SEQSENSE株式会社 代表取締役 中村壮一郎|求人・転職エージェント

【「SEQSENSE」その後】人口減少という国難、
まずは人手不足の深刻な警備業界で
「自律移動型の警備ロボット」を役立てたい

SEQSENSE株式会社
代表取締役 中村壮一郎

【「SEQSENSE」その後】人口減少という国難、まずは人手不足の深刻な警備業界で「自律移動型の警備ロボット」を役立てたい 【「SEQSENSE」その後】人口減少という国難、まずは人手不足の深刻な警備業界で「自律移動型の警備ロボット」を役立てたい
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住 所 東京都千代田区内幸町2丁目2-3
業 種 ものづくり・メーカー
URL https://www.seqsense.com/
SEQSENSE株式会社代表取締役 中村壮一郎
京都大学法学部卒。東京三菱銀行、シティグループ証券、Citigroup Global Markets Inc. (New York)を経て、独立。
中小企業向け融資や、LBOファイナンスに従事。2016年、SEQSENSE株式会社 代表取締役。
更新

人手不足が特に深刻な警備分野、複数の多種多様な施設に警備ロボットを導入

前回もお話ししました通り、私たちSEQSENSE(シークセンス)は、自律移動型の警備ロボットを開発している企業です。前回取材の時は開発段階でしたが、すでに東京・大手町パークビルディング、大阪・なんばスカイオなどのオフィスビル、さらには成田空港第3ターミナルなどの施設や、大学など10施設以上に導入していただいています。

導入いただいた警備ロボット「SQ-2」は、一般の方がフロア内にいるという環境の中で、人を認識し、避けながら自律移動をし、警備ポイントから警備ポイントを巡回し、写真や動画を撮影し、クラウドで確認ができるというロボットです。自律移動にはさまざまなレベルがありますが、人がいる空間の中を安全に自律移動するという技術的にかなり難易度の高いことをやっています。

今、日本はあらゆる分野で人手不足になっていますが、警備の分野は特に深刻です。警備スタッフの高齢化も進み、離職率も高くなっています。一方で、大都市では大規模施設が再開発によりどんどん増えています。このままでは、警備という業務が成り立たなくなるのではないかという危機感を業界の方はお持ちになられています。

さらに、警備の仕事は肉体的にもハードです。空港などの大型施設では、巡回だけで1日何十kmも歩くことがあります。また、立哨警備も肉体的には厳しい仕事です。

当社の核心技術は自律移動ですが、この技術を活かす分野として、人手不足が最も深刻な警備の分野が適しているのではないかと考え、警備ロボットの開発を始め、導入先を広げている段階です。

日本の今の豊かさを維持するには、「生産性」を上げればいい

SEQSENSEのミッションは、「世界を変えない」です。もちろん、イノベーションを起こして、この日本をいい国に変えていくのは素晴らしいことです。しかし、現実を見ると、あまりにも課題が多く、放置しておくと日本は衰退していかざるを得ない状況です。

日本の人口が減少し続けている。これは紛れもない事実です。若い世代が増えないので、相対的に高齢化が進み、社会福祉コストはどんどん膨らみ続けています。私は、国力というのはシンプルに人口だと思っています。人口が国力の前提条件になっていて、どの国であっても、人口増加期には経済が成長し、減少期には経済が縮小します。数字がすべてではありませんが、数字だけを見ると、日本はもはや先進国だとは言えなくなり始めています。

私にも子どもがいますが、私たちの子どもが成人する頃には、日本は今の日本とは様変わりをしているかもしれません。そうだとするなら、私たち親である現役世代が衰退を阻止しておかなければなりません。それは私たち世代の義務です。

唯一の救いは、今の日本は、世界と比べてあらゆる分野で生産性が著しく低いことです。ですから、生産性を上げる余地が多分に残されていて、少し生産性をあげるだけで、今の豊かさを維持できる可能性があります。私たちSEQSENSEはとても小さな会社ですが、大きな価値を社会に提供することができるのではないか。それが「世界を変えない」ということです。

「SEQSENSEのミッションは、"世界を変えない"こと」

中村代表は、今の日本の課題について、経済成長にとって最大のマイナス要因である「人口減少」という局面においては、イノベーションを起こすというよりも、現状の豊かさをどうやったら維持できるかを考え、実行することが必要だと話す。

SEQSENSEのミッションは、「世界を変えない」こと

人をロボットに置き換えるのではなく、ロボットが得意なことはロボットにという発想

私は、人をロボットに置き換えようとは考えていません。人の作業をロボットに代替させようとしています。ですから、ロボットを5台導入したから、人を10人解雇するという考え方はしていません。

導入する際は、まず施設の管理会社の方と警備会社の方と、警備タスクの整理をすることから始めます。ロボットが得意なことはロボットが行い、人間が得意なことは人間が行うことで、警備業務の効率、生産性を高め、結果としてコストも下げていくことができます。

ロボットは、巡回をして、現場の写真や動画を撮影するのは得意です。しかし、撮影された内容から状況を判断するのは人間の方が得意です。そのような警備業務の切り分けをして、人とロボットが協働する。人は警備室にいて、ロボットが撮影する映像をリアルタイムで確認をするのか、あるいは緊急性はないので、レポートとして記録保存をすればいいのか、そのような警備業務の整理を関係者と一緒に行なっていきます。

また、ビル側の環境整備も重要です。よく家庭用掃除ロボットを買うと、「掃除をするために掃除をする」ことになると言われます。掃除ロボットが動きやすいように、床にあるものを整理したり、電源コードをまとめたりします。警備ロボットも同様で、円滑に、効率的に動けるように、ビル内のレイアウトを整理して、ロボットフレンドリーな環境に整えていきます。これをしっかりやると、ロボットの作業の効率が格段に上がります。

ですから、ロボットを販売したら終わりではなく、導入されたお客様と一緒に警備業務を作り上げていきます。その成果を受けて、ロボットの改良も進めています。3年前からロボットの外観はほとんど変わっていませんが、導入先施設の特性に合わせて改善を積み重ね、巡回効率は数十%上がり、巡回に必要な時間は半分近くまで短縮できるようになりました。それは移動スピードを上げるのではなく、写真撮影の方法、安全確認の方法、ルート選択、クラウドとの通信効率など、各分野での小さな改善の積み重ねで実現されたものです。

ロボットを開発するには、さまざまな分野のエンジニアが力を合わせることが必要です。ハードウェア、自律移動だけでなく、お客様とロボットの接点になるクラウドやウェブも重要です。

自律移動はまだ産業化がされていない分野なので、人材は大学などのアカデミー領域にしかいません。そのため、絶対数がそもそも多くありません。また、クラウドやウェブのエンジニアは世の中にたくさんいらっしゃいますが、多くの方がBtoC事業に関わる仕事の方がやりがいがあると思われています。私たちSEQSENSEのようなロボット開発を事業している企業では、クラウドやウェブのスキルはあまり必要とされていないのではないかと誤解をされているところがあります。

しかし、お客様は、ロボットを直接操作するのではなく、クラウドやウェブを使って、日常業務の中でロボットを操作します。ですから、クラウドとウェブの使いやすさというのは品質上きわめて重要なのです。今までになかったプロダクトを作っているので、クラウドやウェブも今までにはなかったアイディアが必要です。ぜひ、この分野のエンジニアの方々にも、私たちに興味を持っていただきたいと思います。

プロフェッショナル同士、相手の多様性を認めることがSEQSENSE発展の原動力

現在、従業員数は30名程度で、20名ほどがエンジニアです。大きく分けて、ハードウェア、自律移動、ロボットソフトソフトウェア、クラウド・ウェブの4つのチームになります。こんなにいろいろな分野のエンジニアが集まって、一緒に仕事をしている会社というのは、この規模の企業では、他にはないのではないかと思います。さらに、将来を見越して、AIのチームも動き始めています。

運よく、どの分野でも優秀なエンジニアが集まってくれました。あくまでも私の実感ですが、こだわりが強く、「意味のある仕事をしたい」と考える方が多いように思います。何を意味があると考えるかは、それぞれに異なっていて、その人の個性になっています。でもそれがまとまって組織として、「日本の豊かさを変えない」というミッションに統合できていると自負しています。

それが可能になっているのは、エンジニアがみな、相手の多様性を認めるという姿勢を持っているからです。例えば、ロボットのカメラを新しい仕様のものに変えるだけでも、ハードはもちろん、画像解析ソフトウェア、クラウドやウェッブのすべてに影響します。ですから、各分野のエンジニアが集まって議論をして、意見をまとめなければなりません。全員が、自分の専門の見地から意見を言い、相手の専門的な意見を理解し、議論を戦わせて、全員でひとつの結論を出していく。そのためには、他人の素晴らしさを認められる人でないと、SEQSENSEで活躍するのは難しいと思います。

でも、これは簡単なことではありません。スキルの高いエンジニアというのは当然プライドがあるわけで、他人を認められる人というのは多くはありません。私たちだって完璧ではありません。でも、そこを大切にしていこうということは、日々互いに確認しながら仕事をしています。

私自身もそうです。私は代表取締役なのですが、「こうしなさい」と上から押し付けるようなことはしたことがありません。時間の制限、資金の制限という現実がある中でひとつの結論を出し、その中から出てきた意見で会社の方向性も決めています。合意を得られる組織で、全員が納得をして、それぞれの業務に向かってほしいと思っています。多様性というのはまとまることができれば大きな強みですが、まとまることができなければ単なる弱みでしかありません。

企業ですから、いろいろな制約、いろいろなステークホルダーの方がいらっしゃいます。全員で議論をして出した結論から会社の方向性を決めて、その方向でステークホルダーの方々を説得するのが私の仕事だと考えています。代表取締役だからといって、私一人でものごとを決めて、従業員に命令するというやり方はしたくありません。

組織のあり方というのは、どこかに正解があって、教科書に書いてある通りに作るのではなく、そのあり方そのものも自分たちで議論をして決めたい。自分たちがあるべき姿を、自分たちで決め、それを実現できたら最高だと思います。それが理想です。

現在は警備ロボットの普及に集中する中で、小さな改善を積み重ねています。大きな話題性のある機能を追加するよりも、足元をしっかりと見て、お客様の意見を聞き、導入事例から出てきた課題を解決することに集中をしています。

AIの開発も始めていますが、人と会話をするとか、感情を表現するとか、そういうことは考えていません。人間の能力というのはすごいのです。ですから、ロボットで人間そのものを代替させようと考えてしまうと、途中でいったい何を目指しているのかがわからなくなります。どのようなタスクを行うロボットなのかを明確にした上での実用的なサービスが可能なロボットを目指しています。

近いうちに、エレベーターへの対応はすることになります。ロボットが自分でエレベーターに乗って、複数階の巡回に対応できるようになることで、効率がまったく違ってくるからです。私たちが目指しているのは、人の代替ではなく、人の作業の代替です。ロボットというよりも、高度な自律移動型IoTデバイスと言った方が正しいかもしれません。

また、警備と近い領域、例えば施設の清掃ロボットなどはすでに展開を考えています。さらに、企画レベルでは他の展開も進み始めていますが、すでに協業などの相手先と具体的に話が進み始めているので、今は詳しくはお話できません。いずれにしても、警備、清掃ということを中心として、自律移動技術が活かせる、オフィスビル、商業施設、教育機関、官公庁などに展開していくことに変わりはありません。

私たちは大企業ではありませんが、それだけにやりがいは大きいと思います。現在、30名ですから、ロボットの1/30は自分で作ったことになります。そして、あらゆることを全員で議論をし、全員で決め、全員で進めていく。そして、組織として「世界を変えない」「日本の豊かさを維持」していく。世の中に対して意味のある仕事がしたいと考えている方に、ぜひ私たちSEQSENSEに加わっていただきたいと思います。


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