更新日:2024/05/31
この記事のまとめ
転職活動は、あらかじめ準備をしておけばスムーズに進められます。応募した企業の内定を獲得する可能性も高くなるでしょう。しかし、一言で準備といっても、転職活動に必要な準備は、「気持ちの準備」から「物の準備」までさまざまです。
そこで今回は、転職活動で必要な準備について、アイテムから心の持ちようまで幅広く解説します。さらには、合格率をアップさせるためにしておきたいことまでまとめました。転職を無事に成功させられるように、この記事に目を通して転職へと備えましょう。
目次
新卒での就職においてももちろん事前準備は大切ですが、転職ではさらに準備が重要だといわれています。なぜなら、新卒採用と異なり、中途採用では自身で転職スケジュールを組まなくてはいけないためです。準備をせず、無計画に転職活動を進めていては、自身に合う企業に応募する機会を逃してしまう恐れもあるでしょう。
また、転職ではポテンシャル採用よりも経験者採用の傾向が強くなります。自身の経験を効果的にアピールするためには、自己分析やスキルの棚卸しにある程度の時間を割く必要があるでしょう。
それでいて働きながら転職活動を進めることが一般的であるため、「時間が足りない」と嘆く方は少なくありません。転職をスムーズに成功させたいのであれば、新卒時と同じ感覚で転職活動に挑むことはせず、準備は万全にすることをおすすめします。
転職活動に必要なアイテムは、「履歴書・職務経歴書」と「携帯電話・パソコン」、そして「スケジュール表・スケジュール管理ツール」です。
このほかにも必要に応じて買い揃えるものはありますが、これらのアイテムだけは最低限準備しておくとよいでしょう。必要な理由や使い道については、以下で解説します。
転職時には、履歴書だけでなく職務経歴書も欠かせません。初めての転職であれば、職務経歴書になじみがない方もいるでしょう。履歴書には大まかなプロフィールを記載するのに対し、職務経歴書には仕事の経験やスキルといった仕事に関することを詳細に記載します。新卒採用と異なり、中卒採用ではこれまでの経験が大きく評価されるため、職務経歴書が必須となるのです。
また、履歴書は定型化されていますが、職務経歴書はそうではありません。とはいえ、職務経歴書を自作するのは手間がかかります。事前準備として、職務経歴書のテンプレートをあらかじめ見繕っておくとよいでしょう。
携帯電話やスマホ、パソコンといったWeb検索ツールは、企業研究や下調べに必要です。企業や転職エージェントと連絡を取り合う際にも、これらのツールを利用するのが一般的でしょう。連絡をスムーズに取れなくては、転職活動を進めづらいため、調子が悪い携帯電話やパソコンを使い続けている方はご注意ください。
また、近年ではこれらを用いて、オンライン面接を実施する企業も増えています。必要に応じて、Webカメラやマイクなども準備しておきましょう。
転職活動は、仕事を続けながら進めるのが一般的です。また、基本的には同時に複数社に応募します。入社日や退職日がスムーズに決まらない、面接日がかぶるなどのトラブルを避けるためにも、スケジュールの把握に努めなくてはいけません。
そのためスケジュール表や、スマホアプリをはじめとしたスケジュール管理ツールを用いることをおすすめします。
ここでは、転職活動全体の流れを押さえておきましょう。それぞれのステップで合格率をアップさせるためのポイントについてもご紹介します。
転職活動の第一歩として、まずは応募する企業を探しましょう。同業界の企業に転職したいのか、同職種の仕事を続けたいのか。いま一度、自身のキャリアプランを見つめ直しましょう。業界や職種が決まったら、求人情報サイトなどを参照して応募する企業を探します。
異なる業界や職種を目指したいと考えるなら、その業界・職種における適性があるか、自己分析することも必要です。ただし、特定の企業に思い入れがあり、「どうしても、この企業で仕事をしたい」というモチベーションがあるなら、それを優先するのもよいでしょう。
求人情報で応募したい企業が見つかったのなら、すぐに応募するのでなく、その企業のWebサイトで事業内容や経営方針を確認するのがおすすめです。
会社概要や沿革を見れば、その企業の成り立ちが分かり、IR情報をチェックすれば企業の現状が把握できます。また、企業が提供する製品やサービスの情報を集めることで、商品開発のポリシーも見えてくるでしょう。
企業のWebサイトで詳細をチェックしたうえで応募すれば、入社後のミスマッチなどの失敗も、ある程度は防げます。
応募したい企業が決まったら、履歴書や職務経歴書を作成しましょう。転職の場合は特に、職務経歴書が採用担当者からの印象を大きく左右します。
経歴を正しく記載するのは当然ですが、それだけでは不十分です。「◯◯億円のプロジェクトを主導」「前年比◯◯%以上の営業実績を◯年間達成」など、具体的な数字を挙げて自分自身をアピールすると、採用担当者の印象に残りやすくなります。
Webサイトで得た応募企業の情報と募集要項などから企業が求める人材を把握したうえで、自分がそれに近い人材であることをアピールするようにしましょう。
一般的に転職活動では、応募企業の面接を受ける必要があります。面接官から質問を受けたら、慌てず落ち着いて回答するようにしてください。
なお、転職の面接で聞かれる質問は、志望動機や前職での経験など、ある程度予測できますので、回答内容を準備しておくのがおすすめです。ほかにも、身だしなみや立ち居振る舞いなど、面接官から好印象となるように対策しておくとよいでしょう。
応募した企業から内定が出たら、あらためて労働条件について確認しておきましょう。転職してから「こんなはずではなかった」ということにならないよう、ここでの確認は必須です。それから、退職の手続きを始めます。
退職時には現職における後任者への引き継ぎや、健康保険・住民税などさまざまな手続きが必要になるため、余裕を持ってスケジュールを組むことが大切です。
なお、退職の意を伝えるときは就業規則を確認のうえ、できる限り早めに直属の上司に伝えましょう。突然「退職したい」と伝えるのではなく、「相談したいことがあるのですが、お時間いただけますでしょうか」などと切り出すのがおすすめです。
志望した企業の内定が出ると、新たな環境への期待で心がいっぱいになるものです。しかし、現職への対応がおろそかになってしまわないように心掛ける必要があります。「立つ鳥跡を濁さず」の格言どおり、円満退社できるよう努めましょう。
円満退社するためのポイントは、引き継ぎを丁寧にすることです。誰が見てもすぐ分かる担当業務のマニュアルを作成するなど、後任の担当者や部下、上司などに迷惑をかけないよう配慮しましょう。
転職活動の流れを把握したら、スケジュールを立てましょう。ここでは、転職活動の上手なスケジュールの立て方をご紹介します。
まず、いつ頃に転職したいのかを、転職予定日として設定します。そこから逆算して転職活動のスケジュールを組みましょう。担当している大きなプロジェクトがあるといった理由で、転職活動のスタートが遅くなりそうな場合は、転職予定日を後ろ倒しにするなどして調整するとよいでしょう。
なお転職活動にかかる期間のおおよその目安は、転職準備に約1カ月、選考や面接に約1カ月、内定から入社までに約1カ月です。
転職予定日が決まったら、目安の退社日を決めます。退社日を決める際には、就業規則の退職に関する規定を必ず確認しましょう。
また、業務の引き継ぎに必要な日数や未消化の有給休暇なども考慮のうえ、余裕を持って決めることが大切です。円満退社のためには、繁忙期を避けるなどの配慮も必要になるでしょう。
最後に、転職活動のスタート時期を決めます。企業への応募を開始する日は、退社日の少なくとも2ヵ月前に設定するとよいでしょう。前述のとおり、応募企業を選ぶときは入念な情報収集が必要となります。転職活動を開始する時期は余裕を持って設定するのがおすすめです。
ここでは、転職活動で志望企業への合格率をアップさせるために、済ませておきたい準備をご紹介します。
転職活動を始める前の準備として、まずは転職したい理由を明確にしておきましょう。転職の理由は、人によってさまざまです。中には、感情的な理由で転職を決意する方もいるでしょう。それは悪いことではありませんが、転職することが本当に自分の将来に役立つのか、どのような環境が好ましいのか、冷静に考える時間は必要です。
「年収を上げたいから」「もっと雇用環境のよい会社で働きたいから」「自分のスキルをもっと伸ばしたいから」など、転職したいと思う理由を具体的にピックアップしてみましょう。
転職の理由が明確になれば、「やりたい仕事内容」や「自分のなりたい将来像」「希望する企業の条件」などが見えてきて、転職活動における企業探しや書類作成がスムーズになります。また、面接でも明確な受け答えができるようになるでしょう。
転職活動の準備として、自分のスキルやアピールポイントの棚卸しをすることも大切です。
まずは、現職で得た経験を整理しましょう。「どのような業務をしてきたか」「どのようなスキルを身につけたか」「取得した資格」などを書き出せば、自身の転職市場における価値を正確に判断できます。応募する企業を選ぶ際に役立てられるでしょう。
また、自分のスキルをまとめると、自分に足りないものが見えてくることもあります。すぐには転職活動を開始しないという方は、必要なスキルを磨いたり、資格を取得したりして、足りないものを補うことをおすすめします。
転職活動では、ある程度の資金が必要になります。転職活動中にかかる主な資金は以下のとおりです。こちらを参考に、転職準備金の概算を見積もっておきましょう。
<転職活動に必要な主な資金>
応募企業を選ぶ際には、情報収集が大切です。応募企業が決まったら、「会社四季報」などで入念な業界研究、企業研究をしておくとよいでしょう。
特に、応募企業が現職とは異なる業界に属している場合、その業界の文化や慣習について、できるだけ多くの情報を集めて研究しておくのがおすすめです。
最後に、転職準備をスムーズに行うためのコツについて見ていきましょう。
インターネット上の転職サイトでは、業種・勤務地・年収など、希望の条件にマッチした求人を数多くチェックできます。求人内容を比較すれば、仕事内容や給与、残業、仕事のやりがいといった傾向がつかめます。
また、希望条件での求人が何件あるかにも注目してみましょう。あまり数が多くない場合は、年収や勤務地など、条件を調整して検索してみるとよいでしょう。年収額を調整して求人件数が増えたなら、希望年収が高すぎる可能性に気付けます。
希望の条件を登録し、ヒットする求人が掲載されたときにメールで通知される「アラート機能」を活用すれば、自分に合った求人を見逃すこともなくなるでしょう。
厳しい転職活動を経て入った会社は、長く勤められる環境であってほしいものです。そのためには、求人情報だけでなく企業の口コミや評判を集めたWebサイトで、労働環境や人間関係、社風などを調べることをおすすめします。
たとえば、「個人の裁量が大きい」という口コミがあれば、自発的にどんどん仕事をしたい方に向いた会社かもしれません。「研修が充実している」といった口コミがあれば、教育環境が整っていることが分かるでしょう。
実際に働く人・働いていた人の声を参考にすれば、「自分がその会社でどう働くか」を具体的にイメージできます。前向きなイメージを持てれば、その会社とは相性がよいと考えられるでしょう。そうでなければ、ほかの会社を探したほうがよいかもしれません。
選択肢の幅をもっと広げたいという場合には、転職フェアを利用するとよいでしょう。転職フェアとは転職希望者を対象にした合同の企業説明会のことで、企業の採用担当者と直接話ができます。
求人情報には掲載されていない職場の雰囲気や、転職に際して感じている不安など、気になることを聞いてみましょう。採用担当者と話すだけでも、その会社になじめそうかどうか感覚的につかめます。面接の練習にもなるでしょう。
気になる会社の社長やスタッフのブログを読むと、社風や職場の雰囲気、その会社が目指す方向などが分かります。自分が入社したらどのような働き方ができるかを具体的に想像しやすいでしょう。
製品やサービスを提供する会社なら、製品ブログやSNSなど、コンシューマー向け情報もチェックすることをおすすめします。その会社が多くのサービスを提供している場合は、主力商品だけでもチェックしておきましょう。誰をターゲットにしているのか、今後どう発展させるつもりなのかなどを自分なりに分析しておくと、その会社への理解が一層深まります。
可能であれば競合他社とも比較すると、目指す方向やターゲットを理解しやすくなり、より有益な企業研究になるでしょう。
個人で行う業界研究や企業研究には限界があります。そのようなときは、転職エージェントを活用するとよいでしょう。
転職エージェントでは、専門のキャリアアドバイザーが企業の担当者と連絡を取り合うことで得た最新の情報を利用者に提供してくれます。また、本人の転職の目的やスキルなどを基に最適な求人を提案し、書類作成や面接対策についてもサポートしてくれます。
転職エージェントを利用すれば、ひとりで行うよりスムーズに転職準備が進み、転職の成功率を高められるでしょう。
希望の転職を実現させるためには、転職準備は入念に効率よく進めることが重要です。とはいえ、現職での仕事を続けながら転職準備を進めるとなると、思うようにいかないケースがあります。転職の準備をスムーズに進めたい方は、マイナビエージェントにご相談ください。
マイナビエージェントでは、各業界に精通したキャリアアドバイザーがスキルの棚卸しや応募企業の情報収集など、求職者の皆さまの転職準備をサポート。現職への退職交渉や退社までのスケジュール調整などもお手伝いいたします。初めての転職で慣れないという方も、準備を進める時間がなかなか取れないという方も、ぜひマイナビエージェントをご利用ください。
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