更新日:2023/12/28
この記事のまとめ
銀行は他業種と比べても給与や待遇が安定しており、働きやすいことから人気のある職業です。しかし、「未経験だと転職できないのでは?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、未経験者でも銀行への転職が可能なのか、詳しく解説します。求められるスキルや転職成功のポイント、志望動機の書き方についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
未経験者を募集している銀行もあるため「未経験では転職できない」と諦める必要はありません。しかし、一般的には新卒採用が多いのが実情です。中途採用で、なおかつ未経験の方はやや高いハードルを超えなければいけません。
金融業界未経験者でも銀行への転職は可能です。しかし、一般職は新卒採用が多い傾向のため、未経験が中途採用で入行するのは難しいといえます。特に都市銀行やメガバンクへの転職は骨が折れるかもしれません。
ただし、地方銀行や信用金庫なら未経験者にも門戸が開かれています。また、法人営業は営業の経験があれば採用される可能性はあります。ほかにも、まずは派遣社員やパートとして働き、銀行内で試験を受けて正社員になる道を目指す方もいます。
未経験者であっても、年齢次第では将来性を見込まれてポテンシャル採用される可能性があります。ポテンシャル採用では、組織への順応性や行動力のある人材が求められます。
特にアピールできる実績や経験がなくても、応募書類や面接で将来の目的や目標を明確に伝えられれば、担当者の目に留まる確率が上がるでしょう。
銀行が未経験者を中途採用する理由は、「人手不足」「他業界の経験を生かしてほしい」などがあります。銀行に限らず、人手不足を抱えている企業は少なくありません。銀行から転職する人もいるため、人材確保に力を入れざるを得ない事情もあります。
未経験者を中途採用するのは人手不足が影響しています。少子高齢化で若者の労働人口は減少しており、人気の高い金融業界でも例外ではありません。
やる気に満ちている人、目標がある人、前職の経験を生かしてくれそうな人など、見込みのある人材は1人でも多く採用したいと考えています。
長引く不況の影響により、日本の終身雇用制度は確実性を失いつつあります。いまでは転職が当たり前の時代となり、待遇面で安定している銀行であっても転職者は多くいるのが現状です。退職した人材の穴埋めとして、未経験者の中途採用をしている銀行もあります。
銀行の窓口営業では、オーナー層を含むさまざまなクライアントと接する機会が多くあります。他業界で実績や経験がある人材を採用し、営業で生かしてほしいという意図で中途採用するケースもあります。金融業界の経験がなくても、法人営業で実績を残していれば採用担当者の目に留まるでしょう。
他業界からの採用者で多い傾向にあるのは、不動産業界やコンサル業界です。ほかに、企業経理の知識があれば、異業種であっても有利になる場合があります。
銀行員を目指すにあたって、まずは基本的な銀行業務を理解しておくことが大切です。銀行の業務には3大業務と呼ばれる「預金業務」「為替業務」「融資業務」があります。以下で概要を解説します。
個人や法人など、多くの顧客からお金を預かり管理する業務が「預金業務」です。預かったお金は、運用した収益を利息として支払う仕組みです。普通預金だけでなく、定期預金や当座預金などの銀行口座も管理します。
一般的に、窓口で顧客対応している銀行員が、預金業務を行っている人です。銀行の顔として、さまざまな年齢層の顧客と接客し、預金商品の提案をします。
振込や送金、代金支払いなどを行うのが「為替業務」です。身近なものでは、電気料金や水道代、電話料金などの公共料金を口座振替するのも為替業務です。
多額の支払いや遠方の人に送金するために利用している方も多いでしょう。為替業務には、日本円の為替取引が対象の「内国為替業務」と、外貨の為替取引が対象の「外国為替業務」の2つがあります。
預金者から預かったお金を、資金を必要としている個人や法人に融資するのが「融資業務」です。融資の例としては、個人では住宅ローン、法人では事業運営の資金などがあります。融資で得た利息が銀行の主な収益となります。
利息を回収できなければ、銀行は大きな損害を受けてしまうため、融資先は慎重に見極めなくてはいけません。銀行の審査部門では融資先を厳しくチェックし、支払い能力があるか審査します。
銀行への転職を成功させるためには、どのようなスキルが求められるのか知っておくことが大切です。銀行では主に、以下3つのスキルが求められます。
上記の中でもコミュニケーション能力と丁寧に仕事をする能力は重要です。仕事はミスのないようにこなし、好感を得られるようなコミュニケーションが必要になります。ここでは銀行の転職で求められるスキルを紹介します。
銀行ではさまざまな年齢層の顧客と接する機会が多いため、コミュニケーション能力が求められます。特に営業の場合は、顧客のニーズをヒアリングし、最適な商品の提案をする必要があります。扱うのは無形商材のため、信頼感がより重要です。
そのためにも、ビジネスマナーや爽やかな口調など、好感を持たれるよう意識しなくてはいけません。自分ばかりが話すのではなく、顧客の話に耳を傾けることも大切です。
銀行は顧客の大切なお金を預かる仕事であるため、丁寧さが求められます。事務処理や数字の桁を少しでも間違えれば、銀行全体の信用を失ってしまいかねません。どのような業務でもミスのないように気をつけ、何度も確認作業を行うことが大切です。
そのため、几帳面な人や真面目な人が向いているといえます。面接では丁寧に受け答えをし、誠実さをアピールできるとよいでしょう。
銀行では財務や経理の知識があれば転職で有利になります。特に法人を対象とする業務では企業経理の知識が生かせるため、大きなアピールポイントになるでしょう。財務・経理の知識を証明するためには、資格を取得するのがおすすめです。
公認会計士といった難関資格でなくても、簿記の資格があれば十分アピールできます。財務諸表を読むためにも、簿記2級以上を取得するとよいでしょう。
銀行への転職を有利にするためには、資格を取得してアピール材料を増やすのがおすすめです。特に未経験者であれば、「金融業界で働きたい」といった意欲もアピールできます。ここでは銀行員への転職で有利になる資格について詳しく紹介します。
ファイナンシャルプランナーは家計のホームドクターとも呼ばれ、身の回りのお金に関する知識を学べる国家資格です。試験では、税金・不動産・相続・資産運用など、幅広い内容が出題されます。金融業界では定番の資格のひとつで、資格を取得することでお金回りに関する知識の証明になります。
実施しているのは「日本FP協会」「一般社団法人 金融財政事情研究会」です。ファイナンシャルプランナーには3級・2級・1級がありますが、まずは3級を取得し、2級を目指すとよいでしょう。
簿記検定は経理や会計の知識を身につけられる検定試験です。簿記を勉強することで、財務諸表を読めるようになったり、帳簿をつけられるようになったりします。またお金の流れを把握できるようになるため、銀行業務においては重宝される資格です。
簿記検定には、「日商簿記検定」「全経簿記能力検定」「全商簿記検定」の3つがあり、それぞれ主催が異なります。最も有名なのは日商簿記検定で、日本商工会議所が主催しています。日商簿記検定は、初級・3級・2級・1級と4段階のレベルがありますが、転職でアピールするためには、2級以上を取得するとよいでしょう。
証券外務員は、金融商品の勧誘や販売をするために必要な資格です。証券会社で働くために欠かせない資格のひとつですが、銀行員に必須の資格ではありません。しかし、取得することで幅広い金融商品の知識を証明できます。
主催しているのは日本証券業協会です。証券外務員には一種と二種があり、それぞれ取り扱える金融商品に違いがあります。そこまで難関な資格ではないため、余裕があれば取得するとよいでしょう。
未経験者が銀行へ転職するのは、簡単ではありません。しかし、銀行業務で生かせる資格を取得したり、前職で培ったスキルを棚卸ししたりなど、対策方法はあります。
また地方銀行や信用金庫など、未経験者でも受け入れている銀行はあるため、きちんと対策をしておくことで転職の成功確率を上げることが可能です。ここでは、未経験者が銀行へ転職するための対策を3つ紹介します。
未経験者が中途採用で入行する場合は、未経験者を募集している銀行を探すのが基本です。銀行は新卒採用が一般的であるため、未経験の中途採用はある程度限られてきます。しかし、地方銀行や信用金庫では未経験者を募集している求人があります。注意する点は、30代以降の転職は未経験だと少々難しくなることです。
なお、エンジニアの経験がある方はネット銀行への転職で重宝されるケースがあるため、前職を存分にアピールしましょう。
転職活動を始める前に、銀行員への転職に有利な資格を取得しておくことで採用される確率を上げられます。転職活動まで時間があれば、ファイナンシャルプランナーや簿記検定といった、銀行業務で役立つ資格を取得するとよいでしょう。
転職を成功させるには、どのようなスキルをアピールできるかが大切です。前職で培ったスキルや実績の棚卸しをして、銀行業務で生かせるスキルを整理しておくとよいでしょう。
前職が営業職であれば、実績やコミュニケーション能力などがアピール材料になります。「企業の経理を担当していた」「数字を扱う仕事をしていた」など、前職の経験から基づくアピールポイントを探してみてください。
転職において、採用の大きなポイントになるのは「志望動機」です。特に異業種へ挑戦する際は、しっかりと志望動機で転職理由や意欲をアピールする必要があります。
志望動機をきちんと作り込まないと、「どうして弊行を選んだのだろう」「すぐ辞めるのではないか」と採用担当者に思われてしまうでしょう。ここでは、志望動機の考え方と例文を紹介します。
「なぜ銀行への転職を志したのか」「なぜその銀行を選んだのか」といった、面接で聞かれやすいポイントは明確にしておくことが大切です。面接でスムーズに答えられなければ、採用担当者からの評価が下がる原因になります。
数ある銀行の中でも、「どのような特徴に目をつけて選んだのか」しっかりと答えられるようにしておきましょう。銀行の特徴や強みを見つけるためには、情報収集を徹底する必要があります。他銀行にはない特徴を見つけ、志望動機と結びつけられるようにしましょう。
これから銀行業界へチャレンジする方向けに、未経験の志望動機のサンプルを例示します。細かな設定は自身のケースに置き換え、利用できるポイントは取り入れてみてください。
【例文】
前職では精密機器を扱うメーカーの法人営業に携わっておりました。営業活動では、お客様とのコミュニケーションを大切にし、最適な提案ができるよう商談を心がけてきました。
貴行に応募したのは、地域密着型の地方銀行として、人々の暮らしと地域共創を目指して活動している点に魅力を感じたためです。
前職とは異なる業種ではありますが、培った交渉力やコミュニケーション能力を生かし、人々の暮らしを豊かにできるような仕事がしたいと考えております。
未経験者でも銀行への転職は可能です。特に20代であれば、長期的なキャリア形成を見込んでポテンシャル採用されるケースがあります。しかし、未経験から銀行への転職は簡単ではありません。特に志望動機はきちんと作り込む必要があります。
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