更新日:2024/08/07
この記事のまとめ
面接後にお礼メールを送ると、採用担当者に好印象を与えられて選考に有利に働くといわれることがあります。しかし、本当にお礼メールを送るのは効果的なのだろうかと疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、面接後にお礼メールを送る必要性の有無について解説します。お礼メールが果たす役割や送る際のポイントも紹介しているため、面接後の行動に関して悩んでいるなら、この機会にチェックしておきましょう。
目次
原則として、面接が終わった後にお礼メールを送る必要はありません。ビジネスマナーとして広く行われている行動でもないといえます。お礼メールを送付しなかったことが原因で採用担当者にマイナスイメージを与える心配もないのが実情です。
状況によっては、お礼メールを送ることで「丁寧に対応できる応募者である」「入社意欲や熱意を感じられる」と採用担当者に印象づけられることもあります。
ただし、お礼メールを送ったかどうかが採用判断に影響する可能性は低いでしょう。企業が応募者の採用・不採用を判断する重要な材料は、これまでの経験や習得しているスキルの種類・レベルであるためです。上記のポイントを総合的に考慮し、お礼メールを送るかどうか判断しましょう。
面接に対するお礼を伝える手段は、メールだけに限られません。手紙や電話で伝える方法もあり、どのような手段を選べばよいか迷うこともあるでしょう。以下では、メール以外で面接のお礼を伝えてもよいのかについて解説します。それぞれのメリット・デメリットをきちんと把握したうえで判断することが大切です。
面接に対するお礼を伝える別の方法には、手紙もあります。手紙でお礼を伝えればより丁寧な印象を与えられるものの、発送してから応募先企業に到達するまでに時間がかかるのがデメリットです。普通郵便は最短でも届くまでに2日かかるため、面接を受けた当日中に発送するなどしてタイムラグを最小限に抑えましょう。
面接に対するお礼をメール・手紙のどちらで送るか迷う場合は、応募先企業の社風を考えることが大切です。ペーパーレス化を進めている企業や日々大量の郵便物を処理している企業であれば、手紙の送付が相手の負担増加につながりかねず、きちんと読んでもらえない可能性が考えられるためです。
面接後にお礼をする方法には電話もありますが、マナーとしてはあまりおすすめできません。電話は同期型のコミュニケーション手段で、発信した応募者側の都合で採用担当者の時間を奪うためです。そのため、お礼は電話ではなくメールで伝えるのが望ましいでしょう。メールであれば、応募先企業の採用担当者が都合のよいタイミングで確認できます。
面接後にお礼メールを送ることには、どのような役割があるのかについて解説します。お礼メールはビジネスマナーの一環ではなく、送るかどうかは応募者の判断に委ねられています。しかしお礼メールがマイナスに働くことはあまりないため、応募先企業に自身を印象づけるために送るのもひとつの方法です。以下のポイントに魅力を感じるなら、積極的に送ってもよいでしょう。
面接後にお礼メールを送ることで、採用担当者や人事部によい印象を与えられる可能性があります。特に中小企業やベンチャー企業の中途採用面接では、応募人数がそれほど多くないことも珍しくありません。一人ひとりの印象が強い分、丁寧な対応をすることでよいイメージを与えやすくなるでしょう。
基本的に、企業側から面接に対するお礼メールを送らないように指示されているのでない限り、送信自体がマイナスイメージにつながることはありません。
メールの内容を単純なお礼だけにとどめるのではなく、熱意や意欲を伝える文章を含めるのも効果的です。「面接を受けて入社意欲が高まった」「働いている姿をイメージできた」などと伝えられれば、積極的な印象を与えられるでしょう。
企業側の担当者も、同程度のスキル・経験の持ち主であればより入社意欲が高い応募者を採用したいと考えます。したがって、お礼メールで入社意欲が高まったことをアピールするのは効果的です。
スキルレベルや入社意欲、熱意が同程度の応募者が複数存在する場合、企業の採用担当者としてはどちらを採用すればよいのか判断できずに悩むことがあります。
そのような状況において、一方がお礼メールを送っていてもう一方が送っていない場合、採用担当者の関心はお礼メールを送ってきた応募者に傾きがちです。上記の状況を考えると、好印象を与えるお礼メールを送ることで採用に近づく可能性が高まるといえます。
面接のお礼メールを出すときは、ビジネスメールの基本的なマナーや書き方を意識しましょう。お礼メールのマナーが守られていなかったために、かえってよくない印象を与えては本末転倒です。具体的な書き方や、どのようにお礼を伝えればいいのかを以下にまとめました。
メールの件名は、面接のお礼であることがひと目で分かる内容にします。件名を読んだだけで内容を推測できるのがよい件名です。
<NG例>
上記のような件名では、メールを開くまで具体的な内容が分かりません。企業によっては毎日大量のメールを受け取ることがあり、件名で開封する優先度が高いかどうかを判断する場合もあるでしょう。件名だけで内容が判断できない場合は、いますぐチェックする必要があるのか、担当者は迷ってしまいます。
<OK例>
上記のように、面接の日程や希望部署、氏名、内容が面接のお礼であることを件名に明記しましょう。
メールの本文では、最初に相手の会社名と部署名、担当者名を記載します。これは、一般的なビジネスメールのマナーと同様です。
「株式会社」を「(株)」などと略して書くのはマナー違反となるので気をつけましょう。また、送り先となる担当者の個人名の後に「様」をつけ、社名の後には「御中」をつけません。
メールの本文では、冒頭に自己紹介とあいさつを1行~2行程度で記しましょう。続く部分で、時間を確保して面接の機会を設けてくれたことに対する感謝を表す文章を記載します。
次に、面接で実感したことを簡潔かつ具体的に書きましょう。「○○という目標を達成するため、商品開発に力を入れていることを深く理解し、貢献したい意欲が高まりました」などといった形です。伝えたいことは2行程度にまとめ、無理なく読める分量に仕上げることが大切です。
結びの言葉は、「略儀ながら、メールにて面接のお礼を申し上げます」といった定型文で構いません。一般的なビジネスメールの結びに使われる、「貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」といった一文を添えてもよいでしょう。
ビジネスメールにおいては、最後に署名をつけるのが基本的なマナーです。面接のお礼メールを送るときも同様であるため、忘れないようにしましょう。署名に盛り込む内容は以下のとおりです。
送信前には、署名に記載した内容に間違いがないかを確認します。署名の入れ忘れが不安であれば、メーラーの機能を使用して自動で挿入されるようにしておくのがおすすめです。
ここからは、面接後のお礼メールを送る際に注意したい4つのポイントを紹介します。お礼メールは、ビジネスメールのひとつです。そのため、ビジネスメールのルールやマナーを理解していないとお礼メールが逆効果になりかねません。ビジネスマナーに沿った適切なメールを送るためにも、ここでひととおり確認しておきましょう。
面接後のお礼メールは個人で保有しているメールアドレスから送信し、現在の職場のメールアドレスから送ることは避けましょう。応募する企業の採用担当者が、「会社のアドレスで私用メールを送るような無神経な人間」と評価をする可能性があります。
企業によって面接の雰囲気は異なります。緊張感が漂う雰囲気の場合もあれば、全体的に和やかな雰囲気で行われることもあります。面接がどのような雰囲気で行われたとしても、お礼メールは丁寧に、礼儀正しく作成しましょう。
面接の雰囲気だけでなく、採用担当者との関係性がフランクな場合も同様です。採用担当者との距離が近かったからといって「本当に緊張しました笑。もし受かった場合はしっかりと頑張ります!」などと軽い印象を受けるメールを送るのは失礼にあたり、評価を下げる可能性もあります。
どれほど関係性が良好だったとしても、まだ採用が決まったわけではありません。ビジネスマナーを意識してメールを作成しましょう。
文面に誤字や脱字・衍字(えんじ)がないことは、メールに限らず文章を作成するときの基本です。送ったメールの文面にミスがあると、「注意力が不足している応募者」というイメージを与えることもあります。場合によっては、文章の意味が伝わらなくなることもあるでしょう。そのため、文章を作成し終えたら一度見直し、誤りがないかを念入りにチェックすることが大切です。
ビジネスメールの基本ですが、文中に絵文字や強調文字、色がついた文字などは使わないようにしましょう。また、スマートフォンからメールを書くと、改行などのバランスがパソコンで見たときと異なる可能性があります。
お礼メールは、できる限りパソコンから送りましょう。受信側でレイアウトが崩れないか気になるときは、HTMLメールではなくテキストメール形式で送信するのもひとつの方法です。
状況や送り方によっては、面接後のお礼メールが逆にマイナスイメージを与えることがあります。ここでは、メールを送信する前にチェックしたい重要なポイントを見ていきましょう。お礼メールは必須とされているわけではないため、不安に感じるのであれば送信しないのも選択肢のひとつです。
お礼メールを送るタイミングは、基本的に面接した当日の営業時間内です。営業時間が終了する間際に面接を受けた場合など、営業時間内に送るのが難しい場合は翌日の営業時間内でも構いません。一般的に、ビジネスにおいては早めにお礼を伝えるのが礼儀とされているためです。
したがって、面接から数日経過したタイミングで送るとマイナスイメージにつながりかねません。「仕事が遅い」という印象を与えるリスクもあります。適したタイミングでお礼メールを送信できなかったのであれば、あえて送らないほうがよいでしょう。
Webサイトや書籍には、お礼メールを送信するときに使えるテンプレートが掲載されています。しかし、テンプレートをそのまま送信するだけでは内容が薄くなり、よい印象にはつながりません。
熱意や意欲を伝えるためには、面接を受けた感想など自分ならではの文章を盛り込むことが大切です。どのような文面にすればよいかで悩んだ場合には、面接を受けたからこそ気づいた、あるいは知ることができた情報をいったん書き出してみましょう。
メールの本文に含めることは、あくまでも面接のお礼と簡単な感想です。それ以外の内容を盛り込まないようにしましょう。具体的には、面接中に伝え忘れた内容や言及しなかったアピールポイントなどです。上記のような内容を含めると、「必要なことをきちんと伝えられない応募者」という印象を与えかねません。どうしても伝えたいことがあったとしても、面接のお礼メールに書くのは控えましょう。
具体的な例文を挙げつつ、どのようなお礼メールを送ると効果的なのかを詳しく見ていきましょう。以下では、好印象につながる例文とマイナスイメージにつながる例文をそれぞれ紹介します。メールの作成時や送信前に見直す際には基本的なポイントを押さえているか、NGな内容になっていないかを十分に確認することが必要です。
【例文】
件名:
【本日の面接のお礼】営業部希望 田中太郎
本文:
株式会社●●
人事部 △△様
いつもお世話になっております。
本日、面接をしていただきました、田中太郎と申します。
お忙しい中、面接の機会をいただきまして誠にありがとうございました。
△△様のお話を伺う中で、貴社のサービスの質や社員満足度、活躍するための必要なスキルについて理解できました。
以前より貴社を第一志望としておりましたが、本日の面接を通して、貴社で仕事をしたい気持ちがますます強くなりました。
略儀ではございますが、面接のお礼を申し上げたくメールさせていただきました。
末筆ながら、貴社のますますのご発展とご多幸をお祈り申し上げます。
田中太郎
〒000-0000
東京都中央区◯◯◯◯◯◯
連絡先:090-0000-0000
E-mail:XXXX@XXXX.jp
件名で要件を明確に伝えていて、開く前にどのような内容なのかが分かります。内容も面接のお礼や感想を簡潔にまとめているため、受信側も無理なく読めます。また、入社意欲が高まったこと、企業に貢献したいという思いが伝わる内容となっており、採用担当者にも好印象を与えられるお礼メールです。
【例文】
件名:
面接の件
本文:
株式会社●●
人事部 △△様
いつもお世話になっております。
本日、面接をしていただきました、田中太郎と申します。
本日はお忙しい中、面接の機会をいただきまして誠にありがとうございました。
まずはこの度の面接へのお礼を伝えたく、ご連絡いたしました。
面接を通じて貴社のことを詳しく理解でき、入社したいという意欲が高まりました。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
田中太郎
〒000-0000
東京都中央区◯◯◯◯◯◯
連絡先:090-0000-0000
E-mail:XXXX@XXXX.jp
上記の例文はテンプレートそのままといった印象で、面接の具体的な感想や入社意欲が高まった具体的な理由に言及していません。一般的なビジネスメールに近いお礼メールに仕上がっているため、採用担当者が読んでも印象に残らない可能性が高いといえます。
具体的にどのようなことを感じたか、なぜ入社意欲が高まったかを盛り込むと印象に残るお礼メールに仕上がるでしょう。
面接のお礼メールに関してありがちな疑問点と、それに対する回答を紹介します。「このようなときはどうすればよいのか」と悩んだときは参考にしてみるとよいでしょう。
面接のお礼メールは、面接を受けた当日の営業時間中に送信するのが基本です。とはいえ、面接時間が17時や18時からで、当日の営業時間中にお礼メールを出すのは難しいこともあるでしょう。
このような場合は翌日の営業開始後でも構いません。帰宅してから夜遅くにメールをするよりは、翌朝改めて送るようにしましょう。先方が会社のアドレス宛のメールを個人のスマートフォンに転送する設定にしていた場合、夜に連絡すると相手の負担になる可能性があるからです。
企業によっては、2次面接・3次面接と複数回の面接を実施することがあります。基本的に、面接のたびにお礼メールを送る必要はありません。ビジネスマナーとしてお礼メールを送ることが一般的とされているわけではないためです。
しかし、応募者がお礼メールを送りたいと思うときは面接のたびに送っても問題はありません。ただし、毎回文章を変えるなどして同じメールの使い回しであると思われないようにすることが大切です。面接で何を感じたか、どのような印象を抱いたか、入社意欲がどのように高まったかを簡潔に記し、オリジナルの文面に仕上げましょう。
応募先企業の面接担当者が複数人いた場合は、採用担当者にお礼メールを送るのが基本です。面接担当者全員にメールを送信する必要はありません。もし採用担当者が明確に示されていない場合は、メールの文面に「株式会社○○ 採用ご担当者様」「株式会社○○ ○○部御中」などと記すのがおすすめです。
宛先は、採用担当者のメールアドレスもしくは選考関連の連絡に使用しているメールアドレスを指定するとよいでしょう。状況に応じてどちらに送るのが適切か判断します。
転職エージェント経由で求人に応募している場合、選考に関するやりとりはすべて担当のキャリアアドバイザーを通じて行います。そのため、面接後にお礼を伝えたい場合はまずキャリアアドバイザーに相談しましょう。
転職エージェントを通じて応募した企業に対し、応募者から直接連絡するのはマナー違反です。同様に、企業側も直接応募者に連絡できません。
面接官がひとりで相手から名刺をもらっていた場合、面接のお礼メールはその人宛てに送ります。しかし、面接官が複数人いた場合や、名刺をもらわなかったために名前や宛先が分からない場合もあるでしょう。
面接官が2人以上いた場合は、個別にメールを出すのではなく、宛て名を連名にして送信しても問題ありません。また、名前が分からないときは「面接ご担当者様」という書き方で大丈夫です。
企業に送ったお礼メールに対して、返信が届くことがあります。こちらが出したお礼への返事にさらに返事をする必要があるかどうか、迷うこともあるでしょう。しかし、メールを目上の人からのアクションで終わらせるのは失礼にあたるとされているため、返信することをおすすめします。
また、単純なお礼メールの返答ではなく、お礼メールの返信に次回の面接のお知らせなどが記載されているケースもあります。このような場合は、お知らせに対する返答を速やかに送りましょう。
なお、「お礼のメールは今後不要」と記されていたときは、次回の面接以降のお礼メールは送らないようにします。「返信不要」の記載がある場合も同様です。断られたにもかかわらず再度メールを送ると、「話を聞いていない」「ひとりよがり」といったマイナスなイメージを持たれる可能性があります。
選考では書類の準備や面接対策、実際の面接などやらなければならないことが山積みです。お礼メールも送るとなるとさらにやることが増え、負担が大きくなります。
転職に伴う負担を軽減したい、自分のキャリアプランを実現できる転職先を探したいと考えている方は、ぜひマイナビエージェントをご活用ください。マイナビエージェントでは求人の紹介や選考対策だけではなく、選考スケジュールの調整や内定後の条件交渉など企業とのやりとりも代行します。転職活動をより効率よく進められるよう、担当のキャリアアドバイザーがサポートします。
面接が終わってからお礼のメールを送ることは、基本的なビジネスマナーには含まれていません。しかし、感謝の気持ちを伝えたいと思うのであればメールを送るのもひとつの方法です。お礼のメールを送るときは、ビジネスメールの基本を押さえつつ面接で感じたことを簡潔に自分ならではの言葉で盛り込むとよいでしょう。
もし、お礼のメールに限らず応募先企業とのやりとりに不安を感じていたり連絡が面倒で転職活動に踏み切れなかったりするのであれば、マイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントでは、経験豊富なキャリアアドバイザーがキャリアの振り返りや求人の紹介、選考対策などを総合的にサポートしています。
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