更新日:2025-08-28
この記事のまとめ
転職エージェントを利用して転職したものの、すぐに「仕事が合わない」と感じ、退職を考えることもあるでしょう。転職後すぐに退職した場合、転職先や転職エージェントと揉めることはないのでしょうか。
ここでは、すぐ退職した場合に覚悟したいリスクや注意点と、それでも辞めたいときの対処法をまとめました。転職エージェントの効果的な活用法も紹介するため、次の転職を成功させるコツをつかみましょう。
目次
転職エージェントにとって転職先企業は顧客であり、企業は信頼のうえで転職エージェントに求人を依頼しています。転職後すぐの退職は、転職エージェントの信頼を損なう恐れがあるだけに、「何か言われるのではないか」「損害賠償を請求されるのではないか」と不安になる方もいるでしょう。
結論からいって、転職後すぐ退職しても問題にはなりません。日本には職業選択の自由があります。たとえ転職して1ヵ月しか経っていなかったとしても、仕事を辞めること自体に問題はありません。民法627条では、辞める14日前までに連絡すれば、就業期間を問わず仕事を辞められると定めています。
民法では14日前の退職が原則ですが、企業の就業規則が労働者に著しく不利益でなければ、30日ルールなどが実務で適用される場合もあります。いくら法律上では問題がないといっても、雇用されている以上は基本的に就業規則に従いましょう。
辞めたいと思ったら、まず就業規則を読み、退職する際にどのような手続きをすればよいか確認します。なお、就業規則は従業員に周知することが労働基準法で定められています。どこで確認できるか分からないときは、総務担当者や上司に問い合わせましょう。
入社して1ヵ月で「辞めたい」と上司に伝えた場合、「入社したばかりで辞めるなんて許せるわけがない」「辞めるなら研修費を払ってもらう」など、退職を拒否されるケースがあるかもしれません。しかし、法律上、このような行為は認められません。「辞めさせない」ことも、「研修費を負担させる」ことも、会社にはできないことです。
自力で解決が難しい場合、労働問題に詳しい弁護士に相談するのも有効です。会社が退職を受け入れてくれないときは、労働基準監督署に相談することも検討しましょう。
転職エージェントを経由した転職でも、退職する権利が損なわれることはありません。また、転職エージェントも、転職してすぐの退職は「よくあること」と理解しています。怒られたり文句を言われたりすることはないでしょう。
ただし、辞める前には転職エージェントの担当者に連絡を入れましょう。それが礼儀であるほか、紹介した内容と実際の業務や社風が異なった場合には、転職エージェントに何らかの対応を取ってもらえるかもしれません。
転職エージェントの利用では、損害賠償を含め、一切の料金が発生しません。転職後すぐに退職した場合でも同様です。
転職エージェントの運営は、顧客である企業からの成功報酬で成り立っています。そのため、紹介した方が短期間で辞めた場合には成功報酬を企業へと返金しますが、転職希望者が負担することはありません。
転職後すぐの退職でも、同じ転職エージェントに再登録は可能です。同じ転職エージェントであれば、転職失敗の経験を活かした求人紹介を望めるでしょう。より自身の希望に沿った転職を叶えてくれるかもしれません。
一方、担当者からの心証が悪くなり、求人紹介の優先度が落ちる可能性もあります。なかなか求人を紹介してもらえないと感じた場合、新たな転職エージェントを探すのもひとつの選択肢です。なお、転職エージェントの方針や担当者の判断によっては再登録が難しい場合もあります。
転職後のアフターフォローをしている転職エージェントであれば、退職前に相談を持ち掛けるとよいでしょう。場合によっては、転職先企業に対して転職エージェントから働きかけてもらえることもあります。
また、転職活動を再開するにあたって、担当者の心証も損ないづらくなるのがメリットです。いきなり退職したと告げられるよりも、相談したうえでの退職は納得感が強まるほか、親身になりやすいでしょう。
転職1ヵ月で会社を辞めても、法律的には何の問題もありません。しかし、このような短期での離職はリスクを伴う行為であることも覚えておく必要があります。
転職1ヵ月で会社を辞めたという履歴が残ってしまうため、次の仕事を探す際、「どうしてこんなに早く辞めたのか」「うちの会社もすぐに辞めるのではないか」と思われるリスクが高まります。
また、転職回数も1回分プラスされるため、長期的に見ても「職を転々としている」という印象を抱かれかねません。
雇用保険には、たとえ短くとも会社に在籍した履歴が残ります。「隠しておけばばれないだろう」というわけにはいきません。
短期離職者であることを隠すために、履歴書に虚偽の内容を書いて採用されても、後から事実が判明した場合、大きな問題につながる可能性があります。たとえ短期で離職しても申告しなければなりません。
ただし、雇用保険に加入していない短期勤務(週20時間未満、31日未満)の場合は記録が残らないケースもあります。
在職中に転職活動をはじめ、次が決まってから辞めることで、短期離職のリスクを軽減できます。短期離職でも次が決まっていて、そこに長く勤められるのであれば何ら問題はありません。
「辞めたい」と思ったときは、辞めることにばかり意識が向きやすいです。しかし、「いつ辞めるか」「どのように切り出すか」ということだけでなく、その後の生活や仕事についても考えておきましょう。
転職して1ヵ月しか経たないのに辞めたくなってしまったときは、まず、次の5つのことを試してみてください。落ち着いて考える時間を持つことで、自分が本当に望んでいるものは何かを見極めましょう。
たとえいまは辞めたいと思っていても、入社する前は明るい希望を持っていたでしょう。どうしていまの会社を選んだのかを思い出してみてください。その希望が叶わないから辞めたいと思っているのでしょうか。それとも、まったく別の問題があるのでしょうか。
入社したときの気持ちを思い出すことで、目の前の小さな不満ばかりを意識して、本来の希望を見失っていたことに気づけるかもしれません。反対に、「この会社なら希望を叶えられると思ったことが間違いだった」と感じることもあるでしょう。後者であれば、なぜ齟齬が生まれてしまったのか、どうすれば希望を叶えられる会社を見つけられるのか考えてみてください。
たとえ不満があったとしても、いまの会社で得られる社会人経験や学べるスキルもあるでしょう。思っていたより仕事が苦しいと感じていても、入社して1ヵ月しか経っていないからかもしれません。
仕事に慣れてくれば、スムーズに業務を進められるようになり、大きな力をつけられる可能性があります。そのスキルは、自分のキャリアにとって魅力的なものではないでしょうか。いまの会社に居続けた場合に得られるスキルや知識について、改めて考えることも大切です。
会社を辞めたいと思うからには、何かしらの不満を抱えているということです。まずは、その不満を具体化しましょう。
たとえば、「アポの電話がまったくうまくいかないのがつらい」と感じているのであれば、アポが取れている方に相談したり、話し方をまねてみたりすることで問題が解決するかもしれません。また、同僚や上司に仕事がうまくいかないことに悩んでいると相談してみるのもよいでしょう。
いまの会社に居続けたまま、自分の働き方を変えて解決するのであれば、早期離職というリスクを冒す必要はありません。
入社して1ヵ月しか経たない場合、まだ試用期間中ということも多くあります。試用期間中と実際に配属されてからでは、働き方や周囲の人が変わることもあるでしょう。
辞めるかどうかを決めるのは、その後でも遅くはありません。「辞めたい」と感じても我慢できそうであれば、ひとまず試用期間が終わるまで様子を見てみるのもひとつの方法です。
自分ひとりで考えていると、どんどんネガティブな方向に考えてしまうことがあります。自分の抱えている不満がどの程度正当なものかを客観的に判断してもらうため、第三者に相談してみましょう。
人に話すことは、自分の考えを整理して他人に理解してもらえるように説明するということです。その過程を通して、新たな気づきが得られることもあります。信頼できる相手に現状を相談し、どう進むべきなのか話し合ってみてください。
ただし、「辞めたい」気持ちが強くなり過ぎると、客観的な説明自体ができず、実際よりも大げさに話をしてしまうことがあります。現状を正しく理解してもらうためにも、冷静に事実を伝えるように努めましょう。
耐えがたいパワハラをされていたり、極度の長時間労働を強いられていたりする場合、退職までの時間が長くなればなるほどストレスを受け続けることになり、体調を崩しかねません。
勢いで辞めることはおすすめしませんが、あまりにもストレスが強い場合にはその限りではないでしょう。労働環境の悪い企業に入社したと感じる場合は、無理に耐え続ける必要はありません。体を壊すくらいなら、すぐに退職したほうがよいでしょう。
転職エージェントを活用することで、入社後すぐに退職する事態を未然に防げます。転職エージェントは単なる求人紹介サービスではなく、キャリア構築を多角的に支援するパートナーです。ここでは、転職エージェントを利用することで早期退職のリスクを低減できる3つの理由を紹介します。
転職エージェントの大きな利点は、客観的なキャリア分析を受けられることです。自分だけでは気づかない強みや実績を、転職市場に精通したキャリアアドバイザーの視点で掘り下げてくれます。たとえば、「プロジェクトの期日を常に守った」という事実は「厳しい納期管理能力」という市場価値に変換されます。
こういったキャリアの棚卸しにより、職務経歴書作成や面接対策がスムーズになるだけでなく、自分に合った求人選びが可能になり、入社後のミスマッチを防げるでしょう。
転職エージェントは求人を紹介するだけでなく、将来を見据えたキャリア設計を共に考えてくれます。専任のキャリアアドバイザーが業界動向や市場の変化を踏まえながら、強みや価値観に合った長期的なキャリアパスを提案します。
目先の条件だけでなく、成長性やキャリアの発展性という視点から企業を選べるため、入社後の満足度が高まり早期退職のリスクが低減するでしょう。キャリアビジョンが不明確でも、転職エージェントとの深い対話を通じて自分の可能性を発見し、納得のいく選択ができます。このような中長期的な視点でのサポートは、転職後の後悔を防ぐ重要な要素です。
多くの転職エージェントは、入社後も継続的なフォローアップを提供しています。専任のキャリアアドバイザーが定期的に連絡を取り、業務内容や人間関係の悩みに対応することで、早期退職のリスクが軽減するでしょう。
職場環境への適応に課題を感じた場合や入社前の条件と実際の業務に差異が生じた場合も、転職エージェントが客観的な立場から企業との交渉を代行し、転職者自身が直接対峙する難しさを回避できます。長期的な就業を促進するための支援体制が整っているため、新しい環境に不安を感じたとしても安心です。
どうしても合わないと感じる企業であれば、転職後すぐでも退職を我慢する必要はありません。しかし、「短期退職」はどうしてもネガティブに捉えられやすく、そうでない方に比べると転職は難しくなります。ここでは、すぐ退職した後の転職を成功させるためのポイントを見てみましょう。
まずは、「なぜすぐ退職するに至ったか」「なぜ転職をしたいと思ったか」を明確にすることから始めましょう。転職理由を明確化することで、自身が本当に求めている企業像や仕事像を把握できます。
ここをハッキリさせなくては、次の転職も失敗する恐れがあるでしょう。「仕事内容が向いていない」「人間関係がつらい」など、表面的な理由を細分化し、本当に譲れないことは何かを見つけ出してみてください。
転職希望先へと転職理由を伝える際には、前向きな回答を心掛けましょう。ネガティブな理由では、またすぐに離職するのではないかと不安を抱かせてしまいます。キャリアアップや人生設計など、将来のビジョンを考えたうえでの転職だと伝えることが大切です。
たとえば、残業の多さを理由に転職する場合でも、「将来を見据えたとき、前職では体力面から一生涯の仕事にはできないと考えた」と回答すれば、離職リスクが低いと捉えられます。
すぐに退職した場合でも、職歴は正確に記入しましょう。どれほど短期間の雇用でも雇用保険の履歴に残り、隠し通すことは難しいためです。隠していて後から発覚した場合、トラブルに発展する恐れもあるでしょう。
なお、履歴書の選考通過を第一として短期の職歴を記入しないケースも中にはあります。その場合でも面接時には「試用期間で退職したため、記載しなかった」など、口頭で伝えましょう。
希望に合った職場や最適な職場を見つけるには、複数の企業に応募しましょう。複数の企業に応募すれば、企業間の比較もしやすく転職効率が高まります。
ときにはじっくりと吟味することも大切ですが、実際に話を聞いてみないと分からないこともあるでしょう。興味を持った企業があればひとまず応募、もしくは転職エージェントで詳細を聞いてみるなど、すぐに行動を起こすことをおすすめします。
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転職後すぐ退職するのはできるだけ避けたいものの、負担にしかならない仕事を続けて体調を崩しては元も子もありません。また、ひとりで思い詰めていると、後先を考えない退職や転職をする恐れがあります。まずは自分の内面を見つめ直したり、信頼できる第三者に意見を聞いたりして、視野を広げてみましょう。
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