更新日:2022/11/10
保険営業は、将来起こるかもしれないリスクに備えるための保険商品を販売する仕事です。アパレルや小売りのように、実際に存在している商品を売るわけではないことから、顧客の信頼を得ることが売上を左右する重要なポイントとなります。なかなか契約が取れないといわれることもある保険営業ですが、だからこそ営業個人の実力やスキルを発揮しやすいともいえるでしょう。
ここでは、保険営業への転職を検討している方や、なかなか契約を取れずに悩んでいる方に向けて、保険営業の仕事内容と、どうすれば契約を取りやすくなるのかについてご紹介します。
目次
営業職は、自社の商品やサービスを他者に販売する仕事です。会社は収益が上がらなくては存続できませんから、ほとんどの会社にとって、営業はなくてはならない仕事だといえるでしょう。実際に営業職は、業種を問わず、多くの会社に存在している職種です。
営業の仕事内容は、取扱商材や販売方法、顧客の種類などによって大きく異なります。
たとえば、来社した相手に対して商品を紹介するのか、飛び込み営業をするのか、問い合わせをしてくれた相手にアポイントを取って商談に行くのかといった違いがあります。
保険営業の仕事は、自社が取り扱っている保険商品を提案して、契約手続きを行うことです。
保険営業の大きな特徴として、「商品と代金をその場で交換するサービスではない」という点が挙げられます。保険営業は物を売る仕事ではありませんし、その場でサービスを提供してお金を支払ってもらうわけでもありません。「将来起こるかもしれない事態」に備えるものです。
自社の保険商品の魅力を伝えるだけでなく、家族構成や収入などをヒアリングした上で、各家庭のライフプランの作成や、資金計画のアドバイスを行うこともあります。
保険営業が向いているのは、下記のような人です。
保険営業は、それぞれの家庭の状況やその人が抱える不安をヒアリングしながら、将来のリスクや不安をカバーするための提案を行う仕事です。顧客の不安に寄り添い、的確なアドバイスを行うことができる方に向いている仕事だといえるでしょう。
保険営業の仕事は、保険会社と保険代理店で異なる特徴があります。保険営業を目指す際には、両者の違いを知っておきましょう。
保険会社の営業担当者は、自社の保険商品を顧客に対して販売することになります。電話でアポイントを取ったり飛び込み営業を行ったり、また、自らの人脈などを駆使して、新規顧客を開拓するケースもあります。
保険会社の営業担当者は、ノルマを課されるのが一般的です。契約を多く取ることができれば、それだけ多くの給与を得ることができます。
保険会社の営業では、自社の保険商品の知識を深めて、他の商品とは異なる魅力・メリットを顧客に伝えることが重要です。
保険代理店の営業担当者は、契約している複数の保険会社の商品の中から、顧客に適した保険を提案します。自分から営業をかけるのではなく、主に店舗に来店した顧客や、問い合わせがあった顧客に対して保険商品を提案するのが仕事です。
また、保険代理店の営業担当者は、複数の保険会社の商品を取り扱うことから、様々な保険商品について知識を身に付ける必要があります。
なお、保険会社とは異なり、保険代理店では営業担当者個人ではなく店舗ごとにノルマが設定されている場合が多くなっています。
生命保険会社と損害保険会社、それぞれが取り扱う保険商品は下記のとおりです。
生命保険会社が取り扱うのは、生命保険や養老保険、学資保険、個人年金保険など、「第一分野」と呼ばれる保険商品です。
損害保険会社が取り扱うのは、自動車保険や火災保険、地震保険など、「第二分野」と呼ばれる保険商品です。損害保険は、予期せぬ交通事故や火災、地震、台風、盗難などによって生じた損害・損失を補償する保険です。
一般的に契約期間が10年以上になる生命保険と比べて、損害保険の契約期間は1年~数年と短いのが特徴です。
医療保険や介護保険など、生命保険会社と損害保険会社の両方が取り扱う保険商品を「第三分野」と呼びます。
以前、第三分野の保険商品を取り扱うことができるのは国内の中小規模の生命保険会社、ならびに外資系の保険会社のみでしたが、保険業の規制緩和により大手の生命保険会社や損害保険会社も取り扱うことができるようになりました。
保険営業の仕事は、保険商品の提案・販売を通して顧客の人生に深く寄り添うことです。
続いては、保険営業の仕事のやりがいをご紹介します。
仕事を通して、顧客が安心して暮らしていくための手助けができるという点は、保険営業の大きなやりがいです。顧客に適切な保険商品を提案することで、人生設計をサポートすることができます。
保険営業で顧客の人生設計のサポートを行うには、保険商品の知識だけでなく、公的支援制度や年金制度などに関する知識が必要です。こういった知識は、自身の生活においても役立てることができるでしょう。
保険業界の関連法令は、改正されることがあります。保険営業を行う上では、保険業界の関連法令について、常に最新の知識を身に付けておく必要があります。勉強は大変ですが、仕事をしながらスキルアップできる点はメリットといえるでしょう。
保険営業は、成績によっては多額の給与を得ることができる仕事です。特に、保険会社の営業担当者は、一般的に成果が給与に反映されるため、人によってはやりがいを感じることができます。
保険営業として成功するためには、人との関係を十分に築いていく必要があります。
続いては、保険営業で成功するために覚えておきたい、5つのポイントをご紹介します。
保険営業として働く上で、知り合いが多いと有利になる場合があります。
知り合いが多くいれば、その中に、保険に加入したいと考える人もいるでしょう。その人に保険商品を提案し、満足が得られれば、そこからさらに別の人を紹介してもらえる可能性も高まります。
保険営業に限らず営業では、相手の話を聞くことが大切です。最初から保険商品の売り込みを行うと、顧客に不信感を抱かれてしまうリスクがあります。
まずは顧客の話をよく聞いて、顧客が悩みを相談してきたらアドバイスを行うなど、顧客とのあいだに信頼関係を構築しましょう。顧客からの信頼を得ることで、契約につながる場合があります。
保険には民間の保険だけでなく、医療保険や年金保険といった公的保険もあります。顧客から公的保険について質問を受けたときは、正確な情報を伝えるようにしてください。
自社の保険に加入してほしいからといって、公的保険の情報を隠して契約を進めるようなことがあってはいけません。保険営業の仕事では、顧客との信頼関係を第一に考えることが大切です。
保険業界の関連法令は、刻々と変化しています。保険業界の関連法令に関して、常に最新の情報を身に付けて、顧客に適切な提案を行うことができるといいでしょう。
契約のノルマを達成したいからといって、保険契約を急ぎすぎると、相手との信頼を損なうリスクが高まります。
納得した上で契約してもらうためにも、顧客の都合を最優先に考えて、長期的に構えることが大切です。
保険営業は、離職率が高いといわれることがあります。しかし、厚生労働省が行った調査によると、2020年の全体の離職率が15.6%であるのに対し、金融業・保険業の離職率は10.7%と、それほど高くないといえます。
しかしながら、ノルマが厳しい、契約が取れないと給与がアップしないなど、保険営業の仕事がハードであるのは確かでしょう。
注意点として、同じ保険営業であっても、報酬体系や仕事内容は企業によっても異なりますので、応募企業を選ぶ際には綿密な情報収集を行うことが大切です。
保険営業の仕事は、取り扱う商品によって異なります。また、就職した会社が保険会社か保険代理店かによって、ノルマの厳しさや給与形態も異なります。保険営業の仕事に転職したいと考えている方は、希望や条件に合った求人を探して、転職後のミスマッチをなくすようにしましょう。
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