更新日:2022/06/06
あなたのそばにある製品、そのすべては、必ず製品開発の「企画」から「開発」に至り、「生産」から「販売」という道を歩んであなたの所へ届いています。その流れの中には、「生産設計から製造」という工程があり、その中で、「いかに効率的に高品質な製品を安く生産するかを考え実現する」という役割を担っているのが生産設計という仕事です。
「ものづくり大国日本」といわれるように、工業製品のクオリティにおいて日本は国際的に高い評価と信頼を受けています。ところが、従来エンジニア系の職種の中では、生産技術はあまり人気がなく、慢性的な人材不足の状況が続いています。
このため、高い技術力を持つ生産技術者の求人需要は非常に高く、転職にも有利な職種となっています。また、製造業界では生産技術者の人材需要を満たすため、人材育成にも注力しており、製造業界やエンジニア職の未経験者でも、中途採用をして、社内で教育したいと考える企業が増えています。
こでは、現在、売り手市場の生産技術者について、業務内容や求められるスキル、そして未経験からの転職に活かせる資格などをご紹介します。
目次
生産技術とは、製造工程を合理化・最適化し、高品質・均質・低コスト・短納期を実現するための技術です。
製造業界ではこれらを総称して「QCD」(※)といい、これを担当しているのが生産技術者となります。
※Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の頭文字をつないだ言葉
「生産性」という言葉が「成果物に対して、いかにコストを最小化するか」という意味を持つことからもわかるように、企業における生産技術者への最大の課題は、「製品に要求される品質や納期をクリアした上で、いかにコスト(製造原価)を削減するか」になります。
しかし、一般的に、工業製品は品質に比例してコストが上昇していきます。また、無理なコストダウンを強いれば、オペレーター(製造作業従事者)に負担のしわ寄せが行き、品質劣化、不良品の増加、品質のばらつき、事故などの原因となります。
このように、生産技術者は、オペレーターの属人的なスキルに頼らず、熟練工でなくても安全・均一にQCDを満足させられるように、製造ライン全体を設計しなくてはなりません。
生産技術者は製造工程において、次のような業務に携わります。
《生産技術者の業務》
さらに、工場を含む従来の生産設備や生産ラインを評価、検証して、問題点や課題を抽出したり、それをどうすれば解決できるか検討、協議したりすることなども生産技術者の重要な役割です。
生産技術者に必要なスキルは、業種に関係なく、共通する部分が多いです。
そのため、例えば医療機器メーカーから自動車メーカーに転職をしたとしても、従来のスキルが活かしやすい職種といえるでしょう。
また、品質管理部門や製造部門といった隣接部門での勤務経験があれば、生産技術の基礎概念を理解しているため、未経験だとしても生産技術者への転職にチャレンジしやすいでしょう。
生産技術者の採用に際しては、資格よりも実務経験が重視されます。とはいえ、「業界未経験者OK」といった求人を出している企業の場合、実務経験のない求職者も多数エントリーしてきます。そんなときに資格があれば、ライバルと比較して有利に評価されやすくなるでしょう。
以下に、未経験者の転職に有利な資格をいくつかご紹介します。
未経験者が持っておくといい資格
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以上のような資格を取得している人は、いきなり生産技術者になれない場合でも、生産技術者の設計補助として働くなど、企業から一定の即戦力と評価される可能性が高くなります。
かつて、発展途上国とされていた国々の工業製品も大きくレベルアップし、日本製品の地位も決して安泰ではありません。
国際市場の中で日本製品がシェアを守っていくためには、さらなるQCDの追求が欠かせません。
こうした背景から、日本の製造業がなくならない限り、生産技術者の需要は減ることはないでしょう。
生産技術者は、一般的に、最初の研修期間中に生産ラインでオペレーターといっしょに働き、生産ラインの一部の設計などを徐々に任されるようになります。
一通り仕事を覚えると、後輩社員のメンターを務め、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーなどに昇進していきます。
製造業では、ほとんどの企業に生産技術部門がありますから、部門の管理職や部門長に昇進できる可能性も高いでしょう。メーカーなら最終的には経営陣入りや経営者を目指すことも夢ではありません。もちろん、生産技術革新などのスペシャリストの道を選択する人もいます。
また、身に付けた技術を活かして同業他社に転職し、キャリアアップを図ったり、コンサルタントに転身したりする人もいます。
ここまで、生産技術者の仕事内容と、生産技術者になりたい人のための転職に役立つ情報をご紹介しました。生産技術の重要性、生産技術者という仕事の魅力、製造業に決して欠かせない職種であることなどが伝わったでしょうか。
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