更新日:2023/06/28
この記事のまとめ
クリエイティブな仕事に憧れているものの、専門的な教育を受けたわけではないので転職は難しいのではないかと考えている方もいるでしょう。しかし実際には、未経験からクリエイティブな仕事へのキャリアチェンジは可能です。
この記事では、クリエイティブな仕事にはどのようなものがあるのか、仕事の内容や魅力を詳しく紹介します。未経験から転職を成功させるポイントも解説するので、自分が目指したい職種が明確になったら、キャリアチェンジへ向けて新たな一歩を踏み出してはいかがでしょうか。
目次
転職活動を始める前に、まずはクリエイティブな仕事とはいったいどのようなものなのかを押さえておきましょう。クリエイティブという言葉はさまざまなシーンで使われていますが、使い方によってはニュアンスが異なる場合もあるため要注意です。ここでは、クリエイティブな仕事の定義やクリエイターと芸術家の違いについて解説します。
英語の「creative(クリエイティブ)」には、「創造的な」「独創的な」「想像力のある」といった意味があります。ビジネスに限らず、さまざまなシーンで使われる言葉です。
一方、「クリエイティブな仕事」という場合には、意味がやや限定的になります。一般的には、テレビ、Web、紙媒体といった各種メディアの制作物に携わる仕事を指します。コンテンツの設計や予算を管理する「ディレクター」というポジションも、クリエイティブな仕事のひとつです。こうした職種を総じて「クリエイター」とも呼びます。
プロデューサーもクリエイティブな仕事といえますが、クリエイターとは分けて考える傾向にあります。プロデューサーはクリエイターの統括や関係者との交渉、制作全般の監督・指揮などがメインの業務です。
クリエイターと芸術家はどちらも自分の感性や創造力を使ってものを生み出す職業です。しかし、生み出す目的には大きな違いがあります。芸術家の目的は自分を表現することにあるため、自分のスタイルや方向性を崩す必要はありません。
一方、クリエイターの目的はクライアントの求めるものを作り出すことです。制作物によってクライアントの抱える課題を解決し、クライアントに利益をもたらすことが要求されます。自分のスタイルややり方にこだわっていては務まりません。クライアントの課題解決のためにいつものスタイルを変える必要がある職種がクリエイターといえます。
クリエイティブな仕事にはさまざまな側面があり、業務の内容や特徴によりいくつかのタイプに分けられます。ここではデザインに関係するクリエイティブな仕事、「イラストレーター」「グラフィックデザイナー」「Webデザイナー」「ゲームクリエイター」について解説します。
イラストレーターは、クライアントの要望に応じてイラストを制作する仕事です。制作前にクライアントと完成イメージを共有し、ポスターや雑誌、Webサイトなどに掲載するイラストを描きます。
なお、イラスト制作にはパソコン利用が不可欠です。アナログの持ち味を活かすイラストレーターもいますが、デジタルで作成するほうが納品しやすく、受け取る側も扱いやすい傾向にあるためです。絵のスキルと併せて基本的なソフトの使い方も学んでおきましょう。
グラフィックデザイナーは、パンフレットやチラシ、雑誌などに掲載するデザインを制作する仕事です。印刷物・デジタルは問いません。クライアントの意向を踏まえ、レイアウトや色彩構成を練り上げます。
グラフィックデザイナーはチームで制作に携わることもあります。その際はイラストレーターやコピーライターなどのメンバーと連携を取ることも重要です。
Webデザイナーは、 Webサイトのデザインを制作する仕事です。サイトの見た目や使いやすさを追求するUIデザイナーや、サイトを通じたユーザー側の体験までを最適化するUXデザイナーといった職種もあります。HTMLやCSS、Java Scriptを用いたコーディングまで手掛けるWebデザイナーも多く、幅広く活躍できる職業です。
ゲームクリエイターは、その名のとおりゲームの制作に携わる仕事です。シナリオの作成やキャラクター設計、背景・画面デザインなどさまざまな役割があります。デザイナーは2Dデザイナー、3Dデザイナー、エフェクトデザイナー、モーションデザイナーといった職種に細分化できます。ゲームはチームで制作することが多いため、メンバー同士による綿密なコミュニケーションが欠かせません。
次に紹介するのは映像系、つまり映画やテレビ、写真などに関わる仕事です。映像系のクリエイターには、センスはもとより、複雑で専門的なスキルや知識が求められます。映像には人の心を動かす強い力があるため、ビジネスにおいても重要性を増してきており、需要がますます高まっている職種といえるでしょう。
動画クリエイターは、動画編集やVR映像の制作を手掛ける仕事です。企業のプロモーション動画のほか、自身のコンテンツ制作に力を入れている方もいます。
映像制作のスキルはもちろん、演出を考える企画力も必要です。多くの方に見てもらうための工夫が欠かせません。技術だけでなく、マーケティングの知見も深めておくとよいでしょう。
2次元や3次元のグラフィックスを制作するのが「CGクリエイター」です。コンピューターと専用ソフトを使い、リアルな質感で人物や背景を立体的に作り出していきます。
アニメーションや映画、ゲームなど動きのある映像制作はもとより、建築や車、機械設計など幅広い業界における産業用の画像・アニメーションの制作にも携わります。CG制作に使用される技術やスキルの進歩は目覚ましいため、常に学び続ける姿勢が必要です。
フォトグラファーは写真を撮ることを職業としている人のことです。フォトグラファーには、依頼を受けて人物や商品を撮影する商業型と、需要を見越して撮影した写真を買い取ってもらうドキュメンタリー型があります。
商業型フォトグラファーの仕事には、広告やファッション雑誌、グラビア、フォトスタジオの撮影スタッフなどがあります。報道撮影やスポーツ撮影などはドキュメンタリー型フォトグラファーの仕事です。
クリエイティブな仕事の中には、文章の作成をなりわいとしている「Webライター」「コピーライター」「シナリオライター」などの職種もあります。ただしこれらの職種は同じ文章系クリエイターとはいえ、活躍するシーンや達成するべき目的が異なるため、必要とされる能力にも違いがあります。それぞれどのような仕事なのかを見てみましょう。
Webライターは、Webサイトに掲載される文章をはじめ、Web上のさまざまな文章を作成します。文章力さえあれば仕事になるため、資格は特に必要としません。
Webサイトに掲載するコラム記事やWeb広告、商品説明など執筆内容は多岐にわたります。インターネット上のサービスがますます拡大する中、ニーズを大いに増してきた職業といえるでしょう。
コピーライターは、商品を売るための文章を考える仕事です。キャッチフレーズだけでなく、商品の機能を説明する本文も担当します。購買意欲をかき立てる印象に残るコピーは、売り上げに大きく貢献することも少なくありません。
活躍の場は雑誌やWeb、商品パッケージなど幅広くあります。多くの方の心に届く文章を作るためにも、日頃のインプットとアウトプットが重要です。
シナリオライターとは、映画やテレビドラマ、ドキュメンタリー番組、バラエティ番組、演劇、ゲームソフトなどの脚本を執筆する仕事で、脚本家とも呼ばれます。テレビ番組の台本を手掛けるクリエイターは構成作家と呼ばれることもあります。
シナリオライターは文章力や構成力がなければ務まらない仕事です。トラブルや状況の変化による急な書き直しなどもあるため、柔軟性も求められます。
最後にディレクター系クリエイターを紹介します。ディレクター系クリエイターは実際にデザインや映像、文章などを作成することはなく、実務を担当するクリエイターやほかのスタッフの進行を管理するのが主な仕事です。代表的な職種である「Webディレクター」「編集者」「プランナー」「クリエイティブディレクター」の仕事内容について見てみましょう。
Webディレクターは、WebサイトやWeb制作のかじ取り役を担う仕事です。デザイナーやプログラマー、ライターといった多職種のクリエイターをまとめ、クライアントが望む方向へと導きます。
メンバーに適切な指示出しをする必要があるため、専門外の職種に対する知識も求められます。商品やビジネスに関する知見も、仕事のできを左右する要素のひとつです。責任の大きいポジションですが、その分やりがいもあります。
雑誌や書籍、Webメディアなど、さまざまな媒体の記事制作を管理・統括するのが編集者です。エディターとも呼ばれます。ジャンルは小説や漫画、情報、マーケティング、ビジネスなど多岐にわたり、取り扱うジャンルによって必要とされる知見やスキルは大きく異なります。
記事制作にあたっては、作家やライターとの円滑なコミュニケーションが欠かせません。企画からリリースまでの工程を管理し、無事にリリースへとこぎ着けるのが仕事です。
プランナーとは企画を立案する職業で、Webプランナーや広告プランナー、ウェディングプランナー、ゲームプランナーなどその種類は数多くあります。それぞれの分野に関する専門的な知識が必要とされ、調査や分析による課題の洗い出しなどを経て具体性のある企画を提案するのが仕事です。
クリエイティブディレクターとは、広告業界において制作の現場を取り仕切る責任者のことです。クライアントの要望をしっかりと聞き取るとともに、広告手法の選定や制作チームの編成、制作の進行などに携わります。広告戦略からプロジェクトの進行にいたるすべての工程に関わる責任の重い仕事といえます。
クリエイティブな仕事をするうえでは、働き方も重要です。どのようなコミュニティで仕事をするかによって、キャリアの方向性が変わることもあるためです。
ここでは、クリエイティブな仕事の代表的な働き方について解説します。クリエイターとしてどのような進路があるのか知りたい方に参考となる内容です。
事業会社とは、自社サービスや自社メディアを展開している企業のことです。自社商品だけを扱うため深掘りしやすく、ジャンルも限られる傾向にあります。
したがって、企業選びは自分の好きなことや興味のある商材かどうかを目安にするとよいでしょう。苦手な商材は、たとえ待遇が理想でも、大きな足かせになる恐れがあります。逆に、「好き」や「得意」はほかに代えがたい強みであり、生産性の向上につながります。
広告代理店や制作会社は、クライアントの依頼を受けて制作を行う企業です。さまざまなクライアントからの依頼を受けるため、多様な経験につながります。
受注という立場上、仕事の進め方はクライアントに左右されがちな面があります。内容はもちろん、予算やスケジュールについても詳細な打ち合わせが不可欠です。詰めが甘いとトラブルに発展することもあるため、プロデューサーやディレクターには相応の折衝スキルが求められます。
フリーランスは個人で案件を受注する働き方のことです。働く場所や時間に制約がなく、仕事内容も自由に決められます。すべてが自分次第なので、誰にも縛られずに仕事がしたい方向きの働き方です。
ただし、自由と引き換えに総合力が必要になります。営業や交渉、スケジュール管理などの雑務もこなす必要もあるでしょう。相応の実績と経験がないとフリーランスとしてやっていくのは難しいため、まずは広告代理店や制作会社で自分を磨くことをおすすめします。
クリエイティブな仕事をしている方の多くは、自身の仕事の魅力をよく知っています。大変な仕事ながらもクリエイターを続けていけるのは、モチベーションの向上につながるやりがいがあるためといえます。具体的にはどのようなものなのか、クリエイティブな仕事の代表的な魅力について紹介します。
クリエイティブな仕事はものづくりそのものに関われるため、やりがいを感じやすい傾向にあります。特に印刷物やパッケージといった制作物は作品が形に残るため、完成した喜びを得やすいでしょう。多くの方が手に取るようになれば、さらに喜びが増します。
もちろん、デジタルならではのやりがいもあります。担当したWebサイトに世界中からアクセスが集まったり、手掛けたアプリが多くの方にダウンロードされたりと、制作物の評価を数字で実感できます。
制作した作品がヒットすれば「実力派クリエイター」として高い評価を得られます。大手企業の広告だけでなく、SNSでそっと公開していたものが爆発的な注目を集めることもあります。
認知度が高まると、より高度で予算もある仕事を依頼される確率が上がるでしょう。再びヒットを生み出せれば、企業から引っ張りだこのクリエイターになれるかもしれません。
クリエイティブな仕事は個人商店化しやすく、独立につなげやすいのも魅力のひとつです。実際にエンジニアやデザイナー、ライターといった職種はさまざまなメディアで案件が募集されています。
制作環境さえ整っていればどこでもできるため、副業としても優秀です。週5日で会社員をしつつ、休日には制作活動を楽しむといったライフスタイルも目指せます。
クリエイティブな仕事はやりがいが多い反面、大変なこともあります。どのような面で大変なのか、つまずきやすい「壁」を紹介します。
クリエイティブな仕事は、納品直前まで作業に追われることが少なくありません。特に受注案件は納期をずらすことが難しく、残業が続くこともあります。納品が遅れるとクライアントからの信用を失い、場合によっては二度と取引してもらえないかもしれません。
余裕を持ったスケジュール管理はもちろん、業務の効率化を図り続けることも、クリエイティブな仕事をするうえで求められるスキルです。
クライアントから新たな要望や修正が入ったり、急ぎの依頼をされたりすることも珍しいことではありません。結果、予定どおりに進んでいたにもかかわらずスケジュールが狂い、思わぬ残業につながることもあります。
対策方法のひとつとしては、作業範囲を取り決めておくことです。「修正は1回まで無料」「追加作業は別料金」といったルールを設定しておくと、トラブルを避けやすくなります。
クリエイティブな仕事は独立しやすい一方、成功するまでのハードルは高めです。一定の報酬を安定して手に入れるまでに挫折を経験するクリエイターは数多くいます。
成功の鍵は実績づくりです。どのような価値を提供できるクリエイターなのか、第三者が分かる実績でアピールする必要があります。クライアントから認めてもらえるレベルになるまでは、企業に所属してスキルと実績を積み上げましょう。
クリエイティブな仕事に就くには適性が必要です。「職種に応じたスキルを持っている人」や「アイデアが思いつく才能のある人」などのイメージが先行しがちですが、必ずしもそれだけではありません。ここでは、クリエイティブな仕事に向いている方の特徴について解説します。
クリエイティブな仕事では納期の管理や調整作業が欠かせません。クリエイターは華やかな職種という以前に、ひとりのビジネスパーソンです。一般的なビジネスマナーを身につけたうえで、業務に取り組む必要があります。
したがって、スケジュール管理能力や調整力がある方は、クリエイターとして重宝される可能性を秘めています。必要に応じて進捗を報告し、作業工数を正確に見積もって仕事ができる方は、安心して仕事を任せられるクリエイターとして認められていくでしょう。
新しい情報やトレンドにアンテナを張っている方はクリエイターに向いています。仕事とは関係のないことでも積極的にリサーチでき、制作に活かせる力があるためです。
日常で見聞きしたささいな出来事がヒントとなり、大きな成功を生み出すことさえあります。毎日いろいろな情報を見聞きし、知識をアップデートしている方は相当の強みがあるといえるでしょう。
クリエイティブな仕事は、アイデアを形にするスキルが求められます。そのため、ゼロから一を生み出す発想力がある方は、クリエイターとして評価されやすい傾向にあります。
制作物に妥協しない性格もクリエイターに必要な資質です。クライアントが要求するクオリティーの一歩上を目指せる方は、クリエイティブな仕事に適性があるといえるでしょう。
「クリエイティブな仕事は経験者にしか務まらない」と考えている方も多いのではないでしょうか。確かに経験者は優遇される傾向にありますが、未経験者だからといって門前払いになるわけではありません。経験がなくても光るものがあれば、採用担当者はきちんと評価してくれます。ここでは、未経験からクリエイティブな仕事に転職する3つの方法を解説します。
クリエイティブな仕事に必要な専門知識とスキルは、仕事をとおしてでしか身につけられないものではありません。クリエイティブ系の学校で学んだり、自分で作品を作ったりして習得することも可能です。そうした経験を高く評価してくれる企業もあります。
また、他業種出身でもプロジェクトの管理や顧客との折衝経験がある方は、チームをまとめるディレクターとして活躍できる可能性があります。
クリエイティブな仕事では、資格の有無が重視されない傾向にあります。特にイラストレーターやデザイナー、動画クリエイターの採用においては、資格よりも実績(ポートフォリオ)のほうが重要です。
クリエイターを募集している企業は、採用後のパフォーマンスに期待しています。経験のなさを資格でカバーする方法もありますが、採用担当者に評価してもらえる制作物を提示したほうが有効です。
クラウドソーシングサイトの案件を獲得し、小さな実績を重ねるという手もあります。簡単な案件でも、数をこなせば相応の経験になります。慣れてきたら難易度の高い案件にチャレンジしてみましょう。
継続案件を受注できれば、それはクライアントから認められた証拠です。確かな実績として企業にアピールできる材料にしてもよいでしょう。
クリエイティブな仕事には、クライアントの意向に沿った形で制作物を作り上げることが求められます。職種やジャンルによって求められるスキルや知識は大きく異なりますが、すでに身につけているものよりも、新たなものを吸収して制作に取り入れていく姿勢が重要です。
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