更新日:2025/01/15
保険業界への転職を考えているけれど、実際の仕事内容がよくわからない、ノルマが厳しいと聞くし、やっていけるかどうか不安、という方もいるでしょう。
ここでは、保険業界の職種や仕事内容、保険業界の仕事が向いている人の特徴など、基礎知識をご紹介します。生命保険と損害保険の違いや、それぞれのメリット・デメリットについても解説します。
目次
保険業とは、不測の事故に備えたい人から保険料を払い込んでもらい、所定の事故が発生したときに保険金を支払う、というサービスを提供する事業のことを指します。保険業界には生命保険会社と損害保険会社、ならびに保険代理店といった企業があります。それぞれの会社の特徴や取り扱う商品、業務内容について、見ていきましょう。
生命保険会社の業務は、契約者から保険料を受け取り、契約内容に応じて保険金を支払う「保険業務」と、顧客から集めた保険料を運用して資産を増やし、保険金や配当などの財源にする「資産運用(金融業務)」に分けられます。
生命保険会社が取り扱う商品としては、「第一分野」と呼ばれる、終身保険や養老保険、個人年金保険などが挙げられます。保険・金融に関する専門的な知識に加えて、顧客のライフプランにフィットする保険商品を提案するための洞察力が必要になるでしょう。
損害保険会社の仕事は、保険商品を販売したり、事故や災害の損害査定を行い、被害者に保険金を支払う手続きをしたりすることです。
損害保険会社では自動車保険や火災保険など、事故や突発的事象による損害を補償する、「第二分野」の保険商品を取り扱います。なお、保険商品には医療保険やがん保険など、生命保険会社も損害保険会社も取り扱うことができる、「第三分野」と呼ばれる商品があります。
保険代理店の仕事内容は生命保険会社や損害保険会社と代理店契約を結んで顧客との契約業務を代行することです。複数の保険会社と契約し、商店街やショッピングモールに出店して、各種保険の相談を受けたり契約を交わしたりする来店型保険代理店は、近年よく目にするようになりました。
不動産業者やハウスメーカー、カーディーラーや修理工場と提携している保険代理店もあります。
保険会社も一般の企業と同様、社内には様々な部署があります。ここでは保険業界の営業職と事務職についてご紹介しましょう。
保険業界の営業職の仕事は顧客のライフプランをヒアリングした上で、適した保険商品を提案することです。保険会社の営業職の場合、電話や飛び込み営業でアポイントを取るアウトバウンドセールスが、保険代理店の営業職の場合は、店舗に来店した顧客に合う保険商品を提案するインバウンドセールスが営業スタイルの主流となります。
保険業界の事務職の仕事は保険の契約に関する書類作成、保険料の領収や入金処理など営業のサポートを行うことです。大手の保険会社では加入者が多く作業量も増加するため、作業のスピードが求められる場合があります。
どんな仕事でも、その仕事ならではのやりがいやおもしろさというものがあります。続いては、保険業界ならではの仕事のやりがいや魅力をご紹介します。
保険業界で働くメリットとして、顧客の悩みや不安に寄り添える、という点が挙げられます。特に生命保険会社の場合、顧客に合う保険商品を提案して人生設計をサポートできることにやりがいを感じることができるでしょう。
また損害保険会社の場合、顧客が自動車事故や火災などのアクシデントに遭った際、迅速かつ的確に対処することで、顧客の不安をやわらげ、経済的にも安心してもらうことができます。一連の処理が無事に終わったあとで「あなたに任せて良かったよ、ありがとう」などと感謝されるのは、何ものにも代えがたい喜びでしょう。
生命保険も損害保険も、ほとんどの人々が生活していく上で遭遇しうる、様々なトラブルやアクシデントに備えるものです。保険業界で働く上で身に付けた知識は自身の生活においても役立つものとなるでしょう。
保険業界のメリットとして、他業界と比べ年収が高い、という点が挙げられます。平成30年に厚生労働省が行った賃金構造基本統計調査では、50歳〜54歳の男性の平均年収は、「金融業・保険業」が最も高いことがわかっています。
また、一般的に、保険会社は歩合制を併用しているため、営業職であれば締結した保険契約の額に応じて、上乗せされる場合があるでしょう。
近年は少子高齢化やそれに伴う生産労働人口の減少により契約数が伸び悩むリスクがあるため、海外への事業展開を図る保険会社も出てきています。海外で幅広く活躍したいと考える方にとっても、保険業界の仕事は魅力といえるでしょう。
続いては保険業界で働く上で知っておきたい注意点をご紹介します。
保険業界を目指す上で、業務がハードな場合があることを認識しておきましょう。特に保険業界の営業職はノルマが厳しいといわれます。また、保険業界の営業職は、獲得できた契約数が給与に反映される、という点もシビアであるといえるでしょう。
保険業界では関連法令が改定されることも多いため、常に最新の知識を吸収しておく必要があります。関連法令に則して顧客に最適なプランを提案する必要があるので、責任の重い仕事であるといえるでしょう。
下記のような方は保険業界に向いているといえます。
人のサポートを行うことに幸せを感じることができる方は、保険業界の仕事に向いているといえるでしょう。また、保険業界の営業職であれば、顧客の話をよく聞いて適切な提案を行うため、コミュニケーション能力が必要になります。他にも、保険業界の仕事には資産運用の業務もあるので、金融への興味がある人は活躍できるでしょう。
保険業界は、「競争が激しい」「ノルマがきつい」といったイメージが強いかもしれません。確かにそういった側面はありますが、顧客の万が一の場面に立ち会い、迅速かつ的確にその場を収めることで、顧客から感謝される仕事でもあります。
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