ネット銀行の普及や海外事業の推進など、銀行業界は変化しつつあります。転職先として人気のある銀行業界ですが、将来性があるのか、気になる人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、銀行の将来性について詳しく解説します。銀行へ転職するメリットやデメリット、転職成功のポイントも紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

銀行業界の現状

銀行への転職を考えている場合は、まず銀行業界の現状について知っておくことが大切です。業界の現状について知ることで将来性があるのか分かり、転職すべきか検討できます。ここでは、銀行業界が直面している市場環境について詳しく解説します。

長引くマイナス金利政策

マイナス金利政策とは、民間の金融機関が中央銀行に預けている預金金利をマイナスにすることです。マイナス金利政策は経済活性化やデフレ脱却を目的としていますが、主な収入源である貸出金利息が大幅に減ることとに繋がるため、銀行では収益構造の変化が強いられています。

海外事業の推進

さまざまな業界でグローバル化が推進されていますが、銀行業界も同様です。各行では成長の著しい新興国へ販路を広げるほか、取引先事業者の海外進出を支援するなどして、収益力向上を図っています。また長引くマイナス金利政策によって厳しい収益環境にあるため、ビジネスの幅を広げる動きが見られています。

銀行業界に将来性がないと言われる3つの理由

かつて多くの人は銀行に対して「安定している」「給与が高い」といったイメージを持っていました。しかし近年では、長引くマイナス金利政策や収益力の低さなどから、「銀行業界は将来性がない」という意見も少なくありません。ここでは銀行業界に将来性がないと言われる3つの理由について解説します。

1.ネット銀行の普及

インターネットが発展したことから、近年ではネット上で口座の開設や預金の引き出し、振り込みなどが可能となりました。ネット銀行が普及することで、直接銀行に足を運ぶ人も少なくなっています。またネット銀行は実店舗を持たない分、手数料が安く金利も高めに設定しているところが多い傾向です。ネット銀行の増加によって、銀行の実店舗やそこで働く従業員の数は少なくなっていくことが予想されます。

2.AIに仕事を奪われる

近年はキャッシュレス決済や仮想通貨といったフィンテック（FinTech）が発展しています。フィンテックは金融を意味する「ファイナンス（Finance）」、技術を意味する「テクノロジー（Technology）」を組み合わせた造語です。

AIの発展によって、お金のやりとりをAIがこなすようになると、銀行員の業務が奪われてしまいます。すべての業務がAIに奪われるわけではありませんが、AIの普及によって銀行員の数が減少する可能性もあるでしょう。

3.人員の削減

ネット銀行やAIの普及、マイナス金利政策による利ざやの減少によって、安定しているといわれるメガバンクでも店舗と人員の削減が進んでいます。大手の金融機関に入社できても、必ずしも安定して働き続けられるとは言い切れない状況になってきました。

また採用人数も年々減少傾向にあります。それでも銀行業界は一定の人気がありますが、将来性は以前よりも低くなっているといえるでしょう。

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これからの銀行業界で求められる人材とは？

変化しつつある銀行業界ですが、今後はどのような人材が求められるのでしょうか。銀行業界への転職を目指す人は、求められる人物像を知り、足りないスキルや経験を補うなどして対策を練ることが大切です。ここでは、これからの銀行業界で求められる人材について解説します。

システムに強い人材

インターネットやAIの発展によってフィンテックが急成長していることから、これからの銀行業界は金融システムに強い人材が求められるでしょう。窓口の事務員が減り、システム部の人員増加が予想されます。金融系のエンジニアは需要が高くなるでしょう。

海外で活躍できる人材

各行で海外事業を推進していることから、海外で活躍できる人材が求められるでしょう。国内では少子高齢化および低金利政策の影響を受け、利益が出しにくい環境となっています。海外へビジネスを広げるためにも、これまで以上に英語力のある人材の採用が増えるでしょう。

銀行へ転職するメリット

銀行の現状や将来性を知り、銀行へ転職すべきか悩んでしまった人も多いのではないでしょうか。しかし銀行へ転職することで年収アップに期待できるほか、金融の知識が身につくメリットがあります。転職を検討している人は、ここで紹介する銀行へ転職するメリット4つを参考にしてみてください。

1.年収が高い

銀行の将来性を不安視している人も多いでしょうが、それでも銀行は年収が高い点が魅力です。特に昇給額が大きく、働き続けることで高年収が期待できます。銀行は利用者が途切れる可能性もほとんどないため、安定して収入が得られるでしょう。

2.社会的な信頼度が高い

銀行は多くの人のお金を預かって管理したり、お金を貸し出したりする仕事です。私たちの日常に欠かせないサービスを提供しており、社会的な信頼度が高いのが魅力です。銀行に勤めているだけで、「信頼できる人」と感じさせることもあるでしょう。

3.安定している

銀行ではビジネスの縮小はあっても、破綻する可能性は低いといえます。なぜなら「預金保険法」という銀行救済のセーフティネットがあり、破綻の兆候がある際は政府が資金を注入し、金融危機を未然に防いでくれるためです。安定性でいえば公務員に近いでしょう。

4.金融の知識が身につく

銀行ではさまざまな金融商品やサービスを扱っています。業務を通じて金融に関する幅広い知識が身につけられるため、プライベートにおけるお金の管理にも役立つのがメリットです。また銀行で働いて得た専門性は、別の金融機関への転職にも活かせます。

銀行へ転職するデメリット

銀行へ転職するメリットは多くありますが、少なからずデメリットもあります。何も知らないまま転職活動を始めると「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうこともあるでしょう。銀行へ転職を検討する場合は、ここで紹介するデメリット2つを参考にしてみてください。

採用難易度が高い

銀行はコストカットのために採用人数を減らしているため、年々採用難易度が高くなっています。転職成功の確率を上げるためには、銀行業界が求める人材にならなくてはいけません。近年の銀行業界では金融システムの発展やグローバル化が進んでいます。システム関連の知識や英語力を身につけるとよいでしょう。

想像以上に業務が大変

銀行によってはノルマを設けていることがあり、精神的なプレッシャーや業務の大変さから、疲弊してしまう恐れがあります。ノルマが達成できないことで解雇や減給になることはありませんが、思うように営業成績が伸びなければ、大きなストレスになるでしょう。

銀行への転職を成功させるポイント

転職の経験が少ないと、無事に銀行へ転職できるのか不安な人も多いのではないでしょうか。銀行は採用難易度が高いため、転職するのは簡単ではありません。ここで紹介する転職成功のポイント3つを押さえ、転職活動に活かしてみてください。

1.求められるスキルを身につける

銀行で求められるスキルを身につけることで、転職を有利に進めることが可能です。職種によっても異なりますが、主に以下3つのスキルが求められます。

• 英語力
• ヒアリング力
• 商品やサービスの知識

銀行では外貨を扱うこともあるため、高い英語力が求められます。窓口や営業の業務に従事する場合は、顧客のニーズを引き出すためのヒアリング力が大切です。また顧客への提案業務においては、商品・サービスの魅力を最大限引き出すための知識が欠かせません。

資格を取る

専門性をアピールするために資格を取得するのもおすすめです。資格を取得する際は、業務に関連性のある資格を選ぶようにしましょう。銀行員におすすめの資格には、ファイナンシャルプランナーや簿記、証券外務員などがあります。

地方銀行や信用金庫を狙う

給与面や安定性の観点から、メガバンクや都市銀行へ転職したい人も多いでしょうが、未経験者の場合は地方銀行や信用金庫を狙うのがおすすめです。そもそも銀行は未経験者を歓迎しているところが多くありません。しかし、地方銀行や信用金庫は未経験者に門戸を開いている傾向にあります。メガバンクへの転職を目指すにしても、まずは地方銀行や信用金庫へ転職して経験を積むほうがよいでしょう。

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まとめ

銀行業界は海外事業の推進や金融システムの普及に伴い、システムに強い人材や英語力のある人材が求められます。銀行に転職するのは簡単ではありませんが、年収が高いことや安定しているといった魅力があるため、前向きに転職を目指すとよいでしょう。

「銀行へ転職したい」「転職のサポートを受けたい」といった人は、ぜひマイナビ金融エージェントへご相談ください。非公開求人の紹介や将来を見据えたキャリアカウンセリングなど、転職のプロがあなたの転職活動をサポートいたします。

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