更新日:2024/09/05
この記事のまとめ
第二新卒の自己PRを新卒のときと同じように作成している人もいるのではないでしょうか。しかし第二新卒と新卒とでは企業が期待することに違いがあるため、自己PRの内容を変えなければ転職に失敗してしまいかねない点に注意が必要です。
この記事では、第二新卒が押さえておくべき自己PRの作成ポイントを解説します。自己PRの作成手順や記載してはいけない内容、自分の強みの効果的なアピール方法が分かれば、より書類選考の通過率を上げられるでしょう。
目次
新卒と第二新卒とでは、企業側が求める資質が異なります。その点を踏まえ、自己PRを考えることがポイントです。第二新卒は短期間とはいえ社会人経験があります。前職の経験も盛り込んだ自己PRを作成すれば、仕事への前向きな姿勢をアピールできるでしょう。ここでは、第二新卒の自己PRを書く手順を紹介します。
第二新卒が企業から求められているのは、仕事に対するバイタリティーやポテンシャル、人柄です。これまでの人生や仕事に取り組む中で目標達成のためにやってきた工夫、努力、普段から意識していることなどを具体的に表現しましょう。さらに、その発展性をうまく伝えることで採用側が一緒に働くビジョンを描くこともできます。
第二新卒は新卒とは異なり、社会人としての経験やスキルを持ち合わせており、その分教育コストが抑えられる点も企業側のメリットです。新卒入社した企業の新人研修を終えていれば、最低限のビジネスマナーやパソコン操作などを身につけていることも期待されています。
前職の業務内容や評価されたこと、意識して取り組んだことなどを振り返りましょう。前職を早期退職して成果や実績がないケースでも、意識的に仕事に取り組んだことを伝えられれば、仕事ときちんと向き合ってきた姿勢をアピールできます。
たとえば、「営業で成約率を上げるために資料の作成に注力した」「終業時には自分から上司の元へ行き、フィードバックをもらっていた」などです。仕事への熱意が伝わり、評価につながります。
応募先企業がどのような人材を求めているのかを知ることで、効果的なアピールポイントが見えてきます。たとえば、事務職へ応募する際に営業の実績をアピールしても効果はありません。事務職であれば、パソコンスキルやスケジュール管理能力などをアピールするのが効果的です。
応募する職種、企業で求められるスキルが何かを知り、それをアピールできるエピソードを伝えるようにしましょう。そのためには入念な企業研究が欠かせません。求人情報に書かれている内容だけでなく、企業のHPやSNSなどもチェックしましょう。
企業側は長期的に活躍してくれる人材を採用したいと考えています。そのため、自己PRには「入社後にどのように貢献できるのか」「どう成長していきたいか」を盛り込むことが重要です。自分の採用価値をアピールできなければ、企業側は採用したいとは考えないでしょう。
5年後、10年後、20年後に自分がどのようになっていたいのかを考える意識が必要です。その際、具体的に数字を交えながら自己PRできると、より効果的です。
一般に自己PRは300文字程度が適切とされています。ただし、履歴書や職務経歴書のフォーマットによって適切な文字数が異なる場合もあるため、8割以上埋めることを意識しましょう。自己PRがあまりにも長いと、採用担当者が読みにくいうえに一番伝えたい部分が伝わらない可能性があります。とはいえ、短すぎる場合は熱意を伝えられません。
完成した自己PRは家族や友人に読んでもらい、客観的な意見をもらうのがおすすめです。
ここからは自己PRの例文を参考として、作成ポイントを確認していきましょう。具体的にどのように記載すれば応募先企業の採用担当者から「ぜひ会ってみたい」と思われるのか、転職パターン別に紹介します。
【例文】
毎日異なるお客様をお迎えするホテルでの勤務を通じて、相手をよく観察し何を求めているのかを常に考える習慣を身につけてまいりました。常連のお客様への対応では、自分なりにその方の特徴や好み、利用頻度をメモに残しておくなどし、より満足していただけるよう工夫いたしました。その結果、お客様にも名前を覚えていただけるようになり、こちらからサービスを提案することも、反対にご要望をいただくことも増えました。自社製品をお客様へ勧める貴社の業務においても、密なコミュニケーションを取りながらお客様のニーズを判断することによって、最適な製品提案が可能であると考えます。
第二新卒の自己PRでアピールしたい点は、短いながらも経験してきた社会人としての役割や仕事の中で心掛けてきたこと、大切にしてきたことです。頑張ったことを単に記載するのではなく、応募職種と重ね合わせて、「自分は応募先企業に適した人材」ということをアピールできるようにしましょう。
経験が少ないからといって謙虚になりすぎる必要はありません。あなただからできることは何かを表現すると、企業側は採用して実際に働いているところをイメージしやすくなります。
【例文】
2年間看護師として勤務し、年配の患者様と接する機会が多くありました。その際、「患者様がどのようなものを求めているのか」という観点で話をするように心掛けました。そうすることで、患者様の本心が理解でき、現在の看護・介護現場で「できること」「できないこと」が明確になってきました。貴社の「現場のニーズをくみ取って、いち早く新しい製品開発につなげていく」といった働き方は、まさしく私が目指すものであり、それを実行していくことで現場の問題を解決することが目標です。
仕事での経験を交えながら「なぜその企業で働きたいのか」「自分が貢献できることは何か」「仕事を通じて実現したい将来のビジョン」などを記載すると、魅力的な自己PRになります。自分が採用担当者側に立ったときに「一緒に働いたら楽しい、頼もしい」と感じられるような内容にしましょう。
【例文】
私は自分なりの目標を立て、達成する道筋を考えてチャレンジするのが好きです。以前携わっていた店舗販売業務では、店舗が定める目標値とは別に、自分個人の目標を立てていました。目標を達成するために、POPや商品陳列、接客方法を工夫し、店舗の売り上げに貢献してきました。店長となると、自分だけでなく全体を把握したうえでの取り組みが必要です。しかし、常に工夫しながら成果を目指す姿勢は、店長として働く場合にも大いに必要とされると考えます。これまでに培ってきた工夫する精神を武器に、貴社のビジネスにも貢献していく所存です。
同業種・同職種で転職する場合には、人間関係やトラブルなどネガティブな理由で転職を希望しているのではないかと懸念される恐れがあります。前職でやりがいを感じた部分や貢献してきた部分を積極的にアピールし、さらなる躍進につなげたいという流れにすることが重要です。
第二新卒で求職活動をする際に避けたい自己PRや志望動機もあります。ここでは自己PR作成時に気をつけたい5つのポイントを解説するとともに、自己PRのNG例も紹介します。
前職の退職理由と志望動機の食い違いは企業側に大きな違和感を与えてしまうため、一貫性のある内容にしましょう。「前職では自分がやりたくてもできなかった仕事が貴社では挑戦できそうだから」など、どうしてもその企業に入りたいという思いに直結する退職理由を考えましょう。
前職を辞めるのは、何らかの不満がある場合が多いでしょう。しかし、ネガティブな不平不満をそのまま並べ立てるのはNGです。採用する企業から「自社でも不満を持ったらすぐに辞めてしまうかもしれない」と捉えられかねません。
ネガティブな不満を持っていたとしても、それを解消するにはどのようなことが必要であるかを分析し、より現状をよくするために転職するのだというポジティブな印象を持たれるような伝え方をしましょう。
志望動機で大切なのは熱意を伝えることです。ただし、「何でもやります」では漠然としすぎているため、その企業に入社したい思いは伝わりにくいでしょう。前職の経験を踏まえて自分のやりたいことを明確にし、その企業に入ったら携わりたい仕事を具体的にアピールすると入社意欲を伝えられます。そのうえで「依頼されたことは何でもやります」と伝えるとよいでしょう。
スキルアップのための転職というケースもあります。しかし、それを企業側にそのまま伝えるのはNGです。最初から「企業に成長させてもらえる」という受け身の姿勢では、企業側はよい印象を持ってくれません。スキルアップや自身の成長は、あくまでも結果論です。
現在、自分が持っているスキルが企業側にどのように役立つのかを伝え、転職後も自主的に学ぶ姿勢があることを伝えましょう。
「貴社の社風に魅力を感じた」「業界一の実績に引かれた」など、企業を褒めるばかりの志望動機はNGです。志望動機には、応募者のスキルや人間性を知り、その企業にマッチした人材であるかを判断する目的があります。褒め言葉よりも、自分のスキルを具体的にアピールしましょう。
【例文】
銀行の法人営業部でフロントセールスとして2年間勤務してまいりました。その中で上司と先輩の下で成績を伸ばすべく、さまざまな工夫を行ってきました。結果、グループの新人賞を受賞でき、より大きなクライアントの担当を任せていただけました。昔から粘り強く、何事にも一生懸命打ち込むことが強みです。貴社の事業に関しましては右も左も分からない状態ですが、一日でも早く戦力になるよう頑張ります。
上記の自己PRの例文は一見やる気もガッツもあって好印象に受け取れるかもしれませんが、いくつか気をつけたいポイントがあります。まず、アピールポイントが抽象的だということです。文字数を気にしているのかもしれませんが、「さまざまな工夫」では読んでいてイメージが湧きません。
新人賞の受賞もすばらしい実績ですが、日頃からの心掛けがアピールポイントである「粘り強くて一生懸命取り組む」ことにリンクするとよりよいでしょう。謙遜しすぎないことも心掛けましょう。「右も左も分からない」というのは第二新卒ではあまり印象がよくありません。
まったく畑違いの業界であっても、これまでの業務で培ってきたパソコンスキルやビジネスマナーなど、自分の持てるスキルをアピールするような内容にするとよいでしょう。
自己PRの作成前に必ずやっておきたいのが、アピールしたい自分の「強み」を見極めることです。「強み」を認識しないまま何となく自己PRを書き始めてしまうと、応募先企業に自分の魅力も可能性もアピールできません。ここでは、自己PRでアピールできる「強み」の見つけ方を解説します。
まずはこれまでのキャリアや持っているスキル、経験などを細かく書き出してみましょう。新卒で就職した企業で取り組んだ業務をはじめ、学生時代に経験したアルバイト、任されていた細かな業務内容など、「特別なことではない」と感じても、とりあえず挙げてみます。
資格は取得したものだけでなく、取得を目指しているものも含めましょう。自分なりに目的意識を持って取り組んだことややりがいを感じられた活動も、自分の「強み」を見つける大きな材料になります。
自分のどの「強み」をアピールするかは、応募先企業に合わせて決める必要があります。そのためには、応募先企業がどのような人材を求めているのか、どのような姿勢でビジネスに取り組んでいるのかを見極める企業研究が不可欠です。
企業研究には、企業のホームページや会社案内から事業内容、社風、理念などをリサーチすることが含まれます。その企業が求める人物像、評価する知識やスキル、魅力を感じる経験や姿勢を言語化してみましょう。そうすることで、アピールすべき「強み」を絞り込んでいけるでしょう。
企業がどのような人材を求めているのかが見えてきたら、自分の保有スキルや経験、人となりといった材料から「強み」としてアピールできるポイントを選び出します。ポイントは、自分の持っているものと企業が求めるものをつなげる「キーワード」を見つけることです。
キーワードの例としては、「慎重さ」「チャレンジ精神」「粘り強さ」「学習意欲」「協調性」などが挙げられます。キーワードが定まったら、どの材料が「強み」としてアピールできるかがさらに明確になります。
キーワードとアピールポイントが決まったら、そこに説得力を加えるエピソードがないか、いま一度掘り下げて考えてみましょう。具体的な状況や数字、成果などのエピソードがあれば、「強み」を活かして企業にどのように貢献できるかを採用担当者にイメージさせやすくなります。
大きな成果につながらなかったとしても、そこから学んだこと、達成感を覚えたこと、褒められたことなどをエピソードとして加えると、ポテンシャルを感じさせる自己PRになるのでおすすめです。
第二新卒は実務経験が少ないため、「強み」につながる材料そのものをあまり持っていないように感じるでしょう。また、自己評価が低い場合には「強み」に気づけないこともあります。そういった方におすすめしたいのが、転職エージェントの利用です。
転職エージェントでは、担当のキャリアアドバイザーが自己PRの作成を一からサポートしてくれます。数多くの転職を成功に導いてきたキャリアアドバイザーであれば、あなたの持つキャリアやスキル、適性、ポテンシャルをしっかりと見極め、応募先企業にアピールできる「強み」を見つけてくれるでしょう。
マイナビエージェントでは、履歴書や職務経歴書といった応募書類の作成をサポートしています。自己PRの作成時にはあなたの魅力が応募先企業に伝わるよう丁寧にアドバイスいたしますので、安心してお任せください。応募書類の添削サポートのほかにも、模擬面接や内定後の年収交渉、入社日調整などもサポートしています。無料で利用できるため、初めての転職で不安な方はぜひお問い合せください。
第二新卒の自己PRでは、若さややる気だけでなく、前職で培ったビジネスマナーやスキル、仕事に取り組む姿勢などを意識した内容が求められます。自分の強みを見極め、応募先企業が求める人物像に合わせてアピールすると効果的です。
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