更新日:2023/09/21
この記事のまとめ
自動車ディーラーの営業は、インセンティブで高収入を狙えることから人気の高い職種です。しかし、高収入が見込める分求められるものも多く、苦痛に感じて転職を考える方もいるのではないでしょうか。
この記事では、自動車ディーラーの営業経験を生かせる転職先を紹介します。転職を成功させるコツも解説するため、営業で培ったスキルを存分に生かしつつ現状の悩みを打破できる新天地を見つけましょう。
目次
自動車ディーラーの営業は、成果によって高収入が望めます。結果が年収に反映することから大きなやりがいを感じられる一方、さまざまな要因でストレスを感じ、転職を考える方もいます。ここでは、自動車ディーラーの営業として働く方が転職先を探す3つの理由を紹介します。
営業は顧客担当制のため、1人の顧客に対して1人の営業が購入前の相談から購入後のアフターフォローまで担当します。
急なトラブルによる早朝や深夜の対応だけでなく、営業時間内に都合がつかない顧客への対応もあるため、規定の労働時間外に働くことは珍しくありません。仕事とプライベートのバランスが崩れ、転職を考える方がいます。
ノルマ設定の高さも転職を考える理由のひとつです。自動車ディーラー営業のノルマには自動車の売上台数だけでなく、自動車保険の契約件数や車検の獲得件数、クレジットカードの契約件数と多くの種類があります。
設定されたノルマが達成できない場合、上司から指導やペナルティが課されて年収に響くため、ノルマ達成がプレッシャーとなり苦痛を感じる方も少なくありません。
自動車ディーラーの平均年収は、30代で493万円です。比較的高収入ですが、インセンティブ報酬が含まれています。したがって、毎月の給与額は一定ではなく、収入は不安定です。安定した収入を得たい方やより高い年収を目指したい方が転職を検討する傾向があります。
自動車ディーラーの営業職では、コミュニケーション力や対応力、マネジメント力が身につきます。これらは、ほかの業種や職種でも高く評価される優れたスキルです。ここでは、転職先で即戦力として歓迎される自動車営業経験者のスキルを紹介します。
自動車ディーラーの営業はディーラーの顔です。第一印象がディーラーの評価につながるため、身だしなみや清潔感、人当たりのよさや親しみやすさ、顧客と向き合う姿勢は特に大切です。顧客に限らず、初対面の印象がよい方は職場でも良好な人間関係を築けるため、転職先で活躍することを期待されます。
自動車ディーラー営業は、車の販売だけでなく、顧客のクレームや要望にも対応します。いかに柔軟で迅速な対応ができるかがディーラーの評価につながるため、柔軟性と対応力は特に重要なスキルです。営業の仕事に限らずどのような職種でも役立つスキルで、転職の際は高く評価されるでしょう。
自動車ディーラーの営業は、顧客のニーズや問題点を引き出し、適切な提案をします。納得してもらえる提案をするには、顧客の目線に立った企画力が必要です。
常に新しい情報を入手して状況を判断・分析し、提案する企画力は、課題の解決や新境地の開拓で役立ちます。企画・提案に伴うヒアリング能力やプレゼン能力は、企画職で高く評価されるでしょう。
顧客とよりよい関係を築くマーケティング能力も、転職先で歓迎されます。ディーラーの営業は市場をリサーチして情報を集め、イベントやキャンペーンを開催することで自動車の販売増加を目指します。自社製品をニーズに合わせて的確に販売するマーケティング能力は、メーカーや小売業でも役立ちます。
自動車ディーラーの営業は、ノルマを頭に置きながら顧客対応しなければならず、ハードスケジュールをこなしています。急なスケジュール変更は日常茶飯事で、厳しい状況でも効率よく切り抜けるセルフマネジメント能力に秀でています。
自らのスケジュールを正しく整理できる管理能力は、チームをまとめる力や状況を把握して問題を解決する力につながるため、管理職での活躍も見込めるでしょう。
営業職にはいくつかのバリエーションがあり、クライアントや商材によって営業スタイルが変わります。転職先を探す際は、希望する企業がどのような営業スタイルを取っているか確認しましょう。ここでは、営業の種類と自動車販売の営業経験を生かせる転職先の選び方・注意点を紹介します。
営業職は「法人営業」と「個人営業」に分けられます。法人営業は企業を対象とした営業職です。要望のヒアリングや課題解決のための提案・企画が主な仕事で、ルート営業か新規開拓営業かの違いもあります。
個人営業は一般消費者を対象に、ニーズに合う製品の提案・販売をします。主に自動車や住宅、金融といった商品を取り扱います。自分に合う営業方法を考えたうえで、転職先を選びましょう。
営業経験を生かすには、取り扱う商材も考慮しましょう。「無形商材」と「有形商材」の2つがあり、自動車ディーラーにたとえると、車両本体が有形商材、自動車保険が無形商材です。
有形商材営業と無形商材営業では、求められるスキルが異なります。有形商材はプレゼン力、無形商材は提案力とヒアリング力が必要です。無形商材営業は有形商材営業より高度なスキルを求められますが、収入アップを目指して転職するのであれば、無形商材を扱う法人営業が狙い目です。
自動車ディーラー営業からの転職は、営業経験で培ったテクニカルスキルが役立ちます。しかし、必要となる分析力・対応力・提案力といったスキルは営業形態によって異なるため、どのような職場でも対応できる「トランスファラブルスキル」が必要です。
トランスファラブルスキルとは、転用や応用が可能なスキルのことです。習得した数を増やせば、異業種や異職種への転職で有利になるほか、転職後にスキル強化を図れます。自分の可能性を広げるだけでなく、企業からの評価も高くなるため、高収入やキャリアップを狙う方は積極的に習得しましょう。
自動車ディーラー営業の転職先は、営業形態や自分が持つスキル、年収や労働環境を考慮して選びましょう。営業で培ったスキルは転職先でも役立ちますが、扱う商材や相手によって環境が変わります。ここでは、自動車ディーラー営業経験者におすすめの転職先を紹介します。
自動車が好きで関連する仕事をしたい方には、自動車メーカーをおすすめします。自動車メーカーは有形商材を取り扱う法人営業です。法人相手であれば営業時間外の業務が少なく、休日に休みを取りやすいことがメリットです。
自動車メーカーは異業種からの転職希望者が多いため、同業種の自動車ディーラーからの転職は重宝されます。自動車に関する豊富な知識は転職後も生かせるでしょう。
自動車関係の仕事に転職したい方は、自動車部品メーカーも選択肢のひとつです。自動車ディーラー営業で身につけた自動車部品に関するさまざまな知識は、部品メーカーの仕事へダイレクトに生かせます。また、専門用語への理解が高いことも大きな武器です。
近年、自動車部品メーカーはグローバル化が進んでいます。海外事業に興味がある方にもおすすめです。自動車に関する知識だけでなく、将来のビジョンが明確であるとより評価されるでしょう。
自動車に関わる仕事で高収入を狙うのであれば、中古車販売業という選択肢もあります。中古車販売業は実力主義の企業が多く、キャリアや年齢といった序列を気にせずに実績を上げられます。年齢が若くても高収入が可能であるほか、自動車ディーラー営業の経験を生かせる仕事です。
ただし、中古車販売店によってはさまざまなメーカーの車を取り扱うため、幅広い知識が必要とされます。
保険業界の仕事は、自動車ディーラーと同じ個人営業です。培ったコミュニケーション力や提案力、営業経験を生かせるため、転職しても馴染みやすいことがメリットです。
さらに、自動車ディーラーで販売していた自動車保険や自賠責保険の知識も生かせます。営業スタイルは同じでも業種は異なるため、保険業界へ転職したい理由を明確に説明できると採用率も上がるでしょう。
自動車ディーラー営業と同じスタイルであれば、不動産業界もおすすめです。不動産業界は有形商材を個人に販売する仕事で、自動車と同じ高額な商材を販売するという点が類似しています。
一生の中で特に高額な買い物である不動産は、顧客との信頼関係が重視されるため、ディーラー営業で培ったコミュニケーションスキルを十分に生かせるでしょう。同じ営業スタイルで異業種に挑戦したい方に向いています。
営業スタイルも業種も異なる仕事に転職したい方には、Web・IT業界がおすすめです。Web・IT業界では無形商材を法人に販売します。インターネットビジネスが普及しつつある近年、成長産業といえるでしょう。人手不足により人材を募集している企業は多く、業界未経験でも採用されやすい傾向にあります。
営業経験で培ったセルフマネジメント能力やマーケティング能力は、Web・IT業界で生かせます。
自動車ディーラー営業で培ったスキルはさまざまな業種・職種で生かせ、企業からも高く評価されます。とはいえ、転職したい理由やキャリアプランをしっかり整理して、面接に備えることが大切です。ここでは、ディーラー営業からの転職を成功させるコツについて解説します。
転職を検討するにあたり、まずはなぜ自動車ディーラーの営業を辞めたいのか、転職したい理由を明確にしましょう。転職することで改善したい点を明確にすれば、転職先で同じような問題に悩まずに済みます。
転職の理由や目的を明確にするには、自己分析がおすすめです。自己分析することで、自身の強みや自分に合う転職先を見つけやすくなります。志望動機の作成や面接でも役立つため、転職の成功につながるでしょう。
将来的な目標を考えることも転職を成功させるコツのひとつです。自分がやりたいことを長く続けられる業種や職種を明確にし、キャリアプランを立てましょう。転職先選びに生かせるだけでなく、転職後は日々の業務に追われ、ゆっくり考える時間を持てない場合があるためです。
また、キャリアプランが出来上がっていることは、面接時に意欲をアピールする際にも役立ちます。
自動車ディーラーの営業は、優れたマーケティング力やセルフマネジメント力、企画力が身につく職種のため、異業種・異職種への転職にも経験が生かせます。入念な自己分析とキャリアプランから自分に合う転職先を探しましょう。
マイナビ営業エージェントでは、営業職の転職市場に精通したキャリアアドバイザーと企業へのパイプを持つリクルーティングアドバイザーが転職をサポートします。転職先の紹介から面接対策、給与交渉など、最後までサポートしますので、ぜひご相談ください。
営業職
第二新卒には営業がおすすめ?向いている理由や成功に導くコツを紹介
営業職
メーカー営業の将来性を徹底解説!市場価値を高める方法やキャリアパスも紹介
営業職
IT営業を辞めたいと感じたら?仕事がきつい理由とおすすめの転職先を紹介