更新日:2024/02/02
この記事のまとめ
「キャリア式の職務経歴書ってどんなフォーマット?」
「キャリア式のフォーマットのメリットや使用するのに向いている人が知りたい」
と、キャリア式の職務経歴書について、疑問を抱いている方も多いかもしれません。
キャリア式の職務経歴書は、業種や職種、プロジェクトに着目したつくりになっており、経歴をアピールするのに有効です。
ただし、利点を踏まえたうえで作成しないと、アピールポイントが伝わらないこともあるので注意が必要です。
そこで今回は、そのほかのフォーマットとの違いや、キャリア式を使用するメリット、向いている人、注意点、ポイントなどを解説します。
職務経歴書の書き方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
職務経歴書には決められた書き方がなく、基本的には応募者が自由に作成できる書類です。「キャリア式」をはじめ、「編年体式」「逆編年体式」といったフォーマットが存在し、用いるフォーマットによってアピールできる部分が異なります。まずはそれぞれの違いについて見ていきましょう。
自身の職歴を時系列で書くのではなく、経験した業務や携わったプロジェクトを基準にして記載するのが「キャリア式」の特徴です。
キャリア式で記載すると、実績をアピールしやすくなります。また、キャリア式は転職回数に着目されませんので、転職を繰り返してキャリアアップを図ってきた方も効果的にアピールできるフォーマットです。
【例】
■営業
2017年4月~2018年12月
●●株式会社
事業:○○
資本金:○万円
従業員数:○人
所属:○○
業務内容:
知識・スキル:
資格取得:
2022年4月~現在
●●株式会社
事業:○○
資本金:○万円
従業員数:○人
所属:○○
業務内容:
知識・スキル:
資格取得:
■プログラマー
2019年1月~2022年3月
●●株式会社
事業:○○
資本金:○万円
従業員数:○人
所属:○○
業務内容:
知識・スキル:
資格取得:
これまでの職歴を入社日の古い順から記載する形式が「編年体式」です。履歴書の「学歴・職歴」欄と形式が同じであるため、採用担当者が職歴を確認しやすい点がメリットに挙げられます。ポピュラーなフォーマットで見やすいと感じる担当者も多いため、特にこだわりがない場合には編年体式を用いるとよいでしょう。
【例】
2016年4月~2020年3月
●●株式会社
事業:○○
資本金:○万円
従業員数:○人
所属:○○
業務内容:
知識・スキル:
資格取得:
2020年4月~現在
●●株式会社
事業:○○
資本金:○万円
従業員数:○人
所属:○○
業務内容:
知識・スキル:
資格取得:
入社日の新しい順から職歴を記載していくのが「逆編年体式」です。編年体式とは逆のフォーマットであり、現職または直近の職歴をアピールしたい場合に用いられます。現職と応募先の職種が同じ場合や、直近のスキルがアピールポイントとなり得る場合などにおすすめの形式です。
【例】
2019年4月~現在
●●株式会社
事業:○○
資本金:○万円
従業員数:○人
所属:○○
業務内容:
知識・スキル:
資格取得:
2017年4月~2019年3月
●●株式会社
事業:○○
資本金:○万円
従業員数:○人
所属:○○
業務内容:
知識・スキル:
資格取得:
「編年体式」と「逆編年体式」の職務経歴書の書き方については、以下の記事を参考にしてみてください。
職務経歴書には3種類のフォーマットがありますが、キャリア式を選択するメリットとしては、主に以下の3点が挙げられます。以下のメリットを魅力的に感じる方は、職務経歴書をキャリア式で作成することをおすすめします。
キャリア式は、時系列で職歴を記載する形式よりも特定の実績やスキルをアピールしやすいフォーマットです。したがって、応募先企業のニーズにマッチした職務経歴がある方に適しています。
ほかのフォーマットの場合、職務経歴全体の中間に位置する内容は、採用担当者の目に触れにくいデメリットがあります。しかし、キャリア式は時系列にとらわれないフォーマットのため、自分がアピールしたい経歴を最も目立つ先頭に記載することも可能です。
キャリア式の職務経歴書では、キャリア全体を整理整頓することで一貫性を持たせることができます。
時系列で記載する職務経歴書の場合、異業種・異職種へ複数回転職していると、まとまりのない印象を与えてしまう恐れがあります。一方、キャリア式であれば、自分の裁量でいままでの職務経歴を区分けし、職種やプロジェクトごとにまとめられる利点があります。
専門性の高い職務経歴をもつ方は、キャリア式の職務経歴書が適しています。
キャリア式のフォーマットは、一つひとつの担当業務やプロジェクトについて深掘りできるため、技術職などの専門的な業務の経験・実績・得意分野などについて、まとめてわかりやすく記載できます。また、期間を跨いで経験した職種や案件も一つの括りでまとめられるので、業界・職種への精通度合いもアピールしやすいでしょう。
キャリア式のフォーマットはすべての方に向いているものではなく、一定の条件に当てはまる方におすすめできるものです。
まず該当するのは、転職回数が多い人です。キャリア式の場合、時間軸ではなく業種や職種、プロジェクトなど職務内容別にまとめるため、転職回数の多さが目立ちません。「転職を繰り返していて職歴が多い」「職歴が多くてアピールできる経歴が埋もれてしまう」などの心配も、キャリア式を用いることで解決できます。
ほかには、特定の業界・企業に一貫して従事し、成果や実績、定量化できるスキルなど、列挙できる材料が多い方、エンジニアや技術系といった専門的な職種を経験している方にも、キャリア式のフォーマットがおすすめです。専門スキルを記載しやすいというメリットもあり、一つひとつの項目を深掘りして記載できます。
前項に該当する方の場合、キャリア式のフォーマットを用いると、企業への訴求力を高められます。
ただし、キャリア式はポピュラーなフォーマットではないので、きちんとポイントを押さえて、わかりやすい職務経歴書を作成するのが重要です。
キャリア式を使用する際は、以下4つのポイントを意識するようにしましょう。
キャリアを全面的にアピールするキャリア式は、これまでに経験した業務内容を基準にして経歴を伝えます。そのため、時系列での経歴が分かりにくいのが難点です。そうしたデメリットを解消するためには、時系列で示した略歴を冒頭に記載するとよいでしょう。簡単な時系列を記載することで、採用担当者が見やすい書類に仕上がります。
職務経歴書の基本的なフォーマットには、自己PR欄があります。職務経歴書において、自己PR欄は経歴の補足的な位置づけですが、アピールポイントがある場合にはうまく活用しましょう。とはいえ、長文での自己PRは避けたほうがよいかもしれません。応募先の企業に適したものを3つ程度ピックアップし、アピールできるエピソードを記載しましょう。
職務経歴書に記載する実績は、数値を用いて具体的に表現しましょう。主観や曖昧な表現では、信憑性や説得力に欠けてしまいます。第三者である採用担当者が一目で理解や納得ができる職務経歴書づくりには、数字を用いることが必須です。
営業職を例に挙げると、「売上目標」に対する「達成率」と、それによる「結果(順位)」を伝えると、実績を分かりやすくアピールできます。併せて「昨対比」を記載するのも有効です。ただし、売上などを具体的に明記できないケースもありますから、その場合には達成率の部分を強調しましょう。
【記入例】
〈売上高〉
2019年度:2670万円(達成率97%)
2020年度:2,780万円(達成率110%)
2021年度:3,200万円(達成率115%)
採用担当者は、応募者の職務経歴書から、自社が必要とする人物像とのマッチ度を見極めようとしています。企業が求める人物像に通ずるスキル・実績を、採用担当者の目につきやすい最初に記載してアピールしましょう。ただし、そのためには、企業が必要としている人材をリサーチし、分析することが必須となります。
また、仕事へ取り組む姿勢や今後のビジョンなども採用担当者が着目するポイントです。スキルや実績と絡めてアピールできるとよいでしょう。
職務経歴書で効果的にアピールする方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
ここからは、キャリア式の職務経歴書を作成する際の注意点について、職種別に解説します。職種によって記載すべき内容は異なりますから、どういった点に気をつけるのかを把握したうえで、職務経歴書を作成しましょう。職種ごとの例文もご紹介するので、訴求力のある職務経歴書を作成するための参考にしてください。
営業職といっても、営業の相手や取り扱うサービス、営業方法などはさまざまです。そのため、誰にどのような商品をどうやって販売していたのかを明記することがポイントといえます。また、数字から判断できる実績はもちろんですが、仕事への取り組み方を伝えるのも効果的です。
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事務職にも一般事務や総合企画、労務や人事など、さまざまな業務があります。そのため、企業概要や担当部署、担当していた業務を分かりやすく記載しましょう。職務経歴書の内容が書類作成のアピールポイントにもなり得ますから、細かい点にも気を配ることが大切です。
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どのような商品をどのような形式で販売していたのかを明確に記載しましょう。担当していたポジションのアピールは、具体的に書くことをおすすめします。また、仕事への姿勢を記載するのも効果的です。
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専門性が必要となる職種ですから、プロジェクトの種類やポジション、使用言語などを記載しましょう。表を使用したり、箇条書きを用いたりすると、内容を分かりやすく伝えられます。
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経歴をアピールするために、どの業務を担当していたのかを明確に記載します。メンバーの進捗管理や営業戦略など、具体的に業務内容を記載し、責任範囲を分かりやすく示しましょう。また、マネジメント人数や予算など、プロジェクトの規模を記載するのもポイントです。
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職務経歴書を読みやすくするためのポイントについてより深く知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
履歴書や職務経歴書を提出する前には、いくつか確認しておきたいポイントがあります。たとえば、日付や写真、送付状の内容などに不備がないかといった細かい点もその一つです。郵送の際にも意識したいマナーがありますから、応募書類を提出する前に、確認しておきましょう。
履歴書と職務経歴書を提出する場合、日付は記入日ではなくて提出する日を記入します。書類を持参する場合は持っていく日付、郵送する際にはポストへ投函する日に合わせましょう。
年月に誤りがないか、和暦と西暦が混在していないか、といった部分の確認も忘れてはいけません。誤字や脱字、数字の記入ミスがあると、印象が悪くなることも考えられます。自分では気がつかないミスや、思い込みで使用してしまっている漢字などもあるため、第三者にチェックしてもらうのも効果的です。
送付状には、あいさつとしての役目や、書類の目的を明確にする「表書き」の役割があります。送付状が採否を左右するわけではありませんが、マナーが身についている証と判断してもらえることもあるでしょう。
また、応募書類に書ききれなかった自己PRがあれば、記載しても構いません。選考に不利と思われる経歴がある場合には、送付状で事前に説明しておくと、よい方向へと印象を変えられることもあります。
以下の記事を参考に、職務経歴書に適した添え状を作成しましょう。
面接では、応募者が作成した書類の内容について、質問されることも珍しくありません。その際、書類の内容とまったく別の回答をしてしまうと、採用担当者を混乱させてしまうため、コピーを取っておくとよいでしょう。
志望動機に矛盾が生じたりアピールポイントが異なっていたりすると、信用できない人材と判断される恐れもありますから、面接前にコピーに目をとおしておきましょう。書類選考に通過しなかった場合にも、書類のコピーがあれば、次に向けてブラッシュアップできます。
職務経歴書の作成で不安がある場合は、転職エージェントを利用しましょう。自らの成長を促すうえでは、悩んだり考えたりする時間も大切ではありますが、あまりに長く考え過ぎたのでは、貴重な時間を無駄にしてしまいます。以下のメリットを踏まえたうえで利用を検討しましょう。
転職エージェントを利用すると、応募先企業に合わせて自分自身を最大限にアピールできる職務経歴書を作成できます。
転職事情に精通している転職エージェントは、各業界・企業の内部事情を熟知する存在です。そのため、企業と求職者のマッチングの精度は高く、選考対策のサポートも手厚くなっています。あらゆる疑問に的確なアドバイスをもらうこともできます。
書類選考突破の可能性が高い職務経歴書を、より確実に、よりスピーディーに仕上げるうえで、転職エージェントは非常に心強い存在です。
自身の経歴は企業へのアピールポイントとなるものですが、記入方法に自信がなかったり、書き方のポイントが分からなかったりする方も多いでしょう。アピール方法は職種によっても異なりますから、悩んでしまうのも無理はありません。
そこでおすすめしたいのが、マイナビエージェントの「職務経歴書自動生成ツール」です。このツールを利用すれば、必要項目を埋めるだけで簡単に効果的な職務経歴書が完成します。職種ごとのポイントも解説しているので、訴求力のある職務経歴書を作成したい方にもおすすめです。書き方に不安がある方は、ぜひ便利なツールを活用してみてください。
キャリア式は、業種や職種、プロジェクトの括りで職務経歴をまとめて記載できる職務経歴書のフォーマットです。時系列では説明しにくい複雑な経歴がある方、専門性の高い経歴がある方に適しています。
本記事を読み、自分の経歴はキャリア式に適していると感じたら、ぜひキャリア式のフォーマットで職務経歴書を作成してみましょう。
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