更新日:2022/04/12
新卒採用のイメージが強く、人気が高く競争率が激しいと言われている銀行。中途での転職は難易度が高いと言われていますが、面接に向けてしっかり対策を取ることができれば、そのハードルを超えることも決して不可能ではありません。
ここでは、銀行の面接において想定される質問とその回答例について解説します。
目次
まず、銀行の面接において、面接官はどのようなポイントに注目しているのでしょうか。
面接官は面接の短い時間を通して「相手の目を見て話せているか」「言葉遣いに違和感はないか」をチェックしています。
お客様が銀行の窓口で接する行員に抱く印象は、その銀行全体に対して抱く印象に直結します。「あの銀行の行員に失礼な態度を取られた」と相手に感じさせてしまうような印象を与えてしまうと、銀行そのもののイメージ低下につながる可能性があるため、一人ひとりのコミュニケーションやマナーは面接時から厳しくチェックされるのです。
入社後に伸びる人材かどうかを見極めるために、仕事に対するモチベーションもチェックされています。
例えば「給与が高いので御行を志望しました」と答える志望者よりも、「銀行員としてお客様のライフステージを間近で支える仕事をしたいと思い志望いたしました」と答える志望者の方が、当然印象は良くなるでしょう。学ぶ意識の高さや熱意を積極的にアピールすることが大切です。
面接は事前に提出したエントリーシートの内容に沿って進められるのが一般的であり、書かれている内容に関する具体的なエピソードや、その時に得たもの、感じたことなどが尋ねられます。その中で面接官は、本人の考え方や価値観に一貫性があるかどうかをチェックします。
極端な例ですが、志望動機を尋ねられて「絵を描くことを通して芸術を生み出す楽しさを知り、銀行員を志望しました」と答えても納得感は得られないでしょう。志望者の価値観と銀行への志望動機が見合っているかどうかは、面接する側にとって重要なポイントなのです。
入行したらどのように貢献できるかを示すことも重要です。「前職ではインサイドセールスを担当していたため、お客様のニーズを引き出した適切なアプローチが得意です。お客様に最適な金融商品を提供する上で、前職の経験を活かせると感じています」など、具体性のあるエピソードを交えて伝えましょう。
金融業界は専門性が高く、政治の動向や経済状況との関連も強い世界です。銀行で扱う金融商品も更新サイクルが早く、適切な商品をお客様に提供するためには日頃から勉強が欠かせません。そのため面接官は、「金融業界への興味・関心は充分か」「基本的な知識が身についているか」を見ています。国内の政治経済だけではなく世界情勢も把握し、広い視野で物事を見通せる人材を求めています。
銀行の面接でよく聞かれる6つの質問とその回答例を紹介します。事前にシミュレーションを行い、対策をしておきましょう。
<回答例>
「金融業界は、日々変動する国内および世界情勢について学び続けることが大切な業界であると感じています。幼い頃から経済に関心を持ち続けてきたため、関心の高さを仕事に活かしたいと思い志望いたしました。」
<気をつけるべきポイント>
数ある業界の中でなぜ金融業界を選んだのかは頻出の質問です。その理由をできるだけ具体性をもって回答できるようにしておきましょう。
<回答例>
「お客様一人ひとりの背景に寄り添った提案をするためには、できるだけ多くの選択肢があることが望ましいと考えています。その点、御行はバリエーション豊かなプランを用意されており、ライフステージに沿った的確な資産運用が提案できると感じました。その商品を私も広く勧めたいと考え、志望しております。」
<気をつけるべきポイント>
志望理由が他の銀行でも叶えられるものだと思われないように、事前にしっかりと企業研究を行った上で回答を準備しましょう。
<回答例>
「私が銀行を志望したのは、金融業界の中でもとりわけ人々の生活に寄り添う仕事であると思ったからです。一人ひとりのライフステージをお金の面から支えて豊かに彩る銀行のあり方に惹かれています。」
<気をつけるべきポイント>
金融業界にも保険や証券など複数の業種があるため、「なぜ銀行なのか」はよく問われます。「銀行でなければならない理由」を具体的なエピソードを交えて回答しましょう。
<回答例>
「私の強みは、複数の意見がぶつかりそうになった時でもそれぞれの意見を尊重しながらまとめられることです。大学のゼミではゼミ長を務めており、多くのメンバーの意見がすり合わない時には率先して現在の議題と問題点を指摘し、その上で折衷案を提示して、できるだけ多くの人にとって納得のいく結論になるように努めていました。どのような性格の人とも気さくに話せるコミュニケーション能力や課題解決力には自信があります。」
<気をつけるべきポイント>
誰にでも当てはまるような無難な内容ではなく、オリジナリティのある自分だけのエピソードを語ることが大切です。その場の状況が具体的にイメージできる内容が望ましいでしょう。
<回答例>
「私は学生時代、塾講師のアルバイトを3年間続けていました。昔から弟の勉強を見る機会が多く、誰かに物事を教えるのが好きだったからです。
始めてから日が浅いうちは生徒のやる気が思うように上がらず悩むこともありましたが、ある時、教えることに必死になりすぎて一人ひとりの生徒に向き合いきれていないことに気がつきました。そのことを理解してからは、生徒一人ひとりの個性を見つめ、「どのように接すればやる気を出してもらえるのか」「興味を惹きつける授業とはどのようなものなのか」を考えるようになりました。
最終的に「先生の授業が楽しみ!」と言われることが多くなり、多くの生徒が成績を伸ばしてくれました。」
<気をつけるべきポイント>
経験を通してどのような問題が生じ、解決するためにどんな行動を取ったのかについて明確に話すことが大切です。結論よりも過程を重視して回答を組み立てましょう。
<回答例>
「私が御行に入社したら、一人ひとりのお客様の人生設計に寄り添った商品を提案できる柔軟性の高い営業になりたいと考えています。ゆくゆくは商品開発にも携わり、どのようなプランを用意すればより多くの人をサポートできるのかをさまざまな観点から考えられる人材になりたいと思っています。」
<気をつけるべきポイント>
入社後すぐにやりたいことだけでなく、長期的なビジョンもあわせて伝えます。「将来のことも考えてくれているんだ」という印象を与えることで、熱意が伝わりやすくなります。
次に、実際に面接を受ける際に心掛けておくべきポイントやコツなどを紹介します。
難しい質問を投げかけられると焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて正直に答えることが大切です。嘘をつくと、その部分を深堀りされた時にさらに嘘を重ねてしまうことになります。時間がかかっても、慌てずにはっきりと、そして正直に回答しましょう。
常に新たな情報が更新され続ける金融業界では、入社後も学び続ける姿勢が大切です。あらかじめ金融業界の基礎知識を身につけた上で、面接時点では最新情報まで把握しておくと、金融業界への熱意が伝わりやすくなります。
面接時の会話に説得力を持たせるためには、自分の体験したエピソードを交えて話すのが有効です。「〇〇のような体験をきっかけに金融業界を志望しました」など、具体性のある回答を心がけると、面接官は納得感を得やすくなります。
面接の終わりに「質問はありますか?」と尋ねられるのは定番の流れです。慌てないように、あらかじめ内容を絞り込んでおくことをおすすめします。
<回答例>
「御行では今後どのような事業展開をお考えですか?」
「御行で働くにあたって準備することはありますか?」
<気をつけるべきポイント>
業務に関する質問をするのが一般的ですが、自分で調べられる範囲の情報を聞くことは避けましょう。また、何も質問をしないと自社に対する意欲が高くないと判断される可能性もあるので、最低でも一つは質問することが大切です。
銀行の面接は質問内容がある程度予測できる場合が多いので、事前にしっかりと対策を行うことが有効です。自身の経験を振り返り、アピールできる強みや具体的なエピソードなどを準備しておきましょう。
どのような対策をすれば良いのか不安に感じている場合は、プロのキャリアアドバイザーが面接対策も含めさまざまな面から転職活動をサポートしてくれる転職エージェントの利用がおすすめです。マイナビエージェントでは、手厚いサポート体制で一人ひとりに合った企業を紹介し、内定を獲得するためのさまざまな支援を行っています。
ここまで、銀行の面接で想定される質問とその回答例について解説しました。
お客様に与える印象が重要視される銀行では、他業種に比べて面接時のチェックが厳しい傾向にあります。基本的なマナーを守りつつ、入社への熱意をしっかりと表現することが大切です。金融業界を選んだ理由や、なぜその銀行でなければならないのかなど、自分なりのこだわりを盛り込みながら、あなた自身の言葉で熱意を伝えるようにしましょう。
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