更新日:2022/02/08
この記事のまとめ
理想の職場環境やキャリアプランの実現を求めて転職したものの、いざ働き始めると「業務内容が予想と異なった」「環境になじめない」などの理由から、失敗したと感じてしまう場合があります。
転職で失敗してしまう理由はそれぞれ異なりますが、陥りがちな失敗のパターンがあるのは確かです。
ここでは、ありがちな転職の失敗パターンや失敗してしまいがちな人の特徴をご紹介します。また、転職で失敗しないためのコツや転職先の選び方のほか、転職で失敗してしまったときの対処法も解説しますので、転職を成功に導くための参考にしてください。
目次
まずは、転職活動を行ううえで陥りがちな失敗パターンをご紹介します。
転職の応募書類や面接において、採用担当者がチェックする重要なポイントのひとつが志望動機です。
しかし、「御社の自由な社風に魅力を感じ、自分の経験を生かせるのではないかと思い応募しました」といった紋切り型の内容では、熱意や意欲を十分に伝えられない恐れがあります。
「なぜ、この会社に転職したいのか」、中途採用の場合は特に「自分の経験を生かしてどのような貢献ができるのか」といったことを具体的に示し、採用担当者に「この人を採用したい」と思わせるような志望動機にまとめましょう。
採用担当者に熱意が伝わる志望動機を書くことで、希望の企業に転職できる可能性が高まります。
年収がアップすることを最優先にして転職先を選んだ結果、社風が合わなかったり、スキルを生かせなかったりと、さまざまな面でミスマッチが生じてしまったという失敗パターンもあります。
「給与が安くても前職のほうが働きやすくてよかった」ということにならないよう、年収以外のポイントもしっかりとチェックして転職先を選びましょう。
面接は採用してもらうためにアピールする場ですから、少しでもよい評価を得たいと思うのは当然です。
しかし、見栄を張って実力以上のことをアピールして転職に成功したとしても、仕事が始まってから苦労するかもしれません。与えられた業務を十分にこなせずに、「期待外れだった」と思われてしまうこともあります。
自信を持って転職活動に臨むことは大切ですが、スキルや実績は正確に伝えましょう。そして、「いまは保有していないけれど、転職先で必要になるスキル」は、入社が決まった段階で獲得に向けて努力していくことも大切です。
労働環境や雇用条件など、事前の情報収集が足りていなかったため、「入社してみて思っていたのと違った」という失敗もあります。求人票や募集広告に示されている内容だけでは、十分な情報を得られません。失敗を防ぐには、企業のWebサイトなどで情報収集を行うことが不可欠です。
また、内定をもらったら、入社の意思を伝える前に雇用条件をあらためて確認しておきましょう。雇用条件をきちんと確認しておかないと、入社後に「話が違う」ということになりかねません。
なお、残業時間については企業によって取り扱いが異なりますが、「一定時間分の残業代が定額支給される」といったように就業規則などで定められていることがあります。また、営業職のように労働時間の把握が難しい場合、「みなし労働時間制」が採用されていることもありますので、こうした点も含め、雇用条件は入社前にきちんと確認しておきましょう。
転職先の企業を決める際、「絶対にこの企業に転職したい」という思いで、応募先を絞って1社ずつ転職活動に臨む方がいます。
しかし、不採用になる度にあらためてほかの企業へ応募することになるため、結果として転職活動が長引く傾向です。条件を満たす企業を数社ピックアップしてまとめて応募するなど、転職活動を長引かせないよう、心掛けましょう。
転職において、自分が何を一番重視するのかが明確になっていないと、「せっかく転職したのに希望が叶わなかった」と不満につながることがあります。
たとえば、キャリアアップを求めて、現職よりも専門的な知識を身につけられる環境に転職するつもりだったのに、待遇のよさに引かれて転職先を決めてしまい、結果として当初の目的が果たせなかったというケースです。
こうした失敗を避けるためにも、転職に求める条件を明確にし、優先順位をつけておきましょう。そのうえで、優先度の高い条件を満たす企業を、転職先として選ぶようにしてください。
同業種や同職種だからすぐなじめるだろうと考えていたが、「いざ働き始めてから、業務内容の違いに戸惑って失敗した」と感じる場合もあります。
たとえば、前職と同じエンジニア職で採用され転職したものの、「扱うソフトが前職と異なり、1から覚える必要があった」など、同職種であっても企業によって必要となるスキルが異なるといったことは少なくありません。
同業種、同職種への転職では、仕事内容が異なっていたり、まったく違うスキルが必要となったりする場合があることを意識しておきましょう。
「やりたい仕事」と「自分の能力に適した仕事」は、必ずしも一致するわけではありません。自分がやりたいからといってすぐに転職を考えるのではなく、まずは「その仕事に就いたらどのようなスキルを生かせるか」を確認しましょう。
希望する企業の情報を収集して、自身の保有スキルを生かせるのか、もしくは求められるスキルを入社後に磨いていけるか検討のうえ、応募してください。
前の職場の社風への不満から社風が異なる企業に転職したものの、転職先の社風が合わないうえ、仕事のやりがいも感じられないという失敗パターンも考えられます。
「社員それぞれが淡々と業務をこなす孤立主義に不満を感じ、チームワーク体制が根づいた企業に転職したものの、共同で作業を進行することが苦痛になってしまった」「よく考えたら、特にやりたい仕事ではなかった」など、社風だけで転職先を決めてしまうと失敗するリスクが高くなることも覚えておきましょう。
転職が決まったら、退職して新しい職場で働き始めるまでに、引き継ぎを終わらせておく必要があるでしょう。
引き継ぎが終わらず、転職後も残務処理をしなければならなくなると、転職先に迷惑をかけてしまいます。また、あなた自身も新しい仕事に集中できず、中途半端な状態が続くかもしれません。
転職が決まったらスケジュールを立てて、後任者や同じ部署の社員、転職先にも共有するようにしましょう。やむをえず引き継ぎが長引きそうな場合は、転職先に連絡して入社日を遅らせてもらうなどの対応も必要です。
退職日までにやるべきことをすべて済ませ、すっきりとした状態で転職先での仕事をスタートしましょう。
事前に情報収集していたにもかかわらず、実際にもらった給料が想定より少なかったというケースもあるでしょう。
求人票などに示される給与額は、通常「額面」で、給料日に振り込まれるのは「手取り」という支払うべき所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれた金額です。実際にいくら引かれるかは、本人の給与額や家族構成、社内制度などによって異なります。
給与は単に額面だけで判断するのではなく、差し引かれる金額や社内制度の有無についても調べておくようにしましょう。
「出戻り転職」とは、退職してほかの会社で勤務した後に、再び元の会社に転職することをいいます。
他社での勤務を経て、「前職のよさを認識できる」ということもあるでしょう。とはいえ元の同僚や上司の中には、「また転職するのでは?」というネガティブな見方をする方がいる可能性もあり、以前と同じ雰囲気、関係性で働くことが難しい場合があります。
一度退職した企業に出戻って勤務する場合、上司や同部署の社員に、「他社での業務を経験することで、自社のよさを認識できた」など、戻ろうと思った理由・志望動機を明確に伝えることが大切です。
「前の職場よりも楽ができる」と思って転職をしても、「転職先の業務内容が予想以上に大変だった」ということもあるでしょう。転職をして業務の負担が軽減されるかどうかは、実際に働いてみないと分からない部分があります。
現職のタスクが多すぎてきついと感じたら、まず上司に相談して、業務量を減らしてもらえないか相談してみるのがおすすめです。業務量を調整してもらうことで余裕が生まれ業務に集中できるようになれば、作業効率が改善され、こなせる業務量の上限が伸びるかもしれません。
スキルを生かせると思って転職したものの、予想以上に高度な技術や能力が求められ、活躍できないという失敗パターンもあるでしょう。
スキルを生かしたいと考えて転職するのであれば、希望の企業でどの程度のレベルが求められるのか事前に確認し、不足していると感じた場合は技術や能力を磨いておく必要があります。
現状のスキルのレベルと、求められるレベルがかけ離れている場合は、違う転職先を検討するのが無難です。
誰しもが転職に失敗してしまう可能性を秘めてはいるものの、失敗しやすい人には、いくつかの傾向が見られます。
続いて、転職活動に失敗しやすい人の特徴をみていきましょう。
現在の会社からのスキルアップや、新たな業界での活躍などを目標として転職するのではなく、ただ職場から逃げたいというネガティブな気持ちだけで転職活動をしても、根本的な解決にはなりません。
現状の不満をなくすために転職をした方は、新しい環境の中でも新しい不満が生まれることが多い傾向です。転職活動の前には「なぜ転職をしたいか」を明確にし、ポジティブな目標を立てることも大切だといえます。
「とにかく早く転職したい」という思いから、転職先の情報を十分に収集しない、企業研究をしない方も、失敗しやすい傾向です。働きながらの転職活動は大変ですが、給与や残業の有無、福利厚生などの労働条件をきちんと確認しないで転職先を決めるのは賢明ではありません。
「忙しいから」「面倒くさいから」といって怠ることをせず、正しい情報を得たうえで、転職先を決めるようにしましょう。
働くうえでの目標を達成する、スキルをより生かせる仕事に就くといった具体的な目標ではなく、「違う環境に飛び込んでみたい」と転職そのものを目的にしてしまうと、失敗してしまうことも少なくありません。
転職はあくまでも、思い描く働き方に近づくための「手段」です。手段が「目的」と化してしまうと、転職がクセになり、繰り返してしまうことにもなりかねないので注意しましょう。
転職に失敗する人の共通点として、転職活動の準備が不足していたことが挙げられます。入念な準備や対策をするかしないかという点が、転職の成否を分ける重要なポイントになっているのです。
ここからは、転職を成功させるための準備と対策についてご紹介します。
業務の内容や範囲、残業の扱い、休日など、就業に関わる条件については、一通り確認しておきましょう。特に給与に関しては、募集要項には額面しか記載されていないことが多く、通勤手当や住宅手当など、社内制度による各種手当も含めて確認が必要です。
また、「仕事も大事だけれど、プライベートも充実させたい」「仕事ばかりでなく、家族と過ごす時間をもっと大切にしたい」といった希望がある場合は、転職先を探す際に育児や介護の制度など、福利厚生制度を確認するとよいでしょう。
社風だけで転職先を選ぶのはリスクが高いといえますが、転職の条件の重要なポイントであることは確かです。
程度の差こそあれ、どのような会社にもその会社特有の雰囲気があります。「前例主義で、既存の業務プロセスを重視する社風」「新しいものを積極的に取り入れる社風」など、企業によって社風はさまざまです。
実際、どのような社風であるのか、入社してみないと分からないものではあります。しかし、希望の企業が社会人向けのセミナーや勉強会を開催している場合は、参加することで社内の雰囲気を確認できるでしょう。
転職活動では、「ここだけは譲れない」という最も重要な条件を、はっきりさせておくことが大切です。同時に、「なぜその条件が重要なのか」ということも、再確認しておきましょう。
最優先となる条件、もしくは優先順位が高い条件を満たしているかどうかを念頭に応募企業を選べば、転職が成功する確率が高まります。
転職で失敗しないためのコツとして、転職先が決まる前に退職しないということも挙げられます。退職すると収入が途絶えてしまいますから、「早く次の仕事を見つけなければ」という焦りが生じ、就職先をじっくり選べません。
結果、転職先を妥協して選ぶこととなり、新たな職場でも早々に不満を感じてしまう場合があります。
転職を成功させるには、自分に適した企業を見つけることが大切です。そのためには、現在の仕事を続けながら余裕を持ってじっくり探すよう心掛けましょう。
なぜ転職したいと思ったのか、転職理由を掘り下げて考え、転職したいと考えた根本の原因を把握しておきましょう。
同じ理由で辞めたいと思わないように、転職先を選ぶ際に役立ててください。
いまの自分にできることを詳細に把握しておくことも大切だといえます。転職先の業種や職種が違っても、どこかに生かせるスキルはあるものです。アピールできるスキルを正確に把握していないと、採用面接の段階で落とされてしまうかもしれません。
また、キャリアアップを目指している方や、身につけたいスキルがあるという方は、転職先を選ぶ際に「業務を通して技術を身につけられる環境なのか」「社風として、スキルの向上を支援してくれる雰囲気や体制が整っているのか」など、入社後に働くことを想定してチェックしておくといいでしょう。
勤続年数にかかわらず、成果に応じた納得のいく給与を望む場合、昇給の頻度やインセンティブが見込めるかどうかなどを確認しましょう。
転職に成功したものの、働き始めてみてすぐに「辞めたい」と感じてしまう場合があります。転職後に辞めたくなってしまう、主な理由をご紹介します。
転職は、大きな環境の変化を伴います。新しい職場に慣れるまでは、日々緊張の連続です。それまで慣れ親しんできた職場の雰囲気や仕事のやり方が大きく変わるため、ストレスを感じることも少なくないでしょう。
特に、未経験の業種への転職や初めての転職の場合、環境の変化についていけず、戸惑いを感じてしまうことがあります。
新しい職場への希望を持って転職したはずが、緊張感やストレス、不安が強くなり、「せっかく転職したが、続けていけそうにない」と感じてしまうのです。
職場に限らず、集団で活動するときの一番の悩みの種が人間関係でしょう。特に、転職してすぐの時期に人間関係をうまく築けずにいると、今後長く一緒に働いていけるかどうか不安になって、辞めたいと感じてしまうかもしれません。
中途採用で入社すると、前の職場の雰囲気と異なっていることから、うまくコミュニケーションがとれない場合も多くあります。
未経験の職種であればもちろんのこと、同じ職種であっても、会社によって仕事の進め方やルールは異なります。数多くのことを覚える必要があり、肉体的にも精神的にも疲れるものです。
中途採用者は新卒と違い社会人経験があることから、転職後すぐにさまざまな仕事を任されることもあります。しかし、いくら社会人経験があっても、新しい環境でいきなりうまく仕事をこなせるわけではありません。
疲れが溜まるうえに仕事に対する自信を失ってしまうと、辞めたいと強く感じてしまうのです。
意気込んで転職活動をしても、転職に失敗をしてしまう可能性はゼロではありません。そんなときには具体的に、どういった対処法をとればよいのでしょうか。続いては、転職で失敗してしまったときの対処法をご紹介します。
転職後、「転職先を間違えた」と感じた場合、転職に至る経緯を振り返ってみてください。一刻も早く転職したいがために、本来しっかりと行うべき事前の準備が不十分になってしまったことなどが、原因として考えられるでしょう。
「給与だけで選んでいた」「自分のスキルに合致する企業を選んでいなかった」など、転職の経緯を振り返ることで失敗の原因が明確になれば、次の転職に生かして成功につなげられます。
無事転職できたにもかかわらず「失敗した」と感じてしまっても、またすぐに転職をするのはやめましょう。「職場の雰囲気になじめない」「業務をこなすスキルが不足している」と感じていても、時間が経てば解消される悩みも少なくありません。
また、在籍期間が短ければ、次の転職の際に「すぐに会社を辞める人だ」と判断され、不利になることもあります。どのような場所でも慣れるまでには時間がかかるという気持ちで、時が過ぎるのを待つことも必要です。
転職をして「以前の職場のほうがよかった」と感じる場面が多いときには、出戻りを検討するのもひとつの選択肢です。ただし、「出戻り」に関してよいイメージを持たない方も一定数いますし、「新しい職場が嫌だったから」という理由で出戻りをするのは、社会人として望ましくはないでしょう。
すぐに前の会社に戻ろうとはせず、転職先で一定期間頑張る努力も必要です。そのうえでやはり前の職場に戻りたいと思った場合、前職を円満退社できていたのであれば、お世話になった上司などに相談してみるのもよいでしょう。
転職先である程度働いても、「やっぱり再転職したい」と思った場合には、転職活動の前にいま一度自身の市場価値を見直しましょう。職歴や専門知識、職場での実績など、さまざまな観点から自身を判断し「どういう企業から必要とされるか」を客観的に判断することで、失敗を繰り返すことを防げます。
しかし、「冷静に」といっても自身のことを100%客観視するのは難しいかもしれません。市場価値の見直しの際には、転職サイトを活用したり、転職エージェントに相談したりするのもひとつの方法です。
転職先を選ぶときは、企業の情報を収集し、深く調査することが大切です。
転職に失敗してしまった方は、まず自分の情報収集や企業研究のどこに不足があったのかを確認しましょう。そして、次の転職では十分な対策ができるよう、心掛けてください。
転職で失敗してしまった方や、転職活動が思うように進まずよい結果が得られない方、自身について見直し今後の転職に生かしたいという方は、転職エージェントを利用するのもおすすめです。
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転職活動に失敗しやすい人は、転職に明確な理想や目標を持っていないことも少なくありません。転職に対する意識や活動スタイルを変えていかなければ、再転職を繰り返す恐れもあるでしょう。
正しい情報を収集することや自身の市場価値を見極めることで、思い描くような転職先に巡り合える可能性は高まります。
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