更新日:2025/01/27
この記事のまとめ
エンジニアに転職する際の面接で「最後に何か質問はありますか?」と言われたとき、適切な質問ができるでしょうか。逆質問は単なる形式ではなく、面接の重要な山場です。適切な逆質問ができるかどうかで、評価が大きく変わる可能性があります。
また、この機会を活用すれば、その企業が自身のキャリアプランとマッチしているか、働きやすい環境かを見極められるでしょう。この記事では、エンジニアの転職面接で効果的な逆質問のポイントと実践的な質問例を紹介します。
目次
多くのライバルの中で「魅力的な人材だ」と感じてもらうために、採用面接の質問にしっかりと答えられるよう入念に準備するのは定石です。しかし、逆質問の準備を怠って、本番でまごついた経験がある方もいるのではないでしょうか。せっかく好印象を与えても、逆質問でマイナスになる場合もあります。ここでは、逆質問の意味と重要性を確認しましょう。
採用面接では採用担当者が「自己PRはあるか?」「なぜ今回の求人に応募したのか?」といった質問をします。
面接の終盤には「何か質問はありますか?」と尋ねられるのが一般的ですが、これが逆質問です。逆質問には以下のことを知りたいという採用担当者の意図があります。
「何か質問はありますか?」という問いかけに「特にありません」と答えると、「企業に対する興味や入社意欲がない」と捉えられてしまいます。また、「消極的」「コミュニケーションが苦手」「企業の求める人物像とかけ離れている」といったネガティブな印象を与えかねません。
面接の準備をする際は、逆質問を想定して、最低でも3つくらいは質問を考えておくとよいでしょう。
面接での逆質問は、エンジニアにとって重要な機会です。企業の技術への取り組み姿勢や社風、労働環境、待遇を確認し、自身の熱意を伝えられます。ここでは、エンジニアが逆質問を行うことで得られる3つのメリットを紹介します。これらのメリットを理解し、効果的な逆質問を準備することで、転職活動をより有意義なものにできるでしょう。
エンジニアの面接における逆質問は、企業との相性を見極める重要な機会です。新しい技術やツールの導入プロセス、チーム体制、若手の意見反映の事例について質問することで、企業の技術への姿勢や社風を深く理解できます。
また、配属予定先のメンバー構成や現場のエンジニアが感じているやりがい、入社を決めた理由を聞けば、自分自身のキャリアプランと照らし合わせた判断が可能です。事前に企業研究を行い、自分の価値観や目指すキャリアパスと企業の方向性が合致するか確認しましょう。
エンジニアの逆質問では、労働環境や待遇に関する情報を適切に引き出すことが重要です。年収に関する直接的な質問は避け、同年代のエンジニアのキャリアパスについて尋ねることで、モデル年収の情報を自然に得られるでしょう。
また、「一日の業務の流れを教えていただけますか」という質問を通じて、始業時間や終業時間、残業の実態を把握できます。フレックスタイム制の有無やリモートワークの導入状況も、働き方の柔軟性を判断する重要な指標です。繁忙期と閑散期の業務量の変動に関する質問は、年間の労働時間の変化や休暇取得のしやすさを確認できます。このように、企業の労働環境や待遇に関する情報を自然に収集することが可能です。
エンジニアの逆質問は、企業に熱意を効果的に伝える重要な機会です。入社後に必要なスキルや知識について質問することで、事前準備への意欲を示せます。企業の将来的な事業展開や注力分野を尋ねれば、その企業でキャリアを築きたいという意思が伝わるでしょう。
「チームの成果を最大化するために、どのような取り組みを重視していますか」といった質問では、前職での経験を活かしながら、新しい環境で活躍したいという意欲をアピールできます。具体的な経験や知識を交えた質問を通じて、より説得力のある形で熱意を表現することが重要です。
エンジニアとして転職する場合、採用担当者が見るのはスキルや経験です。同時に「社風になじめるか」「チーム作業ができるか」といった人間性も見極めたいと考えています。仕事ができるエンジニアと感じてもらうために、どのように逆質問を利用すればよいか、詳しく見てみましょう。
ホームページを見れば分かるような逆質問をすると、事前準備をしていない意欲のない人物と捉えられかねません。企業の社風や理念、強みといったホームページにある情報を押さえておくのが基本です。
ホームページで調べた内容を織り交ぜながら、さらに踏み込んだ逆質問ができれば、現実的なイメージを持って面接に臨んでいると判断されます。たとえば、「社員の新しいチャレンジを応援する」という理念に関して「若手のアイデアが採用された事例はあるか」と尋ねれば、意欲を感じてもらえるでしょう。
逆質問で知識やスキル、経験をさりげなくアピールするには、自分の強みを知る必要があります。IT業界で働いている方であれば、自分の得意な分野や働き方を提示したうえで、さらに踏み込んだ逆質問ができるでしょう。
ITスキル以外にもエンジニアとして活かせる資質はたくさんあります。未経験者でも、前職で培った経験や分野を絡めた逆質問をして、貢献意欲の高さをアピールしましょう。
おすすめはIT業界に強い転職エージェントを利用し、プロの知恵を借りることです。逆質問を含めた面接準備もサポートしてもらえます。
転職エージェントが重視するのは、転職希望者と企業のマッチングです。そのため、企業の雰囲気や職場環境、求められている人材の情報を持っています。転職エージェントに相談すれば、本当に聞きたい質問を準備できるでしょう。
自分の強みも第三者の目線で教えてくれるため、自分では気づかなかった強みをアピールする効果的な逆質問ができるかもしれません。
ここでは、エンジニアに転職する場合、どのような逆質問をすればよいか具体的に紹介します。逆質問の目的ごとに例も挙げているため、自分の強みや企業情報に合わせてアレンジしてみてください。タイプの異なる逆質問を最低でも3つ以上準備することをおすすめします。
幅広いシーンで活用できるのが、働く意欲や成長する意欲があるという印象を与えられる逆質問です。
【逆質問例】
・「入社までに準備することや勉強しておくことがあれば教えてください」
・「入社までに読んでおいたほうがよい本や教材があれば、教えていただけますか?」
・「もし採用していただけた場合、どのような配属先がありますか?」
・「現時点で、自分がどのような仕事で御社に貢献できるでしょうか?」
・「経歴やスキルを見て足りないと感じた部分があれば、教えていただけないでしょうか?」
・「御社では、どのような研修制度を活用できますか?」
・「将来は御社の主力製品である○○の企画に携わりたいと考えているのですが、そのためのキャリアはありますか?」
・「若手のアイデアが採用され、実際のサービスになった事例はありますか?」
・「エンジニアで事業企画に携わる方はいますか?」
・「○○の技術勉強会の開催は可能ですか?」
・「自分と同世代の方は、どのような活躍をされていますか?」
・「自分が持つ資格は、御社のどのような業務で活用できるでしょうか?」
・「未経験で転職された方が、どのように活躍されているか教えてください」
業務の詳しい内容にまで踏み込んだ質問をすれば、エンジニアという仕事に対する理解や知識のレベルをアピールできるでしょう。
【逆質問例】
・「どのようなチーム体制で業務を行っているのでしょうか?」
・「プロジェクトに配属された場合には、どの言語やツールを用いて業務をしますか?」
・「新しい言語やツールの導入はどのように検討されていますか?」
・「仮に採用された場合、当面すぐにやるべき業務を教えてください。また、配属される部署・チームの課題、目標を教えてください」
・「御社で活躍されているエンジニアの特徴を教えていただけますか?」
・「御社がエンジニアに対して特に求めているスキルは何でしょうか?」
・「開発プロセスや手法について教えてください」
・「コードレビューやテスト自動化の取り組みはありますでしょうか?」
採用担当者も人間であるため、個人の意見を求める質問で距離を縮められれば、好印象を残せます。
【逆質問例】
・「入社して良かった点や入社に至る決め手がありましたら、教えていただけないでしょうか?」
・「業務の中でやりがいを感じるのはどのようなときでしょうか?」
・「御社で実際に働いていて、他社にはない強みだと感じる部分はありますか?」
・「これまでの業務で一番大変だったことを教えていただけますか?」
・「この会社に入社した理由を教えてください」
自身が持っているスキルや前職の経験といった強みをさりげなく絡めた質問をすることで、企業に貢献できる人材かどうか、判断する材料を提供できるでしょう。
また、言葉の選び方やさりげない配慮が見えると「ビジネスマナーがある」「社会性がある」と感じてもらえます。どのような業界や職種でもコミュニケーションは重要なため、好印象を与えられれば、採用に有利です。
【逆質問例】
・「前職では新規営業を担当していました。御社ではこの経験を活かせる部署はありますか?」
・「私は業務効率を上げることを得意としています。一日の業務の流れがあればご教授ください」
・「〇〇様の説明で十分に理解できました。反対に、私のお話しした内容で分かりづらい部分はございませんでしたか?」
職場環境や収入に関する質問は、言葉を選ばないと業務内容よりも職場環境や福利厚生、お金に関心があるというネガティブな印象を与えかねません。働き方に関する逆質問は、よく吟味しましょう。
【逆質問例】
・「私と近い年齢で活躍されている方のモデル年収をお聞かせください」
・「一日も早く同じペースで働きたいと考えていますが、ほかの社員の方は毎日何時くらいまで仕事をされているでしょうか?」
・「評価基準はありますか?」
・「繁忙期と閑散期での就業時間に差はありますか?」
・「長期休暇を取得した社員がいる場合、どのようにして業務を回しておられますか?」
・「研修制度は、社員の何割の方が活用されているでしょうか?」
・「研修制度は任意参加でしょうか?それとも強制参加でしょうか?」
・「毎年何割くらいの社員が昇給しますか?」
・「いままでのプロジェクトでもよくあったのですが、繁忙期に休日出社はありますか?」
・「御社に入社してから結婚し、お子さんをお持ちの女性社員の方の活躍事例を教えていただけますか?」
・「リモートワークやフレックスタイム制は利用できますか?」
・「転勤はどの程度の頻度でありますか?」
・「フレックスタイム制で最も多い就業時間を教えていただけますか?」
・「社内の評価制度にはどのような基準がありますか?」
社内の人間関係や社風など、仕事のしやすさやストレスに関わる点も逆質問によって確認できます。
【逆質問例】
・「社員の方々は、業務外での付き合い方はどのようにしているのでしょうか?」
・「配属される部署やチームの枠を超えた交流はありますか?」
・「御社の今後の事業の展望についてお聞かせいただけますか?」
・「新たな人材を採用する際に、必ず見ている人柄はどのようなものですか?」
・「配属予定先には、どのような企業から来た方がいるでしょうか?」
・「御社で叶えられるキャリアプランについて教えてください」
・「社内で最も重視している価値観は何ですか?」
・「エンジニア同士のコミュニケーション方法についてお聞かせください」
・「社内での異動やプロジェクト変更は可能でしょうか?」
・「メンター制度やフィードバックの文化はありますか?」
・「エンジニアリング部門は会社の目標達成にどのように貢献していますか?」
・「新規事業やサービス開発の計画について教えてください」
近年、働き方改革やコロナ禍の影響もあり、フルリモートの職場が以前より増えています。そういった企業に転職する方は、働き方について尋ねるとよいでしょう。
【逆質問例】
・「現在子育て中のため、子育てしている社員の方の働き方やタイムスケジュールについて教えてください」
・「前職はフルリモートで働いていましたが、御社の出社率がどの程度か教えていただけますか?」
・「現時点で御社はフルリモート体制ですが、今後も継続予定かお聞かせください」
・「御社ではどういった方法でリモートワークのマネジメントを行っていますか?」
・「リモートワークは社員間のコミュ二ケーションが希薄になりがちですが、何か工夫されていることはあるでしょうか?」
逆質問は内容を間違えるとマイナスポイントになります。自分の評価を下げる逆質問にはどのようなものがあるのか、具体例を参考に見てみましょう。準備した逆質問にマイナスポイントが含まれていないか、本番前にしっかりとチェックしておけば、安心して面接に臨めます。
有給のような収入や福利厚生、職場環境の逆質問を最初にすると、最も気にしているのは業務内容ではないという印象を与えてしまいます。尋ねる際には誤解を生まないように、言葉遣いや言い回しを練っておきましょう。
【逆質問のNG例】
・「御社の有給取得率はどれくらいでしょうか?」
・「有給は取得できますか?」
・「残業はどれくらいありますか?」
・「ワークライフバランスは整っていますか?」
多くの場合、企業理念や強みはホームページに載っています。それを踏まえたうえで突っ込んだ質問をすれば、意欲があると捉えてもらえるでしょう。一方、調べれば分かるような内容を質問すると、面接に準備もせずに臨んでいると判断されます。
【逆質問のNG例】
・「御社の強みを教えていただけますか?」
・「主な事業内容は何ですか?」
・「御社の社風を教えてください」
・「福利厚生を教えてください」
・「企業のビジョンを教えてください」
・「競合他社はどこですか?」
ネガティブな質問や批判めいた表現は、採用担当者に不快感を与える恐れがあります。企業研究の結果だとしても、逆質問では控えたほうがよいでしょう。面接官によい印象を与えるには、ポジティブな内容の逆質問を準備することが大切です。
【逆質問のNG例】
・「御社の開発力が足りないと思うことはありませんか?」
・「離職率を教えてください」
意欲を示すつもりでも、逆質問のやり方次第ではプライドが高く、順応性がないと判断される場合があります。社会性やコミュニケーション能力がないと疑われる恐れもあるため、逆質問は言い回しをよく考えて、失礼のないものにすることが大切です。
【逆質問のNG例】
・「○○の仕事に就くことはできますか?」
・「私のいままでの経験を活かせますか?」
・「スキルアップするための研修はありますか?」
採用担当者が話した内容と重複した逆質問をすると、話を聞いていないと判断されます。面接中はメモを取っても構いません。内容が重複しないように注意しましょう。
準備した逆質問の内容を担当者が先に話す場合もあります。いくつか種類の違う逆質問を準備して、採用担当者の話とかぶった場合、逆質問から外しましょう。反対に、採用担当者の話をより深める質問であれば、自然で説得力のあるアピールになります。
面接での逆質問は印象を大きく左右するため、いくつかのポイントに注意を払って質問する必要があります。企業の機密情報に配慮した言葉選びから適切な質問数、面接の締めくくり方まで、具体的な注意点を確認しましょう。これらを意識することで、より効果的な逆質問が可能となり、好印象につながります。
逆質問が企業の機密情報に触れる可能性がある際は配慮が必要です。技術スタックの詳細や開発体制について質問するときは、「差し支えなければ」と一言を添えることで、相手への思いやりの姿勢を示せます。適切な言葉を選ぶことで、コミュニケーション能力の高さをアピールできるでしょう。
また、メモを取る際も「メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか」と確認することで、誠実な印象を与えられます。丁寧な言葉遣いを心がけることは、将来の同僚となる可能性がある採用担当者との良好な関係構築の第一歩です。
逆質問は最低でも3個~5個程度準備するのが望ましいでしょう。その中で、将来のビジョンに関する質問を必ず1つは用意します。たとえば、今後導入予定の新技術やエンジニアのキャリアパスに対する質問です。残りの2個〜4個は、具体的な業務内容や開発環境、チーム体制に関する質問を準備します。自身の関心事項を効果的に確認できるだけでなく、入社後のイメージを具体的に描けるでしょう。
質問数を事前に伝えることも重要です。「3点ほどお伺いしたいのですが」と前置きすることで、採用担当者は時間配分を把握しやすくなり、スムーズな進行につながります。
面接の最後に「ほかに質問はありますか」と聞かれたら、単に「ありません」と答えるのではなく、感謝の気持ちを伝えることが重要です。「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」と基本的な謝意を示したうえで、面接を通じて得られた具体的な学びにも触れるとよいでしょう。たとえば、「特に開発環境や技術的なチャレンジに関するお話が大変参考になりました」といった形です。
また、時間が押してしまった場合、「質問が長くなり、申し訳ございませんでした」と一言添えることで配慮のある人物と印象づけられます。エンジニアの逆質問は熱意と理解度を示す最後のチャンスです。感謝の言葉で締めくくることで、よりよい印象を残せるでしょう。
面接における逆質問は、企業理解を深め、自身のキャリアプランを明確にする重要な機会です。質問を通じて、労働環境や待遇、技術的な成長機会、チーム体制の情報を収集できます。ただし、質問の仕方や内容には注意が必要です。事前に企業研究を行い、面接の流れに沿った内容を質問することで、より効果的な情報収集が可能となるでしょう。
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