更新日:2022/04/08
衛生管理者の資格は、従業員の健康維持のために役立ち、様々な業界で一定以上のニーズが見込める資格です。
特定の業界に特化した資格が多い中で、農林畜水産業や建設業、電気・ガス・水道業、医療業、清掃業など、多様な業界で活躍できる衛生管理者の資格は、これから転職先を探したいという人にもおすすめです。
衛生管理者の資格の概要や、どのような仕事に役立つ資格なのかをまとめました。
目次
衛生管理者は、会社など事業所で働く人の健康を維持し、健康被害を防止するための仕事を行います。具体的な仕事内容としては、職場の労働環境の維持や向上、労働災害の防止などが挙げられます。
なお、常時50人以上の人が働く事業所では、労働安全衛生法によって業種にかかわらず衛生管理者を選任することが義務付けられています。
選任する衛生管理者の人数は、事業所で働く人の人数によって異なります。また、選任された衛生管理者は専属で、他の事業所で兼務することはできません。
衛生管理者は、50人以上の人が働く事業所には必ずいなくてはならない存在ですから、全ての業種においてニーズの高い資格だといえるでしょう。ただし、一部の大規模な事業所以外では、衛生管理者としての仕事だけを行うのではなく、通常の仕事と兼務する場合がほとんどです。
衛生管理者は国家資格で、試験に合格し、免許を取得することで得られる資格です。
下記に、衛生管理者の免許の種類と取得するための方法についてまとめました。
衛生管理者免許には、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の2種類があります。
第一種衛生管理者のほうが就ける業種の幅が広いため、よりニーズが高い資格だといえるでしょう。その分、資格試験の出題範囲も広くなります。
この他に、衛生工学衛生管理者という資格がありますが、第一種衛生管理者の免許を取得した人や、特定の資格を有している人に受講資格が与えられているため、ここでは割愛します。
第一種衛生管理者は、有害物質や粉じんなど、人体に影響がある物資を扱う事業所を含む、全ての業種で衛生管理者になることができる免許です。
具体的には、農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業などの他、第二種衛生管理者が選任可能な業種も含まれます。
第二種衛生管理者の免許があれば、有害物質を扱う研究所や、粉じんなどの影響を受ける工場などを除いた業種で、衛生管理者になることができます。
具体的には、情報通信業や保険・金融業、卸売・小売業などが該当します。
衛生管理者免許を取得するためには、次のいずれかの受験資格を必要とします。
受験資格は第一種衛生管理者と第二種衛生管理者ともに共通しており、第二種衛生管理者の免許がなくても第一種衛生管理者に挑戦することができます。
受験資格の詳細は、受験を主催する公益財団法人安全衛生技術試験協会などのサイトから確認しましょう。
なお、受験の資格を満たすための実務は、健康診断に関する業務や作業環境に関する調査業務の他、看護師や准看護師としての業務などが該当します。
受験をする際は、受験資格を満たすことを証明するために、実務経験を有することを証明する「事業者証明書」や「卒業証明書のコピー」の提出が求められます。
衛生管理者免許の試験内容は、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者で異なります。
また、第二種衛生管理者免許を取得した人が、第一種衛生管理者免許試験を受験する場合の「特例第一種衛生管理者」という試験があります。
なお、船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた人のうち、その後1年以上労働衛生に関する実務を行った人は労働生理の科目が免除され、試験時間も約3時間から、約2時間15分へと短縮されます。ただし、特例第一種衛生管理者の対象者は除きます。
衛生管理者の試験は、各地の安全衛生技術試験協会センターで受けることができます。
日程は各センターによって異なりますが、毎月1~5回程度の日程が用意されているため、都合に合わせて受験できるでしょう。
衛生管理者資格の合格基準は、科目ごとの正答率が40%以上、全ての科目を総合した正答率が60%以上です。
2018年度の合格率は、第一種衛生管理者が44.2%、第二種衛生管理者が52.4%と、半数程度でした。
衛生管理者免許資格の試験手数料は、6,800円(非課税)です。
これは、第一種衛生管理者、第二種衛生管理者、免除科目がある場合でも、全て共通です。
なお、合格後に免許証の交付申請を行う際は、別途申請書に1,500円分の収入印紙を貼付する必要があります。
衛生管理者免許試験の申込みから、実際に免許証の交付を受けるまでの流れは下記のとおりです。
試験に合格した後、免許証の交付申請を行わなければいけない点に注意しましょう。
衛生管理者免許は、あらゆる職種で必要になるものです。そのため、どのような業種を目指す人であっても、取得しておくことで転職の強みにできる可能性があるでしょう。また、職種についても、製造業から事務職まで、衛生管理者免許保有者を希望する求人の内容は多彩です。
特に、第一種衛生管理者免許は、多くの業種で必要とされる資格です。
働く人の健康を守っていく仕事に就きたいと考えている人はもちろん、希望職種への転職を少しでも有利に進めたいという人にとっても、衛生管理者免許は取っておいて損のないものだといえるでしょう。
ただし、一定の実務経験がないと受験資格が得られない点については注意が必要です。
衛生管理者は、50人以上の事業所で必ず選任しなければいけないものです。
そのため、他の資格と比べても、幅広い業種・職種で求められるものだといえるでしょう。衛生管理者以外の業務と兼任できるケースも多いため、自分が興味のある業界や職種がある人にとっても魅力的な資格だといえます。
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