更新日:2024/03/19
この記事のまとめ
給与や待遇への不満、人間関係や仕事に対する悩み、体調不良などが原因で転職を決意する第二新卒は多くいます。しかし退職理由がネガティブな場合、転職を成功させられるのか不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、第二新卒が転職を成功させるために押さえておきたい転職理由の伝え方をNG例とともに紹介します。退職理由がネガティブでもポジティブな内容に変換して伝えられれば、転職を成功させられるでしょう。
目次
ネガティブな理由で退職したものの、その後「第二新卒」枠で転職を成功させた人は大勢います。成功のポイントは転職理由の伝え方です。伝え方のコツを解説する前に、まずはマイナビの「転職動向調査2023年版(2022年実績)」(2022年12月調査)を基に第二新卒者の主な退職理由を紹介します。
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いずれの退職理由も、転職の面接でそのまま伝えるとあまりよい印象を与えられません。採用担当者に好印象を与えるためには、ネガティブな退職理由をポジティブに言い換えることが大切です。
参照:「転職動向調査2023年版(2022年実績)」(2022年12月調査)|株式会社マイナビ
一般的に、新卒入社から3年以内に転職する方は「第二新卒枠」で転職活動を進める形となります。しかし中には、ネガティブな理由で転職を決めた方もいるでしょう。「転職理由がネガティブだと、転職へのハードルが高くなってしまうのではないか」と心配する声も聞かれます。
実際のところはどうなのか、転職に踏み出しても大丈夫かを確認するために、ここでは第二新卒の転職の実情を見ていきましょう。
面接官があなたを採用するにあたって確認したいと考えているのは、「自社に長く所属し、業績向上に貢献してくれるかどうか」です。貢献の中には、売り上げや業務効率の向上といった業績に関するものだけではなく、配属部署での円滑な人間関係の構築、周りの人のモチベーションアップなどさまざまな要素が含まれます。
人材採用には多額のコストがかかります。これには、求人広告などにかかる直接のコストに加え、採用した人材が戦力になるまでの教育コストや、人事部が社員契約・労務環境を整えるための準備時間も含まれます。
せっかく採用した人材がすぐに辞めてしまっては、これらのコストはすべて無駄になります。新たな人材を再度採用するには面接官の人件費や労力、時間などさらなるコストも発生します。
人事部の人間にとっては「少なくとも投資したコスト分は辞めない人材を採用したい」という気持ちがあります。そのため「前職を数年で辞めているが、自社もすぐに辞めてしまうのでは」という不安は、「どれくらい優秀なのか」という疑問と同じくらい重要な採用ポイントとなります。
「採用したら長く勤めてくれるだろう」という印象を与えることが、転職理由を説明するうえでの重要なポイントです。
第二新卒の採用に前向きな企業は、転職希望者が前職に何かしらの不満を抱えていたであろうことは十分理解しています。しかしそれをそのまま転職理由にしてしまうと、企業に不安材料を与えてしまいかねません。
たとえネガティブな退職理由であっても、その中から前向きな姿勢や人となり、将来のキャリアプランなどにつながる要素を見つけ出し、ポジティブな内容に変換して伝えられれば採用担当者に好印象を与えられます。何を、どの程度、どのように伝えるかを吟味することが重要です。
採用担当者に好印象を与えるために転職理由を創作するのはNGです。本心とかけ離れた転職理由を作ると、一歩踏み込んだ質問をされたときに一貫性のある受け答えができなくなってしまいます。
他者批判につながるような内容も控えましょう。「何でも人や環境のせいにする」というイメージがついてしまうと、転職には不利に働きます。
転職理由がデリケートな場合には、詳しく説明する必要はありません。パワハラやセクハラなどについては、訴訟などになっていない限り詳細を伝えなくてもよいでしょう。体調不良で休職や退職に追い込まれた場合にも、自分から過去の病名や症状を詳しく話す必要はありません。
長時間労働や休日出勤などの面で明らかな法令違反がある場合には、率直に話してもよいでしょう。しかし長々と事情を説明するのではなく、建設的な内容にシフトして自分の魅力を伝えることに時間を使うほうが賢明です。
ここからは例文を参考に、ネガティブな退職理由をポジティブな内容に変換して伝える方法を解説します。例文は代表的な5つの退職理由の中から、特定のケースを想定して作成しています。例文を参考にしてポイントを押さえ、自分の退職理由をポジティブに伝えられるように工夫しましょう。
【例文1.働きに見合った給与ではないと感じるケース】
前職では営業として、会社のノルマとは別に自分なりの目標を立てて成果を上げていました。しかし、評価基準が曖昧で成果を客観的に評価する仕組みがなかったため、モチベーションを保ちづらく感じることもありました。
個人のやる気や頑張りを重視しておられる御社であれば、モチベーションを上げてさらに力を発揮できると思い、転職を希望いたしました。
給与に不満があることをストレートに話すのではなく、評価を実感したいという表現を使っています。面接ではお金に執着しているというイメージを与えないことが重要です。給与条件については転職先を選ぶ際にしっかりと確認しておきましょう。
【例文2.長時間労働に不満があるケース】
お客さまあっての仕事ですから、ときに残業があることもいたし方ないことだと思っています。しかし、前職では残業が常態化しており、体力的にも精神的にも疲弊していました。これでは質のよいサービスを提供することはできないという結論に至り、しっかりと業務に集中できる労働環境を求めて転職を決意いたしました。
法律で認められている残業時間は、原則月に45時間、年360時間までです。それ以上の残業がある場合には、具体的な数字を使って説明するのもよいでしょう。
【例文3.希望する部署とは異なる部署に配属されたケース】
私は新卒当初より○○での業務を希望しておりましたが、それがかなわず、今後部署移動の可能性も低いことを知りました。○○で活用できるようにと資格やスキルの学習も続けています。人生経験としてしばらく続けることも考えましたが、転職するのであれば若くて順応性のあるいまがよいという結論に至り、転職を決意しました。
希望する業務に就けなかったことについて詳細を説明する必要はありません。いまでも学習を続けているといった意欲や熱意の伝わる内容で説得力を加えましょう。
【例文4.性別や年齢重視の上司に不満があるケース】
私の所属するプロジェクトチームでは女性は私ひとりであり、なかなか発言の機会を与えてもらえませんでした。若さを理由に提案を却下されることもあったため、内容を充実させたりエビデンスを提示したりと工夫してみましたが状況は変わらず、限界を感じるようになりました。
工夫や努力を重ねる中で、成長できた面もあったと思います。しかし、仕事そのものに集中できる環境で働きたいという気持ちが強くなり、転職を決意いたしました。年齢やポジションに関係なく、建設的な意見交換ができる社風を持つ御社で、自分の提案力を業績につなげていきたいと思います。
「人間関係」という直接的なキーワードは使っていません。感情的にならずに、客観的な視点で事実を説明するようにしましょう。転職に対する意欲や仕事に対する向き合い方につなげるのがポイントです。
【例文5.病気が理由でキャリアチェンジするケース】
前職では重い物を扱う業務が含まれており、腰を痛めてしまいました。手術とリハビリが必要になったため1ヵ月ほど休職しましたが、現在治療は終了しています。今後も腰には不安があるため、デスクワークへのキャリアチェンジを決意いたしました。医師からも今回希望する職種であれば問題ないと言われています。
病気や体調不良による転職の場合には、病状や原因について長々と説明する必要はありません。重要なのは業務に支障がないことを知らせることです。客観的で前向きな姿勢が伝わるようにしましょう。
転職理由を述べる際には、視点や表現を少し間違えると印象を悪くしてしまいます。具体的にどのようなポイントに気をつければよいのか、例文と比較しながら確認してみましょう。ここでは、転職理由を伝える際のNG例を3つ紹介します。
【例文1.前職でトラブルがあったケース】
前職で〇〇という失敗をしてしまったことをきっかけに、以降は簡単な仕事ばかりを割り振られるようになり、結果職場に居づらくなったために会社を辞めました。しかし、本当は私が悪いのではなく......。
「自分を正当化する」表現は、誰かを悪く言うことにつながります。また、言い訳をしたくなるのは、自分の中でやましいところや引け目を感じる理由があるからです。
退職したことに対して言い訳をしてしまうと、面接官から「この人は入社しても、失敗やトラブルがあったら人のせいにするのではないだろうか」と思われてしまいかねません。たとえ事実であっても、正当化や言い訳に聞こえそうな表現は避けたほうが無難です。
【例文2.希望する業務に就けなかったケース】
私は前職の採用時に「提案営業をしたい」と希望しました。しかし、単純なルートセールスばかりやらされ、これでは成長できないと思いました。
日々の営業活動を通じて顧客との信頼関係を作り、顧客が抱える問題点や不満を聞き出して解決法を提案するのが提案営業の仕事です。しかし上記の事例では、仕事の本質を理解していないうえに自分で状況を変える工夫や努力をした跡が見られません。
営業職に限らずどのような職種であっても、こうした受け身な姿勢が感じられる退職理由は印象を悪くしてしまうため、注意が必要です。
【例文3.スキルアップができなかった場合】
前職は研修制度が整っておらず、成長できないと感じました。そこで、研修制度が充実している会社に転職したいと思いました。
「自分が成長できなかったのは研修制度が整っていなかったせい」と責任転嫁しているように受け取れるNG例です。確かに会社の研修制度が充実しているに越したことはありませんが、自ら学ぶ姿勢があれば、業務を通じて成長することは不可能ではありません。
また上記の事例では「会社に貢献する」という視点も抜けており、自分のことばかり考えている身勝手な人だという印象を与える恐れがあります。「問題を解決するために、どのような努力をしたのか」を伝えるようにしましょう。
転職理由がどのようなものであっても、転職を成功させるためには徹底した事前準備が欠かせません。ここでは、第二新卒が転職を成功させるうえで押さえておきたい5つのポイントを解説します。ポイントを踏まえたうえで転職活動を進めると、理想の転職を実現できるでしょう。
第二新卒には若さやポテンシャルといった20代ならではの優位点に加え、ビジネスマナーや社会性など社会人として培ってきた経験という強みがあります。転職理由を伝えるときは、新たな環境への期待ややる気、これまでに培ったスキルなど第二新卒としての強みを盛り込むようにしましょう。こうすることで、ネガティブな退職理由をアピールポイントに変えられます。
第二新卒としての強みを把握するには、退職理由の分析に加え、自分の長所を見極めるための自己分析が必要です。
第二新卒として転職を成功させるためには、徹底した企業研究が欠かせません。企業の風土や考え方、ビジネスへの取り組み方をしっかりと理解していれば、企業が必要とする人材や能力を見極められます。
企業研究を徹底すれば、若さや意欲だけでなく、自分の人となりや持っているスキルがどのように企業にとってプラスに働くかを客観的かつ具体的に説明できるようになるでしょう。転職理由がどのような内容であっても、企業に「採用したい」と感じさせることが転職成功の鍵です。
転職理由として、単に転職を決意したきっかけを話すだけでは十分ではありません。重要なのは、転職理由を志望動機につなげることです。企業が知りたいのは「前職を辞めた理由」ではなく、「なぜ自社で働きたいと思っているのか」だからです。
転職理由を応募先企業へ入社したい動機にうまく結びつけられれば、面接官に好印象を与えられます。ただし、ひとりで考えるとどうしても内容が偏ってしまいがちです。より転職成功率を上げたいなら、転職エージェントなど転職のプロの力を借りることも選択肢のひとつです。
企業が第二新卒を採用する際に最も懸念する点は、「またすぐに辞めてしまうのではないか」ということです。前職の退職理由が応募先企業への入社で解消できなければ、再度同じ理由で辞めることになりかねません。
応募先企業を選ぶ際には、まず仕事内容など譲れない条件を明確にすることが大切です。そのうえで希望条件を満たす企業へ応募すれば、ミスマッチを限りなく減らせるでしょう。
ただし、求人サイトなどに掲載された情報だけでは企業の実情がつかみづらい点は否めません。転職後のミスマッチを防ぐには、転職エージェントを通じて企業の内情を教えてもらう方法も有効です。
第二新卒は新卒時とは異なり、大学からのサポートや新卒者向けの就活サービスなどがありません。転職するかどうかの決断から、応募先企業の選定、書類選考の準備、面接対策とすべてをひとりで行う必要があります。
社会人経験が短い第二新卒者が転職を成功に導くには、第三者からのアドバイスも欠かせません。応募を考えている企業は自分に向いていそうか、うまく自己アピールができているかなど、転職経験者や友人、転職エージェントなどに率直に意見を求めてみましょう。違った視点から問題点を指摘してもらえたり、キャリアチェンジを考えるきっかけになったりすることもあります。
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第二新卒として転職を成功させる大きなポイントのひとつは、意欲やポテンシャル、人となりが伝わる転職理由を伝えることです。ネガティブな理由で退職を決めたとしても、ポジティブな内容に変換して志望動機に結びつけることで効果的にアピールできます。
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