更新日:2022/07/07
この記事のまとめ
「金融業界の営業職へ転職したいけど資格は必要?」「未経験でも転職できる?」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。金融業界の営業職は資格がなくても転職できますが、採用担当者にスキルをアピールするには金融関連の資格を取得するのがおすすめです。
この記事では、金融業界の営業職におすすめの資格をまとめて解説します。転職を成功させるポイントも紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
金融業界とは、金融機関や企業などが属する業界のことです。ここでいう「金融」とは、「お金を持つ人や組織がお金を必要としている人に対してお金を融通すること」を意味しています。
金融業界には主に、銀行、証券会社、保険会社の3つのビジネスモデルが存在します。
銀行はお客様から預かったお金を個人や法人に対して貸し付け、利息を支払ってもらうことによって利益を生み出しています。
証券会社は投資家が株式や投資信託などの金融商品を購入するにあたって仲介役を担い、仲介手数料を受け取ったり、自社で株式を運用して利益を生み出したりするビジネスモデルです。
保険会社は保険商品の加入保険料を元手として、加入者が事故や病気などに見舞われた際に保険金を支払います。加入保険料や運用益によって利益を確保しています。
金融業界の営業職は、取り扱う金融商品によって資格が必要な場合があります。たとえば、金融商品の勧誘・販売には「外務員資格」、生命保険や損害保険といった保険商品の勧誘・販売には「保険募集人」の資格を持っていなくてはなりません。
金融系の資格は転職に必須ではありませんが、保有していればアピール材料になるでしょう。企業によっては、応募資格として特定の資格を指定しているケースもあります。
金融系の資格があると有利であることは分かっても、どの資格を目指せばよいか悩む方もいるでしょう。ここでは、金融業界の営業職におすすめの資格をご紹介します。それぞれの資格を取得するメリットや学べる内容を解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
外務員資格は、株式や債券といった金融商品の勧誘・販売に必要な資格です。資格を取得することで、金融商品や経済、法令の知識が身につきます。転職に必須の資格ではありませんが、銀行や証券会社への転職でスキルをアピールできるでしょう。
日本証券業協会の主催で「二種外務員資格」「一種外務員資格」があります。二種外務員資格は、信用取引やデリバティブ取引のようなリスクの高い商品は扱えませんが、一種外務員資格はすべての有価証券の扱いが可能です。
証券アナリストは、金融・投資の専門的な知識を証明できる資格です。資格を取得することで、投資データの分析や評価、ポートフォリオの構築など、投資の専門的な知識や分析技術が身につきます。
主催は日本証券アナリスト協会です。第一次レベル講座と第二次レベル講座を順に受講し、試験に合格することで取得できます。ただし、資格を取得するためには金融業界で3年以上の実務経験が必要となる点に注意が必要です。
CFAは「Chartered Financial Analyst」の略称で、日本語では「米国証券アナリスト」と呼ばれる資格です。国際的に認知度の高い資格で、取得すると世界中で活用することができます。
CFAに認定されるためには3種目の合格と4年以上の投資・分析関連の実務経験が必要になるため、入社後すぐに取得することは難しく難易度も高い資格ですが、取得すると高いスキルを証明できます。
保険募集人は、保険商品の勧誘・販売に必要な資格です。生命保険は一般課程試験、損害保険は損保一般試験に合格しなければなりません。資格を取得することで、各種保険の知識が身につきます。
保険募集人の資格は、保険会社や代理店へ入社した後に取得するのが一般的です。保険会社は未経験者でも採用していることが多いため、まず入社を目指すとよいでしょう。
FPは「家計のホームドクター」とも呼ばれ、身近なお金回りの知識を証明できる資格です。資格を取得することで、税金や年金、不動産の幅広い知識が身につきます。
FP技能検定は、日本FP協会と一般社団法人金融財政事情研究会が主催する国家試験です。試験は1級から3級まであり、3級は誰でも受験可能ですが、2級以降からは受験資格が要ります。まずは3級の取得を目指すとよいでしょう。
プライベートバンカーは、富裕層や準富裕層を対象に、一族の資産保全や相続を支援する専門家のことです。プライベートバンカー資格は日本証券アナリスト協会が主催しており、「PBコーディネーター」「プライマリーPB」「シニアPB」の3種類があります。
資格を取得することで、金融や財務の幅広い知識と専門性の証明が可能です。金融業界の営業職で必須の資格ではありませんが、富裕層やオーナー層の要求に応え、総合的なアドバイスをできる力が身につきます。
金融業務能力検定とは、金融業務に関する知識や実務遂行力を評価する検定試験です。多種多様な分野やコース、レベルがあり、現在は37種目あります。
種目は自身の学びたい内容や目的によって選ぶとよいでしょう。銀行で働きたい場合、預金コースや融資コースがおすすめです。試験は通年実施しているため、自身のペースで勉強できます。
銀行業務検定とは、銀行や証券会社、保険会社などで働く職員が自身の能力を測定するために活用される試験です。種目が豊富であり、法務や財務、年金、マネジメント、相続など、多種多様な種目の中から受験科目を選べるため、自分の担当分野に合わせてスキルを測定することが可能です。
TOEICは英語でコミュニケーションを取るために必要な能力を測るテストで、主催は一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会です。テスト結果は合否ではなくスコアで評価されるため、自身の英語力がどの程度か数値で把握できます。
転職でアピールするには高スコアを取る必要があり、外資系企業や海外勤務を目指すのであれば、800点以上を目指すとよいでしょう。
アクチュアリーとは、確率や統計などの数理分析を活用するプロフェッショナルであることを証明するための資格です。年金や保険に関する課題を解決する機会が多く、国際的にも需要があります。
基本5科目に合格すると準会員となり、専門2科目に追加で合格したうえでプロフェッショナリズム研修を受講すれば正会員として認められます。
税理士とは、納税者が所得に基づいて納税するためのサポートを行う仕事です。税理士試験は15〜20%程度の合格率と難易度が高い試験ですが、合格すると税金に関する豊富な知識を有していることが証明できます。
公認会計士は会計監査のプロフェッショナルです。企業や組織が正しく運営されているかどうかを会計の観点から監査する役割を担います。
税理士と並んで難易度が高い試験ですが、合格すると会計に関する豊富な知識を有していることが証明できます。
貸金業務取扱主任者とは、金銭の貸付を行う現場でコンプライアンスが守られているかどうかを監督する人のことです。現場においてお客様の個人情報を保護したり、反社会的勢力との関係を持たないよう徹底したり、違法行為を排除したりすることが求められます。
全50問からなる資格試験では貸付に関することや資金需要者等の保護に関することなどが問われます。
宅地建物取引士とは、宅地や建物を販売するにあたって取得が必要な資格です。不動産会社などで住宅や土地を販売するうえで受験するのが一般的で、取得すると宅地や建物に関する公正な取引の知識が身につきます。
これらの他にも、DCプランナーや中小企業診断士、社会保険労務士、内部管理責任者など、おすすめの資格はたくさんあります。自分が目指しているものを明確にし、最終的に到達したい姿に合わせて資格を取得することをおすすめします。
金融業界未経験者でも、金融業界の営業職へ転職可能です。特に保険会社の個人営業は、未経験者でも採用するケースが多くあります。一方、メガバンクや都市銀行は新卒採用が中心で、未経験者の転職は厳しいといえるでしょう。
銀行へ転職したい場合、まずは未経験者を募集している保険会社や証券会社へ転職し、スキルとキャリアを積むのがおすすめです。また、営業職ではなくコールセンターや事務職で入社し、知識を身につけてから同業他社の営業職を目指すのもよいでしょう。
金融業界の営業職に転職するには、求められるスキルを把握することが大切です。営業職では基本的にコミュニケーション能力が求められますが、ほかにも金融商品の知識や情報収集力も欠かせません。ここでは、金融業界の営業職に求められるスキルをご紹介します。
金融業界の営業職は、顧客との信頼関係が不可欠です。信頼を得るには、顧客のニーズを丁寧にヒアリングし、適切な金融商品を提案しなければなりません。また、金融商品のような無形商材の場合、商品を分かりやすく説明することも大切です。常にコミュニケーションを取り、商品の特徴や魅力をしっかりとアピールできるとよいでしょう。
金融業界の営業職は、顧客に最適な商品を提案する必要があります。そのためには、顧客の経営状況の把握だけでなく、業界の動向やトレンドに関する情報収集が欠かせません。特に株式や債券は経済の動向に大きく影響を受けます。金融商品も次々に新しいものが出てくるため、日々情報のアップデートが必要です。
金融商品を購入するタイミングを見極めるには、判断力が大切です。株価や為替は常に変動します。売買のタイミングを誤れば、損失を出しかねません。顧客にどのタイミングで商品を勧めるのか、適切な判断力が求められます。
すべての現場で必要になるわけではありませんが、外資系などの一部の企業では営業にも英語力が求められることがあります。募集要項に「TOEIC○○○点以上」などの規定がある場合は、あらかじめ規定された試験を受験して英語力があることを証明しなければなりません。
また、海外のクライアントとの商談が発生する企業であれば実務として英語を使うケースもあるため、実用的な英語力を身につけておく必要もあるでしょう。
転職を成功させるにはポイントを押さえることが大切です。応募先に求める条件を明確にしたり、企業の情報収集を徹底したりと、入念に準備しましょう。特に未経験者の場合、志望動機できちんとアピールすることが大切です。ここでは、転職を成功させるポイントを紹介します。
まずは、応募先に求める条件を明確にすることが大切です。たとえば、「年収400万円以上」「残業は月に30時間以内」「土日休み」「勤務時間は○○分以内」といった条件を細かく決めるとよいでしょう。ただし、あまりに条件が多いと、条件に合う転職先が見つからない場合があります。同時に、妥協してもよい条件も決めておきましょう。
気になる企業の情報収集を徹底しましょう。きちんと情報収集することで、「社風が合わなかった」「思っていた仕事ではなかった」といった入社後のミスマッチを防げる場合があります。
求人情報の記載内容だけでなく、企業の公式サイトやSNSなど、インターネットを駆使して調べるとよいでしょう。気になる企業をいくつかピックアップし、比較するのもおすすめです。
採用担当者にアピールするには、志望動機を入念に作り込むことが大切です。採用担当者は応募者の志望動機を読み、「自社にマッチする人材か」「売り上げアップに貢献できそうか」といった判断をします。
志望動機がありきたりの内容で採用担当者から見て魅力的でなければ、採用は厳しいでしょう。経験者と比べ、未経験者はキャリアの面で不利です。キャリアの不利を補うためにも、志望動機できちんとアピールする必要があります。
金融業界の営業職へ転職する際に、必ずしも資格が必要なわけではありません。ただし、金融商品の勧誘・販売には資格が必須である点に注意しましょう。採用担当者にアピールするには、FP資格や証券アナリストといった金融知識を証明できる資格を取得するのもおすすめです。
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