更新日:2024/04/26
この記事のまとめ
面接で「何か質問はありますか」と聞かれた際に、何も思いつかなくて困った経験がある方もいるのではないでしょうか。逆質問は自分をアピールする場にもなりますから、有効に活用できると、印象アップにつながります。そこでこの記事では、面接で逆質問がない場合の対処法について解説します。シチュエーションごとの逆質問例もご紹介するので、逆質問を用意する際の参考にしてください。
目次
転職面接も就活面接も、多くの場合、面接の最後には「逆質問」の時間があります。面接官から「質問はありませんか」と聞かれたとき、もし上手に答えられなかったとしても、面接に落ちるわけではありません。
逆質問にうまく答えられなくても、面接に受かるケースはあります。つまり、逆質問だけで選考結果が決まるわけではないのです。
ただし、逆質問をしないと評価が下がる可能性は考えられます。「特にありません」の一言で終わらせると、「熱意を感じられない」「志望度が低いのかもしれない」と捉えられてしまうからです。
逆質問の内容によって、印象がダウンするのは避けたい事態です。ですが、逆質問が思いつかない方もいるでしょう。ここでは、逆質問がないときに使える対処法を解説します。これから面接を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
事前に質問内容を考えておくと、面接で逆質問された際にも焦らずに対応できるでしょう。逆質問は、入社意欲や志望度の高さをアピールするチャンスでもあります。企業に関しての情報を収集したうえで、アピールにつながる逆質問を用意できれば、面接で好印象を残せる可能性が高まるのです。
複数の逆質問を考えておけば、質問したい内容に関する説明をすでに受けた場合にも、ほかの質問をすることが可能です。
企業についての説明の中で、「よく分からない」「なぜだろう」と感じた部分があれば、逆質問の時間を利用します。事前に参加した企業説明会で気になった内容があれば、逆質問で聞いてみるとよいでしょう。
ただし、調べたら簡単に分かる内容は避けます。説明会や面接の中ですでに答えが出ていた内容に関しても、質問しないように注意します。
逆質問を事前に用意できなかったり、どうしても逆質問が思い浮かばなかったりした場合には、面接をしていただいたことへのお礼を伝える方法もあります。「ありがとうございました」と言われて、「この応募者は印象が悪い」と感じる面接官はいないでしょう。
お礼を伝えると、礼儀をわきまえているという評価につながるケースもあります。単に感謝の言葉を述べるのではなく、面接で感じたことや入社後にどのような活躍をしたいかも伝えると、より印象アップを図れるでしょう。
面接でなぜ逆質問をするのか、疑問に思った方もいるのではないでしょうか。企業は、時間を埋めるために逆質問の場を設けているのではなく、意図があって「何かありますか」と聞いています。逆質問は応募者を評価する材料のひとつですから、質問の背景を理解したうえで内容を考えましょう。
面接官から応募者へ質問するケースとは異なり、逆質問は応募者の積極性を確認できる場です。応募者が抱いている疑問を分かりやすく面接官へ質問できるか、面接にふさわしい言葉を用いてテンポよく会話ができるか、などがチェックされています。
コミュニケーション能力は、業種や職種を問わず必要とされる「ポータブルスキル」です。逆質問の場で質問力や傾聴力を発揮できれば、コミュニケーション能力が高いと判断してもらえるでしょう。
逆質問には定型文があるわけではありませんから、応募者の意思のままに自由に発言できます。つまり、応募者の人柄を見極めやすいのが逆質問の場です。面接官は、「何を基準にして入社を決めているのか」「入社後はどのような働き方をしたいのか」など、逆質問をとおして応募者の価値観や性格をチェックしています。
そのため、応募者が自社の社風にマッチしない発言をすると、自社とは合わない人材だと思われる恐れがあります。
企業が逆質問をする背景のひとつには、企業に対する関心の高さや、仕事へのやる気の度合いを知りたいという意図があります。こうした部分に重きを置く企業との面談で、「特にありません」と答えると、この応募者は志望度が低いと捉えられてしまいます。なぜなら企業側は、「やる気があるなら業務内容について事前に調べているはず」「自社に興味があるなら何か質問があるだろう」と考えているからです。
逆質問がいくつあればよいのかは、選考状況によって異なります。一次面接や二次面接であれば2個〜3個が最適だといえますし、最終面接では3個〜5個あれば熱意を伝えられるでしょう。
また、個人面接か集団面接かによっても、最適な質問数は違います。集団面接は個々の持ち時間が限られていますから、逆質問は1個にしておくのがベストです。逆質問は、多いほど好印象を与えられるというわけではありません。状況によって質問数を変えましょう。
どのような内容の逆質問を用意すればよいのかが分からない場合には、好印象を与えられる4つのパターンを中心に考えてみましょう。逆質問は、自分自身をアピールしたり、企業で働く社員の意見を聞けたりする貴重な場です。効果的な質問を用意して、印象アップを図りましょう。
自分の考えを持っていると、好印象を与えられる可能性が高まります。業界の将来性について知りたいときには、「私はこう考えます」という仮説を伝え、「どうなのでしょうか」と質問しましょう。仮説が的を射たものであれば、業界研究ができていると評価されます。ただし、このパターンの質問は、的外れな仮説を立てると研究不足と判断されるため注意しましょう。
企業によって求める人物像はさまざまですから、逆質問を利用して、企業に必要な人材について聞いてみるのもおすすめです。どのような人が活躍できるのかを把握しておけば、企業とのミスマッチを防げますし、入社後の働き方をイメージできます。
業務内容に関連した逆質問をすると、入社意欲をアピールできます。「〇〇課の平日の業務の流れを教えてください」などの働き方に関する質問や、「〇〇業務のやりがいは何ですか」などの業務の魅力を確認する質問でもよいでしょう。
逆質問の場は、企業で働く社員の意見を直接聞ける機会であることを踏まえ、自分に役立つ内容を質問してみましょう。
独自の文化がある企業との面接では、文化に関連する内容を質問するのもおすすめです。その企業ならではの文化に触れることで、使い回しの逆質問ではなく、企業研究を行ったうえでの質問であると判断してもらえます。
また、面接をよい雰囲気で終わらせるために、面接官が笑顔になれるような逆質問をしてみるのもひとつの手です。
逆質問は何を聞いてもよい場ではありますが、質問のしかたや内容によっては、面接官にマイナスの印象を与える場合もあります。逆質問を有効に利用するためにも、避けたほうがよい質問を押さえておきましょう。ここでは、注意点とNG例を解説します。
面接官が回答に困るような、漠然とした質問は避けたほうがよいでしょう。逆質問では応募者のコミュニケーション能力もチェックされています。
質問が抽象的で答えにくい内容だと、コミュニケーション能力が低いと判断されかねません。逆質問では、質問の意図が明確に伝わるよう工夫する必要があります。また、質問が短いと漠然とした内容になりやすいため、質問の長さも意識できるとよいでしょう。
【NG例】
・〇〇業界の将来性について教えていただけますか。
・業務内容についてどう思っていますか。
・職場の雰囲気はどのような感じなのか教えてください。
自分で答えを見つけられるような内容は、逆質問にふさわしくありません。たとえば、企業理念や活動拠点などは企業HPを見ればすぐに分かるため、逆質問するような内容ではないでしょう。もし企業理念を質問するのであれば、理念に対する自分の意見や考えについて質問しましょう。
逆質問は、企業とのマッチング度を判断したり、自分をアピールしたりできる機会です。「社員がどのような働き方をしているのか」「何をやりがいとして働いているのか」といった入社後の働き方を探るチャンスでもありますから、逆質問の場を有効に利用しましょう。
【NG例】
・御社の企業理念を教えていただけますか。
・社員はどのくらいいますか。
面接では、否定的な言葉を使ったり、消極的だと思われる発言をしたりするのは避けましょう。逆質問も同様に、ネガティブに捉えられる質問はしないのがベストです。また、意図せずともネガティブに捉えられてしまう質問もあるので、相手の立場になって内容を考えるように意識しましょう。
たとえば、休日出勤に関する内容や、残業に関する内容は避けるのが無難です。福利厚生に関する質問も、「業務への熱意がないのでは」と捉えられてしまうため注意が必要です。条件面について知りたい場合には、転職エージェントをとおして確認するとよいでしょう。
【NG例】
・御社の離職率を教えてください。
・休日出勤はどのくらいありますか。
・残業は多いと伺ったのですが本当ですか。
一次面接や二次面接は現場を管理する社員、最終面接は役員や責任者など、各選考状況によって面接の担当は違います。また、面接官の部署もさまざまですから、役職や部署を確認してから質問しましょう。
異なるポジションの業務内容について質問されたり、違う部署のスケジュールを聞かれたりしても、面接官は答えられません。もし「この質問は面接官が答えられるのだろうか」と感じた場合には、質問を避けるのが無難です。
【NG例】
・〇〇支店(面接官とは違う支店)の1日の業務はどのような流れですか。
・(社長に)現場で使われている〇〇ツールについて教えてください。
クローズドクエスチョンは、「Aですか、Bですか」のように、回答の範囲が狭い質問のことです。面接の場合には、「Yes・No」で答えられる質問を指します。こうした質問は話が広がりにくく、一言で会話が終わってしまう可能性が高いでしょう。
逆質問で話が弾めば、有益な情報を多く得られます。また、コミュニケーション能力のアピールにもなるでしょう。「〇〇ですか」を「何が〇〇ですか」に変えるなど、同じ質問内容でも、質問のしかたを工夫して会話を広げるのがポイントです。
【NG例】
・入社1年目で社内賞を取った人はいますか。
・産休を取得している社員はいますか。
ここからは、逆質問の例をご紹介します。各面接で使える質問や熱意を伝えたいときの質問など、シチュエーションごとの質問例を見ていきましょう。自己PRにつながる逆質問もご紹介するので、逆質問が思いつかなくて困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【例文】
・私は昨年〇〇という資格を取得し、半年ほど実務経験があります。御社では、こうした資格や経験を活かせる機会はありますか。
・前職では20人のチームのリーダーとして、メンバーをサポートしてきました。御社でも、若手がチームを率いるチャンスはありますか。
・大学時代に1年間アメリカへ留学した経験があります。御社の仕事で、語学を活かす機会があるのかを教えてください。
・私は、ソリューション営業を得意としています。御社では、お客さまと信頼関係を築ける環境はありますか。
・私は複数の意見をまとめるのが得意です。前職ではチーム力を強化するため、〇〇に取り組み、社内表彰された経験があります。御社でも、チームで目標を達成できる環境はありますか。
・私は〇〇の資格を取得していますが、御社で活躍するために、ほかに取得しておいたほうがよい資格はありますか。
【例文】
・御社で活躍するためにはどのようなスキルを身につけておけばよいでしょうか。
・御社ではどのような人が活躍していますか。活躍している方々の具体的な特徴を教えてください。
・私は御社の〇〇事業に興味があります。若手でも、事業に携われるチャンスはありますか。
・御社で活躍するためには、どのような能力が必要ですか。
・私は入社に向けて、〇〇について勉強してきました。そのほかに、入社前に勉強しておくことはありますか。
・御社に入社後は、大きなプロジェクトを担う存在になりたいと考えています。御社の評価基準を教えてください。
【例文】
・御社の企業HPには、ポジションを問わず自由に発言できる環境であると記載されていましたが、若手でも採用された意見にはどのようなものがあるのかを教えてください。
・配属予定部署の職場の雰囲気について教えていただけますか。
・休日に社内のメンバーで出掛けることはありますか。
・社内では、上司と部下がそれぞれどのように呼び合っているのでしょうか。
・御社には、少し変わった社内用語があると伺いました。具体的には、どのような言葉なのか教えていただけますか。
・社員同士の交流活動には、どのようなものがあるのでしょうか。また、ほかの部署と交流する機会はありますか。
【例文】
・御社の募集ページには「若手が力を発揮できる環境」と記載されていましたが、具体的にはどのようなプロジェクトに参加できるのか教えてください。
・〇〇部署の1日の流れや、具体的な業務内容について教えてください。
・御社で活躍できる人材になるために、私の持っているスキルで不足している部分があれば教えていただけますか。
・もし採用していただけた場合には、配属先はどのように決まりますか。
・〇〇さんが入社後に、一番やりがいを感じた仕事を教えてください。
・〇〇さんが仕事をするうえで大切にしていることを教えていただけますか。
【例文】
・もし入社できましたら、主力事業である〇〇にチャレンジしたいと考えております。入社後に活躍できれば、そういった事業にも携われますか。
・御社の〇〇事業で活躍している方々には、どのようなスキルがあるのでしょうか。
・御社は〇〇事業に力を入れていると伺っております。競合他社の多くが参入する△△事業ではなく、〇〇事業に注力する理由は何かあるのでしょうか。
・御社で活躍する社員になるために、必要な資質があれば教えていただけますか。
・御社の企業HPには、海外を視野に入れてサービスを展開していくと記載されていますが、具体的な計画が決まっていれば教えてください。
・5年後、10年後のビジョンがあれば教えていただけますか。
多くの面接では、面接の最後に逆質問の場が設けられます。ただし、逆質問は毎回されるとは限りませんから、場合によっては逆質問がないケースもあるでしょう。ここでは、逆質問されないときの対応方法について解説します。本番で「逆質問がない」と焦らないためにも、事前に対応方法を把握しておきましょう。
最終面接で逆質問がなくても、自ら質問の場を作る必要はないと覚えておきましょう。最終面接で逆質問がないと不安になるかもしれませんが、あえて逆質問の場を設けない選択するケースもあります。
その場合、自分から「質問してもよいですか」と切り出すと、印象が悪くなるかもしれません。逆質問がない場合には、そのまま面接を終えましょう。
逆質問で聞きたい内容があったものの、逆質問の場がなかったケースもあるでしょう。その場合には、面接が終わった後に、メールで質問するのがおすすめです。電話でも問題はありませんが、面接官が忙しい場合などはタイミングによって繋がらないケースもあるので、メールでの問い合わせがベターです。
企業に質問メールを送る際には、はじめに「本日面接を受けた〇〇です」などと名乗ります。質問を明記し、最後には「本日はありがとうございました」などの感謝の言葉で締めましょう。
また、本文の最後には、自分の電話番号やメールアドレスも記載しておいてください。ちなみに、面接官に聞きたい内容が条件面である場合には、内定後に聞くようにしましょう。
転職活動において、面接はひとつの課題です。面接によって応募者の印象は左右されますから、しっかりと対策をしておきましょう。自分ひとりでの面接対策が難しいと感じている場合には、転職エージェントの力を借りるのがおすすめです。
マイナビエージェントでは、実際の面接を想定した「模擬面接」を実施しています。各業界に精通したキャリアアドバイザーが面接官となり、受け答えをアドバイスします。各企業の質問の傾向などもお伝えできるので、面接を控えている方はぜひご活用ください。
企業との面接では、多くの場合、最後に逆質問の場が設けられます。逆質問が思い浮かばないときには答えなくても問題はありませんが、「特にありません」と答えると、印象が悪くなる場合があります。逆質問にスムーズに答えたいのであれば、事前に逆質問を考えておきましょう。
質問の内容によっては自己アピールにつながったり、志望度の高さをアピールできたりします。事前に効果的な質問をいくつか用意しておき、面接の本番で好印象を残せるように工夫しましょう。マイナビエージェントでは、一人ひとりの転職活動を丁寧に支援します。面接に関するサポートもできますので、お気軽にご相談ください。
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