第二新卒で異業種からの転職希望の場合の職務経歴書の書き方|求人・転職エージェント

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更新日:2023/01/17

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第二新卒で異業種からの転職希望の場合の職務経歴書の書き方

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第二新卒の場合、異業種からの転職はハードルが高いと言われています。これは、どのような経験を積んできたのかを判断基準とされる、第二新卒だからこその障壁となる部分です。採用する企業としては、第二新卒にはある程度の経験を期待しています。そのため、これまでの経歴とこれから希望する職種がマッチしていない場合、難易度の高い挑戦になる可能性もあるでしょう。ただ、企業側のニーズと方向性を見極め、あなたを採用することのメリットをしっかりとアピールすることにより、逆にチャンスに結び付く可能性も高まります。最近の採用現場では、企業の成長を目論んだ新たな視点の導入として、異業種からの人材登用を積極的に行なう企業も増えています。従来の方針に囚われず、異なる業種から新たな風を入れたいと希望する企業は、現状に慢心することなくこれから飛躍的に成長する可能性を秘めています。そのような会社で働けることは、あなたのキャリアアップにとって強固な礎になるに違いありません。

さて、異業種からの転職希望の方が職務経歴書を書く際に絶対に気を付けておきたい項目があります。必ず注意しておきたいポイントは、「志望動機」「技能・スキル」「自己PR」の3点それぞれの書き方です。いずれも履歴書や職務経歴書のフォーマットにある一般的な項目ですので、どのような部分に気を付けるべきか、いきなり書類の作成に入るのではなく、事前に一度頭をクリアにして整理してみましょう。

目次

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POINT1 志望動機

最初に注意したいポイントは「志望動機」についてです。ここでは、あなたがこれまで経験を積んできた職種とまったく異なる仕事に就きたいと考えた理由を明確にする必要があります。業界未経験の第二新卒は、企業にとってみれば新卒とそう変わらないからです。そこで大切なのは、新卒や業界経験のある中途採用者ではなく、第二新卒で未経験のあなたを採用したいと思わせる動機を持っていること。さらに、その動機の中に企業側に魅力的に映る要素を持っていればいるほど、採用担当者の方のあなたに対する信頼性や期待度は高まります。「ただの憧れじゃないの?」「未経験だからうちの業界を甘く見ているな」と思われない、はっきりとした動機を考え抜きましょう。

また、「志望動機」を考える際には、どうしても同時に「前職を辞めることにした理由」を整理することが必要になります。こちらは書面に書く必要はありませんが、採用担当者が書類選考や面接の時に必ず確認し、転職活動中のほとんどの方の頭と心を悩ませる部分です。できるだけ触れたくない、とてもネガティブな内容にも感じられますが、実は捉え方や表現の仕方をひと工夫するだけで強大な武器になることも。この「前職を辞めることにした理由」を整理する時のポイントですが、「就職希望先の企業にとって」ポジティブな理由に置き換えていくことです。たとえば動機が「より大きく安定した企業で働きたい」だった場合、「前の勤め先は規模が小さかったため」とするのではなく、「これまで学んだノウハウをより大きな企業で生かしたいから」とすることで、前向きな気持ちと向上心の高さをアピールすることができます。同じ内容でも視点と角度を調整することで見せ方を大きく変えることができる、ということを覚えておきましょう。

POINT2 技能・スキル

異業種への転職の際に2番目に外せないポイントは「技能・スキル」についてです。新卒と異なり、第二新卒への期待には即戦力になるという点も含まれます。これまでの社会人経験の中で身に着けたスキルをしっかりと洗い出してみましょう。この「技能・スキル」について、職務経歴書に記載する際にやってしまいがちな代表的な過ちが、「とにかく資格やスキルを羅列してしまう」というもの。数多くの資格や肩書を持っていると安心してしまうのが人間の性。しかしながら、採用担当者の立場から見てみると、それらが本当に必要な情報とは限らないのです。これは異業種に限ったことではないのですが、転職する際に一番気をつけなくてはならないのは、「就職先の企業にとっての採用メリット」です。あなたがどんなに素晴らしいスキルを持っていたとしても、職場でそのスキルを使うことがなければ意味がありません。強みとして持っている限りのすべてを書き出したい気持ちをぐっと抑えて、職務経歴書に記載する内容はあくまでも「必要とされる技能」を中心としたもので固めた方が無難です。

また、「技能・スキル」について記載する時の大切なポイントは、異なる業種で培ったノウハウを新たな環境で生かせるように繋いでいくことです。この後にお伝えする3つ目のポイントにも関わってきますが、スキルやノウハウはインプットするだけでは意味がなく、求められる場所でアウトプットすることが重要なのです。もしも「技能・スキル」で何を書くか迷ってしまった場合は、あなたがこれまで学んだことや手に入れた技術を箇条書きでよいので書き出してみてください。そしてそこから、新たな環境でそれらをどのように活かせるのか、理由を添えてまとめてみてください。

POINT3 自己PR

最後に、異業種への転職を成功させる職務経歴書の最大のカギが「自己PR」です。「自己PR」というキーワードは就職活動において最頻出の用語で、履歴書や職務経歴書のメインと言っても過言ではありません。それにもかかわらず、実はこの「自己PR」を正しく効果的に使いこなせている方はそれほど多くないのが現実です。周囲に差をつけ、採用担当者を唸らせる「自己PR」の書き方のポイントを、ここで押さえておきましょう。

まず理解しておきたいのが「アピール」と「PR」の違いについてです。「アピール」というのは訴えかけたり主張したりすること。それに対して「PR」は売り込みや提案を意味するワードです。混同してしまうことも多いワードですが、主張する「アピール」に対して、「PR」には「相手に対する提案」という意味合いが含まれている、ということを覚えておいてください。そのため、「自己アピール」と「自己PR」は微妙にニュアンスが異なるものなのです。

これらの違いを踏まえたうえで、異業種への転職を希望する際に「自己PR」で気をつけるべき点は、企業に対する提案や売り込みです。前職で営業を経験されている方はご存じの「提案型営業」は、まさにこの「自己PR」と同じなのです。相手のニーズを事前に調査、ヒアリングして、そこに合わせた商品やサービスを提示し、それを採用することで得られるメリット、採用しないことで被るデメリットを明確にします。受け手の立場に立って考えることで、売り込みたい商品やサービスを「採用しない手はない!」と思わせる力、それが「提案型営業」としての「自己PR」です。

採用担当者はロボットではありませんし、常に完璧な人材評価力を備えているというわけではないのです。それは大手企業でも中小企業でも同じです。あなたの採用を担当するのは1人の会社員としての人間にすぎません。一度、採用者と被採用者という枠組みを取り払って、人と人を結ぶコミュニケーションの道具の1つとして職務経歴書を見つめ直してみましょう。これは転職活動に限らず、仕事にも恋愛にも共通して言えることですが、たくさんの押し売り文句の羅列よりも、あなたを選ぶことのメリットを訴えかける内容の方が、より受け手を惹きつけ、魅力的に感じさせる効果があるのです。

あなたがこの「自己PR」ですべきことは、「あれもできる、これもできる」「他の人と比べてここが優れている」と並べ立てて主張することではなく、相手先の企業に対して「これから先このようなニーズが生まれ、こういったノウハウやスキルが必要とされる」「私が持っているスキルやノウハウが役に立つ」「私だからこそ、この事業に貢献できる」という具体的で明確な提案です。一番大切なことは、採用担当者の方々を「凄い!」と感嘆させることではなく、あなたを採用したその先の「企業としての成功イメージ」を頭に思い浮かべられるように導くことなのです。一方的な主張や、相手の想いや考えを無視した内容にならないように、「受け手にとって」魅力的な「自己PR」を練ってみましょう。

「あなたにしかできないこと」が強みになる「自己PR」において、異業種からの転職ということは決してデメリットにはなりません。むしろ、同業種から転職する人が圧倒的に多い就職活動においては、他の人との差別化になり、より強みを打ち出すための強力な武器になります。それは、営業職などの異業種ではあっても同職種への転職や、プラントエンジニアやメディカル系などの専門技術職からの異業種転職であっても変わりません。就職活動中はついつい「自分は何ができる人間か」という自分中心の自己分析に偏ってしまいがちですが、一度視点を変えて「相手の企業にどのくらい貢献できるのか」という目線で分析してみてください。なぜ前職を辞してまで未経験の業界へ飛び込もうと考えているのかという理由と、その熱い意志を伝えるための「志望動機」、新卒にはない即戦力をアピールするための「技能・スキル」、この2つをしっかりと束ね、採用側の立場に立った提案材料にすることで誰にも負けない「自己PR」が完成します。

実は、異業種からの第二新卒での転職成功率は決して低くはありません。日本国内の企業では、社内での部署異動が頻繁に生じたり、幹部候補として異業種からの引き抜きが行なわれたりする文化があるため、業種が変わることに対する抵抗が薄い傾向にあります。さらに、最近では終身雇用の見直しなどといった雇用形態の変化もあり、転職に対する考え方がどんどん柔軟に受け入れられるようになってきています。その中でも、第二新卒の方は、社会人としての基礎と新卒の若さや可能性という武器を持っているのです。まだまだ異業種への転職はハードルが高いと言われてはいますが、多くの企業は単純な経験者採用の限界を感じはじめています。そのため、業種や経歴を問わない求人募集を積極的に行なっている企業も増えているのです。まずは自分の中にある心理的なハードルを取り払い、希望先企業が必要としている人材や理念、想いをしっかりと調査して、あなたを採用するメリットを職務経歴書の中でもれなく提案してみましょう。

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執筆・編集

荒木 雅人

株式会社マイナビ所属。アドバイザー歴4年。会計士や税理士等の士業の方から管理部門まで幅広く担当。ゴールではなくスタートになる転職をご支援すべく、お一人お一人の立場やその先を見据えたご提案を心がけています。

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