更新日:2022/06/28
この記事のまとめ
組み込みエンジニアは家電や住宅設備、自動車などを正しく動作させるために必要なソフトウエアを開発する仕事です。現在ITエンジニアとして働いていて、キャリアアップを図るべく組み込みエンジニアへの転職を考えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、組み込みエンジニアを目指すときに押さえておきたい志望動機の書き方を紹介します。
目次
組み込みエンジニアの主な仕事は冷蔵庫などの家電製品、住宅設備、輸送機器などに製造段階で組み込んでおく「組み込みソフトウエア」の開発にありますが、それ以外にも業務内容は多岐にわたります。ここでは、組み込みエンジニアの仕事内容やキャリアパス、将来性について解説します。
組み込みエンジニアと聞いて「組み込みソフトウエアの設計・開発」をイメージする方は多いでしょう。しかし、実際には組み込みソフトウエアの設計・開発に加えて以下のような業務にも携わります。
ハードウエアの設計や実装などソフトウエア以外の部分にも関与するため、ハードウエアや製品に関する知識も求められます。工業製品の開発・生産に関する工程の大部分に携わると覚えておきましょう。
組み込みエンジニアへのキャリアアップを考えている方の場合、どのようなキャリアパスがあるのか気になるのではないでしょうか。組み込みエンジニアはITエンジニアの職種のひとつであり、以下のようなキャリアパスが考えられます。
別分野のITエンジニアから組み込みエンジニアを目指したり、組み込みエンジニアを経由して別分野のエンジニアやプロジェクトマネージャーを目指したりする道があります。自身の思い描いているキャリアプランを踏まえ、どのような道を進むか検討しましょう。
近年はIoT技術の進展に伴い、さまざまな機器にコンピューターとそれを動かすためのソフトウエアが組み込まれています。そのため、これらのシステムを開発する組み込みエンジニアの需要は高まっており、将来性が高い職種といえるでしょう。
たとえば冷蔵庫や洗濯機をはじめとしたIoT家電が増加傾向にある家電業界や、自動運転・安全運転支援システム搭載車の生産量が増えている自動車業界、IoTを活用したスマートホーム化が進む住宅設備業界など、一見コンピューターやITとは直接関係ないように思える業界でも、組み込みエンジニアを必要としているのです。
組み込みエンジニアを目指すにあたっては、応募先企業に自身の強みをアピールできる志望動機を考えることが大切です。ここからは、組み込みエンジニアを目指す方が意識したい志望動機を書くときのポイントを紹介します。転職を成功させるためにも、保有するスキルや経験をアピールできる志望動機を考えましょう。
志望動機では、これまでの業務を通して習得した能力や自己研鑽の一環として習得したスキル・資格をアピールすることが大切です。特に以下のスキルは組み込みエンジニアとして活躍するうえでは欠かせません。
IT関連の資格にはさまざまありますが、組み込みエンジニアに特化した「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」「ETEC(組込み技術者試験制度)」を取得していれば、より効果的にアピールできるでしょう。
一口に組み込みソフトウエアといっても、その内容はさまざまです。たとえば組み込みソフトウエアには以下のようなものがあります。
自分が取り組みたい分野があれば、志望動機を書く際に盛り込むようにしましょう。
志望動機を考えるうえでは「組み込みエンジニアを目指す理由」だけではなく、「なぜその企業に応募したのか」を明確にすることも重要なポイントです。企業側の選考担当者は、「応募者が会社にどのような利益をもたらすか」を重視します。
志望動機を作成する際は、応募先企業を選んだ理由やどのようにして企業の発展に貢献するのかなどの情報を盛り込むと説得力が増すでしょう。
志望動機に将来思い描いているキャリアプランを盛り込めば、高く評価されるケースもあります。スキルを習得するための学習に取り組んでいたり、より上位のエンジニアを目指していたりする場合は積極的にアピールするようにしましょう。
ただし、企業側は「即戦力となる人物」を求めています。志望動機を書くときは、自分が入社すれば即戦力として貢献できることをアピールしたうえで将来のキャリアプランを盛り込むとより説得力が高まります。
志望動機を作成するポイントを理解したとしても、実際にどのような文章を書けばよいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
ここからは経験者・未経験者別に効果的な志望動機の書き方を紹介します。例文を参考にして自身のアピールポイントを盛り込み、応募先企業に伝わる志望動機を作成しましょう。
【例文】
私は、現職でIoT家電向けの組み込みソフトウエアを開発するエンジニアとして10年勤務しております。2018年から現在までの4年間は、エアコンのIoT化に使用するソフトウエアを開発しており、消費電力や電気代を可視化するプログラム、温度・湿度に応じて運転内容を調整するプログラムを実用化しました。
携わっていたプログラムが一段落することから、組み込みエンジニアとしての経験を活かして自動車分野に転身したいと思い、貴社の求人に応募いたしました。入社後はこれまでに培ったC言語やPythonのスキルを活かしてAIを利用した自動運転技術の開発に貢献したいと思っております。
組み込みエンジニア経験者が同業他社へ転職するときは、これまでに携わったプロジェクトや習得したスキルをアピールしましょう。それらの経験を入社後どのように活かし、どの分野で活躍できるのかを理由とともに盛り込むと効果的です。
【例文】
私は、現職で5年ほどゲームプログラマーとしてC#やC++を使用したプログラミングに携わっていました。携わっていた開発プロジェクトが終了するのを機に転職を検討していたところ、C++を使用して家電製品向けの組み込みソフトウエアを開発している貴社の求人が目に留まりました。
入社後はプログラマーとしてC++を使用した組み込みソフトウエアのコーディングを担当しつつ、IoTに欠かせないサーバーサイドの開発にも取り組みたいと考えております。将来的にはプロジェクトマネージャーを目指し、貴社の発展に貢献していく所存です。
IT業界経験者がキャリアチェンジ目的で組み込みエンジニアに転職する場合は、これまでのエンジニア経験を通して習得したスキルのうち、組み込みエンジニアとして働くうえで有用な技術を強調します。プログラミング経験やソフトウエアの開発経験などを盛り込むとよいでしょう。
【例文】
私は、OA機器を製造している企業で製品の組み立て業務に従事しています。製造現場では製品改良などを目的として製品開発チームと協力する機会も多く、その過程で制御システムに興味を持つようになりました。
プログラミングスクールに通って開発に欠かせないプログラミングスキルを習得し、「C言語プログラミング能力認定試験」と「Javaプログラミング能力認定試験」の資格を取得しております。
習得したスキルを活かし、組み込みソフトウエアの開発に携われる転職先を探していたところ、貴社の求人を拝見いたしました。OA機器や家電製品、輸送機器に組み込むAIを利用したソフトウエアの開発を幅広く手掛けている貴社の発展に貢献したいと思い応募いたしました。
入社後は学習したC言語とJavaのスキルを活かしてプログラマーとして働きつつ、より上流工程を担当するシステムエンジニアを目指したいと考えております。
未経験から組み込みエンジニアを目指すときは、組み込みエンジニアを目指すようになった理由に加えて習得したスキルをアピールしましょう。異業種からの転職では実務経験をアピールできないため、スキルを裏づける資格を取得して志望動機に盛り込むことをおすすめします。
組み込みエンジニアを目指すのであれば、転職前に業務に必要な知識やスキルの習得が不可欠です。しかしいったいどのようなスキルが求められるのか、よく分からない方も多いでしょう。ここでは、組み込みエンジニアに求められる知識やスキルを5つ紹介します。
組み込みエンジニアはソフトウエアの設計・開発をメインとするため、プログラミングスキルをはじめとした開発スキルは欠かせません。組み込みエンジニアが特に習得しておきたいプログラミング言語は以下のとおりです。
すでにITエンジニアとして活躍している場合は、業務で使用している言語に近いものから学習すると習得しやすいでしょう。
組み込みソフトウエアは機器に組み込んでコンピューターを動かす仕組みのため、コンピューター工学に関する知識が必要です。習得しておきたい知識の一例には以下のようなものがあります。
自己研鑽の一環としてコンピューター工学を学び、応用情報処理技術者試験などの資格を取得するのも転職の事前準備としておすすめです。
組み込みエンジニアはハードウエアの設計・開発にも携わるため、電気工学・電子工学に関する知識も求められます。電気工学・電子工学はそれぞれ以下の分野を取り扱う学問です。
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いずれも機器類の設計において欠かせないため、最新の技術を積極的に学ぶことをおすすめします。さらに、情報工学も学んでおくとより有利です。
実際の業務はチームで進めることが多く、メンバーと協力して開発を進めることが求められます。そのため他人と円滑なコミュニケーションを図るためのスキルも必要です。
相手の話を注意深く聞いて必要な情報をピックアップする「ヒアリング力」や、必要な調整をする際に求められる「交渉力」、説得力のある「プレゼンテーションスキル」を高めましょう。
ロジカルシンキングは、目の前にある物事や現象を結論と原因に分類し、その間のつながりを論理的に整理する思考パターンのことです。組み込みエンジニアとして働く際も、基本設計やトラブルシューティングなどでロジカルシンキングスキルが求められます。
ロジカルシンキングスキルを高めることで、さまざまな結果の背景に潜んでいる原因を分析して適切な解決策を導き出せます。組み込みエンジニアのみならずITエンジニア全般に求められるため、転職前から意識して身につけましょう。
組み込みエンジニアは家電製品や自動車、住宅設備などの機器類に組み込んで動作するソフトウエアを開発するITエンジニアです。組み込みエンジニアを目指す際は、これまでに習得したスキルや知識を志望動機に盛り込んで企業にアピールしましょう。
自身が思い描いているキャリアプランを実現し、転職を成功させるには保有しているスキル・知識を正当に評価してくれる企業を探すことも大切です。マイナビITエージェントでは多種多様な求人情報を取り扱っており、組み込みエンジニアを目指す方にもおすすめです。組み込みエンジニアへの転職を検討している方は、ぜひマイナビITエージェントをご利用ください。
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