更新日:2023/12/04
生産管理は、製造業のさまざまな工程の中でもひときわ重要な職種です。
しかし、その具体的な業務内容まで把握できている人は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、生産管理の仕事内容の詳細や魅力、向いている人の傾向などを解説していきます。
目次
生産管理は、あらかじめ生産工程の計画やスケジュールを定め、その計画に沿って確実に製品が生産できるよう各工程をコントロールする役割を担う仕事です。また、その工程の遂行に付随する各領域の業務に介入し、一連の生産プロセスの調整を試みます。
まずは、生産管理の業務内容をしっかりと理解しておきましょう。
生産管理の仕事は進行管理の領域のみにとどまりません。生産計画から品質管理まで、製品の生産工程に幅広く携わります。
納期に間に合わせることだけに注力するあまり品質がおざなりになるようなことのないよう、生産工程全体を俯瞰して見るポジションです。
製造業は、自社内の各部署や取引先との円滑な連携が欠かせない業界です。
生産管理は、その連携に必要な社内外の関係者との調整も行います。計画の進捗状況や今後の想定を踏まえ、円滑な製造工程が維持できるように取り計らいます。
生産管理の重要な業務の一つが「需要予測」です。需要予測とは、世間や競合他社の動向、市場調査、過去の販売データなどをもとに出荷量や販売数の見込みを予測するものです。
この結果によって仕入れや人員配置、資金、設備投資などが決定されるため、生産管理において非常に重要な業務となります。
生産管理は完璧に遂行することがむずかしい業務です。
需要予測を正確に行うことは現実には非常に難易度が高い作業ですし、生産工程には想定外のトラブルがつきものだからです。したがって、データや計画ばかりにとらわれない柔軟な対応力が求められます。
多くの役割を担う生産管理はオールラウンダーな要素が求められる仕事です。
具体的にどのような人が向いている仕事なのか、4つの特徴を挙げていきます。
ものづくりに興味のある人は、探求心を持ちながら生産管理の仕事に取り組むことができるでしょう。
実際に自分の手を動かし何かを作るわけではありませんが、ものを作る喜びや達成感は生産管理の仕事でも存分に味わえるはずです。
生産管理の仕事では、生産工程全体を俯瞰的にとらえる必要があります。
各所との関連性や影響などを考慮し、コントロールしながら進めなければなりません。したがって、一つの物事にとらわれず仕事を広い視野で捉えることができる人は、生産管理の仕事で能力を発揮できるでしょう。
多数の人と分け隔てなくコミュニケーションを取り円滑なチームワークを形成できる人は生産管理に向いています。
同じ主張をするのでも、相手やチームの状況を考慮しながら思いやりのある言動ができる人とそうでない人では、チームの団結力や得られる成果が大きく異なります。他人の個性や違いを認めて受け入れ、一つのチームで製品を作り上げることに楽しさを見出せる人は、生産管理として信頼を得られるはずです。
生産管理は、各所で発生する課題やトラブルに対して常に最善の手段を選択し解決していく決断力が必要となります。つまりそれは、幅広い領域を網羅する知識が求められるということです。
一つのことを突き詰めることができる人や、まったく新しい領域の学びを得ることに楽しさを見出せる好奇心旺盛な人は、生産管理に向いているといえるでしょう。
生産管理の仕事をするにあたり、必須となる資格はありません。
しかし、対外的に生産管理の能力を示すためにも以下のような資格は取得していたほうが有利でしょう。
より詳細な情報については、以下の記事も参考にしてみてください。
幅広い領域を取り仕切る生産管理の仕事ですが、生産計画から取引先への出荷に至るまで、製造業の全工程に携われるところに魅力があります。領域が広いぶん忙しさや苦労もありますが、関わった製品が店頭に並んでいるのを見た時や、製品が消費者の手に渡り利用してくれている場面を見かけた時の喜びはひとしおでしょう。
また、多くの人とコミュニケーションを取りながら仕事をしたい方にとっても生産管理の仕事は魅力的です。
一つの製品を作り上げる工程では多くの人たちが関わっています。時にスムーズにいかないこともありますが、その障害を乗り越えて製品を作り上げることで結束が生まれ、ほかでは得難い出会いという財産を手にすることができます。
将来的に別の職種に就くことがあっても、生産管理でオールラウンダーとして活躍した経験は必ず役立ちます。
また、生産に一貫して携わり人やものの管理を経験していれば、転職先の選択肢は自ずと広がります。
全体を俯瞰しコントロールするバランス力、人をうまく動かすマネジメント力、的確な判断能力と自走する力などを兼ね備えているため、管理、営業、販売など、あらゆる場面で能力を発揮できるでしょう。
生産管理の仕事は、その役割の幅広さから、マルチタスクへの対応力や柔軟性、専門知識など、さまざまな能力が求められる仕事です。
むずかしい問題と向き合う機会もありますが、それを乗り越えていくことでビジネスパーソンとして確固たる力を身につけられるようになるはずです。
現状、生産管理の求人数は決して多くないのが現状ですが、もし新たな求人を見つけた際にはぜひ積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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