電気営業は、一般家庭や法人に電力プランを提案する「電力会社」の営業や、現在の電線や配線を新しくするための提案をする「電気工事会社」の営業、「電機メーカー」の営業などを指します。

電気営業といっても、その中にさまざまな分野がありますが、電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職は顧客への訪問が中心となります。例えば電線や電機は、現場を見なければ情報を確認できません。そのため、顧客の家やオフィスを訪問し、情報をヒアリングすることになります。仮に契約が取れた後も終わりではなく、アフターフォローによって顧客との信頼関係を築いていくことも重要です。その点で、行動力が求められる職業だといえるでしょう。

「電力会社」「電気工事会社」「電機メーカー」の3つを例に、仕事内容をご紹介しましょう。

大手電力会社の多くは、代理店経由で営業を行いますので、電力プランを理解したうえで、顧客にメリットをアピールしなくてはなりません。ただし、顧客の大半はすでに別のプランで電力を利用しています。既存のプランと比べ自社の何が優れているのか、営業トークによって伝えていくのが主な仕事です。

一般家庭や企業とコンタクトを取り、問題点をヒアリングするのが電気工事の営業に求められる役割です。もちろん連絡したときに、すぐ仕事をもらえるわけではありません。電気工事会社の営業は何回も顧客のもとへと通い、自分を売り込む必要があります。そうやって「この人になら仕事を頼めそうだ」と覚えてもらえれば、いざ問題が起きたときに工事を任せられるようになるのです。他の電気分野と比べると、長期的な案件が多いのが大きな特徴でしょう。

テレビや洗濯機などの家電から変圧器や発電機などのビジネス機器まで、電機メーカーでは幅広い商品を取り扱っています。こうしたメーカーでの主なターゲットは「小売店」と「企業」です。小売店には自社製品をPRし、できるだけ多く仕入れてもらえるように誘導します。一方、企業によっては大量に電機を購入するケースも珍しくありません。特に大規模なオフィスや工場は優良顧客になりえるので、積極的に営業を仕掛けていくことが大切です。

多くの場合、電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職は新規開拓を担わなくてはなりません。すでに別の会社と契約している顧客に対し、自社製品やサービスをアピールするのは至難の業です。そのため、冷たくあしらわれることも少なくないでしょう。しかし逆に、成功したときの喜びはひとしおです。仕事を通じての達成感が大きいことはやりがいとなります。

電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職では、成果主義が採用されていることが珍しくありません。つまり、売上や契約獲得数によって待遇が変わる方式です。好成績を収めることができたら、経験にかかわらず昇給も夢ではないでしょう。また、スピード出世の道が開かれるかもしれません。
その一方、ノルマが厳しく、達成できないと労働条件が良くなりにくいという面もあります。ただし「やればやっただけ給料に反映される」システムなので、仕事に打ち込みたい人にはぴったりの職場環境です。努力が正当に評価されるのは、大きなやりがいになるでしょう。

他の仕事と比べると、長期的な案件が多いといえるでしょう。電気プランにせよ電機にせよ、頻繁に需要があるわけではありません。一度契約すれば、次に注文するまでは間が開きがちです。だからこそ、その間に営業は新しい商材をリサーチしておかなければなりません。そして、注文が来たときにすぐ対応できるような準備を整えておきます。計画性と根気を持って日々の仕事に取り組める人なら、電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職としても成功しやすいでしょう。

ノルマの多さや厳しさは電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職の特徴です。もちろん、達成できればそれだけの報いがあるのは魅力の一つです。「向上心が強い人」は長く続けられるでしょう。
電気業界では常に新しいサービスや製品が出ているので、積極的に情報収集することが大切です。そうやって自分の知識やスキルを磨き、「周りの営業職には負けない」という精神力を高めていける人にはぴったりの仕事となるでしょう。

電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職は基本的に、特別なスキルや私学がなくても就職・転職でます。専門的な技術や知識がなくても、ゼロから働ける業界です。しかし以下のようなものは、持っておくことで有利に働くでしょう。

あると便利なスキルとして「コミュニケーション能力」が挙げられるでしょう。さまざまな客層に向けて、自社のサービスや製品を訴求しなければなりません。相手の話をしっかり聞き、問題解決に向けた提案をできるようなタイプが望ましいといえます。そのため、顧客との信頼関係を築けるコミュニケーション能力が重要なのです。

新規開拓にも物怖じしない「行動力」、そして新しい業界情報を収集しようとする「向学心」なども大切な仕事となります。常に自分を磨き続け、成長を目指す人材こそ成功しやすい仕事なのです。

電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職としてキャリアを考えると、「応用情報技術者」「ITサービスマネージャー」などの資格を取得しておくと良いでしょう。もちろん、これらは技術職に必要な資格なので、なくても営業活動に支障をきたしません。しかし、例えばマネージャー職を目指すのであれば、幅広い知識を身につけるため取得してみるのもひとつの方法です。

「プロジェクトマネージャー」の資格を取得してみるのも良いでしょう。これは業界に関係なく、中間管理職の能力を証明してくれる資格です。キャリアを積み重ね、チームや部署を任されるような人材になったとき、プロジェクトマネージャーの資格は役立ちます。

マイナビエージェントの調査によると、電気・ガス・エネルギー業界の平均年収は416万円です。
電気業界では成果型の報酬体系をとっている企業が少なくありません。そうした環境であれば、本人の努力次第で昇給や高額のボーナスも期待できるでしょう。

電気業界で働きたいのであれば、「電力会社」「電気工事会社」「電機メーカー」などの営業部門を目指すことになります。いずれも新入社員の採用には積極的な業界であり、新卒・中途採用を問わず募集枠を見つけることは難しくありません。そのかわり、大手と中小企業で規模の差が激しいのも業界の特徴です。あえて最初は中小企業からキャリアをスタートさせて、成長を遂げてから転職を考えるのもひとつの方法でしょう。

また、電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職は仕事を通じて、基本的なビジネススキルを磨けます。トーク力や交渉力、提案力が身についていくので、営業職として別業界でも活躍できるでしょう。「料金プランを提案する」という点では、保険会社や金融機関に転職してみるのもおすすめです。電気工事会社の経験があるなら、建設会社や解体業者の営業としても働けます。また、電機メーカーはほかの製造業でも実力を発揮できるでしょう。

営業職として電気業界に飛び込んだ場合、当面は「マネージャー職」が目標となるでしょう。マネージャーになれば、チームを任されて部下に指示を出す立場となります。自分が結果を残すだけでなく、チームとしての売上を考えて営業計画を立てなくてはなりません。チームマネージャーとして成功すれば、そのうえにはエリアマネージャーが見えてきます。こうして出世を繰り返していけば、将来的には企業の幹部に名を連ねることもできるでしょう。

また、電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職の経験を生かしてコンサルタントへの転身を考えるのも一つのキャリアとして考えられます。コンサルタントとは専門的な知識や技術をクライアントに提供し、アドバイスする仕事です。電気業界は現場を体験しないと分からないことが多く、ベテラン営業職の考えを聞きたがっている人は少なくありません。また、営業職としての成功体験を、後進の指導に生かす方法もあります。

電気業界は広く、人々の暮らしに関係する仕事です。そのため、営業職にも社会貢献の意識が求められているといえるでしょう。「稼ぎたい」「出世したい」という気持ちは当然として、その前提に「世の中の役に立つ」という考えが望ましいとされます。志望動機には、例えば以下のような内容を盛り込んでください。

「自分は社会に貢献できる仕事をしたいと考えていました。そのような中で、毎日の暮らしを支えている電気に関わってみたいと思うようになったのです。」

電力会社・電気工事会社・電機メーカーの営業職として就職・転職する際、忘れてはならないのが「チャレンジ精神」です。「新電力」という言葉があるように、電気業界は絶え間なく進化を続けています。新しいサービスや製品への関心が薄いと、就職・転職では不利になってしまうかもしれません。そこで、志望動機にも以下のような内容を盛り込みます。

「自分は学生時代から挑戦を求めてきました。常に新しいものを取り入れ、周りに広めていくことに喜びを見出しています。そんな自分に御社はぴったりだと感じました。」

志望動機には、これまでの経験に基づく具体的なエピソードを設けましょう。これによって内容に信憑性が増し、こちらの意欲や思いが伝わりやすくなります。