更新日:2025/10/17

この記事のまとめ
IT技術の発展や働き方の多様化に伴い「クリエイティブな仕事」が注目されています。デザインや広告、映像、文章制作など、表現やアイデアを形にする仕事はやりがいが大きく、自分の感性を活かしやすい点が特徴です。
「未経験から挑戦できるのか」「専門スキルがないと難しいのでは」などの不安を感じる方は少なくありません。しかし、実際には未経験からでも転職できるクリエイティブ職は数多く存在し、企業側も柔軟な発想や多様な経験を持つ人材を求めています。
この記事では、クリエイティブな仕事とは何かを整理したうえで、具体的な職種を19種紹介します。未経験者がクリエイティブな仕事への転職を成功させるためのポイントも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次

転職活動を始める前に、まずはクリエイティブな仕事とは何かを再確認しておきましょう。クリエイティブという言葉はさまざまなシーンで使われていますが、使い方によってはニュアンスが異なる場合もあるため要注意です。ここでは、クリエイティブな仕事の定義やクリエイターと芸術家の違いを解説します。
英語の「creative(クリエイティブ)」には、「創造的な」「独創的な」「想像力のある」などの意味があります。
語源はラテン語の「creare(作り出す、創造する)」にあり、古くから「新しいものを生み出す力」を指す言葉として使われてきました。現代では芸術や広告だけでなく、ビジネスシーンや日常会話の中でも「アイデアに富んでいる」「工夫がある」などの意味合いで幅広く用いられています。
「クリエイティブな仕事」とは、創造力や発想力を駆使して新しい価値を生み出す仕事のことです。一般的には、テレビ、Web、紙媒体など、各種メディアの制作物に携わる仕事を指します。
勘違いしやすいのは、デザインやコピーライティングのように目に見える作品を作る職種だけでなく、マーケティング戦略の立案や商品開発など「仕組み」を考える仕事も「クリエイティブな仕事」に含まれる点です。つまり、プロジェクト現場を指揮する「ディレクター」もクリエイティブな仕事をこなす職業のひとつといえます。
そして、クリエイティブな仕事に関わる職種を総じて「クリエイター」と呼びます。
クリエイターと芸術家はどちらも自分の感性や創造力を使ってものを生み出す職業です。しかし、生み出す目的には大きな違いがあります。芸術家の目的は自分を表現することにあるため、自分のスタイルや方向性を崩す必要はありません。
一方、クリエイターの目的はクライアントの求めるものを作り出すことです。制作物によってクライアントの抱える課題を解決し、クライアントに利益をもたらすことが要求されます。自分のやり方やスタイルにこだわっていては務まりません。クライアントの課題解決のためにいつものスタイルを変える必要がある職種がクリエイターといえます。

クリエイティブな仕事にはさまざまな側面があり、業務の内容や特徴によりいくつかのタイプに分けられます。ここでは、イラストレーターやグラフィックデザイナーなど、デザインに関係するクリエイティブな仕事を解説します。
イラストレーターは、クライアントの要望に応じてイラストを制作する仕事です。制作前にクライアントと完成イメージを共有し、ポスターや雑誌、Webサイトなどに掲載するイラストを描きます。
なお、イラスト制作にはパソコン利用が不可欠です。アナログの持ち味を活かすイラストレーターもいますが、デジタルで作成するほうが納品しやすく、受け取る側も扱いやすい傾向にあるためです。絵のスキルと併せて基本的なソフトの使い方も学んでおきましょう。
グラフィックデザイナーは、パンフレットやチラシ、雑誌などに掲載するデザインを制作する仕事です。印刷物・デジタルは問いません。クライアントの意向を踏まえ、レイアウトや色彩構成を練り上げます。
グラフィックデザイナーはチームで制作に携わることもあります。その際はイラストレーターやコピーライターなどのメンバーと連携を取ることも重要です。
Webデザイナーは、Webサイトのデザインを制作する仕事です。サイトの見た目や使いやすさを追求するUIデザイナーや、サイトを通じたユーザー側の体験までを最適化するUXデザイナーなどの職種もあります。HTMLやCSS、JavaScriptを用いたコーディングまで手掛けるWebデザイナーも多く、幅広く活躍できる職業です。
ゲームクリエイターは、その名のとおりゲームの制作に携わる仕事です。シナリオの作成やキャラクター設計、背景・画面デザインなどさまざまな役割があります。デザイナーは2Dデザイナー、3Dデザイナー、エフェクトデザイナー、モーションデザイナーなどの職種に細分化できます。ゲームはチームで制作することが多いため、メンバー同士による綿密なコミュニケーションが欠かせません。
ファッションデザイナーは、衣服やアクセサリーなどのデザインを手掛ける職業です。流行を取り入れつつも、ブランド独自の世界観や機能性を反映させたデザインを生み出すことが求められます。具体的な仕事内容は、デザイン画の作成、素材や色の選定、サンプル制作、最終的な製品化まで多岐にわたります。
ファッションショーや展示会を通じて発表される作品が世の中のトレンドに影響を与えることも多く、大きなやりがいを感じられる職業です。未経験者が目指す場合は、アパレル業界で販売経験を積むか、服飾・デザイン学校を卒業するとよいでしょう。
インテリアデザイナーは、住宅やオフィス、商業施設などの空間を美しく、かつ機能的に設計する仕事です。家具の配置や照明の演出、色彩のバランスなどを考慮しながら、人が快適に過ごせる空間を提案します。「心地よい暮らし」や「働きやすいオフィス環境」へのニーズは高く、インテリアデザイナーは安定した職業といえます。
仕事内容としては、ヒアリングしたクライアントの要望からコンセプトを設計してデザイン図面を作成するほか、施工現場でのディレクションも含まれます。未経験から挑戦する場合は、「インテリアデザイナー」「インテリアプランナー」などの資格を取得したり、CADスキルを習得したりするとよいでしょう。
パッケージデザイナーは、商品を包むパッケージのデザインを担当する職業です。単に見栄えの良さを追求するだけでなく、消費者の目を引き、購買意欲を高める役割を担います。たとえば、食品や化粧品のパッケージは店頭での第一印象を決める大切な要素であるため、商品の価値やブランドイメージを直感的に伝える工夫が必要です。
仕事内容は、ターゲット層や販売チャネルを踏まえてデザインコンセプトを考案し、形状・色・素材などを決定することです。未経験者でも、グラフィックデザインの基礎やマーケティングの視点を身につければ転職できるチャンスがあります。

次に紹介するのは映像系、つまり映画やテレビ、写真などに関わる仕事です。映像系のクリエイターには、センスはもとより、複雑で専門的なスキルや知識が求められます。映像には人の心を動かす強い力があるため、ビジネスにおいても重要性を増してきており、需要がますます高まっている職種といえます。
動画クリエイターは、動画編集やVR映像の制作を手掛ける仕事です。企業のプロモーション動画のほか、自身のコンテンツ制作に力を入れている方もいます。
映像制作のスキルはもちろん、演出を考える企画力も必要です。多くの方に見てもらうための工夫が欠かせません。技術だけでなく、マーケティングの知見も深めておくとよいでしょう。
2次元や3次元のグラフィックスを制作するのが「CGクリエイター」です。コンピューターと専用ソフトを使い、リアルな質感で人物や背景を立体的に作り出していきます。
アニメーションや映画、ゲームなど動きのある映像制作はもとより、建築や車、機械設計など幅広い業界における産業用の画像・アニメーションの制作にも携わります。CG制作に使用される技術やスキルの進歩は目覚ましいため、常に学び続ける姿勢が必要です。
フォトグラファーは写真を撮ることを職業としている人のことです。フォトグラファーには、依頼を受けて人物や商品を撮影する商業型と、需要を見越して撮影した写真を買い取ってもらうドキュメンタリー型があります。
商業型フォトグラファーの仕事には、広告やファッション雑誌、グラビア、フォトスタジオの撮影スタッフなどがあります。報道撮影やスポーツ撮影などはドキュメンタリー型フォトグラファーの仕事です。

クリエイティブな仕事の中には、文章の作成をなりわいとしている「Webライター」「コピーライター」「シナリオライター」などの職種もあります。ただしこれらの職種は同じ文章系クリエイターとはいえ、活躍するシーンや達成目的が異なるため、必要とされる能力にも違いがあります。それぞれどのような仕事なのかを見てみましょう。
Webライターは、Webサイトに掲載される文章をはじめ、Web上のさまざまな文章を作成します。文章力さえあれば仕事になるため、資格は特に必要としません。
Webサイトに掲載するコラム記事やWeb広告、商品説明など執筆内容は多岐にわたります。インターネット上のサービスがますます拡大する中、ニーズが大いに増してきた職業といえます。
コピーライターは、商品を売るための文章を考える仕事です。キャッチフレーズだけでなく、商品の機能を説明する本文も担当します。購買意欲をかき立てる印象に残るコピーは、売り上げに大きく貢献することも少なくありません。
活躍の場は雑誌やWeb、商品パッケージなど幅広くあります。多くの方の心に届く文章を作るためにも、日頃のインプットとアウトプットが重要です。
シナリオライター/脚本家は、映画やドラマ、アニメ、舞台などのストーリーを文章で構成し、登場人物のセリフや行動を具体的に描き出す仕事です。視聴者や観客が作品に没入できるよう、物語の起承転結を考え、緊張感や感動を生み出すストーリーを創造する役割があります。
また、キャラクターの設定や世界観作りも重要な仕事の一部です。文章力だけでなく、構成力や観察力、想像力が求められます。未経験で目指す場合、通信講座を受講したり、作品をシナリオコンクールへ応募したりすることでチャンスを得られます。
放送作家は、テレビ番組やラジオ番組の企画を立案し、台本を執筆する仕事です。バラエティ、情報番組、ドキュメンタリーなどジャンルは多岐にわたり、番組の「面白さ」や「魅力」を決定づける重要な役割を担います。具体的には、企画会議でアイデアを提案し、番組の流れを設計し、出演者が話すセリフや進行の台本を作成します。
放送作家は単なる文章力だけでなく、視聴者のニーズをくみ取り、時代のトレンドを敏感にキャッチする力が必要です。また、演出家やディレクターと協力して番組を形にするため、コミュニケーション能力や柔軟な対応力も欠かせません。未経験者の場合、アシスタントとして現場経験を積みながら実力を認められていくケースが多い仕事です。

最後にディレクター系クリエイターを紹介します。ディレクター系クリエイターは実際にデザインや映像、文章などを作成することはなく、実務を担当するクリエイターやほかのスタッフの進行を管理するのが主な仕事です。代表的な職種の仕事内容を見てみましょう。
Webディレクターは、WebサイトやWeb制作のかじ取り役を担う仕事です。デザイナーやプログラマー、ライターなど、多職種のクリエイターをまとめ、クライアントが望む方向へと導きます。
メンバーに適切な指示出しをする必要があるため、専門外の職種に対する知識も求められます。商品やビジネスに関する知見も、仕事の出来を左右する要素のひとつです。責任の大きいポジションですが、その分やりがいもあります。
雑誌や書籍、Webメディアなど、さまざまな媒体の記事制作を管理・統括するのが編集者です。エディターとも呼ばれます。ジャンルは小説や漫画、情報、マーケティング、ビジネスなど多岐にわたり、取り扱うジャンルによって必要とされる知見やスキルは大きく異なります。
記事制作にあたっては、作家やライターとの円滑なコミュニケーションが欠かせません。企画からリリースまでの工程を管理し、無事にリリースへとこぎ着けるのが仕事です。
プランナーとは企画を立案する職業で、Webプランナーや広告プランナー、ウェディングプランナー、ゲームプランナーなどその種類は数多くあります。それぞれの分野に関する専門的な知識が必要とされ、調査や分析による課題の洗い出しなどを経て具体性のある企画を提案するのが仕事です。
クリエイティブディレクターとは、広告業界で制作の現場を取り仕切る責任者のことです。クライアントの要望をしっかりと聞き取るとともに、広告手法の選定や制作チームの編成、制作の進行などに携わります。広告戦略からプロジェクトの進行に至るすべての工程に関わる責任の重い仕事といえます。
ゲームディレクターは、作品の内容そのものを統括する立場で、シナリオや世界観、操作性、ゲームバランスなどを監修します。プレイヤーにとって魅力的な体験を提供するために、開発スタッフと密に連携しながら細部までこだわるのが特徴です。
一方でゲームプロデューサーは、予算やスケジュール、人員配置など「制作体制のマネジメント」を中心に担います。言い換えれば、ゲームディレクターは「作品の中身を作る責任者」、ゲームプロデューサーは「作品を完成させるための環境を整える責任者」です。
未経験者の場合、まずはゲーム開発の現場でプランナーやデザイナー、プログラマーとして経験を積み、プロジェクト全体の構造をつかむとよいでしょう。

クリエイティブな仕事をするうえでは、働き方も重要です。どのようなコミュニティで仕事をするかによって、キャリアの方向性が変わることもあるためです。
ここでは、クリエイティブな仕事の代表的な働き方を解説します。クリエイターとしてどのような進路があるのか知りたい方に参考となる内容です。
事業会社とは、自社サービスや自社メディアを展開している企業のことです。自社商品だけを扱うため深掘りしやすく、ジャンルも限られる傾向にあります。
したがって、企業選びは自分の好きなことや興味のある商材かどうかを目安にするとよいでしょう。苦手な商材は、たとえ待遇が理想でも、大きな足かせになる恐れがあります。逆に、「好き」や「得意」はほかに代えがたい強みであり、生産性の向上につながります。
広告代理店や制作会社は、クライアントの依頼を受けて制作を行う企業です。さまざまなクライアントからの依頼を受けるため、多様な経験につながります。
受注という立場上、仕事の進め方はクライアントに左右されがちな面があります。内容はもちろん、予算やスケジュールの詳細な打ち合わせが不可欠です。詰めが甘いとトラブルに発展することもあるため、プロデューサーやディレクターには相応の折衝スキルが求められます。
フリーランスは個人で案件を受注する働き方のことです。働く場所や時間に制約がなく、仕事内容も自由に決められます。すべてが自分しだいであるため、誰にも縛られずに仕事がしたい方向きの働き方です。
ただし、自由と引き換えに総合力が必要になります。営業や交渉、スケジュール管理などの雑務もこなす必要があるでしょう。相応の実績と経験がないとフリーランスとしてやっていくのは難しいため、まずは広告代理店や制作会社で自分を磨くことをおすすめします。

クリエイティブな仕事をしている方の多くは、自身の仕事の魅力をよく知っています。大変な仕事ながらもクリエイターを続けていけるのは、モチベーションの向上につながるやりがいがあるためといえます。具体的にはどのようなものなのか、クリエイティブな仕事の代表的な魅力を紹介します。
クリエイティブな仕事はものづくりそのものに関われるため、やりがいを感じやすい傾向にあります。特に印刷物やパッケージなどの制作物は作品が形に残るため、完成した喜びを得やすいでしょう。多くの方が手に取るようになれば、さらに喜びが増します。
もちろん、デジタルならではのやりがいもあります。担当したWebサイトに世界中からアクセスが集まったり、手掛けたアプリが多くの方にダウンロードされたりと、制作物の評価を数字で実感できます。
制作した作品がヒットすれば「実力派クリエイター」として高い評価を得られます。大手企業の広告だけでなく、SNSでそっと公開していたものが爆発的な注目を集めることもあります。
認知度が高まると、より高度で予算もある仕事を依頼される確率が上がるでしょう。再びヒットを生み出せれば、企業から引っ張りだこのクリエイターになれるかもしれません。
クリエイティブな仕事は個人商店化しやすく、独立につなげやすいのも魅力のひとつです。実際にエンジニアやデザイナー、ライターなどの職種はさまざまなメディアで案件が募集されています。
制作環境さえ整っていればどこでもできるため、副業としても最適です。週5日で会社員をしつつ、休日には制作活動を楽しむといったライフスタイルも目指せます。

クリエイティブな仕事はやりがいが多い反面、大変なこともあります。どのような面で大変なのか、つまずきやすい「壁」を紹介します。
クリエイティブな仕事は、納品直前まで作業に追われることが少なくありません。特に受注案件は納期をずらすことが難しく、残業が続くこともあります。納品が遅れるとクライアントからの信用を失い、場合によっては二度と取引してもらえないかもしれません。
余裕を持ったスケジュール管理はもちろん、業務の効率化を図り続けることも、クリエイティブな仕事をするうえで求められるスキルです。
クライアントから新たな要望や修正が入ったり、急ぎの依頼をされたりすることも珍しいことではありません。結果、予定どおりに進んでいたにもかかわらずスケジュールが狂い、思わぬ残業につながることもあります。
対策方法のひとつは、作業範囲を取り決めておくことです。「修正は1回まで無料」「追加作業は別料金」といったルールを設定しておくと、トラブルを避けやすくなります。
クリエイティブな仕事は独立しやすい一方、成功するまでのハードルは高めです。一定の報酬を安定して手に入れるまでに挫折を経験するクリエイターは数多くいます。
成功の鍵は実績作りです。どのような価値を提供できるクリエイターなのか、第三者が分かる実績でアピールする必要があります。クライアントから認めてもらえるレベルになるまでは、企業に所属してスキルと実績を積み上げましょう。

クリエイティブな仕事に就くには適性が必要です。「職種に応じたスキルを持っている人」や「アイデアが思いつく才能のある人」などのイメージが先行しがちですが、それだけではありません。ここでは、クリエイティブな仕事に向いている方の特徴を解説します。
クリエイティブな仕事では納期の管理や調整作業が欠かせません。クリエイターは華やかな職種という以前に、ひとりのビジネスパーソンです。一般的なビジネスマナーを身につけたうえで、業務に取り組む必要があります。
したがって、スケジュール管理能力や調整力がある方は、クリエイターとして重宝される可能性を秘めています。必要に応じて進捗を報告し、作業工数を正確に見積もって仕事ができる方は、安心して仕事を任せられるクリエイターとして認められていくでしょう。
新しい情報やトレンドにアンテナを張っている方はクリエイターに向いています。仕事とは関係のないことでも積極的にリサーチでき、制作に活かせる力があるためです。
日常で見聞きしたささいな出来事がヒントとなり、大きな成功を生み出すことさえあります。毎日いろいろな情報を見聞きし、知識をアップデートしている方は相当の強みがあるといえます。
クリエイティブな仕事は、アイデアを形にするスキルが求められます。そのため、ゼロから一を生み出す発想力がある方は、クリエイターとして評価されやすい傾向にあります。
制作物に妥協しない性格もクリエイターに必要な資質です。クライアントが要求するクオリティーの一歩上を目指せる方は、クリエイティブな仕事に適性があるといえます。

クリエイティブな仕事は華やかに見える一方で、実際に転職を考えると「スキルがないと無理なのでは」と不安になる方も多いでしょう。しかし、未経験からでも工夫しだいでチャンスをつかむことが可能です。ここでは、未経験者がクリエイティブ職への転職を有利に進めるための4つのポイントを解説します。
クリエイティブな仕事に就くうえで重要なのは、基礎的なスキルを身につけることです。たとえば、デザイナーであればAdobe IllustratorやAdobe Photoshopなどのデザインソフトの操作、Web系であればHTMLやCSS、コピーライターであれば文章構成力とマーケティング知識などが求められます。
これらは独学でも学べますが、効率的に習得するにはオンラインスクールや専門講座の利用がおすすめです。無料教材や動画学習サービスを活用すれば、働きながらでも無理なくスキルアップを目指せます。基礎的な知識を習得したら、実際に作品やサンプルを作ってみましょう。こうすることで、より実践的なスキルを身につけられます。
クリエイティブ業界への転職活動では、履歴書や職務経歴書だけではなく「ポートフォリオ」の準備が重要となってきます。ポートフォリオとは、自分がこれまで制作した作品や企画をまとめた実績集のことです。デザイナーであればロゴやチラシ、Webディレクターであれば制作したサイトの概要や担当範囲、ライターであれば記事サンプルやシナリオなどを掲載します。
採用担当者は、求職者のポートフォリオを通じて「どのような表現ができるのか」「強みは何か」などを具体的に確認します。未経験者であっても、学習の中で作成した課題作品や自主制作のプロジェクトを掲載することで十分アピール可能です。
いきなり正社員として転職するのはハードルが高いと感じる場合、副業から始めるのもおすすめです。クラウドソーシングサイトやフリーランス向けの案件サイトでは、初心者向けの小規模案件も多数掲載されています。たとえば、ライターであればブログ記事作成、デザイナーなら簡単なバナー制作などです。
こうした副業案件を通じて実務経験を積むことで、仕事の流れを理解しつつ実績も蓄積でき、結果的に転職活動の際に大きなアピール材料となります。また、副業として取り組むことで、自分がその仕事に本当にやりがいを感じられるのかを試せる点もメリットです。
未経験からクリエイティブ業界に転職する際は、業界に特化した転職エージェントを活用するのも有効です。一般的な求人サイトでは見つからない非公開求人を紹介してもらえるほか、業界特有の選考ポイントやポートフォリオの見せ方のアドバイスを受けられます。
また、転職エージェントは企業と直接つながっていることから、職場のリアルな雰囲気も知ることができ、ミスマッチを防ぎやすい点もメリットです。書類添削や面接対策などのサポートも受けられるため、未経験者でも準備を万全に整えたうえで選考に臨めます。

クリエイティブな仕事に関して、まだ疑問や不安のある方も多いのではないでしょうか。転職は人生において重要な選択です。前向きに進めるためにも、気になる点はしっかりと解消しておきましょう。ここでは、クリエイティブな仕事に関するよくある質問と回答を6つ紹介します。
クリエイティブな仕事は性別を問わず活躍できる領域です。デザイン、編集、広告、映像、Webなど多くの分野で女性が活躍しており、企業側も多様性を重視して採用や職場環境の整備を進めています。
女性が多く活躍している職場へ転職するメリットは、身近にロールモデルがあり、キャリアプランを設計しやすいことが挙げられます。また、フレックスタイム制や在宅ワーク、育児休暇や短時間勤務制度など、ライフステージに合わせた働き方を支援する制度が整っている点もメリットです。
文系出身者には、文章力や論理的思考力が活かせる職業がおすすめです。例として、以下の職業が挙げられます。
たとえば、Webライターであれば、文章力とリサーチ力を活かして記事や広告文、商品説明を作成します。短い言葉で商品の魅力を伝える技術が求められるコピーライターも、文系との親和性が高い職種です。
職種によって役立つ資格は異なります。たとえば、Webデザイナー志望であれば「ウェブデザイン技能検定」やAdobe系(Illustrator/Photoshop)認定資格が実務能力を証明するうえで有効です。Webライターやコンテンツ制作では「Webライティング技能検定」やSEO関連の資格取得で知識を示せます。
ただし、クリエイティブ業界では「資格」よりも実際の作品(ポートフォリオ)や実務経験を重視する傾向が強い点は押さえておきましょう。資格はあくまで補助であり、求人への応募時には具体的な制作物や成果を通じて自分をアピールすることが大切です。
クリエイティブ職は成果が給与に反映されやすく、実力しだいで高収入を狙える点が魅力です。マイナビエージェントの「職種別平均年収ランキング(2020年版)」によると、クリエイティブ職全体の平均年収は349万円です。
さまざまな職種が混在しているため、平均年収は決して高いとはいえませんが、「プロデューサー/ディレクター/プランナー」は平均442万円と高めの水準であることが分かります。これは制作責任やマネジメント能力が収入に直結するためで、上位職や専門性の高い領域ではさらに高収入が期待できます。
高卒者でもクリエイティブ職に就くことは十分可能です。デザインや映像、編集系など一部の職種では専門学校や大学で学んでから就職するルートが一般的ですが、実務的な技術を持っていれば学歴よりも評価される場面が多くあります。たとえば、制作アシスタント、Webコーダー、一般的なライター業務などは現場で学びながらキャリアを築ける職種です。
働きながら夜間や通信制の専門学校、オンライン講座でスキルを磨く方法も有効です。また、自主制作や副業などで実績を作り、ポートフォリオにまとめて実務力をアピールすると、より就職しやすくなります。
30代・40代の未経験者でも転職は可能です。ただし若年層と比べて「即戦力性」「キャリアの整合性」「入社後の育成コスト」などが厳しく見られやすく、選考は厳しくなる傾向があります。そのため、転職を成功させるには入念な準備が欠かせません。
たとえば、「転職先で活かせる前職での経験を言語化して強みと結びつける」「実務に即したポートフォリオや副業実績を用意する」「業界特化の転職エージェントや人脈を活用する」などの方法が有効です。また、まずは関連職で足場を作り、徐々に希望職へキャリアチェンジするルートも現実的です。

クリエイティブな仕事には、クライアントの意向に沿った形で制作物を作り上げることが求められます。職種やジャンルによって求められるスキルや知識は大きく異なりますが、すでに身につけているものよりも、新たなものを吸収して制作に取り入れていく姿勢が重要です。
クリエイティブな仕事への転職を目指しているのであれば、マイナビITエージェントをぜひご利用ください。マイナビITエージェント には、IT・クリエイティブ関連の職種や仕事内容に精通したキャリアアドバイザーが多数在籍しており、最新の求人情報や業界の動向に基づいた具体的なアドバイス・サポートが可能です。相談だけの利用も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
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