更新日:2024/08/07
製造業に転職しようとする際、自己PRの書き方で悩む方は多いかと思います。
どのような伝え方をすれば、採用担当者に響く自己PRになるのでしょうか。
本記事では、製造業の自己PR作成するうえで行うべき準備や書き方のコツ、経験業種・志望職種別の書き方の例をご紹介します。
目次
自己PRとは、企業が応募者の選考をする際に「自社で活躍できる人材か」や「自社の業務に対する意欲を把握したい」など、応募者が自社にマッチしているかを判断するために必要な書類です。
まずは、自己PR作成前の準備についてご紹介します。
採用担当者の印象に残る自己PRを作成するには、「自分」を理解する必要があります。
初対面の人にもすぐにあなたのことをわかってもらえるよう、自分の持つスキルや強み、価値観、考え方などを言語化しておきましょう。
自分がいままでの仕事を通して得た知識や経験を箇条書きにして、「どういう点にこだわってきたのか」や「やりがいを感じた瞬間」「どのように評価されてきたか」をまとめると、自分でも意識していなかった長所や持っている能力が見えてきます。
志望企業がどのような事業を展開しているのか、どのようなスキルや強みをもった求職者を求めているのかを事前に把握しておくことで、説得力のある自己PRを作成しやすくなります。
製造業でいえば、どういった製品を製造しているのかはもちろん、志望企業の製品がどのように消費者の役に立っているのか、業界での立ち位置や今後の展望などを調べておきましょう。
自己PRで伝えたい強みや長所などの結論や自分でその強みを認識した経験、得られた結果などは要素ごとにまとめておきましょう。
その際、見出しを作成すると書きたい内容が定まり、内容をまとめやすくなります。
自己PRを書類として提出する際にも、見出しがあると採用担当者にストレスを感じさせることなく読んでもらえます。
自己PRの作成で意識しておきたいポイントとしては次の3点が挙げられます。
この3つのポイントを軸に、あなただけの自己PRを作成しましょう。
まずはどうして製造業に従事したいのかを記載しましょう。
製造業とひと口にいっても、食品から服飾、機械などジャンルはさまざまです。そのジャンルを選んだきっかけとなるエピソードを交えると、より具体的な内容に仕上がります。
経済産業省からでている「平成28年経済センサス‐活動調査(確報)産業横断的集計 <要約>」のデータでは、製造業に従事する企業は約38万社あります。
数ある企業の中で志望企業を選択したのには理由があるはずです。
採用担当者は面接や書類選考をする際、「長く働き続けられる人材かどうか」を判断基準とします。
企業風土や経営理念、製品やサービスの質の良さなど、魅力に感じた点を押さえておきましょう。
「応募企業に入って成し遂げたいこと」や「自分のスキルを活かして会社にどう貢献するのか」を記載すると、採用担当者はあなたの入社後の活躍をイメージしやすくなります。
応募企業の今後の展望とリンクする内容にできれば、より説得力のある自己PRになります。
前項では一般的な自己PRの作成方法に触れましたが、効果的な自己PRの作成は業種ごとに異なります。
製造業の自己PRを作成するうえで重要となる点を押さえておきましょう。
エンジニア、営業、企画開発など、製造業にはさまざまな職種があります。
そのため、求められるスキルも職種ごとに異なります。自己分析で把握したスキルや強みが志望職種の業務にどのように活かせるのかを重視して作成すると、より強いアピールになります。
自己分析で発見した長所やスキルは「○○という経験をしたからこそ○○というスキルを得ることができました」など、そのスキルを得るまでに起こったエピソードも加えると具体的な内容になります。
製造業の業務に直接結びつくスキルでなくとも、コミュニケーション能力の高さや業務に真摯に励む勤勉さ、一度取り組んだら最後までやり抜く責任感の強さなど、あなた自身の人間力をアピールするのも効果的です。
同業種や異業種、未経験からの転職の際に使える製造業界の自己PRの例文を紹介します。
作成の際にぜひ参考にしてみてください。
「会社や取引先の損失機会を減らすべく、生産の遅延や製品の腐敗防止の徹底、確認作業の見直しを図りました。結果、生産ラインの効率化につながり、前年比○○%のコスト削減を達成しました。見直しの際には、課内の人間はもちろん他部署の人員とも連携し、目標の共有化やコミュニケーション促進を図りました。この経験から培ったコミュニケーション能力やマネジメント能力を活かして、貴社の発展に貢献したいと考えております。」
「約○年間、○○の製造に従事してきました。常に工場目標である機械稼働率の達成とコスト削減の達成を意識して仕事に取り組んできました。達成に向け不具合箇所の分析と実行を何度も繰り返した結果、内容量安定化による歩留まり向上で効果金額2,000万円を達成しました。現在はチームリーダーに着任しており、職場間のチームワークやコミュニケーションを意識して仕事にあたっています。携わる業界は違っても、ものづくりに対する熱意は変わりません。御社の高品質な製品をもっと多くの消費者に届ける一助となれれば幸いです。」
「前職では販売職に従事していました。お客様に買い物を楽しんでもらうために大切にしてきたのは、相手のニーズをくみ取ることです。限られた予算の中でお客様が求めるビジョンにいかに近づくことができるか、理想的なビジョンを見つけていただくかに注力してきました。
その結果、前年度売上110%を達成し社内で表彰されました。また、接客中に発見したお客様の潜在ニーズを分析し、新商品開発にも貢献しました。この経験も御社の業務に活かしていけるものだと考えています。」
前述のとおり、製造業にかかわる職種はさまざまです。
ここでは、代表的な職種ごとの自己PRの例文をご紹介します。
「現職では食品加工の生産管理を○年間担当しております。機材の不調や加工品の品質不足などのトラブルが発生した際には、状況分析をして原因を洗い出し、必要に応じて機材の修理や買い換えを上長に進言するなど、生産ラインをいち早く復旧させることを第一に行動していました。人的トラブルだった場合は、必要以上にストレスをかけないように当時の状況をヒアリングし、再発防止にはどうしたらいいかを一緒に考えるなど、ただ頭ごなしに叱るのではなく冷静にトラブルに向き合えるように努めました。
現職で培った迅速な対応力とコミュニケーション能力を活かし、貴社の○○製品を円滑に消費者に届ける役割を担いたいと考えております。」
「前職企業では、工程改善からライン立ち上げ、工場の増設・新設まで、生産技術としての経験を幅広く積んできました。新設工場立ち上げでは新人スタッフとのコミュニケーションを重視しながらプロジェクトを成功に導きました。また、学生時代には海外留学を経験、卒業後も機械設備に関する語彙を増やすなど、業務で英語を使えるように日々勉強しております。これらの経験や行動が評価され、前職企業が展開していた海外工場の支援業務にも携わっていました。
いままで培ってきたこれらの経験や語学スキルを、御社の海外工場の生産技術担当として活かしていきたいと考えております。」
「現職部署に配属後、資材の単価、使用量を見直し、最もコストの高い資材のコスト改善に取り組むことにしました。各資材メーカーに相談した中から、同単価で使用量を削減できる資材を発見するも、その資材は過去にも導入を検討されており、使用上のトラブルで断念した履歴がありました。そこで、過去の記録から問題点の洗い出しと改善策の提示をおこない、導入へとこぎ着けました。
その後、数度のトライの中で最適条件を見つけ、資材の切り替えを実施。結果、年間約○○○万円のコスト削減を達成しました。資材使用量減による工数削減も実現しました。」
「「この作業に変えれば効率がよくなる」と考えた際は積極的に意見を発信し、製品開発やプロジェクト内で自分の気づきが反映されるように上司やプロジェクトマネージャーに打診してきました。業務で不足している知識や興味を持った事柄は、日ごろから書籍や機材を用いて自己学習をおこない、時には経験者に教えてもらうなどして知識習得をおこなっています。
今後はエンジニアとしてのスキルも高めながら、製品開発の企画やプロジェクトマネージャーに携わりたいと思っています。自分がどんな知識を身につけたいのか、どのような知識が必要かを日々考え、目標を立てながら、スキルアップを目指しています。」
「メンテナンスの業務フロー改善を修理部門の部長に相談し、方法の提案や整理整頓含め一緒に作業をしながらフロー改善を実施。顧客の信頼を獲得しました。また、自社製品の情報やイベント、技術情報をまとめ上げ定期的に発信する取り組みを独自に開始し、顧客満足に結びつけました。小さく地味な取り組みを継続的に実施することは、相手だけでなく自分自身のためになるのだと学びました。」
「前職では部署のチームリーダーを任され、○名の設計担当者の業務管理に従事してきました。個人で黙々とこなすタイプのメンバーが多かったので、チーム発足直後は個人ミーティングの時間を設け、一人ひとりとコミュニケーションを図るようにしました。それぞれが仕事で抱えている悩みややりがいなどをヒアリングし、チーム内での情報共有がうまく機能していなければ積極的に改善を図りました。その結果、チーム全体の生産性向上につながりました。
この経験から、チーム内で円滑なコミュニケーションをとることは業務効率の向上を実現するために欠かせないという知見が得られました。この経験を貴社の○○設計においても活かしていきたいと考えております。」
自己分析や企業研究を充実させると伝えたい内容が多くなり、あれもこれもと増やしてしまいがちです。アピールする内容が多すぎてしまうと内容にまとまりがなくなってしまいます。アピールする項目は2つ程度に絞っておきましょう。
一方で、自己PRが極端に短くなってしまうのもせっかくのアピールの機会をふいにしてしまいます。
自己PRに適切な文字数は300~400字程度といわれています。文字数が足りない場合は自己分析を再開して、具体的な内容を盛り込みましょう。
自己PRの作成につまずいてしまったときは、転職エージェントの利用をおすすめします。マイナビエージェントでは、製造業界の知識が豊富なアドバイザーがあなたの転職活動をサポートします。
「自己分析がうまくいかない」「作成した自己PRに不安がある」などの悩みを解決するためのアドバイスも得ることができます。
一口に製造業といっても、取り扱う製品によってカラーや特徴が異なります。
まずはなぜ自分が製造業を志望しているのか、製造業で活かせる自分の強みは何かなど、明確な軸を持つようにしましょう。
志望先の担当者に響く自己PRを仕上げるなら、自己PRの作成を支援してくれる転職エージェントの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
専門知識豊富なエージェントがあなたの魅力や強みをしっかりと引き出してくれるでしょう。
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