更新日:2025/06/02
この記事のまとめ
新卒入社した企業が自分に合わず、このまま働き続けるより退職して新しい職場を見つけたほうがよいのではないかと感じる方もいるのではないでしょうか。しかし、早期退職には「新卒の恩恵を受けられなくなる」「再びミスマッチに悩まされる恐れがある」などのデメリットがあるため、慎重に検討することが大切です。
そこでこの記事では、新卒入社した企業を早期退職する際に覚えておきたいポイントを紹介します。メリット・デメリットを踏まえたうえで早期退職が自分にとって最適な選択肢だと判断したら、第二新卒としてのポテンシャルが高く評価されるうちに転職活動に取り組むことをおすすめします。
目次
新卒入社した企業を早期退職して転職する場合、転職市場における区分は「第二新卒」になります。第二新卒採用は経験者採用のひとつですが、通常の経験者採用とは選考基準が異なるのが特徴です。
ここでは、第二新卒と新卒・既卒の違いを紹介します。どの区分に該当するかによって転職活動の進め方に違いがあるため、それぞれの定義と転職で意識するポイントをチェックしておきましょう。
第二新卒の一般的な定義は「新卒入社した企業を数年以内に離職して転職活動をするビジネスパーソン」です。この数年という部分にも明確な基準がないため、数ヵ月での早期退職なら当てはまらないのではと思うかもしれません。
しかし、一度就職した事実は変わらないため、3ヵ月未満の早期退職であっても第二新卒として扱われます。したがって、転職活動では基本的に第二新卒を積極的に採用している企業に応募することになるでしょう。
既卒は「学校を卒業してから一度も就職していない人」を指します。正社員としての就職経験がないことが基準です。なお、既卒には明確な定義がないものの、一般的には最終学歴卒業後1年~3年程度の人を指します。
「早期退職」と聞くと、あまりよいイメージを持たない方も多いでしょう。しかし早期退職したからといって、転職で不利になるとは限りません。転職活動をはじめる前に、第二新卒が企業からどのように思われているのかを知っておきましょう。ここでは、第二新卒は転職で不利になるのか、企業が第二新卒に抱く印象について詳しく解説します。
第二新卒は4年制の大学を卒業していても25歳前後で新卒とさほど年齢が変わらず、若さやポテンシャルを評価されます。また、第二新卒は一定の社会人経験があり、基本的なビジネスマナーを身につけている点が新卒と比較した際の強みです。
企業側としては、ビジネスマナーのある人材を採用すれば、新卒よりも教育コストを抑えられるメリットがあります。そのため第二新卒を採用したいと考える企業は多く、やり方しだいでは有利に転職活動を進められるでしょう。
第二新卒を採用したいと考える企業は多いものの、早期離職していることから「また同じ理由で辞めるのではないか」と懸念されやすいのも事実です。特に退職理由の伝え方しだいではマイナスな評価を受けてしまいかねません。
応募書類や採用面接では、企業が第二新卒に対して抱える不安を先回りして解消することが重要です。たとえば「退職理由を前向きな表現で伝える」「キャリアプランを伝える」など、長期的に働く意思を示すとよいでしょう。
厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、新卒者全体の30%以上が就職してから3年以内に離職しています。そのため、第二新卒として転職する方は珍しくないといえます。マイナビの調査によると、第二新卒の主な転職理由は以下のとおりです。
給与や待遇といった条件面の問題だけでなく、将来性や仕事内容といったキャリア形成への影響を考えて転職する方も多くいます。転職を決断する理由はさまざまといえます。
参照:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します|厚生労働省
参照:転職動向調査2025年版(2024年実績)(2024年12月調査)|株式会社マイナビ
新卒入社した企業を早期退職し、第二新卒として転職することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主な3つのメリットを紹介します。これらのメリットが自分にとって魅力的だと感じ、現職の問題点を解決することにつながると考えられるのであれば、前向きに転職を検討するとよいでしょう。
いまの仕事が身体的・精神的な負担が大きくて悩んでいるのであれば、転職することでその状況から解放される可能性があります。ワークライフバランスを保ちつつ意欲的に働き続けるのは、身体的・精神的負担がどちらも適度なものでなければ難しいでしょう。
まずは自分がなぜ負担が大きいと感じているのかを考え、それを解消できる転職先を探すのがおすすめです。たとえば、過度な長時間労働を負担に感じているのであれば、労働時間がきちんと管理されている企業を選ぶ必要があります。
第二新卒採用は一般的な経験者採用とは異なり、ポテンシャルが重視されます。そのため、未経験でもやりたい仕事ができる業界・職種への転職が実現しやすい環境です。新卒入社した企業での仕事内容が思っていたものではなく、やりたい仕事ができないと不満を感じている場合は早期退職して転職するのはひとつの手です。
一般的に、未経験職種への転職は年齢を重ねるにつれて徐々に難しくなります。やりたい仕事があるのなら、早めに転職活動を進めることが大切です。
給与をはじめとした待遇面に不満を感じているのであれば、よりよい条件を提示してくれる企業に転職すると高確率で不満を解消できます。特に過剰な業務や著しい長時間労働が常態化していて、現職で改善するのが難しいと感じているときは、早めに転職したほうがよいでしょう。
転職による待遇改善を目指す場合は、応募する際に企業の情報を念入りにリサーチし、内情を把握することが大切です。求人情報やコーポレートサイトに記載されている情報に加えて、社員の口コミなども調べられるとなおよいでしょう。
新卒入社した企業を早期退職することには、見落とせないデメリットもあります。ここでは、新卒者が早期退職する3つのデメリットを見ていきましょう。転職を成功させるには、企業側が第二新卒に何を求めているのかを知り、きちんと準備を整えることが大切です。
第二新卒は社会人経験があるため、新卒採用の恩恵は基本的に受けられません。新卒で就職すると、ビジネスマナー研修などの手厚い研修を受けられるのが一般的です。しかし、第二新卒はすでに基本的なビジネススキルはある程度学んでいると判断されるため、新卒ほどの手厚い研修はありません。
そのため、必要なスキルは自発的に習得する必要があります。企業側も第二新卒に対して基本的なビジネススキル・マナーは習得済みと見なす傾向にあるため、業務に必要なスキルや知識はある程度身につけておくことが大切です。
新卒入社した企業を早期退職すると、次の職場を見つけるために転職活動に取り組む必要があります。転職活動には求人探しや企業研究・応募書類の準備・面接の準備といったさまざまな取り組みが必要です。これらの作業には一定の時間や費用がかかり、場合によっては予想以上に大きな負担になりかねません。
転職活動の負担は、転職エージェントを活用することである程度軽減できます。できるだけ負担を少なくしたいと考えているのであれば、早めに転職エージェントに相談するとよいでしょう。
現職の不満を解消するために転職したとしても、転職先の企業が自分に合っているとは限らず、再びミスマッチに悩むこともあります。ただし、ミスマッチのリスクをゼロにはできないものの、事前の対策で低減させることは可能です。
まずは今後のキャリアプランをできるだけ具体的に思い描き、実現するために何ができるかを考えましょう。さらに、転職先の企業に求める条件を可視化し、優先順位をつけます。譲れない条件と場合によっては妥協してもよいものに分類します。
求人に応募するときは、キャリアプランを実現できそうな企業の中から求める条件に合致したところを選ぶと、ミスマッチを防ぎやすくなるのでおすすめです。転職を成功させたいのなら、さまざまな要素を総合的に考慮することが大切です。
新卒入社した企業を早期退職することにはメリットとデメリットの両面があるため、転職が最適な選択肢なのかが分からずに悩むことがあるでしょう。そのようなときには、自分が以下の「転職がおすすめのケース」「転職を考え直したほうがよいケース」のどちらに当てはまっているかを確認することがポイントです。
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やりたい仕事がある、労働環境を改善したいなどのケースでは転職を検討するとよいでしょう。一方で、キャリアプランややりたいことが明確でない状態で転職すると、ミスマッチに悩んだり後悔したりするリスクが高まるため、注意が必要です。
早期離職を繰り返すと、「転職活動が困難になる」「キャリアアップが難しい」「収入が安定しない」などさまざまな問題が生じます。こういった問題がストレスや不安感につながり、健康面に支障をきたしてしまうケースも少なくありません。
早期離職の代表的な原因は、入社後のミスマッチです。早期離職を繰り返さないためにも、ここで紹介する2つのポイントを押さえておきましょう。
転職活動をはじめる前に自己分析をきちんと行い、自分の考えを整理しましょう。キャリアプランが明確でない場合は、転職を機に設計することをおすすめします。キャリアプランを立てることで転職の方向性が明確になり、業種・職種・企業選びにも軸が生まれます。早期離職を繰り返すことも少なくなるでしょう。
また、自己分析で洗い出した強み・弱みは、選考でアピールする際にも役立ちます。自己分析が苦手な方は、家族や友人など、身近な人に相談するのもよいでしょう。
入社後のミスマッチが生じる原因として、企業研究不足が挙げられます。企業研究を入念に行うことで、企業のビジョンや社風、職場の雰囲気まで細かく知ることが可能です。これにより、志望先企業が自分自身のスキルやキャリアプランに合致しているかどうかを判断できます。
また、前職を退職した原因を明らかにしたうえで企業研究を行えば、同じ失敗を繰り返さずに済みます。企業研究は志望動機作成や面接対策にも活かせるため、時間をかけて入念に行いましょう。
第二新卒は転職経験がないため、転職活動の始め方や注意点が分からずに頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。しかし転職活動のコツを押さえれば、自分に合った転職先をスムーズに決めることが可能です。ここでは、第二新卒が転職を成功させるために押さえておきたい3つのコツを紹介します。
前職の退職理由がネガティブなものであっても、ポジティブな内容に変換して伝えることが大切です。退職理由がネガティブな内容だと「また同じ理由で辞めるのではないか」「職場のせいにする無責任な人」など、企業側にマイナスな印象を与えてしまいかねません。
しかし、退職理由を前向きな表現で伝えると、入社意欲の高さをアピールできます。たとえば、仕事内容に問題があった場合は、「以前から興味のあった業界にチャレンジしたい」「自身のキャリアを見つめなおし、自分の強みを活かせる分野に挑戦したい」といったように変換しましょう。
第二新卒の選考は新卒の選考とは異なる部分をチェックするため、新卒と同じような対策では失敗につながりかねません。
転職の採用面接では、前職で身につけたスキルや仕事の向き合い方を聞かれることがほとんどです。また、社会人経験があることからビジネスマナーも求められます。入室・退室のしぐさや受け答えが適切でないと、企業側にマイナスな印象を与えるため注意しましょう。
「転職活動を効率的に進めたい」「自分に合った仕事を見つけたい」といった場合は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントに登録すれば、自分自身で求人を探す手間を省けるほか、転職先の情報を一元的に収集できます。
また、キャリアアドバイザーがスキルやキャリアプラン、希望する職種・業界などをヒアリングしたうえで求人情報を提供してくれるため、より自分に合った求人に出合える点もメリットです。ひとりでは転職活動を進めるのが難しいと感じた場合は、一度相談してみるとよいでしょう。
マイナビエージェントでは、経験豊富なキャリアアドバイザーが第二新卒の転職活動を親身にサポートしています。履歴書や職務経歴書の作成支援、面接対策なども行っているため、「応募書類の書き方が分からない」「そもそも何から始めればよいか分からない」方でも安心して転職活動に取り組むことが可能です。
希望する企業への内定が決まった後の入社日調整や給与交渉なども代行します。初めての転職で不安を抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
新卒入社した企業を早期退職して転職することには、メリットとデメリットの両面があります。やりたいことやキャリアプランが明確になっていて、現職で実現するのが難しいのであれば、転職するのもひとつの方法です。一方で、ただ辞めたいと思っているだけのケースやキャリアプランが決まっていない場合は、急いで転職するとミスマッチに悩まされる恐れがあるため、注意しましょう。
転職が最適な選択肢かが分からない、やりたい仕事ができる企業を見つけたいと考えているのなら、マイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントには第二新卒の転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが在籍しており、あなたの適性に合った最適な転職先を紹介します。
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