更新日:2023/03/16
この記事のまとめ
「第二新卒で大手へ転職したいけど不安」
「中小企業から大手への転職を考えているけど難しいのではないか」
と考えている方も多いと思います。しかし、大手企業への転職で求められるのは大手企業での就業経験ではありません。
また⼈材採⽤のスタイルは、ゼロから⼈材を育成する「新卒採⽤」、専⾨知識を持つ⼈を即戦⼒として採⽤する「中途採⽤」の⼆本柱に、ポテンシャルに期待する「第⼆新卒採⽤」を加えた三本柱へと変わりつつあります。
この記事では、第二新卒や中小企業から大手企業への転職は可能かどうかや転職するためのポイント、またそれぞれの転職のメリット・デメリットについて詳しく説明します。
目次
結論からいうと、第二新卒でも大手企業への転職は可能です。第二新卒の定義を理解すれば、なぜ大手企業が第二新卒を募集するのかがわかります。
第二新卒には明確な定義はありませんが、大学や専門学校などを卒業していったん就職したものの、短期間で離職したり転職活動をしたりしている人のことを指します。おおむね「学校卒業後3年以内」の人が該当します。4年制大学卒業者でおよそ25~26歳ぐらいまでの求職者は「第二新卒」枠での選考を受けることが可能です。
厚生労働省による「学歴別卒業後3年以内離職率の推移」によると、ここ数年で大きな推移はないものの、おおむね毎年約30%の大卒者が3年以内の早期離職をしていることがわかります。企業は、この人材を確保しようと「第二新卒枠」での募集を行うのです。
大手企業が第二新卒の募集に力を入れるのは、以下のような理由からです。
また、優秀な学生のなかにも、留学や就活における情報不足などが理由で就職活動をうまく進められなかった人はいます。そういった状況も加味して、「必ずしも新卒一括採用にこだわる必要はない」と考える企業が増えています。
まだ企業の色に染まっていない若者を自社の文化のもと育てることができる「可能性」と、前職での経験を生かすことができる「社会経験」というメリットを合わせもった「良いとこ取り」な存在として、第二新卒の人材を評価する企業は今後も増え続けるでしょう。
そもそも、「⼤⼿企業」「中小企業」とはどんな会社のことなのでしょうか。
実は、⼤⼿企業に明確な定義はありません。対して「中⼩企業」は、中⼩企業基本法という法律によって業種ごとに資本⾦や従業員数が定められています。中⼩企業基本法第⼆条第⼀項には以下のように書かれています。
【中⼩企業基本法第⼆条第⼀項】
資本⾦の額⼜は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使⽤する従業員の数が三百⼈以下の会社及び個⼈であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
出典:中⼩企業基本法
資本⾦が少ない⼩売業などに対してはその実情を踏まえた定義があるほか、卸売業、サービス業、⼩売業には上記と異なる定めが設けられています。
これを踏まえると、⼤企業とは「中⼩企業よりも資本⾦と従業員数が多く、その定義にあてはまらない企業」という、漠然とした存在を指す⾔葉ということになります。
たしかに、資本が⼤きく確固たる基盤があれば、戦う市場も仕事の規模も⼤きくなるかもしれません。しかし、ただそれだけでこの漠然とした存在を「転職の⽬的」にして良いのでしょうか。
重要なのは「⼤企業であるかどうか」ではなく、「その会社が何をしているか」「その会社で何ができるか」であることを忘れないようにしましょう。
大手企業への転職を目指す前に、確認しておくべきことがあります。5つのポイントを見ていきましょう。
まずは、「なぜ大手企業に転職したいのか」「なぜその特定の大手企業なのか」「そもそも転職したいと思ったことはその大手企業に転職することで解決するのか」をあらためて考え直すことが必要です。
場合によっては「給与が低いことが不満で転職しようと思ったけれど、別の大手企業へ転職するよりも現職に残ってキャリアを積んだほうが給与が上がっていく可能性がある」ということもあります。
「ゼネラリストとしてより多くの経験を積むために転職したい」のであれば、大手企業への転職よりもベンチャー系企業への転職のほうが適している場合もあります。
大手企業への転職が自分にとって本当に良いものなのかをまず確認することがとても大切です。
大手企業はその仕事内容がイメージしやすく、他人から勤務先を聞かれたときにも「知ってる!」と言ってもらえることが多いでしょう。
しかし、仕事内容がイメージしやすいからといって、本当に自分がやりたい仕事ができるか、自分が歩みたいキャリアの選択肢があるかどうかは別問題です。その会社に転職することで自分が思い描くキャリアプランややりたいことが実現できるかどうかは、求人票の募集要項をチェックしたり面接時に質問したりして確認しましょう。
入社したい大手企業が第二新卒を採用しているかどうかをチェックしてみましょう。
大手企業のなかには、伝統や社風を重んじるがゆえに体質や考え方が古く、「第二新卒」をあまり積極的に採用していない企業もあります。
第二新卒として転職活動をするなかで「大手企業しか選考を受けない!」と決めてしまうと、自分の可能性を狭めてしまうことになりかねません。もし大手企業が第一志望であったとしても、自分の条件に合った中小企業やベンチャー企業の選考も併せて受けてみることをおすすめします。
失敗しない転職先の見つけ方については、こちらの記事をご覧ください。
大手企業は部署ごとに仕事が細分化されていることが多く、希望する職種に配属されない場合もあります。希望する仕事ができるのかを確認し、ミスマッチが起きないようにしましょう。
また、求められている仕事のレベルが自分に合っているかどうかも事前に確認をします。仕事が難し過ぎても、逆に簡単過ぎても、モチベーションの低下につながりかねません。
労働環境や働き方についてもなるべく事前に情報収集を行います。大手企業は労務管理がしっかり行われている傾向がありますが、部署によっては残業が多い場合もあります。企業に直接確認するのが難しい質問でもあるため、転職エージェンなどをうまく活用するのがおすすめです。
第二新卒でも大手企業に転職するために必要なポイントを7つご紹介します。
まずは、自身のスキルや経験、資格などの棚卸しをすることが大切です。人気企業の場合、第二新卒でもライバルか数多くいます。新卒の時と異なり年次にも幅があります。やる気や熱意、実績をアピールして採用担当者に自分の存在を知ってもらうためにも、この棚卸しの過程は重要です。
残念ながら、大手企業のベテラン社員や採用担当者のなかには、「やる気がないから3年以内で会社を辞めたのでは」と考える人も少なくありません。また、前職に在籍した短い期間で目に留まるような実績を出すことができた人は少ないと思います。
そこで、やる気や熱意があり、入社したら長く勤める意思があるということを伝える必要があります。「やる気や熱意があります!」「入社したら必ず長く勤める意志があります!」と口で言うだけでは納得させることは難しいので、下記のようなポイントを踏まえてアピールをしましょう。
また、たとえ小さなことでも、前職で自分が考えたこと、努力をして結果を出したことを可能な限りアピールしましょう。
ここで気をつけるべきことは、所属している部署やチームの実績ではなく、あなた個人のやってきた経験を整理することです。
例えば、あなたが作った提案資料で新しいビジネスが取れた、あるいは、あなたが運営したセミナーやイベントに多くの参加者が集まり次のビジネスにつながったなど、業績に直接貢献した実績や経験は好印象となるでしょう。ミスなく業務を遂行できたなど、バックオフィス的な実績も評価されます。
第二新卒の求人が最も多くなるのは、新卒採用と同じ「4月入社」の時期です。そのため、春~夏にかけての転職活動よりも、12月~1月頃に転職活動をスタートさせるのがベストタイミングです。
その時期であれば、期の変わる4月に合わせて人材を獲得したいと考えている大手企業も増えるため、第二新卒での募集枠も増加傾向にあります
応募する企業や、その企業が属する業界や市場の研究も必要です。研究の深さが企業への興味や応募度合いに比例すると考える採用担当者も多くいるため、新卒採用試験とは違う視点やレベルでの研究が求められます。
業界の動向や、企業の業界におけるポジション、強み、弱みなど、研究すべき点は多々あります。応募企業が強化すべきポイントに自分がどのように貢献できるかなど、自分がその会社を志望する理由にまでつなげて考えられると良いでしょう。
第二新卒の場合、「3年以上同じ企業に勤めることができなかったということは、仕事への責任感や我慢強さなどに問題があるのではないか?」と思われてしまうことも少なからずあります。
書類で「第二新卒だから」として落とされてしまうことのないよう、また「第二新卒だけど即戦力になるかもしれない!」「意欲がありそうだから一度会ってみたい!」と思ってもらえるよう、自分のアピールポイントを十分に書くなど、応募書類をしっかり作り込むことが大切です。
また、応募者の多い大手企業ではAI技術を駆使した採用マネジメントシステムを使うケースが増えてきています。応募書類がそういったシステムに対応できているか、応募段階でフィルターに引っかかってしまうことがないか、転職エージェントに相談しながら確認していくと安心です。
大手企業は中小企業よりも人気が高く、応募も殺到しがちです。そのため、志望する企業を一社だけに絞るのは危険です。不採用となった場合、またイチから書類選考をし直さなければならず、効率が悪くなってしまいます。そこで、複数社で並行して選考を受けるようにしましょう。
狙いを複数社に決めるときに気をつけないといけないのは、「いずれも自分が転職し、働きたい会社である」ということです。もちろん、そのなかで優先順位を決めるのは構いません。ですが、選考を受ける企業は必ず入社しキャリアを構築したい会社であるようにしましょう。
新卒の就職活動の際は、転職エージェントを使わずに活動した方が多いと思います。そのため「第二新卒の転職活動でも特に必要ない」と思っている方も多いかもしれません。
しかし、転職活動は就職活動とは異なり、ある程度のコツや戦略を必要とします。また、自分に合った転職先について客観的にアドバイスをくれる存在がいることで、転職後のミスマッチを避けることができます。
さらに、在職中に転職活動をする場合は仕事に支障をきたさないようにスケジュール調整をするのも一苦労ですが、転職エージェントを利用すれば代理での日程調整などもお願いすることができるのです。
このように、転職エージェントを使うと、効率良く転職活動を行うことが可能となります。転職エージェントには、これまでに中途採用された多くの人たちをサポートしてきたノウハウが蓄積されています。面接で過去に聞かれた質問や、どのような人材を求めているかを担当者が把握していることも多くあります。
転職活動で大手企業を希望する人ほど、転職エージェントの活用はおすすめです。あなたが入りたい大手企業に強い転職エージェントはどこかを調べたうえで、その転職エージェントを味方にしながら転職活動を成功に導きましょう。
大手企業への転職には気をつけるポイントがいくつかあります。大手企業から転職する場合と中小企業から転職する場合、それぞれについて解説します。
第二新卒の場合、現職が大手企業だからこそ大手企業への転職に苦戦することがあります。大手企業から大手企業の転職の注意点を2つご紹介します。
1つめは、前職の職域が狭く専⾨的なことが多い場合、⾝につけたスキルに汎⽤性がない場合があることです。
⼤⼿企業は仕事が担当ごとに細分化されていることが多く、任された領域の仕事をしっかりとこなすことが求められる傾向にあります。
一方、ベンチャー企業や中⼩企業では職域を越えて仕事を任されることが多く、短い期間に幅広い経験を積むことができます。このように、中⼩企業での3年と⼤企業での3年には⼤きな違いがあるのです。
2つめは、「大企業で働いていた」というプライドの高さです。
現在の仕事や所属している会社に対してのプライドが高いために転職活動がうまくいかないというケースは少なくありません。譲れない条件が多く自らの選択肢を狭めてしまうこともありますし、「大企業出身」という油断から転職準備がおろそかになってしまうケースもあります。また、前職と現職を比較して不満を漏らしたり「⾃分ならもっとうまくやれる」などという思考を持っていては、採用されるのは難しいかもしれません。
転職前に所属している企業が大企業で、会社に対する誇りや自らの実績へのプライドが高い人は、こうしたケースに陥りやすいこと認識し、転職面接などのアピールの場では過剰に見栄を張ったりせず、新しい職場で役立つ人材であることを具体的にアピールするよう心がけましょう。
例えば、「商品開発の経験を活かして、御社で扱っている商品の拡販プロジェクトに携わりたい」「留学経験とマーケティング経験を活かして、事業の海外進出に貢献したい」といったように、自身の経験を志望動機に結び付けて論理的にアピールできるとポジティブな印象を与えられます。
ただし、この2つの懸念点も、社会⼈経験の浅い第⼆新卒なら「前職に染まり切っておらず、ポテンシャルがある」と判断してもらえる可能性があります。「意欲がある」「新卒に近いフレッシュさがありながら⼀通りのビジネスマナーは⾝についている」といったところを積極的にアピールできれば、道は開けるでしょう。
企業の規模を問わず、就業した経験そのものがあなたの強みになることを理解しておきましょう。「中小企業だから仕事のスキルが何も身につかない」ということはありませんし、会社という限られた枠組みの中でどれだけ経験を積めたかということが、第二新卒の転職においては重視されます。
逆に、企業の規模を言い訳にした転職理由はマイナスなイメージを与えてしまいます。「いままでの経験を武器に、大手企業で自分の力をさらに発揮したい」というポジティブな転職理由であれば歓迎されますが、「中小企業では何も学べなかったので転職したい」と言ってしまうと、自分自身に学ぶ意欲がなかったとも捉えられ、良い印象を持ってもらえない可能性があります。中小企業での就業経験を否定するような言葉は避けるとともに、そこで何を経験したかを強みにすれば、大手企業への転職も十分可能です。
また、就業経験を自分の中で否定してしまうことはおすすめしません。経験は武器になるのですから、中小企業での就業経験もすべて前向きにとらえたうえでの転職活動が重要となります。
大手企業は基本的に従業員数が多いため、求人広告で明記している採用予定人数も多めです。それを踏まえると、第二新卒が中小企業から大手企業に転職をするのは決して難しいことではないと考えられます。
前向きな姿勢で転職活動に取り組み、スキルアップに意欲的な人は、大手企業に限らずどのような企業からも魅力的な人材として歓迎されます。中小企業での経験をしっかりと生かして自分をアピールすれば、大手企業への転職も夢ではありません。
では、いざ転職することになった場合、⼤⼿企業から⼤⼿企業への転職におけるメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
大手から大手に転職するメリットには、以下の3つがあります。
⼤企業には、⼤企業ならではのカルチャーがあります。
中小企業から大企業に転職した場合、職場の雰囲気や企業風土が前の職場とはまったく異なり、なじむには時間がかかるものです。
その点、大企業から大企業への転職の場合、企業風土やカルチャーが近いため、違和感なく職場に溶け込めるはずです。
社員の経歴などが多様な中小企業とは違ってバックボーンや性質も似ている⼈が多く、コミュニケーションにストレスを感じずに済むでしょう。
⼤企業で働く魅⼒のひとつは「安定感」です。
大企業は、ネームバリューや社会的な信用、給与・福利厚生の充実などの点において、非常に安定性があるといえます。もちろん、⽼舗の⼤⼿企業のなかには経営が危うい企業もないわけではありませんが、⼀般的な中⼩企業に⽐べると格段に安定しています。
働く場所が変わっても⽣活の質は変わらないというのは、⼤きなメリットでしょう。
教育・研修制度が充実しているのも大企業の魅力の一つです。
多くの企業では、新入社員向けや若手・中堅・管理職などの階層別の研修、業務内容に特化した専門的な研修まで、さまざまな研修制度が揃っています。
企業を取り巻く環境の変化や技術の進歩などに対応し、ライバル企業との競争を勝ち抜いていくために、社員研修に力を入れている企業が多いようです。
このように、大企業では職務に必要な知識やスキルを学ぶ機会に恵まれていることから、未経験の業種に転職した場合でも基本からしっかりとスキルを身につけることができるでしょう。
一方、大手から大手へ転職する場合には、以下のような3つのデメリットもあります。大手への転職を検討する際には、メリットだけでなくデメリットも踏まえて判断するようにしましょう。
大手企業には、「学閥」をはじめ、さまざまな派閥が存在しているところが少なくありません。
特に伝統のある企業では、社内の派閥争いが激しい場合が多く、派閥の存在が社員の働き方にも大きく影響を与える可能性があります。
どこの派閥・部署に属しているかによって、社員の評価やキャリア形成のコースも左右され、思い描いていたキャリアアップ、ステップアップが難しくなるケースもあるようです。
転職者にとっては、こうした派閥争いが働きにくさを招きかねないと認識しておきましょう。
転職前には転職エージェントなどを利用して、あらかじめ社風や社内の状況を聞いておくのも一つの手です。求人票には掲載されていない情報を把握しておくことで、働いた後の社内でのキャリア形成もスムーズに進められるでしょう。
年功序列の企業では、たとえ同じ年齢であっても、第二新卒や中途採⽤者よりも新卒で⼊社して在籍年数が長い社員のほうが⾼く評価される場合があります。
そのため、給与や評価が成果や能力で判断される傾向にある企業から、こうした年功序列の企業に転職した場合は、現職より評価が落ちてしまう可能性があるでしょう。
また、年齢や在籍年数よりも成果や能力で評価されたいと考える人にとっては「合わない」と感じることもあるかもしれません。転職先の企業の評価基準について、事前に詳しく調べておきましょう。
「さらなるスキルアップを目指したい」という動機で転職を始める人も多いのではないかと思います。
しかし、企業研究を行っても、実際の職場環境まではなかなか把握しにくいのが実情です。そのため、転職してから元の職場と同じような環境だと気付き、結局スキルアップが果たせなかったケースも少なくありません。
その企業で本当にスキルアップができるのか、可能であればその企業で働いている人や知り合いが働いている人に話を聞く、転職エージェントを利用するなど、より深い企業研究をしておく必要があるでしょう。
次に、中⼩企業から⼤⼿企業に転職する場合のメリットとデメリットについて確認していきます。
中小から大手へ転職すると、中小で働いていては実感できない大手ならではのメリットが得られます。
中⼩企業から⼤⼿企業に転職すると、ベースの給与の⾼さはもちろん、待遇⾯の⼿厚さに驚くかもしれません。残業代もしっかり出る企業が多いです。
ボーナスや昇給が期待でき、退職金制度も充実している、産休、育休、介護、リフレッシュなどの休暇が取得しやすいといったメリットもあります。
また、家族⼿当や住宅購⼊補助なども充実しており、転職前よりも⽣活の安定感がグッと増したという方も少なくありません。
中小企業では、こなすべき業務の量に対して社員数が少ないところが多く、一人ひとりがさまざまな業務をかけもちして負担が大きくなることもあります。
その点、雑務に追われることも珍しくない中⼩企業と違って、⼤⼿企業は組織体制が確⽴しており、職域が明確なことが多いです。そういった環境であれば自分がすべきことに集中できるため、⽣産性が上がります。
大手企業の場合は都市の再開発事業、さらには国家プロジェクト規模の大きな業務を手がけることも少なくありません。転職後に配属された部署によっては、こうしたプロジェクトのメンバーに加わる可能性もあります。
もちろん中小企業でも大きなプロジェクトに携わる機会がないわけではありませんが、大手企業の方がチャンスが多いといえるでしょう。
中小から大手への転職はメリットが大きい反面、中小だからこそ感じられる良さが失われかねないというデメリットもあります。
中⼩企業は個々の社員に任される業務が多く、裁量権も大きくなります。そのため、幅広い経験を積み、スキルを身につけることができます。
しかし、中⼩企業にいるときは⾃分の裁量でどんどん進めることができた業務も、⼤⼿企業では上司の決裁を仰がなければならないケースが増えることが考えられます。
そういった環境に置かれた際に、「どんなに実⼒があっても発揮できない」「任された以上の仕事はできない」というもどかしさを感じてしまうかもしれません。
中小企業に比べて会社に所属する人数が多くなる⼤企業では、どんなに良い成績を挙げたとしても「自分の働きが会社の業績に直結している」という感覚を得にくいかもしれません。
また、たくさんの社員のなかに埋もれてしまうという危機感に襲われたり、やりがいが感じられなくなったりする可能性があります。
転職にあたって仕事のやりがいを重視したい人は、転職先企業として大手を選ぶかどうか慎重に判断すると良いでしょう。
中小企業とは異なり、多くの大手企業には全国各地に支社や支店が設けられています。
そのため、大手企業に転職することで転勤の機会が多くなるということもあります。また、配属された部署によっては、数年に一度のペースで頻繁に転勤せざるを得なくなることもあります。
今いる場所からできるだけ動きたくないという方や、結婚や子育て、介護などを考えた際に転勤できないという方は、転勤の可能性についても考慮したほうが良いでしょう。
ここまで、第二新卒として大手企業に転職する際のさまざまなコツをご紹介してきました。
初めての転職、さらに第二新卒枠での転職では不安に思うことも多いと思います。そんなときは、転職エージェントを利⽤するのがおすすめです。
転職エージェントは、登録した求職者⼀⼈ひとりに転職のプロフェッショナルであるキャリアアドバイザーがつき、転職の流れの解説から、あなたの希望する条件に合った求⼈情報の紹介、⾯接や退職交渉のアドバイスまで、転職活動全般をサポートしてくれます。
第二新卒で大手企業への転職を目指すのであれば、ぜひ転職エージェントを活用して内定を獲得しましょう。
企業は、第⼆新卒に即戦⼒としての活躍をそれほど強く望んでいません。
求めているのは、これから花開くかもしれない「潜在能⼒」です。「⾃分にとってより興味がある業界の⼤⼿企業で熱意を持って働きたい」「中⼩企業で積み上げてきた経験を武器に、⼤⼿企業でさらに成⻑したい」という意思を堂々と伝えることが成功への近道です。異業種出⾝ならではの発想⼒と、仕事への情熱にもとづいた「可能性」を感じさせるアピールも有効でしょう。
転職活動に踏み切るまえに、⼤⼿企業に何を求めているのか、⼀度じっくり考えてみることも⼤切です。ネームバリューや安定感に惹かれただけの曖昧な志望動機では、いくら売り⼿市場であるといっても採⽤に⾄るのは難しいといわざるを得ません。
⾃分の中でしっかり答えを⾒つけてから、転職活動をスタートすることをおすすめします。
第二新卒
新卒2年目の転職は可能?後悔しない転職を実現するためのポイント
第二新卒
第二新卒での転職は門前払いされる?需要があっても採用が難しい理由と対策
第二新卒
第二新卒必見!履歴書・職務経歴書の書き方のポイント