更新日:2024/02/08
この記事のまとめ
未経験でメーカー(製造業)への転職を希望している方の中には、漠然とした不安を抱いている方も少なくないのではないでしょうか。業界や職種が未経験での転職となると、誰しもが不安になります。しかし、未経験でも転職が成功するコツはあり、ポイントをおさえて転職活動を行えば、採用される確率も高くなります。
そこでこの記事では、未経験からメーカー(製造業)へ転職することが可能なのか、メリットや注意点、コツなどを中心にご紹介いたします。
目次
経済産業省のデータによると、国内には約45万4,800のメーカー(製造業)の事業所があり、886万人以上の人々が製造業に従事しています。さまざまな産業を支える製造業は、多くの働き手が必要な業種でもあるため年間を通して求人を募集している企業も少なくありません。特に、昨今の少子高齢化等の影響もあってか未経験でも募集をしている企業は多くあります。
(参考:総務省・経済産業省「平成28年経済サンセス‐活動調査(確報)産業横断的集計(結果の概要)」)
一般的に、多くの作業工程がマニュアル化されている企業が多いためメーカーは未経験でも転職しやすい傾向にあります。未経験者で特に専門的な知識や技術を持っていなくても、比較的スムーズに働くことができるようです。業務を通して技術力や専門知識を身につけていく体制が確立されている企業であれば、未経験でも安心して働けるでしょう。
比較的バランスのよい年齢構成となっている企業であれば、30代くらいは企業の中では若手の部類となるため、業界未経験であったとしても伸びしろを期待されて採用となるケースも少なくありません。
40代以降になると即戦力として、マネジメントスキルや職務経験が重要視されることが多いので、他業種であってもこれまでの経験値をアピールできるように工夫すれば不利になることもないでしょう。
しかし年齢が上がるにつれ、体力や新しい仕事を覚えることは大変になるので、転職を考えているのであれば、早いに越したことはないといえます。
製造業であれば、主な仕事内容は以下の通りです。
【製造・組立 ~加工・仕上げ】
製造・組立は一般的に人の手によって製造されます。加工・仕上げは、組み立てられた製品を加工して仕上げる作業です。場合によっては、溶接やはんだ付けといったスキルを身につけることもできるでしょう。
【点検】
点検は、仕上がった製品に不備がないか確認をします。点検で不備を見逃した場合、重大な事故につながる可能性があります。
【仕分け・梱包・生産管理】
点検後、仕分け・梱包を行い、それぞれの製品を分けて、指定の箱に製品を梱包します。生産管理は、製造業の全体をまとめるディレクター的存在です。出荷される商品数を予測・部品を仕入れる・商品在庫の管理などを担います。
メーカーの主な種類は以下の通りです。
機械・金属・鉄鋼メーカー
自動車・自動車部品メーカー
電子・半導体メーカー
食品メーカー
製薬・化粧品メーカー
ひとくちにメーカーといっても、取り扱っている商品やジャンルは非常に幅広く、私たちの生活に密接に関わっている企業が多くあります。ここではそれぞれの特徴などをまとめて解説します。
機械・金属・鉄鋼メーカーは、日本の産業を下支えている業界のひとつです。重機を取り扱ったり、溶接などの特殊な技術・スキルが必要な作業が多かったりするのも特徴で、業務に関連する資格としては、溶接技能者や重機や特殊機械などの取扱いに関連するものが多くあります。特に、溶接技能者は大変重宝される資格です。
自動車やバイクなどの部品を製造・組み立てをするのが自動車・自動車部品メーカーです。どの業界にも共通していることではありますが、特にこの業界では商品の納期管理が厳しく、お客様の納期に必ず間に合うように業務を進めていくことが重要視されます。
それゆえ、企業によっては24時間体制で工場・現場を稼働させていることもあり、シフト制などによる勤務体制を導入していることも多いようです。
スマホやPC、家電製品の電子基盤や半導体などを製造するメーカーでは、作業スピードよりも正確性を求められる仕事が多いようです。さまざまな電気製品に欠かせない半導体集積回路などの製造に関わるので、あらゆる作業にも正確性や緻密性が求められます。
半導体の品質を保つためにクリーンルームという空調管理された作業室などもあり、精密機械を正確に組み立てることにおける徹底した管理がされている職場環境です。
食品メーカーは何よりも徹底した安全性を求められる業種です。異物混入や食中毒などの事故を防ぐため、食品衛生法に則って厳しいルールをしく企業が多くあります。製造現場では私物の持ち込みの禁止や定期的な細菌検査など、徹底した管理が行われることも少なくないようです。
医薬品・化粧品を製造するメーカーにおいても、肌に触れる、あるいは服用する商品が多いため、事故を防ぐためのあらゆる安全対策が講じられます。製造現場では検品が非常に重要な作業となるので、何重にもチェック体制が敷かれており、正確な業務の遂行を求められる職場といえるでしょう。
商品の品質を維持するため、空調管理の行き届いた清潔な職場環境が整っていることも多く、男女問わず快適に業務に取り組めるのも魅力のひとつです。
医薬品・洋服や食料に使われる原材料を製造するのが化学メーカーです。製造現場では一般的にライン業務・オペレーション業務が中心となるので、シンプルで覚えやすい作業が多いようです。求人における年齢を問わない企業も少なくないので、未経験でもチャレンジしやすい業界ともいえるでしょう。
ただし、扱うものによって有害物質や高圧ガスなど危険性の高いものもあるため、危険と隣り合わせな仕事となる可能性もあります。
メーカーに転職を考えている人は「メーカーに転職したらどのようなメリットがあるのか・待遇はいいのか」などが気になるのではないでしょうか。メーカーに転職するメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
安定性が高い
ここでは、上記のメリットについて詳しく解説します。
メーカーへの転職を機に、努力・勉強次第で各業界・業種に特化したスキルや資格の取得が可能となるでしょう。工場や製造現場で働く場合は「クレーン運転士」、薬品工場や化学メーカーであれば「危険物取扱者」、食品メーカーでは「衛生管理者」といった国家資格を取得すればキャリアアップに繋げられます。
将来的なキャリアプランを考える上で、資格取得は大きなメリットになるのではないでしょうか。
老舗企業や人材の定着を図りたい企業では福利厚生に力を入れています。給与や社会保険だけでなく、寮や社宅なども用意している企業もあります。
特に、福利厚生などの待遇面がきっかけとなって転職を決意した場合、メーカーへの転職によって以前の職場よりもよい待遇となる可能性も高いようです。祝日や土日出勤がある企業もありますが、代休が完備されているなど、安心して働ける環境が整っている企業が多い傾向があります。
メーカー系は経営面で比較的安定している企業が多いのも特徴です。上流工程になるほどその傾向が高くなります。専門性の高い技術や特殊な機材などを用いて商品を製造するため、部品などの構造がアップグレードしても対応しやすく、景気の浮き沈みの影響を受けにくいという特徴もあるようです。
急な経済的不況に陥ってもダメージが他の企業と比べて少ないのは、メーカーのメリットといえます。
メーカーは他業種に比べると「安定していて、福利厚生も充実している」というイメージが先行しますが、デメリットと感じることもあります。
ここではメーカーへの転職で気を付けておきたいポイントについて解説します。
製造現場では作業工程によっては、長時間立ちっぱなしなどで作業をすることもあります。もちろん休憩時間はありますが、立ち仕事の多い職場であれば年齢を重ねるにつれてきつく感じることもあるでしょう。
また、機械部品など重いものを取り扱うことも多いので、人によっては身体への負担を感じることもあります。
単純作業(ルーティン作業)が多いということにデメリットを感じる方も多いでしょう。1つひとつ重要な作業ですが、単調になりがちなので仕事を退屈に思うこともあるかもしれません。
「こんなはずじゃなかった」といったようなミスマッチを防ぐためにも、メーカーへの転職を希望する場合は、「どのような仕事内容なのか」といったことについてもしっかりと確認しておきましょう。
現場が365日24時間稼働という企業も少なくなく、その場合はシフト制の勤務となります。そうなれば、早朝勤務・夜勤・土日祝出勤などの勤務体制となる可能性もあるでしょう。シフト制の場合、生活リズムがバラバラになるので、場合によっては睡眠不足や体調不良を引き起こしてしまう方もいます。
メーカー系は一般的に生産ラインを止めずに稼働を続ける企業が多いです。メーカーに転職したい人は、事前に勤務体制を確認した方がよいでしょう。
メーカーの仕事では単純作業が続くこともあるので、集中力に長けている方が重宝されます。また、ものを作るといった細やかな作業が好きな方はメーカーにうってつけでしょう。メーカーは人に役に立つものを作ることが使命です。よりよいものを作りたいと思う方には、メーカーは天職といえるのではないでしょうか。
また、精密機械や危険物を取り扱う業務が多い企業では、手先が器用な方も求められます。そのため女性の比率が高い職場も珍しくありません。
メーカーへ転職する際に評価される主なポイントは以下の2つです。
効率的に作業を進められるスキルは、メーカーだけでなくあらゆる業種の企業において重要なスキルであり社会人として身につけておくべきものです。
特にメーカーの場合は、一部工程に遅れが生じると、全ての製造工程に支障を生み出してしまう可能性があります。決められた作業手順に沿って仕事を進めるだけでなく、全体の作業工程を俯瞰した上で工夫を講じられるようなクリエイティブな感覚も求められます。
また、臨機応変な判断力も大切です。作業中の事故や遅延が発生する可能性も見据えて、常に周りの状況を把握して、的確な判断を下せる能力は非常に重宝されるでしょう。
未経験者でメーカーへの転職は不安もつきまといます。「転職を成功させるコツや押さえておくべきポイントを知りたい方も多いでしょう。そこで、未経験者でメーカーへの転職を成功させる5つのコツをご紹介します。
福利厚生などの条件だけで判断せず、自分にとって本当に働きやすい環境なのかどうかを吟味して、選びましょう。まずは、転職にあたって自分が何を優先しているのかということや、どのような仕事をしたいのか、ということなどをしっかりと把握しましょう。
メーカー系の企業は比較的好条件の求人もありますが、それだけで選ぶのではなくその企業についてもしっかりとリサーチした上で判断することをおすすめします。企業が求める人物像や用意されているキャリアパスなどと、自分が転職に際して希望している内容が合致することが大切です。
メーカー系企業への転職に限ったことではありませんが、「転職の理由・目的をはっきりさせること」がとても大切です。特に中途採用においては、転職に至った理由や目的、転職に際して希望していることを重要視する企業は非常に多くあります。
また、これまでに自分が培ったスキル・経験をしっかりとアピールできるように工夫しましょう。メーカー系企業では即戦力を求められるので、業務上で生かせる経験や資格などをアピールした上で、入社後に自分が取り組んでいきたいことや、実現したい将来像などについても言及して明確なビジョンを持っていることを伝えることが大切です。
転職を考えているのであれば、なるべく早めに活動を開始することをおすすめします。特に、20代~30代は企業側の需要も多く、体力的にも能力的にも充実しています。メーカー系企業についても例外ではなく、戦力として求められる年代といえるでしょう。
30代〜40代では今まで培った経験やマネジメントスキルを求められます。将来的に転職を検討する可能性があるのであれば、情報収集などを早めに準備しておきましょう。
転職活動においては事前のリサーチが欠かせません。特にメーカー系企業への転職を希望しているのであれば、その企業の特徴や手がける製品の情報・強み、他社製品との違いなどをある程度調べておくことが大切です。同じ業界であったとしても、なぜその企業を選んで入社を希望しているのかという、明確な理由に結びつけることが重要です。
「この企業だからこそ入社したい」「入社後はこんなことを実現したい」といったことを具体的に伝えられるよう、事前のリサーチを入念に行いましょう。
メーカー系企業だけでなく、幅広い業界に対して有利に転職活動を進めたいのであれば、転職エージェントを活用するのもおすすめです。個人がリサーチできる求人情報や企業情報には限界があります。転職エージェントはさまざまな企業に太いパイプを持っていることが多く、業界・業種に特化した情報を多く抱えています。
インターネットでのリサーチでは調べきれないような企業情報や転職市場の動向などを掴んでスムーズに転職活動を進めるために、転職エージェントを上手に活用するとよいでしょう。
未経験からメーカー系企業への転職を考えているのであれば、ぜひマイナビエージェントをご利用ください。マイナビエージェントでは、相談者のお一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーがついて、スキルや経験業務の棚卸しから転職に向けた希望条件の整理など、丁寧にご相談をお伺いいたします。
業界に特化した担当者もいますので、希望する業界や企業の詳細情報などもご提供できます。
また、履歴書の書き方や添削、面接練習なども行いますので、初めての転職でも安心して活動を進めていただけます。
経験豊富なキャリアアドバイザーがあなたに合った企業を探すお手伝いをいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
未経験でメーカー系企業への転職を希望している方の中には、さまざまな不安を抱えている方も多いでしょう。業界や業種に対しての理解を深めるための入念なリサーチや、転職に際して自分がどのような理由でメーカー勤務を希望しているのかを明確にするなど、具体的な行動に移せれば必要以上に心配することはありません。
マイナビエージェントではメーカー系企業の求人情報も豊富に取り扱っております。専任のキャリアアドバイザーがしっかりとサポートいたしますので、初めての転職活動でも安心して進めていけるでしょう。未経験でメーカー系企業への転職を検討している方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。
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