更新日:2024/05/28
この記事のまとめ
一般的に入社してから3年以内に退職した場合は短期離職と見なされます。短期離職した事実に対して採用担当者にネガティブな印象を持たれる可能性があるため、職務経歴書の書き方には工夫が必要です。
この記事では、職歴に短期離職期間がある方へ向けて職務経歴書の書き方や退職理由の伝え方を紹介します。訴求力の高い職務経歴書を作成し、書類選考の通過率を上げたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
短期離職はマイナスなイメージを持たれやすいことから、「書きたくない」と思っている人もいるでしょう。しかし、短期離職や試用期間中に退職した場合も職務経歴書には記載が必要です。
転職時には、前職の離職票を転職先に提出します。履歴書や職務経歴書に記載する経歴をごまかしてしまうと、離職票とのつじつまが合わずに不信感を抱かれてしまうでしょう。経歴詐称が発覚すると、内定取り消しや解雇にもつながりかねないため注意が必要です。
短期離職をしている場合、職務経歴書の書き方には工夫が必要です。「またすぐに辞めるのではないか」「人間性に問題があるのでは」などネガティブな印象を持たれないようにするためにも、以下で紹介する書き方のポイントを押さえておきましょう。
職務経歴書でよく用いられるフォーマットには、以下の3つがあります。
短期離職者や転職回数が少ない人には、編年体式がおすすめです。短期離職だとアピールできる実績が少ないため、編年体式で「自分がどのようなキャリアを歩んできたのか」をストーリー仕立てで伝えたほうが自分のことを理解してもらいやすくなります。
一方、異なる業種や職種の短期離職を繰り返してしまっている場合はキャリア式でまとめたほうがすっきりと見やすくなるでしょう。
基本的に退職理由を無理に記載する必要はありません。しかし短期離職している場合は、退職理由を簡潔に記載することをおすすめします。企業側は「応募者がなぜ短期間で辞めたのか」を知りたいと考えているためです。
退職理由は職務内容の最後に記載するとよいでしょう。あるいは、自己PRや志望動機と絡めて記載するのも選択肢のひとつです。
退職理由は、たとえネガティブな内容であったとしても、ポジティブな表現に変換して伝えることが大切です。「給与が低かった」ではなく「実績が給与に反映される会社で働きたい」といったように、前向きな転職理由になるようにしましょう。
異業種への短期離職を繰り返している場合、特定の分野や技術を身についていないことがほとんどです。しかし、さまざまな業種を経験したことによる対応力や柔軟性をアピールできます。どのような業務でも積極的に挑戦できる、新たな社風にもなじめることなどを強みにするとよいでしょう。
また、異業種への転職を繰り返していると、キャリアに一貫性がないことを懸念される可能性があります。さまざまな業種を経験したうえで、「やりたいことが見つかった」といったように志望動機につなげると効果的です。
短期離職の理由がネガティブな内容であったとしても、ポジティブな表現で伝えることが大切です。とはいえ、どのように表現を変えて伝えたらよいのかが分からずに悩むこともあるでしょう。そこでここでは、ネガティブな短期離職の理由をポジティブに変換した例文を紹介します。
【例文】
前職は個人プレーの多い会社でした。私の武器はコミュニケーション能力やリーダーシップであるため、チームで協力・連携し、よりよいサービスを追求できる環境で働きたいと思い、転職を決意しました。
上記の例文は、自分の強みも絡めて前向きに転職理由を伝えている例文です。「人間関係がうまくいかなかった」とストレートに伝えてしまうと、職場になじめない人だと思われてしまうため注意しましょう。
【例文】
前職は長い歴史のある会社で、保守的な経営方針でした。私は新しいことに積極的に取り組んでいきたいと考えており、自分の意見やアイデアを聞き入れてくれる職場で働きたいと思い、転職を決めました。
会社によって方針や社風はさまざまです。会社の方針が悪いと否定するのではなく、「自分はこうしたい」といった主張を伝えることで前向きな姿勢を伝えられます。
【例文】
前職は人手不足が深刻なうえに、非効率的な作業が多く、毎月40時間を超える残業が続いていました。この現状を打破するためにITツールの導入を提案したものの、デジタル化に消極的な会社では受け入れてもらえませんでした。私は〇〇の資格取得も考えており、時間を確保したかったため、労働環境を変えようと転職を決意しました。
ただ「残業が多かった」と伝えてしまうと、会社への不満になります。上記は労働環境をよくしようと行動したものの、実現できなかったため転職を決意したことを伝えており、前向きな転職理由を持っていることが分かります。
【例文】
営業事務として働き、営業をサポートすることにやりがいを感じていました。しかし、「自分のスキルの幅を広げてみたい」「顧客と直接コミュニケーションを取ってみたい」という思いが強くなり、営業職へのキャリアチェンジを決意しました。
人によって仕事には向き不向きがあります。しかし、「仕事が合わなかった」と伝えると後ろ向きの印象を与えてしまいます。「自分にはどういった仕事が向いているのか」「何をしたいのか」と変換して伝え、自分の強みや入社意欲をアピールしましょう。
【例文】
前職ではさまざまなITツールを導入しており、エンジニアの方と接する機会が多くありました。業務効率化を支援するITツールについてのお話を聞き、自分でも調べていくうちにIT業界への興味が高まっていきました。未経験の業界への転職ではありますが、基本情報技術者試験にも合格し、基本的なIT知識は身につけています。
異業種へ転職する場合は、他業界に興味を持った背景や理由を伝えるとよいでしょう。前職の退職理由は、無理に記載する必要はありません。
職務経歴書は自身の職歴やスキルを伝える書類で、書類選考の通過に大きく影響します。自分を採用するメリットが企業側に伝わるように作成しないと、面接までたどり着けないでしょう。ここでは、短期離職者が職務経歴書を作成する際に意識したいポイントを5つ紹介します。
企業は自社で即戦力となる人材を採用したいと考えています。そのため、企業がどのようなスキルや経験を持つ人材を求めているのかをリサーチし、効果的にアピールポイントを絞って伝えることが大事です。たとえば、同じIT系企業でも使用するプログラミング言語が異なる場合があります。志望先企業で使用しないプログラミング言語のスキルをアピールしても意味はありません。
企業のニーズをつかむには、入念な企業研究が重要です。求人情報だけでなく、HPやSNSなどインターネットを駆使して情報収集しましょう。
企業側は短期離職者に対して「またすぐに辞めるのではないか」と懸念します。そのため、長期的に働く意志を示せないと採用はもらえません。長期的に働く意志を示すには、入社後の目標やキャリアビジョンを伝えるのが効果的です。
「入社して3年後には組織を引っ張るリーダーになる」「10年後には複数の開発工程を担当するフルスタックエンジニアになる」など、数年後、数十年後に志望先企業でどのように活躍しているのか、ビジョンが具体的であるほど長期的に働く意志を示せます。
職務経歴書にかかわらず、選考においては「自分を売り込むこと」が重要です。強みのない人材は魅力的には映らないうえに「自己分析が甘い人」とマイナスな印象を与えてしまいます。短期離職により実績や経験が少なくても、過去のキャリアをすべて洗い出して強みをアピールする必要があります。
実績や経験といったアピール材料がない場合は、ポータブルスキルを盛り込むのがおすすめです。ポータブルスキルとはどのような業種・分野でも通用するスキルのことで、コミュニケーションスキルやマルチタスクスキル、問題解決能力などが挙げられます。
職務経歴書に記載する実績や自己PRでは、具体的な表現を用いることが大切です。ただ単に「目標を達成した」「業務効率化のシステムを開発した」といった抽象的な表現では、自分のスキルレベルが伝わりません。
「毎月10件の新規顧客を獲得した」「キャンペーンの実施とクーポンの配布によって、顧客満足度を前年よりも10%向上できた」など、数字を用いたり具体的なエピソードを交えたりすることで、自分の仕事ぶりや能力を詳細に伝えられます。
職務経歴書の書き方やレイアウトに決まりはありません。そのため、人によって職務経歴書の見栄えには大きく差が出ます。箇条書きや表などを適宜使用して見やすいレイアウトにすることで、採用担当者に丁寧な印象を与えられるでしょう。また、ほかの応募者との差別化を図れます。
職務経歴書を作成する際には、採用担当者の視点に立つことが大切です。採用担当者に「読みにくい」「アピールしたいことが伝わらない」と思われると、採用にはつながりません。ここでは、短期離職者が職務経歴書を作成する際のNG行為を3つ紹介します。
職務経歴書には記載項目が多くあり、作成するには多くの時間と労力がかかります。かといって、まったく同じ職務経歴書を使い回すのはNGです。職歴は同じ内容でも問題ありませんが、自己PRは志望先企業によってアレンジする必要があります。なぜなら、志望先企業によって求められる人材は異なるためです。どの企業でも通用する内容だと、採用を獲得できません。
短期離職を隠すために、うそをついたり経歴を省略したりするのはNGです。うそがばれてしまえば内定取り消しや解雇につながります。たとえ勤続可能であったとしても、信頼関係が壊れて仕事のパフォーマンスにも悪影響が生じます。短期離職であっても、ごまかさずに正直に記載しましょう。
何度も転職を繰り返している場合、職務経歴書の枚数が多くなってしまいます。しかしあまりにも枚数が多いと、読みにくいうえにアピールしたいことも伝わりにくくなってしまいかねません。職務経歴書の理想の枚数は2枚とされていますが、多くても3枚~4枚程度にまとめられるよう書き方を工夫しましょう。
職務経歴書の書き方について、まだ疑問や不安のある方もいるのではないでしょうか。転職活動を前向きに進めるためにも、気になる点はしっかりと解消しておきましょう。ここでは、職務経歴書に関するよくある質問を3つ紹介します。
職務経歴書は基本的に正社員として働いた経歴を記載するもので、アルバイトや派遣の勤務歴は記載する必要はありません。しかし、短期アルバイトや短期派遣として働いた経験が志望先企業の業務で活かせるのであれば、積極的に記載してアピールするとよいでしょう。
履歴書には「一身上の都合により退職」「会社都合により退職」など退職理由を記載する必要がありますが、職務経歴書には不要です。ただし、退職理由は採用担当者が気になる部分でもあります。特に短期離職や会社都合による退職の場合は、退職理由を記載したほうが採用担当者の不安を解消できてプラスのイメージを与えられる可能性があります。
離職期間が長い応募者に対し、採用担当者は「働く気持ちがあるのだろうか」「健康面や人間性に問題があるのでは」など、さまざまな不安を感じる場合があります。離職期間が3ヵ月程度であれば記載する必要はありませんが、半年を超える場合は離職期間に何をしていたのかを記載したほうがよいでしょう。
離職期間の過ごし方を伝える際にも、できる限りポジティブな表現にすることが大切です。たとえば「何もしていなかった」「転職活動に時間がかかった」ではなく、「キャリアプランを練り直していた」「資格を取得していた」など働く意欲が伝わるように記載しましょう。
短期離職をしている場合、転職活動には工夫が必要です。入社後のミスマッチを防ぐための求人探しや企業研究、採用担当者の不安を解消するための選考対策など注意したいポイントが多くあります。
短期離職経験をプラスに変えられるアドバイスがほしい、自分に合った転職先を見つけたい方には転職エージェントの利用がおすすめです。マイナビエージェントは、短期離職者の転職支援実績が豊富にあります。短期離職者ならではの悩みや不安を取り除き、転職が成功するようお手伝いいたします。
職務経歴書には、自身の職歴を漏れなく記載する必要があります。そのため1ヵ月未満の短期離職や試用期間中に退職した場合でも記載しましょう。短期離職の理由を伝える際には、ネガティブな内容であっても転職意欲が伝わるようポジティブな表現で記載することがポイントです。
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