更新日:2024/12/10
この記事のまとめ
比較的新しい職種のひとつに「IT事務」があります。IT事務は未経験からでもIT業界にチャレンジできる道筋ともなり得るため、IT業界に興味があり、IT事務への転職を選択肢のひとつとして検討している人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、IT事務がどのような職業なのか、メリットやデメリットも合わせて紹介します。IT業界で働きたいと考えている人は必見です。
目次
IT業界というと、専門的な知識やスキルがなければ働けないというイメージがあるかもしれません。しかし、IT事務は専門スキルを持っていなくてもIT業界に関われる職種です。未経験からでも転職できるので、IT業界に興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ここでは、IT事務についての基本情報を解説します。
IT事務は書類作成やメール・電話対応といった一般事務作業からIT関連業務まで、業務範囲が広い職種です。ITエンジニアのような専門性は求められませんが、業務の性質上、ITに関する基礎知識やIT用語などを理解しておく必要はあります。ITの専門スキルがなくてもできる仕事をエンジニアの代わりに行ってサポートする業務も含まれるため、「ITサポート」「ITサポート事務」とも呼ばれます。
IT事務の業務内容は多岐にわたりますが、個人のITスキルレベルに合わせて業務が割り振られる形が一般的です。書類作成やデータ入力、議事録の作成といった事務作業には特別なITスキルが必要ないため、誰もが割り当てられる可能性のある業務です。
一方、PCやモバイル端末の初期設定、ソフトウェアのインストール、IT製品のマニュアル作成、システム開発・運用に関わる問い合わせサポートなど、ITスキルのレベルによってはIT要素の強い業務を任されることもあります。
発展著しいIT業界は人材不足の傾向にあります。人材を確保するために未経験者を受け入れ、教育していこうと考える企業も少なくありません。中でもIT事務は特別な知識や資格がなくても始められる職種であるため、未経験でも転職が可能です。その背景には、一般事務に取り組みながらIT知識を身につけていき、いずれはITエンジニアなどとして活躍してほしいという企業側の思惑があります。
そのため、企業側が重視するのは現時点でのITスキルではなく、ITに対する興味・関心や学ぶ意欲といったポテンシャルです。IT業界を目指す未経験者にとっては大きなチャンスといえるでしょう。
IT業界は人手不足ということもあり、IT事務への転職の難易度は比較的低めです。20代であれば未経験からでも転職できる可能性は大いにあります。ただし、未経験者を積極的に採用している企業が多いため、既卒や第二新卒の若手がライバルになることを想定しておかなければなりません。
30代以上であれば、ITパスポートや日商PC2級といった資格を取得しておくなど、ITに関する基礎知識ややる気以外にも強みを持っていたほうが転職には有利です。
未経験からIT事務への転職は可能ですが、転職を有利に進めるためにもスキルや資格を習得し、熱意をアピールしましょう。また、転職後のミスマッチを防ぐためには、企業研究を徹底し、自分に合った働き方ができるかどうかを確かめることが大切です。ここでは、IT事務への転職を成功に導く4つのポイントを解説します。
IT事務への転職に際しては、一般事務に求められるレベルよりもやや高めのスキルを身につけていると強みになります。専門性は必要ありませんが、「使える人材」であることがアピールできれば、選考時に高く評価されるでしょう。転職前に習得しておきたいスキルには以下のようなものがあります。
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IT事務へ転職するために必要な資格はありません。しかし、資格があると選考時に高く評価されます。IT関連の資格を取得していれば応募先企業にIT業界で働きたいという意欲を示せるため、採用される確率が高まるでしょう。できれば取得しておきたい代表的な資格は以下の通りです。
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IT事務は専門性の低い一般事務から始め、IT関連知識を実践で学びながら専門性を高めていく職種です。一生IT事務を続けていきたい人よりも、IT業界で活躍できるように成長したい人に向いています。将来のキャリアパスをしっかりと描けていることを伝えられれば、応募先企業にも好印象を与えられるでしょう。自分が目標に向けて何を勉強すればよいのかも明確となります。
【IT事務からのキャリアパス例】
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IT事務の業務内容や働き方は、ビジネスの種類やクライアント、業種などにより大きく異なります。「IT事務」とひとくくりにできない点も、IT事務の大きな特徴だと認識しておきましょう。そのため、転職先を探す際には、自分に合った企業かどうかを精査することが重要です。
働き方ひとつとっても、採用された企業内で働く、顧客の現場に常駐して働く、在宅で勤務するなどさまざまです。ビジネスの内容によってはキャリアパスの方向性にも大きな影響をおよぼしかねません。
自分に合った企業を見つけるには、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントは企業の内情にも通じているため、働き方や教育方法、将来性などを考慮したうえで最適な企業を紹介してもらえます。非公開求人も取り扱っているため、転職の可能性はさらに広がるでしょう。
IT業界は成長が著しく、不景気といわれる中で着実に業績を伸ばしている企業も少なくありません。そのようなIT業界で働きたいと考えているのであれば、IT事務はおすすめの職種です。ここでは、IT事務として働く3つのメリットについて紹介します。
IT事務の採用では、他職種と同じく経験者が優遇されます。しかし未経験者であっても、給与設定が一般事務よりもやや高めに設定されている企業が多いのが特徴です。専門性の高い医療事務などよりも給与を高く設定している企業もあり、IT業界への入り口としては魅力的な職種といえるでしょう。
IT事務は勉強を続けることでキャリアアップを狙える職種です。IT関連知識を深め、それを実務で活用しながら使えるスキルを伸ばしていけます。業務の関連上、さまざまなエンジニアと関わることになるため、キャリアの方向性が見えてきやすいのも利点です。企業側もキャリアアップを望んでいるため、積極的に学ぶ姿勢を評価してくれるでしょう。
未経験からプログラマーやシステムエンジニアに転職するのは、簡単なことではありません。IT事務はプログラマーやシステムエンジニアへとつながる効率的な道筋になるため、未経験者にとってはメリットの大きな選択です。
IT事務の求人では「在宅勤務可」「服装自由」「女性管理職登用」といったフレーズも多く見られます。IT業界ならではの実力主義や自由度の高い働き方も、IT事務の大きな魅力といえるでしょう。出産や子育て、介護などでキャリアを中断せざるを得ない女性も少なくありません。IT事務であれば、長期間にわたって働き続けられる可能性も高まります。
どのような仕事にもメリットとデメリットがあります。IT事務にもデメリットとなる部分があり、人によっては大きなストレスの原因になってしまうかもしれません。ここでは、IT事務特有のデメリットを4つ取り上げます。転職先を慎重に選べば回避できるものもあるので、転職前に押さえておきましょう。
IT事務は転職のハードルこそ低いものの、勉強を続けながらスキルを高めていくことが求められる職種です。学ぶ意欲を失ってしまえば、IT業界の実力主義がかえって負担になってしまうこともあるでしょう。事務的な要素が多い職種とはいえ、IT業界への知見を深め、企業に貢献できる専門性を持った人材への成長が期待されたうえでの採用であることを肝に銘じておかなければなりません。
IT事務は客先常駐としてクライアント企業に派遣されることも少なくありません。客先常駐では帰属意識がつきにくいため、孤独を感じる人もいます。また、未経験者を未研修でクライアント企業に送り込むケースもあります。慣れない現場でIT用語などが分からないと、ついていけないと感じるかもしれません。転職後のミスマッチを防ぐためにも、転職前に企業のビジネスや働き方をしっかりと下調べしておきましょう。
客先常駐では、業務マニュアル通りに仕事をこなしていくケースがほとんどです。マニュアル作成を任されるケースもありますが、多くはマニュアルに沿った仕事と考えておきましょう。単純作業が苦にならない人には向いていますが、仕事にやりがいや達成感を求める人は苦痛に感じてしまうこともあります。
企業の業務内容によっては、シフト勤務になることもあります。週休2日制とはいっても、必ずしも週末に休めるとは限りません。トラブルが発生した場合には残業を余儀なくされることもあるでしょう。
クレーム対応も、人によってはつらく感じるかもしれません。顧客の不満を受け止めなければならないクレーム対応には、ノウハウや経験が必要です。経験のない状態でクレーム対応を任されると、メンタルにダメージを受けてしまうことも少なくありません。
IT事務はIT業界への入り口です。専門知識やスキルは必要ないため、未経験からでもチャレンジできます。また、転職後にスキルを磨けばキャリアアップが可能な点も大きなメリットです。ただし、企業のビジネスや働き方によっては、つらいと感じてしまうこともあります。応募先企業をよく調べ、自分に合った転職先を見つけることが転職成功の鍵です。
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