょう。なぜなら「なぜ商社なのか」の答えになり、志望動機に繋がりやすいからです。

例えばグローバル性や取引規模の大きさにフォーカスするなら「世界を舞台にしてグローバルに影響が与えられる総合商社・専門商社の営業職を通して、より社会に大きく貢献したい」という志望動機が考えられます。また、事業投資の側面をピックアップして「1つの事業にとどまらず、より多くの事業を支援できる商社という立場で、幅広い社会課題を解決していきたい」という志望動機もあるでしょう。なお、専門商社の場合はその専門特化している業種に対する思いや興味を、相手を納得させられるエビデンス(業界知識や業界研究など)を添えて伝えることが大切です。

商社という業種での軸の他にも、会社ごとの特徴やミッション・ビジョン・バリューなどへの共感性も志望動機として重要なこと。商社という業種やターゲットにしている業界、企業ごとの特徴を理解した上で、それらと自身の価値観やキャリアビジョンとの共通点を見出し、志望動機として伝えられるようにしてください。

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よくあるご質問

総合商社・専門商社の営業職は、メーカーなどに対して自社で買い付けた商品を販売する仕事です。売る側と買う側の橋渡しをするため、市場調査や分析、販路の構築、提案など業務は多岐にわたります。

可能です。総合商社の場合、前職がコンサルタントや会計士、証券会社や投資銀行でM&A担当や投資担当者をしていた人材の転職事例があります。専門商社であれば、総合商社よりも未経験者の間口は広がるでしょう。

大企業の総合商社や、中小企業の専門商社などで活躍が可能です。転職先としても、幅広い知識と提案力を活かして、投資銀行やベンチャーの事業会社、コンサルタントなど多くの活躍の場があります。