更新日:2022/06/06
さまざまなモノの整備を担う「整備士」の仕事。
「手に職をつけて長く安定して働きたい」と考え、興味を持っていると方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、整備士の仕事や資格の詳細について解説していきます。
目次
整備士とは、車両や機械類などが不具合なく正常に作動するよう整備を施す仕事です。
その仕事は大まかに以下の領域にわかれます。
ひと口に整備士と言っても、その職種は多岐にわたります。
主な整備士の仕事は以下の通りです。
自動車整備士とは、自動車が安全に道路を走行できるよう、車の点検や整備、修理などをおこなう仕事です。
車体のみならず、タイヤや電気装置などのメンテナンスも自動車整備士の仕事に含まれます。
航空整備士とは、飛行機が安全に空を飛べるよう、機体の整備や点検、修理などをおこなう仕事です。
業務は、フライト前の整備や点検をおこなう「ライン整備」と格納庫での本格的な整備や点検をおこなう「ドック整備」に分かれます。
ボイラー整備士とは、一定規格を超えるボイラーや第一種圧力容器を安全に使用できるよう、点検や整備、清掃などをおこなう仕事です。
労働安全衛生法により、この業務はボイラー整備士の有資格者のみが担えるものとされています。
上記のほかにも、整備士と言われる仕事には以下のようなものが挙げられます。
ボイラー整備士のように資格がなければ扱えない領域の業務はもちろん有資格者でなければ携われませんが、その周辺の付随業務に関しては無資格でも業務に携われる場合があります。現に求人情報を見てみると、「資格がなくてもOK」とする企業は多く見受けられます。
実務経験を積むことで受験資格が得られるものもあるので、働き始める段階で資格は絶対的に必要なものとは言い切れませんが、早期に仕事の幅を広げたい場合は、あらかじめ資格を取得しておくに越したことはないでしょう。
自動車整備士と航空整備士はいずれも国家資格です。
自動車整備士は自動車専門学校などの養成施設に通うか、日本自動車整備振興会主催の登録試験を受験し合格後、国土交通省が実施する検定試験の免除申請をおこなうことで国家資格が取得できます。
航空整備士に関しても、航空専門学校などの養成施設に通うか、就職し実務経験を積んだうえで国土交通省が実施する学科試験と実地試験に合格し、国家資格を取得する流れが一般的です。
続いては、各整備士資格の概要について紹介します。
自動車整備士は、1~3級まで3つの階級に分かれています。
1級自動車整備士は、自動車整備士資格でも難易度が高い資格となっていましたが、合格率は年々上がってきています。さらに1級の中には、
の3種類の資格があります。しかし、2021年6月時点で1級大型自動車整備士と1級二輪自動車整備士の試験は実施されていないため、実質的には1級小型自動車整備士のみ取得すれば1級保有者として認められるでしょう。
1級小型自動車整備士の合格率は、平成30年度で筆記49.3%、実技19.9%となっていましたが、令和元年度第2回では筆記52.7%、実技は73.8%となっています。
1~3級の中で最も有資格者が多いのが2級自動車整備士です。2級の資格は4種類あり、2級自動車整備士の取得者はほぼすべての整備業務を担うことができます。
それぞれの資格の種類と合格率は以下のとおりです。
3級自動車整備士は、整備士に必要な最も基礎的な知識を持つことを証明する資格であり、整備士を志す人がはじめに取得を目指す資格です。3級の資格は、4種類あります。
3級で携われる業務は、オイルやタイヤ交換、カー用品取り付けなど、ごく基本的なものです。多くの方が想像する自動車整備士らしい仕事をするには2級以上の取得が必須となります。
それぞれの資格や合格率は下記となります。
特殊整備士は、より高い専門性が求められる整備士資格です。「自動車タイヤ整備士」「自動車電気装置整備士」「自動車車体整備士」の3種類の資格がありますが、自動車タイヤ整備士に関しては2000年を最後に実施が見送られているため、実質2種類のみという状況です。
それぞれの合格率は下記のとおりです。
自動車整備士の資格は1級、2級のいずれかを取得すれば活躍の場が多くありますが、より専門性を突き詰めたいという方がこの特殊整備士の資格を取得しています。
資格取得過程や受験資格は養成施設の種別により異なりますので、詳細は一般社団法人日本自動車整備振興会連合会の案内をご確認ください。
自動車整備士資格試験情報 - 一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
航空整備士には、旅客機などの大型機を整備する
と、小型機やヘリコプターなどを整備する
の資格があります。
航空運航整備士は、日常的な点検業務後の安全確認、ブレーキやホイールの交換などが主な業務です。対する航空整備士は、上記業務に加えて機体修理、タイヤやエンジンの交換作業をはじめとした格納庫内における作業をおこないます。
航空整備士の合格率は公式に発表されておらず、詳細は不明です。しかし、国土交通省指定の養成学校へ入学した受験者の合格率は高い傾向にあるようです。
試験は大きく分けて学科と実地の2分野で構成されます。それぞれに年齢制限や実務経験が定められているため、詳細は国土交通省が公表する資料をご確認ください。
ボイラー整備士は、受験資格不問で誰でも受けられる資格試験です。
ただし、試験合格後に免許を取得するには、以下のいずれかを満たす必要があります。
試験科目は4分野あり、上記③の該当者もしくはボイラー技士資格の取得者は「ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識」の出題が免除されます。
試験の詳細については、安全衛生技術試験協会の案内をご確認ください。
いずれの整備士の仕事も、無資格の状態からスタートが可能です。
しかし、早い段階から幅広い仕事を経験したいという場合には、転職時に資格を取得しておくに越したことはありません。
資格は業務に必要な最低限の知識を身につけている証明となるため、まったく関連のない異業種からの転職だとしても、ある程度の信頼性が担保されます。転職時に大きな強みとなることを覚えておきましょう。
整備士は、車両や機械類の適切な稼働状態を保ち、事故を未然に防ぐ重要な役割を担っています。それだけに整備士までの道のりは決して楽なものではありませんが、人々の安全と便利な暮らしの維持に貢献できる点において、間違いなく大きなやりがいを感じられる仕事です。
なお、未経験から整備士のような専門職への転職を目指す場合、通常の転職活動とは押さえるべきポイントが異なるため、一人では遠回りしてしまう可能性があります。
そんな時には転職エージェントの利用を検討してみてはいかがでしょうか。プロのキャリアコンサルタントや各企業と密なコミュニケーションを日々重ねている担当差が在籍するマイナビエージェントを活用すれば、企業選定から面接対策まで、一貫したサポートを受けることができます。
転職のプロの力を上手に利用し、最短距離で整備士のキャリアを実現しましょう。
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