更新日:2022/04/14
証券会社と契約して金融商品を仲介するIFA(Independent Financial Advisor)は、証券会社にとってなくてはならない存在です。では、IFAとして働くためにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、IFAになるための資格や必要とされるスキルについてわかりやすく解説します。
目次
まずはIFAという職業について詳しく紹介します。
IFAは「Independent Financial Advisor」の略称で、独立系のファイナンシャル・アドバイザーのことを指しています。一つの金融機関に所属するのではなく、独立かつ中立的な視点で資産運用をサポートする立場です。
IFAとして働くためには、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。そのうえで金融商品を扱う証券会社などと業務委託契約を結び、株式や債券、投資信託などの金融商品の仲介をおこないます。
IFAは主に資産運用のサポートをメインにおこないますが、似た名前の職種としてFP(Financial Planner)がありますが、FPはライフプランのサポートをメインにしている点で違いがあります。
金融商品の購入を通して資産を増やしたい場合は、IFAに相談することで有効なアドバイスを受けられるでしょう。一方、マイホームの購入や結婚、出産に関するお金の相談をしたいのであれば、FPに相談することで保険商品や家計のやりくりなどのアドバイスを受けることができます。
ここでは、IFAに必要な資格についてご紹介します。
IFAになるためには「証券外務員試験」に合格しなければいけません。証券外務員は日本証券業協会による試験で、金融商品を扱うためには取得が不可欠です。一種と二種があり、一種の方がより幅広い知識を必要としますが、信用取引などのリスクが大きい商品も扱えるようになります。
生命保険の販売に携わるのであれば必ず取得しなければならない資格です。「一般課程試験」と「変額保険販売資格試験」の2種類があります。一般資格試験は定額保険のみ販売できる資格です。変額保険販売資格試験に合格すると、その名のとおり変額保険の販売が許可されます。
会社組織の部署や支店において営業活動が正しく行われているかを管理する立場の人が取得する資格です。日本証券業協会が主催する試験で、合格すれば内部管理責任者としての業務に携わることができます。
日本FP協会が主催するFP技能士試験や一般社団法人 金融財政事情研究会が主催するFP技能検定に合格しCFPやAFPに登録すると与えられる資格です。幅広い金融知識を活かしてアドバイスできる能力を持っていることが証明できるため、顧客の信頼を獲得するうえで大いに役立ちます。
IFAは自らが主体となって顧客をサポートする仕事です。求められるスキルとしては次の4つが挙げられます。
新規顧客の信頼を獲得して契約に結びつけるためには、相手との会話の中で信頼を高められるような円滑なコミュニケーションを取らなければいけません。コミュニケーション力はIFAにとって重要なスキルの一つとなります。
IFAには、顧客自身も気がついていない可能性がある課題を質問によって導き出し的確な提案で解決することが求められます。そのため、顧客がどのような課題を抱えているのかを会話の中で導き出すヒアリング能力も必要となります。
IFAは特定の金融機関に所属することなく、独立かつ中立な立場で顧客にアドバイスをする仕事です。誰かの指示を仰ぐのではなく、顧客の状況や課題に合わせた提案を自分自身で組み立て、計画的に進めていく必要があります。自分の判断を信じて業務を進める決断力が求められる仕事であるともいえます。
資産運用の悩みに対して的確にアドバイスをする役割を担うIFAは、多様な観点から顧客をサポートできるよう、資産運用に関する深く幅広い知識を身につけていなければなりません。
では、IFAになるためには具体的にどのような段取りを踏む必要があるのでしょうか。
有価証券などの金融商品を扱うためには証券外務員の資格を取得していなければなりません。そのため、まずは証券外務員を受験するところからスタートする必要があります。基本的には信用取引なども扱える証券外務員一種を取得したほうが業務の幅が広がりますが、二種でも携われる業務はあります。
証券外務員を取得したら、IFAの法人に就職するか企業に属さずに独立するか、どちらかの方法の選択することになります。またIFAの法人に所属する場合は、正社員として雇用契約を結んで給与を得ながら仕事をする方法と、業務委託契約を結んで歩合制の報酬を得る方法の2通りの方法あります。
すでにIFAとしての経験があり、証券会社をはじめとした金融商品を扱う業者が後ろ盾になってくれるのであれば、独立金融商品仲介業者として独立する方法も選択可能です。この場合は、証券会社と業務委託契約を締結して内閣総理大臣からの登録を得る必要があります。
新たに仲介業者として独立する場合はさまざまな初期費用が発生します。法人登録のための登録免許税や法人設立費、開業のためのオフィス賃貸費用など費用面がデメリットになる場合もあるので、あらかじめ十分に試算しておくことが大切です。
ここまで、IFAになるための資格や必要とされるスキルについてお伝えしてきました。IFAとして活躍するには証券外務員の資格取得が必須です。まずは十分な準備をし、試験に合格できるだけの知識やスキルを身につけましょう。
働き方を選ぶことができる点においては、IFAは自らの力量によってどんどん活躍できる仕事だといえます。資金面や経験を加味し、将来のビジョンも明確に描きながら、自身にとって適切な方向性を選ぶようにしましょう。
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