更新日:2022/06/06
転職市場において、人気の職業のひとつである「生産技術者」。
特に、熟達した技術者の絶対数が不足しているため、転職に際しては経験者が優遇されやすい傾向のようです。
しかし、生産技術の分野は多岐にわたるため、経験者でも他業種となると、求人情報を読んだだけでは、具体的な職務内容や求められる人物像が見えにくいことも少なくないでしょう。
企業が求めている人物像が見えないとあっては、「この会社にエントリーしよう」と決めても、先方の採用担当者に「刺さる」志望動機をどう書けばいいのかがわかりにくいと思います。
志望動機は、あなた自身やこれから実現したいビジョンをアピールすることで、他の応募者との差別化を図れるものです。
ここでは、生産技術者の転職を成功させるための最大のポイントである「刺さる」志望動機についてご紹介します。
目次
生産技術職とは、生産工程の改善を指導したり、工場の管理をしたりする仕事です。
生産技術職の仕事の内容は多岐にわたり、具体的には以下のような業務が該当します。
生産技術職ではこれらの仕事が効率よく進むよう改良を行い、ライン全体の生産性の向上に取り組んでいます。
また、考案した作業手順に沿って生産を行ってもらうよう従業員に伝えたり、現場の作業に問題が発生した場合は従業員と話し合いをしたりします。
このように、生産技術職は効率のいい生産体制をつくるのに、中心的な役割を果たしているのです。
生産技術職への転職にあたって、業界未経験で不安を抱いている方もいるのではないでしょうか?
そんな方は、まず初めに生産技術職における転職状況やキャリアビジョンを把握してみましょう。現状を知ることで、転職に不安を抱えている方もきっとビジョンがクリアになるはずです。
生産技術職の多くは専門的な知識が絡むことが多く、業界経験がないと転職は困難だと考える方も多いでしょう。
ですが、生産技術職の求人には「未経験者歓迎」のものもあり、必ずしも業界経験が必要とは限りません。
経験がない場合、採用後に自社で教育する方針を持った企業もあるようです。求人を探す際には業界経験・未経験の有無をチェックするといいでしょう。
また、人材派遣会社に登録して、派遣スタッフとして働く方法もあります。未経験であっても、アルバイトや派遣社員として働き、ゆくゆくは正社員にキャリアアップするという道もあります。
このように、未経験者が生産技術職に就く道は意外に広いため、業界経験に関してあまり悩まず、前向きに挑戦することが大切でしょう。
生産技術職では、まず初めに工場に配属され、次に生産数の少ないライン担当、そして管理責任者...と徐々に経験を積んでいくのが一般的なようです。
生産技術のスキルが向上するとともに、従業員を指導できるコミュニケーション力が身についていくと、管理職へステップアップできるチャンスも高まるでしょう。
転職を考えるとき、仕事にやりがいがあるかどうかは重要なポイントです。
生産技術職には、どのようなやりがいがあるのでしょうか?
生産技術職は「いかにして価格を抑え、品質が高い製品を作り上げるか」、そして「お客様にどれだけ喜んでいただけるか」を考えていく仕事です。
"ものづくり"の楽しさを味わえるのはもちろん、製造過程全体のバランスをうまくとりながら、生産工程や設備、作業手順の改良を行うことで、生産効率向上の充実感を味わうことができます。
生産技術職では、さまざまな部署と関わりながら仕事を進めていくのも、大きなやりがいになるようです。設計部門や製造部門、また新製品の生産ライン立ち上げの際には、財務部の担当者と予算に関する話し合いを行ったりします。
このように、コミュニケーションを取り、協力・連携し合いながらチームとして製品づくりをする楽しさを味わえるのが、この仕事の魅力だといえるでしょう。
最初に、なぜ同じ生産技術者であっても、人によって職務内容が大きく異なるのかについてご説明します。
生産技術の課題は、「QCD」(品質、費用、納期)を満たしつつ、いかにコストを最少化するか、工数を減らせるかにかかっています。
しかし、一口に製造業といっても食品、繊維、化学工業(衣料品・化粧品を含む)、プラスチック製品、金属製品、電気部品、家電など非常に幅広く、それぞれがひとつの業界を構成するほど広範な分野です。
そのため、生産技術者の実際の業務内容や専門用語、業務上の慣習・ルールは、業界・業種・業態によって大きく異なります。
このため、生産技術者が転職する際、いろいろな求人案件に接するうちに混乱や誤解などのギャップが生じやすく、これがマッチングを難しくさせる大きな要因となっているようです。
志望動機が採用担当者の心に「刺さる」ためには、なぜ、この業界・企業であり、どんな働き方や貢献がしたいのかを具体的にイメージできる書き方にする必要があるといえます。
以下、実際に刺さる志望動機を考える際のポイントを5つご紹介します。
まず大切なのは、「なぜ、この業界を選んだのか」という志望理由を明確にすることです。生産技術職といっても、業界によって業務の内容は異なります。
さまざまな業界がある中で、なぜその業界の製造工程の管理や品質向上につとめたいのかを明確にしましょう。
業界を志望する明確な理由がないと、面接官に「どのような業界でもいいのではないか」と思われかねません。業界の研究をして、志望動機に一貫性を持たせることが大切です。
生産技術職の志望動機を書くポイントの2つ目は、「なぜ、その企業なのか」ということです。
採用担当者は、応募者がなぜ自社に入社したいのかをチェックしますから、ホームページやプレスリリースなどから企業研究をして、その企業のどのような面に惹かれているかを考えてみましょう。
「うちの会社で働いてもらいたい」と思ってもらえるよう、きちんとした情報収集を心がけたいものです。周りと差をつけたい場合は転職エージェントを利用して、求人票以外の情報もキャッチアップするのがおすすめです。
3つ目のポイントは、「転職先の企業に対してどのような貢献ができるか」をはっきりとアピールすることです。
採用担当者は長所や短所だけでなく、採用後の貢献度も考えているものです。貢献度をアピールするにはその企業が扱っている商材や業務を調べ、自分のスキルをどのように活かして貢献できるかをまとめておきましょう。
「こういう志望動機は必ず嫌われる」という要注意ポイントは覚えておきましょう。
例えば、次のように志望動機を伝えたとします。
「海外生産拠点でも国内と同等のQODを実現できるような生産技術者になりたいと思い、グローバルに展開しておられる御社を志望しました」
このような志望動機に採用担当者がどう突っ込んでくるかは、容易に想定できます。
<想定できる返答>
もしも、上記の志望動機が真実であり、あなたが心からそう思っているなら自分なりの言葉でこれらの質問に即答できるはずです。
しかし、「この会社は海外展開を推進しているようだから、このような志望動機を語れば好印象を与えられるはず」という計算づくの創作ならば、それは嘘、もしくは建前であり、具体的なものが何も含まれていない抽象論になっています。
また、表現も紋切り型で、いかにも「文例集から引用しました。」という安易な印象を受けます。
このような志望動機では、誠意や熱意がまったく感じられず、よほど抜群のスキルや実績がない限り、一次面接すら突破は難しいでしょう。
上記と同じような志望動機でも、次のような語り方なら面接担当者の印象は大きく異なってくるでしょう。
「視察でフィリピンに行ったとき、○○という空港の建設現場を見学しました。その工事には○○社(日本の大手ゼネコン名)が多大な技術供与をしていたそうですが、日本人技師と現地の技師がいっしょに設備図面を指差して相談している光景を見て『ああ、自分がやりたい仕事はこれだ!』と気付きました。自分の技術を世界に役立てる。海外の方たちと技術を語り、いっしょにものをつくる。それは、やりがいも大きく、誇りが持てる仕事だと思います。私は生産技術者として、それと同じことをやりたいと強く思いました」
これを読むと、そのときの情景が目に浮かび、また、会社に入って、この人がどのように活躍していくのかという姿までイメージできそうです。
「技術者としてのあなたの人柄や考え方、価値観、モチベーションなど、面接担当者の知りたいことのすべてが志望動機を通じて伝わること」
これが技術者にふさわしい自己アピールの方法ではないでしょうか。
<好印象を与える志望動機のポイント>
話を帰納させることは、例えば上記の場合、「御社のフィリピンの製造拠点について調べたところ、○○の点で見事に技術移転に成功していることに感動しました。
この会社であれば、私が望むような働き方が実現できると思ったのです」などが良いでしょう。
生産技術職に応募する際の志望動機の書き方について、良い例文と悪い例文を3つずつ紹介します。
例文を参考に、自分のスキルや経験、入社への意欲などをアピールできるようにしましょう。
志望動機のアピールは、「なぜ生産技術職なのか」「なぜ、この会社なのか」という理由を明確に示すことが重要です。
以下のポイントを押さえて、志望動機をまとめてみましょう。
例文1.企業研究をしていることが分かる内容を盛り込む
「私が御社を志望した理由は、品質保証の技術が世界トップレベルであることに魅力を感じたためです。「良い品質の商品をより多くの人に提供する」という御社の方針に共感しぜひ私自身も高品質なものづくりに貢献したいと思いました。特に、御社が開発された画像処理技術を応用した品質チェックシステムに興味があり、前職で培った画像処理の知識やスキルを御社で活かしたいと考えております。」
例文2.自分の熱意は企業理念や実績と絡めてアピール!
「私が御社を志望したのは、『世界中の人々の健康に貢献できる医薬品づくり』という企業理念が、一人でも多くの人を救う医薬品づくりに携わりたいという私の考えと一致していたからです。前職でチームリーダーとして製造ライン構築を手がけた経験とスキルを活かして貢献したく思い、御社の生産技術職を志望いたしました。」
例文3.業界の中からその企業を選んだ理由を説明する
「御社は○○業界において、世界初の技術開発に挑戦し続けておられます。その姿勢には以前から感銘を受けており、前職で生産技術職として培ってきた経験を活かして世界初の製品づくりに貢献したいと考え、応募いたしました。」
以下の例文のような内容では、志望動機として薄いと判断されてしまうことも。
具体的な説明を加えることで、より明確で分かりやすいアピールを心がけるといいでしょう。
例文1.単に「商品のファン」になっている
「私が御社を志望した理由は、御社の商品を長年愛用しているからです。普段から使用している御社の商品を自ら作ってみたいと思い、生産技術職を希望いたしました。」
例文2.「やる気」だけのアピールになっている
「生産技術職は未経験ですが、やる気だけは誰にも負けないと自負しています。よろしくお願いいたします。」
例文3.「成長できる環境」など受け身の姿勢の志望動機になっている
「御社は研修制度などが充実しており、御社に入社することでさらに生産技術職として成長できるのではないかと感じて志望いたしました。」
業界や企業によって、生産技術職の仕事の内容や求められる知識・スキルは異なります。
そのため、志望動機はその業界、企業にマッチしたものにする必要があります。
志望動機をまとめる際には業界・企業研究を入念に行い、自分の知識やスキルを活かして貢献できることをアピールできるようにしましょう。
業界研究をより詳細にするためには、転職エージェントサービスの利用が効果的です。なかでもマイナビエージェントでは、他社にはないマッチング力とサポート体制が充実しているのが魅力です。
各業界に精通したアドバイザーが、企業の求める人材や業務の特徴などを随時確認するため、常に新鮮な企業情報を得られるほか、求人票に掲載されていない情報を知れる機会もあります。
そのほか、面接対策や履歴書の添削なども徹底して行っています。
ぜひマイナビエージェントを利用して、転職に関するノウハウや希望業界の求人を手に入れましょう。
生産技術者の人材ニーズは高い水準にあるので、マッチングさえうまくいけば高年収・好条件の転職に成功する見込みは十分にあります。
しかし、生産技術者の転職マッチングが難しいことは文中で説明しました。独力で転職したい会社を見つけることが難しい場合には、転職エージェントの利用もぜひ検討してみてください。
マイナビエージェントでは、生産技術の分野に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたの代理人としてあなたを真に必要とする会社を見つけ出し、あなたの人材的魅力を余すことなく先方に伝えることで、精度の高いマッチングを行っています。
生産技術者のスキルやキャリアの内容は個人差が非常に大きく、パターンやタイプだけでマッチングを進めることは非常に困難ですし、高いリスクを伴います。
転職を希望する方、一人ひとりについて知り、技術者を求める企業一社一社の詳細なニーズを把握しているキャリアアドバイザーなら、あなたの貴重な転職機会にきっと役立てるのではないでしょうか。
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