更新日:2022/07/06
生産管理は、工場が安定して製品を生産するための司令塔のような存在です。さまざまな知識や経験が求められますが、なかには未経験者を求めている企業もあります。
やりがいが十分に感じられる仕事のため転職を検討する方も多いかと思いますが、企業の担当者に読んでもらえる志望動機を作成するにはどのような点に注意すればいいのでしょうか。
ここでは、生産管理の志望動機の書き方やポイント、業界・キャリア別の志望動機の例文をご紹介します。
目次
生産管理とは、工場における「ものづくり」を効率的に進めるための仕事です。
一日、あるいは一ヵ月にどれだけの製品を製造するのかを定める生産計画の立案や、コスト削減のための原材料の見直し、仕入れ業者との価格交渉、決められた納期を守るための製造ラインの見直し、トラブル発生時の対応など、担当する業務は広範囲にわたります。
幅広い知識と責任が伴う業務ではありますが、司令塔として工場全体をマネジメントするやりがいが感じられる仕事でもあります。
企業の採用担当者が志望動機を読む際は、「前職の経験をどのように自社で活かしてくれるか」「応募者がどれだけ自社のことを把握しているのか」「入社後にどのように働きたいと考えているのか」などを重視しています。
採用担当者の興味を引く内容にするには、まず以下の3つの準備を行いましょう。
まずは応募する企業の強みや求められる人物像、業界の最新情報などを把握する必要があります。これらの情報は企業ホームページや求人票、新聞、ニュースなどのメディアを通して発信されているので、漏れがないように目を通しておきましょう。
具体的な情報がつかめればつかめるほど、志望動機と結びつけやすくなります。
商品企画や研究開発、設計、営業など、製造業はさまざまな職種から成り立っています。数あるその職種の中からどうして生産管理を志しているのかを盛り込むことができれば、熱意と説得力のある志望動機にすることができます。
また、あなたの実体験をエピソードとして盛り込むと、相手が親近感を感じる文章を作成することができます。
生産管理は自分の部署のみならず営業部や購買部など複数の部署と連携する機会が多く、円滑に業務を遂行するためのコミュニケーション能力やマネジメント能力が問われます。機材故障による生産ラインの一時停止など予期せぬアクシデントも起こりうるため、トラブル対応能力なども必要とされます。
いままでの経験を思い起こし、持っているスキルを書き出して「見える化」しましょう。「生産管理オペレーション」や「生産マイスター検定」など生産管理に関わる資格を持っている方は、級数や取得年の確認もしておきましょう。
製造業という大きなくくりの中にはさまざまなジャンルが含まれています。「ものづくりが好きだから」といったような当たり障りない理由ではあなたの存在が埋もれてしまい、採用担当者まで届きません。
ここでは、前述の志望動機の書き方の基本に沿った各業界向けの例文を紹介します。
「安全で地球環境に配慮した自動車の製造に貢献したいと考え、貴社を志望いたしました。
前職では家電メーカーにて生産管理業務に○年間従事しておりました。幼少期より機械、特に車に対する興味が強く、工業大学に進学して機械工学と電子工学の知識を身につけました。新卒の際は自動車業界とのご縁はありませんでしたが、機械の製造に携われることに喜びを感じておりました。しかし、日々発信される最新技術を搭載した自動車のニュースに触れるたび「自動車業界で活躍したい」という思いが強まってきました。そんな折、貴社が電気自動車のモーターコア部門で生産管理職を募集していると知りました。
前職では品質管理に力を注いできましたが、品質を維持した製品を安定して供給することがクライアントからの信頼を築くコツだと考えております。もし貴社で活躍いただける機会をいただけるのであれば、これまでの経験を活かして新規ライン体制の構築などにも挑戦していきたいと思っています。」
「多くの人の暮らしを豊かにし、新たな価値を創造するチャレンジ精神に共感を抱き、貴社を志望いたしました。
現職では、△△を製造する工場のオペレーターとして○年間勤務しております。ゆくゆくは生産管理者として活躍したいと考え、コストカットやライン見直しの提案などをおこなってきましたが、会社の方針もありなかなか生産管理へのステップアップが叶わない状況が続いておりました。自分の目標を叶えるためにも、新たな環境に身を投じたいと考え、転職を決断いたしました。
以前、生産設備の展示会で貴社のブースに立ち寄った際、貴社の製品の独自性や製品の開発に携わった社員の皆様のお話から、貴社の事業に興味を持ちました。近年急速に推進されているIoTの活用には半導体の存在は欠かせません。貴社で活躍できる機会をいただけましたら、現職で発揮していた視野の広さや提案力を活かし、貴社製品の安定供給に尽力していきたいと考えております。」
「現職では△△の製造工場の生産管理に○年程度従事しています。季節や天候、報道によって変化する発注数に対応すべく、常に情報収集を怠らないように努めてまいりました。そのような姿勢で業務に取り組んでいるうち、生産計画の立案や管理だけではなく商品企画にも携わっていきたいと考え、転職を決意いたしました。
目まぐるしく移り変わる市場ニーズにいち早く対応し、○○や○○など魅力的な製品を生み出している貴社には大きな魅力を感じております。中には工場現場の声を反映した製品もあると伺い、社内間の連携の強さや社員一人ひとりの提案を柔軟に受け入れる風通しの良さを感じました。
業界としては未経験者ではありますが、いままでの経験で培ってきたスキルを発揮し、消費者が安心して口にできる製品の供給に尽力したいと考えております。」
志望動機の打ち出し方は生産管理経験の有無で異なります。未経験者は生産管理に対する熱意やポテンシャル、志望したいと思ったきっかけについて、経験者はいままでの実績を数字に表して具体的に伝えることを重視しましょう。
ここでは、未経験者・経験者それぞれの志望動機の例文をご紹介します。
「消費者が安心して使える製品を生み出す一助になりたいと考え貴社を志望いたしました。
以前プライベートで貴社の○○工場の工場見学に参加した際、普段何気なく使っている製品が作られるまでに多くの人が熱意をもって関わっているのだと肌で感じ、製造業に魅力を感じるようになりました。
現職企業では××業の営業職として○年間従事しております。○○○万円/月のノルマを達成するために重視していたのは、顧客ニーズの把握です。そのために情報収集と顧客分析を続け、変化の激しい顧客のニーズにいち早く対応してまいりました。結果、前年度は毎月ノルマを達成し、社内表彰を受けました。
生産管理は未経験ではございますが、工場見学をした際に感じた思いを忘れず、業務に関するあらゆる知識を柔軟に吸収し、一日でも早く貴社の事業に貢献できる存在になりたいと考えております。」
「現職の■■株式会社にて△△の製造ラインの生産管理に○年間従事しておりました。年間○○○万円のコストダウンを達成するために、部材や生産ライン、各種設備などを徹底的に見直しました。最新システムの運用を上長に提案し、社内で運用していたシステムの一元化を達成。コストも当初の予定より年間○○万円削減できました。
しかし、今後も生産管理としてキャリアを積み重ねたいと考えていたものの、前年度の人事異動に際して営業推進部に異動となりました。元部署への配置転換を希望しましたが叶わず、このたび転職を決意した次第です。
転職活動で重視しているのが、海外工場への赴任の有無です。生産管理として海外赴任を経験し結果を残したいと考えております。貴社の求人票にて、○○(国名)で開設する新工場の立ち上げメンバーを募集していると拝見し、ぜひともチャレンジしたいと感じました。言葉の壁など不安に感じる面もありますが、グローバルに活躍できる人材として貴社の発展に寄与したいと考えています。」
実際に生産管理の志望動機を書く際に重視しておきたいポイントや注意点をご紹介します。
この内容を押さえておけば、きっと採用担当者の興味を引く志望動機に近づけることができます。
応募企業に入社できたらどのような活躍ができるのかを、持っている資格やスキルなど自分の強みと絡めて説明しましょう。それらを得るまでのエピソードも追記すると、より説得力が増した文章にすることができます。
採用担当者は、自社の事業に対する熱意を持って長く活躍してくれる人材を求めています。
「今後はマネジメントスキルを磨き、貴社製品の生産ラインの安定維持を実現できるよう経験を積んでいきたい」「貴社の○○研修制度を進んで活用してさらなるスキルアップを図っていきたい」など、入社後の目標や長期的な活躍の意思を積極的にアピールしましょう。
労働環境や給与など条件面を重視することは働くうえで大切なことではありますが、その点ばかりにフォーカスした志望動機にしてしまうと、「制度面ばかりで自社の事業に対する興味がない応募者」というイメージを持たれかねません。
志望動機は仕事内容や企業の事業の魅力をベースに作成しましょう。
志望動機は、あなたが応募企業に熱意を伝えるラブレターのような存在です。「どうして好き(応募したい)なのか」「相手(応募企業)の気持ち(求める人物像)をちゃんと考えているのか」がはっきりしていないと、あなたの気持ちを届けることはできないでしょう。
本記事で紹介した志望動機の書き方の基本やポイントを参考に、あなただからこそ書ける志望動機を作成して応募企業にアピールしましょう。
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