更新日:2024/03/19
この記事のまとめ
第二新卒が大手企業へ転職することは可能です。しかし、一般的に大手企業は新卒採用のイメージが強いことから、「大手企業への転職は第二新卒だと難しいのでは」と不安な方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、第二新卒が大手企業へ転職するのは難しいのかを解説しつつ、転職を成功させるポイントを紹介します。転職活動をスムーズに進めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
⼤⼿企業に明確な定義はありません。対して「中⼩企業」は、中⼩企業基本法という法律によって業種ごとに資本⾦や従業員数が定められています。中⼩企業基本法第2条第1項には以下のように書かれています。
【中⼩企業基本法第2条第1項】
資本⾦の額⼜は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使⽤する従業員の数が三百⼈以下の会社及び個⼈であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
出典:中⼩企業基本法
資本⾦が少ない⼩売業などに対してはその実情を踏まえた定義があるほか、卸売業、サービス業、⼩売業には上記と異なる定めが設けられています。これを踏まえると、⼤手企業は「中⼩企業よりも資本⾦と従業員数が多く、その定義に当てはまらない企業」といえます。
社会人経験の少ない第二新卒の転職では、学歴も重視される傾向にあります。特に大手企業の場合、新卒採用と同様に一定の学歴が求められるため、採用を勝ち取るのは簡単ではありません。とはいえ、以下のような理由から、積極的に第二新卒を採用したいと考える大手企業もあります。
優秀な学生の中には、留学していたために就職活動がうまく進められなかった人もいます。そういった状況も加味して、「必ずしも新卒一括採用にこだわる必要はない」と考える企業は増えています。まだ企業の色に染まっていない若者を自社の風土で育てられる「可能性」と、前職の「社会経験」というメリットを持ち合わせた「第二新卒」を評価する企業は少なくありません。
転職は人生における重要な決断であり、慎重になる必要があります。大手企業は転職先として魅力的ですが、企業規模や知名度だけではなく、自身のキャリアビジョンに沿って転職先を検討することが大事です。大手企業への転職を目指す前に、以下で紹介する5つの確認事項をチェックしておきましょう。
まずは、「なぜ大手企業に転職したいのか」「なぜその特定の大手企業なのか」「転職したいと思ったことはその大手企業に転職することで解決するのか」を改めて考え直すことが必要です。場合によっては「給与が低いことが不満で転職しようと思ったが、別の大手企業へ転職するよりも現職に残ってキャリアを積んだほうが給与が上がる可能性がある」こともあります。
「ゼネラリストとしてより多くの経験を積むために転職したい」のであれば、大手企業よりもベンチャー系企業への転職のほうが適している場合もあります。大手企業への転職が自分にとって本当に適した選択なのかをまず確認することが大切です。
大手企業はその仕事内容がイメージしやすく、他人から勤務先を聞かれたときにも「知っている」と言ってもらえることが多いでしょう。
しかし仕事内容がイメージしやすいからといって、本当に自分がやりたい仕事ができるか、自分が歩みたいキャリアの選択肢があるかどうかは別問題です。大手企業へ転職することで自分が思い描くキャリアプランややりたいことが実現できるかどうかは、求人票の募集要項をチェックしたり面接時に質問したりして確認しましょう。
入社したい大手企業が第二新卒を採用しているかどうかをチェックしてみましょう。中には、伝統や社風を重んじるがゆえに体質や考え方が古く、「第二新卒」の採用に消極的な大手企業もあります。
第二新卒として転職活動をするうえで「大手企業しか選考を受けない」と決めてしまうと、自分の可能性を狭めてしまうことになりかねません。もし大手企業が第一志望であったとしても、自分の条件に合った中小企業やベンチャー企業の選考も受けてみることをおすすめします。
大手企業は部署ごとに仕事が細分化されていることが多く、希望する職種に配属されない場合もあります。希望する仕事ができるのかを確認し、ミスマッチが起きないようにしましょう。また、求められている仕事のレベルが自分に合っているかどうかも事前に確認します。仕事が難しすぎても、反対に簡単すぎても、モチベーションの低下につながりかねません。
労働環境や働き方について、事前に情報収集しましょう。大手企業は労務管理がきちんと行われている傾向にありますが、部署によっては残業が多い場合もあります。企業に直接確認するのが難しい質問でもあるため、転職エージェントなどをうまく活用するのがおすすめです。
転職先を検討する際には、メリット・デメリットを整理することも大切です。大手企業への転職は容易ではないため、特にメリットが感じられないようであれば、別の企業への転職を検討するのもよいでしょう。ここでは、第二新卒が大手企業に転職するメリットを5つ紹介します。
大手企業は年収水準が高く、転職によって収入アップに期待できる点がメリットです。また、人材の定着や従業員のエンゲージメントの向上のために、福利厚生にも力を入れている傾向にあります。収入が多ければプライベートにお金を多くかけられるうえに、老後のための貯蓄も可能です。福利厚生が充実していれば、生活の安定やワークライフバランスの実現につながります。
一般的に大手企業は、新卒採用で多くの人材を確保して自社で育成します。そのため人材育成に関するノウハウが蓄積されており、研修制度も充実している傾向にあります。第二新卒には社会人経験があるとはいっても、即戦力となるほどのスキルや経験は積んでいないことがほとんどです。一から丁寧な研修を受けることで、新卒と同様にキャリアの土台を築けるでしょう。
大手企業の求人に集まるのは学歴が高い人材が多く、その中で採用を勝ち取れるのはひと握りです。つまり、大手企業で働いているのは、難関な選考を通過したレベルの高い人材といえます。大手企業に転職できれば、その優秀な人材に囲まれて仕事ができる点がメリットです。中にはプレッシャーに感じる人もいますが、日々刺激を得られたり、自分のスキルを高められたりする点は魅力といえるでしょう。
大手企業の場合は都市の再開発事業、さらには国家プロジェクト規模の大きな業務を手掛けることも少なくありません。転職後に配属された部署によっては、こうしたプロジェクトのメンバーに加わる可能性もあります。中小企業でも大きなプロジェクトに携わる機会はありますが、大手企業のほうがチャンスは多いといえるでしょう。
大手企業は知名度が高く、社会的な信用を得やすい点がメリットです。また大手企業に勤務していれば、「雇用が安定している」「収入が高い」などの印象も持たれやすくなります。社会的な信用が高いと、クレジットカードやローン、マンションなどの賃貸契約の審査にとおりやすくなります。また大手企業に転職できたことに対し、家族や友人など周囲からも高く評価されるでしょう。
大手企業への転職には魅力的なメリットがある一方で、デメリットもあります。メリットだけでなくデメリットも押さえたうえで、大手企業への転職を目指すのかを検討しましょう。ここでは、第二新卒が大手企業に転職するデメリットを5つ紹介します。
多くの大手企業には全国各地に支社や支店が設けられています。そのため、大手企業に転職すれば転勤の機会が多くなる可能性があります。配属された部署によっては、数年に一度のペースで転勤せざるを得なくなることもあるでしょう。「現在住んでいる場所からできるだけ動きたくない人」「結婚や子育て、介護などを考えた際に転勤できない人」は、注意が必要です。
大手企業に転職すればレベルの高い人材に囲まれて仕事ができる点は魅力ですが、その分昇格が難しくなる点には注意が必要です。限られた昇格のチャンスをつかむには、優秀なライバルに負けないよう実績を残していくことが求められます。また、大手企業では年功序列制度を採用していることも多く、実力が昇格につながりにくい可能性もあります。
大手企業の多くが新卒採用に力を入れており、第二新卒や中途採用者の割合は少ないことがほとんどです。大手企業へ転職できても、同期が少ないことから「職場になじみにくい」と感じる人もいます。とはいえ、新卒と第二新卒は年齢がほとんど変わらないため、積極的にコミュニケーションを取ることですぐに打ち解けられるでしょう。
中⼩企業は個々の社員に任される業務が多く、裁量権も大きくなります。そのため、幅広い経験を積み、スキルを身につけられるでしょう。
しかし大手企業へ転職すれば、中⼩企業に勤めていたときに⾃分の裁量で次々に進められた業務でも、上司の決裁を仰ぐ必要があるケースが増えることが考えられます。人によっては、「自分の実⼒が発揮できない」「任された以上の仕事ができない」ともどかしさを感じるでしょう。
大手企業が関わるプロジェクトは規模が大きく、利害関係者も多い傾向があります。そのため、意思決定は時間をかけて慎重に行われるのが一般的です。自分の意見やアイデアが採用されるまでに時間がかかることから、仕事にスピード感を求めている人にとっては物足りなさを感じる場合があります。
転職に際して、「どのように進めればよいのか」「何に注意すればよいのか」など分からないことが多い第二新卒の方もいるのではないでしょうか。ここでは、第二新卒が大手企業への転職を成功させるために押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
大手企業は3月で退職する人員を補充するために、1月~3月にかけて募集を増やす傾向にあります。4月1日入社であれば、新卒者と一緒に新入社員研修を行える点も企業にとっての大きなメリットです。また、7月~9月も異動や転勤が多いことから、欠員補充のために求人が増えることがあります。求人が多い時期を狙って転職活動を始めれば、多くの求人を比較でき、自分に合った転職先を見つけやすくなります。
大手企業のベテラン社員や採用担当者の中には、第二新卒に対して「やる気がないから3年以内で会社を辞めたのでは」と考える人もいるでしょう。そういった企業側が抱く不安点を解消するためにも、長期的に働く意思やポジティブな転職理由を伝えることが大切です。
しかし、「やる気や熱意があります」「入社したら長く勤める意思があります」と口で言うだけでは企業側に納得してもらえないため、下記のポイントを踏まえてアピールしましょう。
第二新卒が持つ新卒にはない強みが、社会人経験です。前職で身につけたスキルや経験を積極的にアピールすれば、仕事に対する前向きな姿勢や熱意を伝えられます。
また、第二新卒の面接では「前職ではどのように仕事に取り組みましたか」といった質問をされる可能性があります。たとえ小さなことでも、前職で自分が考えたこと、努力をして結果を出したことを可能な限りアピールしましょう。ここで気をつけたいのは、所属している部署やチームの実績ではなく、あなたの経験を整理することです。
たとえば、あなたが作った提案資料で新しい仕事を獲得できた、あるいは、あなたが運営したセミナーやイベントに多くの参加者が集まり次のビジネスにつながったなど、業績に直接貢献した実績や経験をアピールすると好印象を与えられるでしょう。ミスなく業務を遂行できたなど、バックオフィス的な実績も評価されます。
転職活動をするうえで、気をつけたい点がいくつかあります。注意点を知らないまま転職活動を始めれば、大手企業への採用を勝ち取れず、転職のタイミングを逃してしまうでしょう。ここでは、第二新卒が知っておきたい転職活動における注意点を2つ紹介します。
新卒と第二新卒とでは見られている部分が異なります。そのため「第二の就職活動」といった気持ちで転職活動を進めると失敗するでしょう。大手企業の新卒採用では学歴が重視されますが、第二新卒の場合は学歴に加えて前職での経験やビジネスマナーも注意深く見られます。
面接では前職についての質問が多くなることに留意し、想定される質問に対しての回答を用意してスムーズに答えられるようにしましょう。
大手企業への転職は簡単ではないため、転職活動の長期化を考慮して動くことが大切です。退職してから転職活動を進める場合、転職先が思うように決まらないとブランク(離職期間)が生じるうえに、経済的な余裕もなくなってきます。可能であれば、働きながら転職活動を進めましょう、
また、「いつまでに転職したいのか」ゴールとなる期間を決めて計画的にスケジュールを立てることも大事です。目標が曖昧なままだと、転職のタイミングを逃してしまう可能性があります。スムーズに転職先を決めたい方は、複数社へ同時に応募することも検討してみてください。複数社から内定をもらえれば、入社する企業を比較検討できます。
転職活動に不安や悩みのある方は、転職エージェントのサポートを受けるのがおすすめです。マイナビエージェントでは、これまでに多くの第二新卒の転職を成功に導いてきました。大手企業の求人も多数扱っているため、あなたのスキルやキャリアに合った求人を紹介可能です。
転職のノウハウを熟知したキャリアアドバイザーが、応募書類の作成や面接対策など選考をスムーズに進めるためのアドバイスもいたします。大手企業への転職を成功させたい第二新卒の方は、お気軽にご相談ください。
第二新卒が大手企業へ転職するのは簡単ではありません。しかし、第二新卒を積極的に採用したいと考える企業は多いため、転職活動のポイントを押さえ、入念に選考対策をすれば転職の成功確率を上げられます。
「大手企業への転職をサポートしてほしい」「自分に合った求人を紹介してほしい」といった方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。あなたの転職が成功するように、求人の紹介から選考対策まで、幅広くサポートいたします。
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