更新日:2024/05/30
この記事のまとめ
不動産営業は営業職の中でも厳しい世界といわれています。高いノルマや長い労働時間などから、転職を考える方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産営業のスキルを生かせる転職先を紹介します。不動産営業は厳しい世界であるからこそ、これまで培ったスキルは転職時に強い武器となります。どのスキルがどのような業種や職種で生かせるのかを知り、スムーズで納得のいく転職活動を目指しましょう。
目次
不動産業界で扱う商品は、金額が大きいこと、顧客の生活にダイレクトに関わることから契約成立までの道のりが険しいでしょう。その反面、契約が成立すれば大きな達成感を味わえます。やりがいはあるものの、不動産営業から転職を考える方は多くいます。ここでは、転職理由の代表的なものをいくつか紹介します。
多くのケースで、不動産の営業にはノルマがあります。ノルマの多寡はケース・バイ・ケースなので一概にはいえませんが、給与の3倍が目安とされています。
達成できなければ給与に影響するほか、上司からの指導が入り、精神的に追い詰められてしまうケースも少なくありません。
不動産は高額な商品です。高額だからこそ、金額に見合った商品かどうかを顧客は慎重に確認します。不動産知識のない顧客であれば、不明点があるだけで不安に襲われるかもしれません。
質問に対し的確な答えが返ってこないと不安はいら立ちに変わり、クレームへと変化しがちです。クレーム対応が続くことで精神的に参ってしまい、転職に踏み切る方もいます。
不動産には展示会の開催、電話やポスティング、SNSの活用などの営業方法があります。従来からの「足で稼ぐ」といった地道な営業活動も必要です。
しかし、結果が出ない日々が続くことで営業方法に疑問を感じ、やる気を失うこともあります。ほかにも、新規顧客獲得のために飛び込み営業をせざるを得ないこともあるでしょう。このような営業スタイルが合わないことに苦痛を感じ、転職を選ぶ方もいます。
1~3月は不動産業界の最繁忙期です。次に9月〜10月、賃貸物件を扱う不動産会社は7月や8月も忙しいです。不動産営業は、このタイミングで顧客獲得を目指して奮闘します。
一般的なサラリーマンであれば決まった休みを確保できますが、不動産営業は繁忙期の月休みすらほぼなく、終電での帰宅が続くことも珍しくありません。その過酷さを理由に転職を望む方は大勢います。
不動産営業の給与形態の多くは歩合制です。この歩合制には、基本給のあるものと基本給のない完全歩合制度が存在します。
成果次第で収入が大きく変動するのは、良いときもあれば悪いときもあるものです。努力と結果が結びつくとは限らず、金銭面において将来設計を立てづらいと悩む方もいます。
不動産業界の多くは、水曜日を休みとしています。これは、土日を休日としている一般的な人々と休日が重ならないための調整です。また、一般的に休日とされているときが書き入れ時という点も関係しています。
大型連休ともなると「家族と出かけたい」「友人と遊びたい」と考える方も多いでしょうが、残念ながら仕事に駆り出される可能性が高いです。休暇を取ることで周りに負担を強いる恐れもあるため、思うように休めないことに不満を抱える傾向もあります。
不動産の知識を不動産業界以外で生かすのは難しいかもしれませんが、営業経験そのものはどのような業種であっても通用するでしょう。ただでさえ厳しいとされる不動産業界の営業です。培った能力が転職先から高く評価される可能性は十分あります。
不動産営業では、物件案内のための論理的な説明力だけでなく、傾聴力も求められます。誠実な姿勢もコミュニケーション上必要です。賃貸や売買の仲介で駆使してきた顧客との綿密なコミュニケーション能力は、転職先でも高く評価されるでしょう。
また、不動産売買など金額の大きい取引の場合、提案力も必要です「聞く」「話す」「提案する」の3つのコミュニケーション能力は転職時に大きな武器となり得ます。
不動産営業は、物件の売買・賃貸どちらであっても不動産市場を見極めたマネジメント能力が必要です。顧客に合った提案を行うためにも、徹底した戦略が求められます。
商談件数や成約率の数値化による営業戦略・プレゼンの見直し・ニーズの確認などもマネジメントで必要な要素です。このような業務の経験は、企業へ貢献できる営業スキルとしてアピールできるでしょう。
「仕事ができる」といわれる営業パーソンは、対応の迅速さも兼ね備えています。流動的な不動産業界では、レスポンスの速さが契約に直結することも珍しくありません。また、顧客の質問や不安の払拭などに素早い対応をする営業パーソンは、顧客から信頼されやすくなります。
対応力の高さは、営業職以外でも重宝されます。競争の激しい不動産業界で培った対応力は、転職先で大いに評価されるでしょう。
不動産の営業で得た経験は、さまざまな場面で生かせます。代表例は同じ職種である「営業職」と、事務処理のスピードや正確さなどが求められる「事務職」です。不動産業界にこだわらず、異業種へも目を向けたい場合の転職先におすすめです。
営業職は業界ごとに必要な知識が異なりますが、営業戦略の立案や商談など、共通点は多くあります。そのため、不動産の営業のみに業界を絞る必要はありません。
営業職の求人は豊富で、幅広い業種から選べます。不動産業界で得た営業スキルは、同業種・異業種にかかわらず歓迎されるでしょう。
事務職は黙々と仕事をこなすイメージがありますが、コミュニケーション能力が求められる職種です。また、書類の処理などスピードや正確性が求められる業務もあるため、これまでの営業経験を生かせます。
事務職と同じ内勤として、マーケティングや営業事務もおすすめです。マーケティングであれば企画や提案力、営業事務であればスケジュール管理や対応力を生かせます。まったく異なる職種であっても、営業で得たスキルは評価されるでしょう。
不動産営業からは離れたいと思っていても、営業職にはやりがいを感じている方もいるでしょう。そのような方におすすめできる業界は、IT・人材・金融です。業種が変わっても営業経験は生かせるため、営業職を続けたい方は検討してみてはいかがでしょうか。
なお、「業種にも職種にも不満はない」という方は、職場だけを変えるという選択肢もあります。
不動産営業として有形商材を扱ってきた経験は、同じく有形商材を扱うWeb・IT業界で役に立つでしょう。
無形商材を取り扱うシーン、たとえばWebマーケティングのコンサルティングやシステム開発要員の調整などでも、不動産営業で経験したマネジメント能力を生かせます。とはいえ、ライターやエンジニアと連携を取るためにもIT系の知識は必須となるため、IT系の知識は最低限学んでおきましょう。
営業職は、人とのコミュニケーションが重要視される職業です。中でも人材業界はその傾向が顕著です。
人材業界には、人材派遣・求人広告・人事コンサルティングといったさまざまなビジネスモデルがあります。不動産の営業が物件の仲介を行うように、人材業界の営業は企業と求職者を仲介します。不動産営業で培ったトーク力やマネジメント力を生かせる転職先です。
金融系の営業で行うのは、融資や金融商品の提案です。不動産営業時に得たお金の知識が役立つシーンもあるでしょう。
また、不動産営業では不動産取引の立ち会いも行います。金融業界でも売主と買主が立ち会いのもと契約を交わすことがあるため、経験をダイレクトに生かせるでしょう。不動産・金融に共通した業界用語がある点もポイントです。
MRは、製薬会社の医薬品および医薬情報を扱う仕事です。医者や薬剤師との信頼を築くことが何より求められます。不動産営業で培った、コミュニケーションスキルを生かせる職のひとつです。
未経験での転職も可能ですが、文系出身の場合は2年以上の営業経験を求められるなど、一定のハードルがある点に注意しましょう。
同じ業界で働くのも選択肢のひとつです。職場を変えれば、さまざまな物事が変わります。営業スタイルが異なるだけでなく、ノルマの難易度も変わるかもしれません。いまより少しでもホワイトな環境へ行きたい方にとって、救いの場となるでしょう。
ほかにも「歩合率が高い会社へ転職する」「不動産業界で独立を目指す」など、新たな道に進む方もいます。
自身のパフォーマンスを十分に発揮できるかどうかは、環境によって異なります。現在の職場環境から適正をしっかり考慮して、キャリアパスを描きましょう。
転職後に「こんなはずではなかった」と後悔してしまうケースもあります。転職先を早く決めたいという気持ちが優先して給与待遇が低くなってしまったり、転職先に馴染めなかったりなどはその一例です。
そのような失敗をしないための「こつ」があります。動機の明確化・企業分析・他者への相談の3つです。以下で詳しく解説します。
顧客のクレーム対応・労働時間・ノルマなど、改善したい問題は人によってさまざまです。転職活動を行う際は、どのような点に納得がいかず転職を目指したのか理由を明確にしましょう。
転職理由が曖昧なまま行動を起こしてしまうと、似た理由で転職を繰り返す可能性が高まります。また、転職先に退職理由を伝えるときは「志望動機との矛盾がないか」の確認も大切です。
労働環境が転職理由だった場合、転職先の営業スタイルを調査しましょう。せっかく転職しても、これまでと似た労働環境であれば本末転倒です。営業スタイルの調査は、企業分析のひとつです。志望動機や面接対策にもつながるため、積極的に行いましょう。
企業のHPや求人応募要項からは、求められているスキル・事業内容・営業スタイルなどさまざまな情報を得られます。高収入を望むのであれば、商品単価が高く歩合率が高い法人営業がおすすめです。
はじめて転職する場合、不安で先に進めないこともあるでしょう。相談は、これから進む方向性が適切かどうかを第三者目線も加えて判断できる手段です。職場の仲間や家族に相談するのもよいですが、転職市場に詳しいとは限りません。
転職の相談相手として最適なのが、転職経験者や転職エージェントです。転職経験者は当時どのような悩みがあったか、どのような情報を元に転職活動に挑んだか、リアルな情報を得られます。
転職エージェントは、各業界の最新情報を元に数多くの転職者サポートを行っているため、これから転職を目指す人にとって心強い存在です。
不動産の営業は、ノルマを重荷に感じる方も少なくありません。顧客のクレーム対応をつらく感じる方もいれば、休暇の取りづらさから転職の道へ進む方もいます。
不動産営業で得た営業スキルは無駄にはなりません。他業種でもスキルは十分に生かせるため、視野を広く持って活動しましょう。
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