更新日:2024/03/13
この記事のまとめ
自動車メーカーの営業とディーラーの仕事内容はまったく異なり、それぞれに魅力ややりがいが存在します。ここでは、自動車メーカーへの転職を考えている方に向けて、営業とディーラーの仕事内容とやりがい、そして転職のポイントを紹介します。
また、自動車営業から転職を考えている方に向けて、おすすめの転職先をまとめました。どちらの転職希望者にしても、自分にぴったりの転職先を探す際にお役立てください。
目次
自動車メーカーの営業とディーラーの営業は、それぞれ役割が異なります。街中で見かける車の販売店はディーラーです。自動車メーカーと専属代理店契約を結んだうえで、一般消費者に向けて小売販売をしています。一方、自動車メーカーには、個人向けの小売り部門はありません。
そのため、大まかに分類すると、個人向けの自動車販売はディーラーの営業が、企業や官公庁などの法人向け自動車販売は自動車メーカーの営業が行います。
自動車メーカーの営業は、どのような仕事を行っているのでしょうか。その仕事内容を詳しく見ていきましょう。
自動車メーカーの営業は、ディーラーへの営業支援が主だった仕事です。販売する車の特徴を競合他社の類似車種と比較しながらまとめ、ディーラーが接客販売する際の参考資料として提供します。
異なる系列のディーラーでも販売車種に関する説明がしやすいようにするという形の営業支援です。また、ディーラーの営業販売数字の管理のほか、店舗ディスプレイ、キャンペーン・イベントの企画などもディーラーと協力して行います。
企業や官公庁向けの営業など、一般消費者以外に向けた営業は、自動車メーカーの営業の仕事です。公用車や社用車などは、一度の取引台数が多いため入札などを行います。
ディーラーの仕事内容にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に解説します。
ディーラーの営業の主な仕事は、個人顧客向けの営業活動です。ディーラーにとって、自動車の販売が大事であることはもちろんですが、点検や整備でもディーラーを利用してもらうことが利益につながります。このため、ディーラーの営業では販売後のアフターフォローも重要です。
また、契約締結後は、自動車登録申請の手続きや自動車保険加入手続きなどの事務作業も発生します。ディーラーの営業では、1年以上商談してやっと契約につながるといったケースも多いようです。基本的には顧客担当制のため、顧客一人ひとりとしっかりとした信頼関係を築いていくことが求められます。
ディーラーの営業にとって、週末に開催される店舗イベントの企画運営も重要な仕事です。新規顧客の来店や既存客との関係づくりのためにイベントを開催し、コミュニケーションを深めることで営業活動につなげていきます。
具体的には、四半期イベントやオープンイベント、新車展示会など、さまざまなイベントを開催するための企画・運営の担当が仕事です。また、イベント当日はアンケートを回収したり、ノベルティグッズを配布したりするケースもあります。
自動車メーカーの営業にもディーラーの営業にも共通するやりがいとして、自分が販売した車でお客さまの生活が便利になったり、楽しくなったりすることが挙げられるでしょう。顧客のライフスタイルやニーズに合わせた車種を提案し、喜んでもらえるというのは大きな喜びにつながります。
自動車メーカーは一般的に大手企業が多く、福利厚生の充実や、年収が高い傾向にあります。また、自社の生産する自動車に、プライドを持って働けるのも大きなやりがいです。自動車メーカーの営業は、自動車が好きな人にとっては特にやりがいを感じる仕事でしょう。
ディーラーの営業は顧客担当制といい、一度担当したお客さまとずっとお付き合いをします。信頼関係が深まると新車に乗り換えるときに再依頼を受けたり、別のお客さまを紹介してもらったりすることもあるため、やりがいを感じられるでしょう。
また、ディーラーの営業は、車の販売数に応じてインセンティブが発生します。そのため、がんばった分だけ稼げるという、収入面でのやりがいも大きいのです。
自動車業界の営業に転職するには、どのような資格が必要なのでしょうか。転職で有利になる経験や知識についてまとめました。
自動車業界の営業に転職する際、特別な資格が求められることは基本的にありませんが、運転免許証は所有しておくとよいでしょう。試乗のサポートや顧客の車を引き取りに行く際などに、車を運転する必要があるためです。
免許証はAT限定でも問題ないとする企業もあります。しかし、可能であればマニュアルにも対応していることが望ましいでしょう。
自動車業界の営業は、自動車に関する知識を深めておく必要があります。メーカーの営業もディーラーの営業も、顧客は自動車のプロとして見ているため、基本的な知識が欠けていると信頼を得られません。元々、自動車に興味がある人にはおすすめの仕事といえます。
自動車業界の営業は、コミュニケーションスキルも重要です。顧客のニーズを聞き出して適切な車種を提案することが求められるため、営業経験や接客・販売経験は転職でも有利に働きます。
自動車業界の営業に転職を考えているのであれば、その魅力だけでなく注意点も知っておきましょう。業界や営業ならではの厳しさを知ることは、自分のスキルや性分に合った仕事なのかを判断する大きなポイントです。
自動車業界に限らず、営業職にノルマが課されるのは一般的です。ノルマの難易度は企業によって異なりますが、難易度のほか性分によっては、ノルマが大きなプレッシャーになる場合もあるでしょう。
営業は必ずしも成功するものではないからこそ、失敗してもすぐに切り替えられる、または次につなげていこうと思える心の持ちようが大切です。
営業ノルマがあることは、社内競争の激しさにもつながります。企業によっては個人の売上や契約数を公開し、競争心を高めることで成果アップを狙うケースもあるでしょう。ピリピリとした雰囲気が苦手な方にとっては、精神的な負担がかかるかもしれません。
営業職では、顧客のスケジュールに合わせて動くのが基本です。そのため、営業時間外の顧客対応になる場合もあるでしょう。
また、土日祝の休暇が取りづらいだけでなく、決まった日に休むこと自体が難しい傾向にあります。プライベートを充実させたい場合には、不都合が生じるかもしれません。
一般的に、自動車業界の営業は給与水準が高いイメージがあります。しかし、営業職は実力主義の傾向が強いため、実際の年収にはばらつきがあり、インセンティブありきという企業も少なくありません。
実力で稼ぎたいという方には向いていますが、安定した収入を求める方は検討が必要です。
自動車業界の営業から転職を考えているのなら、まずは自分の強みを知ることが大切です。営業で身につくスキルや知識は、さまざまな職種で評価されます。どのようにアピールするべきかを含め、確認していきましょう。
営業力とは、商品やサービスを売るためのスキル全般を指します。コミュニケーションスキルはもちろん、商品を分かりやすく魅力的に伝えるプレゼンテーションスキルなども含まれるでしょう。これらの力は営業職だけでなく、さまざまな職種で必要とされるため、汎用性の高い強みだといえます。
自己PRの際には、転職希望先の仕事内容においてどのように役立つ能力なのかを具体的に伝えられるとよいでしょう。
ノルマを常に追い求め続ける必要がある営業職では、目標達成能力が鍛えられます。自己PRにおいては、目標達成に関する具体的な数字やエピソードも提示できるのがポイントです。オリジナル性の高い自己PRになることから採用担当者の印象に残りやすいほか、説得力も増します。
自動車業界の営業では、その場限りの営業ではなく、アフターフォローまで求められます。ときにはクレーム対応を任されることもあるでしょう。
これらの経験により磨かれた柔軟な顧客対応力は、顧客を相手とする企業ではどのような職種でも役立ちます。
営業職はノルマ達成と顧客優先の観点から、スケジュールを柔軟に組む必要があります。また、仕事に穴を空けないための体調管理や、信頼されやすい見た目や喋り方を自己プロデュースすることも必要です。
このようなセルフマネジメント能力はどのような職種でも役立ちますが、特にベンチャー企業をはじめとした個々の考えが求められる企業では、強みになるでしょう。
自動車業界の営業経験から培われたスキルや知識は、どのような職種でも役立てられる傾向にあります。しかし、より転職を有利に進めたいのであれば、ここでご紹介する5つの転職先がおすすめです。これらの転職先であれば、即戦力として評価されやすいでしょう。
同業他社の自動車メーカー営業やディーラーであれば、これまでの経験をそのまま生かして働けます。仕事内容よりも、企業の給与や待遇に不満があり転職する方にはおすすめです。
また、一般顧客の営業よりもBtoB営業が向いている方や、その逆もあります。その場合には、自動車メーカーの営業からディーラー、ディーラーから自動車メーカー営業への転職も検討してみましょう。業界知識が身についていることで転職が有利に進められます。
自分の営業力を試したい、高収入を目指したいという方には、中古車販売業への転職がおすすめです。
営業職は実力主義の傾向が強いとはいえ、歴史のある自動車メーカーほど年功序列の風習がまだ残っています。これに対し、中古車販売をメインとする企業は年功序列が少なく、実力主義が多い傾向です。結果さえ出せば、年齢や経験に関係なく高収入を得やすいでしょう。
自動車業界の営業として働きながら身につけた知識は、自動車部品にも及ぶでしょう。自動車関係の転職先では、自動車部品メーカーもおすすめです。
自己PR時には、「自動車部品の製造に興味を持った過程」として、自動車業界の営業として勤務中に起きたエピソードを絡められます。説得力が増し、採用担当者の印象にも残りやすいでしょう。
自動車以外の営業に挑戦したいのであれば、不動産営業への転職が選択肢のひとつとして挙げられます。不動産と自動車では扱う商品こそ違いますが、商品の金額はどちらも高価格帯です。そのため、営業スタイルが近しく、転職の成功率も高いといわれています。
これまでの営業スタイルに自信があり、スタイルを大きく変えたくはないという方にもおすすめです。
自動車業界でディーラーとして営業をしていたのなら、保険営業もおすすめです。保険営業は個人客が顧客であるため、ディーラー経験者は馴染みやすいでしょう。
ただし、取り扱う商品が有形商材から無形商材に大きく変わります。無形商材の営業では有形商材よりも顧客の深層ニーズを捉える力が必要になるでしょう。商品を販売すること以上に顧客の悩みを改善したい、役に立ちたいという気持ちが強い方におすすめの職種です。
自動車業界の営業に転職、または自動車業界の営業からの転職、どちらにしても大切なのは自分に合った転職先を見つけることです。自分の経験を生かせて、なおかつ自分の性分にも合った転職先を探したいのなら、マイナビエージェントをぜひご活用ください。
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自動車メーカーの営業に転職を考えているのなら、まずは自分のしたい仕事内容が営業とディーラーのどちらに近いかを考えましょう。また、自動車メーカーの営業から転職を考えているのなら、自分の強みを知り、強みを生かせる転職先探しがおすすめです。
そのうえでより有利に転職を進めたい、詳しい企業リサーチでぴったりの転職先を見つけたいと考えているのなら、マイナビエージェントをご利用ください。マイナビエージェントでは、業界情報から企業情報まで、多くの情報を元に後悔のない転職をサポートさせていただきます。
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