更新日:2025/01/23
この記事のまとめ
転職後、期待とは違う現実に直面し、「もう辞めたい」と悩むケースも少なくありません。しかし、転職後にすぐ辞めるとなると、さまざまな懸念を抱くのではないでしょうか。
そこで本記事では、転職後にすぐ辞めるリスクや辞めるか判断する際のチェックポイントなど、早期退職に関する悩みを解決するヒントをご紹介します。あなたのキャリアにとって最良の選択ができるよう、一緒に考えていきましょう。
目次
雇用期間の定めがない契約であれば、いかなる理由であっても企業が退職を無理に引き止めることは、法律上できません。しかし、法律上問題がなくとも、さまざまな面で影響が出る恐れはあります。後悔しないためにも、転職後すぐに辞める決断をした際に起こり得るリスクをチェックしましょう。
たとえば家庭の事情や病気、けがなど、やむを得ない事情から退職を余儀なくされるケースもあります。このような事情を含め、明確な退職理由があるのであれば、企業としても認めざるを得ないため、退職時にトラブルが起こることは少ないでしょう。
しかし、たとえやむを得ない事情があったとしても、早期離職という事実は残ります。次の転職活動に影響する可能性はゼロではないため、実際に辞めるかどうかは慎重に検討を重ねましょう。
新卒や第二新卒枠として転職したケースであれば、すぐ辞めたとしても、転職活動への影響は少ないでしょう。20代前半のうちはこれまでの経歴よりも、今後の成長を重視したポテンシャル採用が一般的であるからです。
とはいえ、早期離職理由がいいかげんなものであった場合には、マイナスイメージを持たれてしまいます。仕事や環境が合わなかったという理由であっても、「その経験を糧に転職後はどうしていきたいのか」など、将来性を感じさせる自己PRを心掛けましょう。
前職をすぐ辞めた応募者に対して、どのように考えるかは業界や企業によっても異なります。たとえばIT業界やベンチャー企業などでは、キャリアアップのために短期間で転職を繰り返す方が少なくありません。そのため、前職をすぐに辞めた経歴がある応募者に対しても寛容な傾向にあります。そのほかでは営業や飲食・販売など、中途採用が盛んな業界も早期離職者を比較的受け入れやすいでしょう。
転職後すぐに辞めたいと感じる理由はさまざまです。期待していた仕事内容と現実のギャップ、なじめない社風、人間関係の問題、労働環境の悪さなどが主な要因となります。これらは事前の情報収集だけでは把握しきれないこともあり、実際に働いてみて初めて気づくケースも少なくありません。以下では、転職後すぐ辞める主な理由について詳しく解説していきます。
転職後に仕事内容が想像と異なると感じるケースは少なくありません。事前の情報収集では把握しきれない部分もあるため、実際に働いてみて気づくことも多い傾向です。たとえば、求人情報では「クリエイティブな業務」とされていても実際は単調な作業が中心であったり、「顧客折衝あり」と書かれていても内勤作業が続いたりすることがあります。
このようなミスマッチが、モチベーションの低下や職場への不適応感につながり、すぐに辞めたいと感じることもあるでしょう。
転職後に社風が合わないと感じるケースもあります。企業のWebサイトや求人情報では把握しきれない雰囲気があるためです。たとえば、「風通しのよい会社」とうたっていても、実際には頻繁な飲み会参加が暗黙のルールであったり、「オンオフのメリハリがある」とされていても、相談しづらい雰囲気があったりすることもあるでしょう。
このような社風と自分の理想とのギャップが、短期退職の理由となるケースも少なくありません。職場環境は人生の大部分を過ごす場所であるため、会社の雰囲気が合わないと大きなストレスにつながります。
人間関係の不和も、転職後すぐに辞めたくなる主な理由のひとつです。「上司や同僚との相性が合わない」「ハラスメントが横行している」など、良好な人間関係を築けない環境では仕事のモチベーションが低下し、精神的な負担も大きくなります。
また、コミュニケーションの難しさやチームワークの欠如も、職場での不適応感を助長する要因となります。特に、前職とは異なる組織文化や価値観の違いに戸惑うこともあるでしょう。人間関係の問題は、単に個人の性格の不一致だけでなく、組織全体の雰囲気やマネジメントスタイルにも起因することがあります。
求人情報と実際の労働条件が大きく異なる場合にも、辞めたいと感じることがあるでしょう。たとえば、過度な残業や休日出勤、有給休暇が取得しづらいなどの状況が挙げられます。また、オフィス環境の劣悪さや、安全衛生面での問題も早期退職の原因となり得ます。このような状況では、仕事のパフォーマンスだけでなく、心身の健康にも悪影響をおよぼす可能性もあるため、注意が必要です。
転職後すぐに辞めることは、キャリアに大きな影響を与える可能性があります。トータルの転職回数が多い応募者や、短期間での転職が続いている応募者のことを「早期離職リスクが高い人材」と企業は捉えます。組織への適応力や能力への懸念、採用コストの損失を避けたいという理由から、採用に慎重になる企業もあるでしょう。
特に明確なキャリアプランがなく、職場を転々としている場合には、企業からマイナスイメージを持たれやすいといえます。転職が続いているのであれば、いま一度、キャリアプランをよく練り、将来までを見据えたうえで行動に移りましょう。
転職後にすぐ辞めるか悩んだときには、こちらで挙げる6つのチェックポイントと現職の状況を照らし合わせてみてください。チェックポイントのうち当てはまるものが多い場合はもちろんのこと、辞める決定的な要因になるものがひとつでもあるのなら、退職を検討してよいでしょう。
辞めたい理由や悩みが、自分が動くことで解決できるものであるかは、すぐ辞めるかを判断する重要なポイントです。状況改善の努力をしたとしても改善が見込めないのであれば、今後も同じことで悩み続けるかもしれません。
また、可能であれば上司や上層部への相談を試みるのもおすすめです。ひとつでも状況改善のために努力をしておけば、転職活動の際に前向きな姿勢をアピールでき、「やむを得ない離職であった」と根拠を持たせられるでしょう。
人間関係での悩みや超過勤務など、どのような原因でも構いません。仕事による何らかの影響で心身に支障をきたしている場合には、すぐ辞めることを検討しましょう。
心身に支障が出ている場合、そのままにしておいてはさらに状況が深刻化し、最悪の場合には大きな病気や事故を引き起こしてしまう恐れがあるためです。まずは心身ともに健康であることを第一に考え、行動することをおすすめします。
給与や勤務時間、福利厚生など労働環境が自分に合わないと感じるのであれば、すぐ辞めるかを検討しましょう。自分が思い描くキャリアプランやライフプランに労働環境が合っているかどうかは、長く働き続けるうえでとても重要です。
実際、「日本労働組合総連合会」が2022年4月に発表した調査結果によると、労働環境が合わないことを理由に仕事を辞める方は少なくありません。説明されていたことや思っていたことと、現実が大きくかけ離れていたケースも散見されています。
参照:入社前後のトラブルに関する調査2022|日本労働組合総連合会
職場の人間関係の良しあしは、パワハラやセクハラ、いじめなどを受けているなど具体的なことだけでは判断できません。上司や先輩に相談を持ち掛けやすい環境であるか、アドバイスをもらえるかといった点も大きなチェックポイントです。
上司や先輩からアドバイスをもらえない環境では、スキルアップが難しく、今後のキャリアプランに大きな影響を与える恐れもあるでしょう。またアドバイスがない場合、新入社員の教育体制が整っていないと考えられ、改善される見込みも低いと考えられます。
想像していた業務と異なり、転職後すぐに辞めるかを悩むケースは少なくありませんが、仕事内容に興味を持てるかどうかも重要なポイントです。モチベーションややりがいに直結するためです。また体質や性質に合わない仕事では、キャリアを積み重ねるのが大変でしょう。早いうちに方向転換し、自分に合ったキャリアを改めて積み重ねるのは、賢いといえます。
現職を続けることで、成長を望めるかどうかは重要な判断材料です。スキルは磨けるか、キャリアアップは見込めるか、将来的なビジョンが確かであるかなどを普段の仕事内容から思い返してみましょう。
またここでいう成長とは、自分が求めるものと合致しているかどうかです。たとえば辛さに耐えることで根性が身についたなど、結果的に得られただけのものである場合には、当てはまりません。
転職後にすぐ辞める場合でも、退職の流れは一般的なものと変わりません。
注意点としては、退職の意思を伝えるタイミングです。法律上では、雇用期間の定めがない場合には、退職日の2週間前に申告すればよいとされていますが、実際には会社の就業規則に沿うことが一般的でしょう。
ただし転職後すぐなのであれば、引き継ぎも少なく、就業規則の規定より早くに退職できるケースもあります。退職を決意したり退職後の身の振り方が決まったりした場合は、早い段階で上司に伝えるとよいでしょう。
再転職を成功させるためには、自己分析から企業研究、応募書類の作成まで、具体的な手順を踏んで効果的な転職活動を行うことが大切です。特に、短期離職の経験がある場合は、より慎重な準備が必要となります。以下では、転職成功率を高めるための6つのポイントを詳しく紹介していきます。これらのポイントを押さえることで、よりよい転職先を見つけられるでしょう。
自己分析は転職成功の鍵です。自分の強み、弱み、価値観を深く理解することで、適切な転職先を見つけやすくなります。また、入社後のミスマッチも防げるでしょう。具体的には、過去の経験を振り返り、成功や失敗の要因を分析します。そして、自分が何を大切にし、どのような環境で力を発揮できるかを明確にします。この過程で、転職の本当の目的も見えてくるでしょう。
さらに、自己分析の結果は面接での自己アピールにも活用できます。自分を客観的に見つめ直すことで、転職後の職場でも自信を持って働けるようになるでしょう。
転職先に求める条件の優先順位づけは、適切な企業選びに欠かせません。企業への共感、仕事内容の魅力、社風・人間関係、福利厚生や勤務条件などの観点から、自分にとって重要な要素を洗い出しましょう。譲れない条件を設定し、それ以外は相対的に比較して重要度を検討します。ただし、条件を増やしすぎると選択肢が狭まる可能性があるため注意が必要です。
優先順位は転職活動を通じて変化することもあるため、まずは仮の設定から始め、選考や面接を通して見直していくことをおすすめします。この方法で、自分に合った企業を効率的に見つけられるでしょう。
企業の基本情報や特徴、強みも把握しておきましょう。経営者の考え方や企業風土も重要な要素です。これらの情報は、企業ホームページや業界誌から収集できます。収集した情報は、比較しやすいようノートやデータにまとめることをおすすめします。多角的な情報収集を心掛け、求人広告や口コミサイトなども活用しましょう。
入念な企業研究は、入社後のギャップを減らし、納得のいく転職を実現する近道となります。また、面接時にも企業への理解度をアピールでき、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。慎重な企業研究は、長期的なキャリア形成の基盤となり、転職後の適応をスムーズにする重要な要素といえます。
早期離職の経歴は、多くの場合において選考に不利だといわれています。株式会社マイナビの「転職動向調査2024年版(2023年実績)」によると、転職成功までの応募社数平均は8.8社でしたが、これはあくまで全体の平均です。早期離職者の場合、平均以上の応募数が必要になることもあります。
一度に応募する企業数は、なるべく多いほうが無難です。スケジュール管理を徹底し、効率よく転職活動を進めましょう。
参照:転職動向調査2024年版(2023年実績)| 株式会社マイナビ
履歴書をはじめ応募書類に転職理由を書く際には、明確に記載しましょう。下手に言葉を濁すと、かえって不信感を抱かれてしまいます。また、前向きな気持ちで転職に取り組んでいることが伝わるように心掛けましょう。「このような理由で前職はすぐ辞めるに至ったが、だからこそ転職後はこうしたい」などといった具合です。
転職理由にもよりますが、反省や自己理解の深さのほか、その経験を糧にしていこうとしていることが伝わればマイナスな印象を払拭できるでしょう。
早期離職の経歴が転職活動において不利になることを恐れ、職歴を偽装することは避けましょう。職歴はすべて正しく記載するのが望ましいとされているため、省くことも好ましくありません。また、経歴詐称が知られれば、解雇される恐れがあります。たとえ採用されたとしても、「いつ周りに知られるか分からない」という不安を抱えて働き続けるのは大変でしょう。
転職エージェントの利用は、転職活動を有利に進める手段として効果的です。専門知識を持つキャリアアドバイザーが、経験や希望を丁寧に分析し、最適な求人を紹介してくれます。特に、短期離職経験者にとっては、状況を理解したうえでの的確なアドバイスが得られる点が大きなメリットです。
また、非公開求人へのアクセスや、書類作成・面接対策のサポートも受けられます。転職市場の最新動向や企業の内部情報など、個人では得難い情報も提供してくれるため、より戦略的な転職活動が可能です。プロのサポートを受けることで、転職成功の可能性を高められるでしょう。
転職後すぐに辞めたいと悩んでいる方は、マイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが豊富な求人情報と業界知識を活かし、あなたに合った転職先を見つけるサポートをいたします。
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転職後にすぐ辞めることは、法律上の問題はないものの、キャリアに影響を与える可能性があります。そのため、短期離職のリスクを理解し、慎重に判断することが重要です。再転職の際には、自己分析や企業研究といった事前準備の徹底をおすすめします。
転職後、すぐに辞めたいとお悩みの方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。転職市場に精通したプロフェッショナルが、書類・面接対策から条件交渉まで、転職活動を丁寧にサポートいたします。
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