更新日:2022/08/25
この記事のまとめ
金融専門職は年収が高いイメージがありますが、実際にどのような仕事内容なのか、疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。金融専門職への転職を考えている方は、年収や仕事内容について知っておくとよいでしょう。
この記事では、年収が高い金融専門職を3つ取り上げ、年収と仕事内容について解説します。また転職に役立つ資格やポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
金融業界は他業界と比べても年収が高い傾向にあります。特に「アナリスト・ディーラー」「戦略・会計・人事系コンサルタント」「ホールセール・リテール」は金融業界の中でも年収が高い職種です。ここでは、年収が高い金融専門職について詳しく紹介します。
アナリストは証券会社や運用会社、銀行などの金融機関に所属し、企業や業界を対象として経済状況の調査・分析をする職種です。ディーラーは証券会社や銀行などの金融機関に所属し、自社の資金を使って株式や債券、為替などの取引を行います。
マイナビの調査によると、アナリストの平均年収は824万円、ディーラーの平均年収は623万円とされています。アナリスト・ディーラーは、20代から30代と年齢が上がるにつれて年収の上がり幅も高く、他職種と比べてもトップクラスの年収が期待できます。
クライアント企業の悩みや課題を聞いて現状分析し、業務効率やプロセスの改善を提案する仕事です。企業の経営戦略に関わるコンサルタントは他職種と比べても年収が高く、金融業界でも人気があります。
マイナビの調査によると、戦略・会計・人事系コンサルタントの平均年収は661万円です。20代の平均年収は638万円、30代の平均年収は611万円と、年収は年齢に比例しないのも特徴でしょう。
ホールセール・リテールは、証券会社や銀行などの金融機関に所属する営業職です。ホールセールの営業対象は大企業や機関投資家、自治体などの公共機関であることに対し、リテールは、個人や中小企業といった比較的小規模な顧客を営業対象としています。
マイナビの調査によると、ホールセールの平均年収は513万円、リテールの平均年収は498万円です。20代の年収は両者とも400〜450万円程度と特別高いほうではありません。しかし、30代になると100万円以上の年収アップに期待できるため、着実に稼いでいける職種といえるでしょう。
金融専門職へ転職するにあたって、いまよりも年収を上げたいという方もいるでしょう。年収を上げる方法には「資格を取得する」「年収の高い職種を目指す」「外資系企業へ転職する」などがあります。ここでは、金融専門職で年収を上げる3つの方法について詳しく解説します。
金融関連の資格を取得することで年収アップに期待できます。金融商品には特定の資格が必要なものもあるため、資格を取得することで仕事の幅が広がることがあります。また資格取得によって社内での評価が上がれば、年収アップにもできるでしょう。企業によっては、資格手当や祝金や賞与が支給されるケースもあります。
金融業界の中でも、平均年収の高い職種に就くことで将来の年収アップが期待できます。マイナビの職種別平均年収ランキングによると、金融系で年収の高い職種は、「アナリスト・エコノミスト」「コンサルタント」「会計士」です。また企業によっても年収は異なるため、資格取得や実績を積むなどして、待遇の良い職場へ転職を目指すのもよいでしょう。
一般的に外資系企業は成果主義で年収が高い傾向にあるため、外資系金融に転職して年収を上げるのもよいでしょう。外資系企業の多くは、固定給に加えて歩合給がプラスされます。そのため、年齢や役職に関係なく、成果に応じて給与アップや昇格が狙えるのです。
また知名度の高い外資系企業は、企業規模が大きいため、給与水準が高いという点も年収が高い理由として挙げられます。
金融業界は幅広く、「トレーダー」「ファンドマネージャー」「証券アナリスト」など、さまざまな金融専門職があります。どの職種を選ぶかによって仕事の内容は大きく変わってくるため、自分に合った職種を選ぶことがとても重要です。ここでは、代表的な金融専門職を5つ紹介します。
トレーダーは銀行や証券会社などの金融機関に所属し、株式や債券、為替などの売買仲介を行う金融系専門職です。主に法人顧客からの指示により売買業務を担当し、その手数料を利益として受け取ります。
トレーダーは営業としての側面もあります。ただ顧客の発注に合わせて売買業務を行うだけでなく、良い結果になるよう、市場の状況を踏まえた的確な売買タイミングを提案するのも仕事のひとつです。
「仕組み金融」とも呼ばれ、プロジェクトファイナンスや証券化といったストラクチャー(仕組み)を構築することによって金融商品を発行する仕事です。転職先には、証券会社や銀行・リース会社など金融機関があります。
ストラクチャードファイナンス業務においては、その業界・産業に関する知識や会計税務の知識など、高い専門性とスキルが求められます。
複数の投資家から集めた資金(ファンド)の運用を担当する金融系専門職です。ファンドの運用には、エコノミスト・アナリスト・トレーダーとチームで行うのが一般的で、そのチームの責任者となるのが「ファンドマネージャー」です。
ファンドマネージャーになるための転職先には、投資信託会社や投資顧問会社、信託銀行などがあります。
証券会社や運用会社などの金融機関に所属し、企業や業界に関する経済状況の調査・分析を担当する職種が証券アナリストです。
具体的には調査・分析した企業や業界が、投資対象として価値があるのかを評価し、レポートを作成します。そして金融商品の投資を考えている顧客に対して助言やサポートを行います。
証券アナリストが行う調査・分析は、数理的なアプローチだけにとどまらず、自ら企業へ訪問し、取材・調査を行うこともあります。
プライベートエクイティ(PE)とは、成長する見込みのある未公開株式(または事業)や不動産に対して投資を行う投資家や投資ファンドのことです。経営のアドバイスや取引先の紹介なども行い、株の売買や上場などによって利益を得ます。
転職先は主に、外資系の大手証券会社やプライベートエクイティファンドです。投資銀行や戦略コンサルティングファームの経験、英語力などが求められる傾向にあります。
金融専門職では、「コミュニケーションスキルがある」「日々新しい知識を学んでいる」「業務に対して積極的」といった人材が求められます。
職種によっても求められるスキルは異なりますが、転職を考えている方は、企業が求める人材を知っておくことが大切です。ここでは、金融専門職で求められるスキルや人物像について紹介します。
金融専門職は人と接する機会が多い仕事のため、高いコミュニケーションスキルが求められます。リテール・ホールセールといった金融商品の営業では、顧客との信頼関係が重要です。
その信頼関係を構築するためには、丁寧に顧客の話を聞き、顧客に寄り添った提案をする必要があります。また無形商材を取り扱うため、相手が理解・納得できる分かりやすい説明も大切です。
金融の世界も時代の変化とともに、新しい技術や新しい商品が生まれています。たとえば、金融とテクノロジーを組み合わせた「フィンテック」やデジタル通貨の一種である「仮想通貨」などです。
金融業界における新しい商品や技術、日々更新される経済の状況を把握し、学び続ける必要があるでしょう。
業務に対して積極的な人は重宝されます。特に金融専門職においては、誰かに指示をされてから行動するのではなく、自ら考え、行動する積極性が求められます。
仕事でうまくいかないことがあれば、「なぜうまくいかないのか」「今後はどういったアプローチをしていけばよいのか」といった改善策を考えることも重要です。
金融業界は力仕事ではありませんが、営業職であれば多くの訪問先を回るための体力が必要です。また顧客の資産に大きく関わる仕事である以上、「損をさせてはならない」と精神面の不安もつきまといます。
仕事で疲れている中で、資格取得の勉強をするなど忍耐力が求められる場面もあります。そのため、金融専門職では心身ともにタフな人材が必要とされるでしょう。
金融関連の資格には「ファイナンシャルプランナー」「日商簿記検定」「アクチュアリー」など、さまざまな種類があります。資格を取得することで自身のスキルアップにつながり、転職で役立つため、ぜひ取得を目指してみてください。ここでは、金融専門職で役立つ資格を4つ紹介します。
「日本FP協会」「一般社団法人金融財政事情研究会」が実施している国家資格です。資格取得に向けて勉強することで、年金・保険・税金・資産運用など、身の回りのお金に関する知識が身につきます。
ファイナンシャルプランナーには、3級・2級・1級と段階的にレベルが分かれています。3級は誰でも受験できますが、2級を受験するには3級取得する必要があり、1級の取得には実務経験も必要です。
試験内容は学科と実技で構成されています。2022年1月に日本FP協会で実施された3級の試験では合格率が約90%と高いため、比較的取得しやすい資格といえるでしょう受験料は級によって異なり、3級は学科と実技が3,000円ずつです。
参照:
FP技能検定とは|日本FP協会
FP技能検定 |一般社団法人金融財政事情研究会
東京商工会議所が実施している検定試験です。資格取得に向けて勉強することで、経理・会計の知識やお金の流れを管理する技術が身につきます。また「貸借対照表」や「損益計算書」を読めたり作成できたりするようになるため、企業の経営状態を把握するのに役立ちます。
3級・2級・1級と段階的にレベルが分かれており、どの級も受験資格はありません。そのため、3級を取らずに1級を取得することも可能です。
合格率は、2022年2月の試験で、3級が約50%、2級が約17%、2021年11月の1級試験の合格率は約10%と低く、難関資格といえるでしょう。
受験料は3級が2,850円、2級が4,270円、1級が7,850円です。
参照:
日商簿記検定|東京商工会議所検定サイト
簿記 受験者データ | 商工会議所の検定試験
公益社団法人の日本アクチュアリー会が実施している認定試験です。確率論や統計学など数学的な手法を駆使し、将来のリスクや不確実性の評価を行うスキルが身につけられます。1次試験と2次試験があり、1次試験の5科目すべてに合格すれば、アクチュアリー会の準会員になれます。
2次試験は「生保コース」「損保コース」「年金コース」の3つのコースからひとつを選択して合格し、プロフェッショナル研修を受けた後に、正会員になることが可能です。合格率は10〜30%程度であり、難関資格であることが分かります。
試験を受けるためには、一定の学歴が必要です。また受験料はアクチュアリー会員か非会員かによって異なるため、詳細は公式サイトにて確認してみてください。
大阪商工会議所が実施している検定試験です。資格取得に向けて勉強することで、財務諸表に関する知識だけでなく、その数字が表す内容をきちんと理解できるようになります。財務諸表を作成するスキルが身につけられる「日商簿記検定」と一緒に取得するのもよいでしょう。
ビジネス会計検定試験は3級・2級・1級と段階的にレベルが分かれており、受験資格はありません。受験料は3級が4950円、2級が7,480円、1級が11,550円です。
参照:ビジネス会計検定試験とは|試験のご紹介|ビジネス会計検定試験
金融業界への転職は専門的な知識やスキルが求められるため、自身のスキルやキャリアに合った求人を見つけるのは簡単ではありません。また、きちんと企業の情報を調べずに入社すれば、ミスマッチになる恐れもあります。転職を成功させるためにも、ここで紹介する3つのポイントを押さえておきましょう。
採用情報を知るためには、インターネットで情報を集めるのが効果的です。転職・求人検索サービスは多数あり、業界に特化した専門サイトもあります。
ただし、求人サイトの募集要項に書かれている情報だけでなく、その企業のホームページを見て、SNSや口コミサイトを確認することも大切です。企業研究を徹底することで、入社後のミスマッチを防げる可能性が高まります。
応募先企業の社員から直接話を聞くことで、募集要項に書かれていない情報を知れます。企業で長く働くために、職場の人間関係や、評価制度などを確認しておくことは重要です。
現場のリアルな声を知るためにも、知り合いの紹介やSNSでつながるなどして、応募先企業の社員から話を聞く機会を作るとよいでしょう。
転職エージェントに相談することで、自身のスキルやキャリアに合った求人を紹介してもらえます。また転職エージェント経由で応募すると、「推薦」という形での選考となるため、書類通過率や面接通過率が高くなる傾向があります。
また応募書類の添削や面接対策、入社後のアフターフォローを行なっているところが多いため、転職に自信がない人でも安心です。
金融専門職は他業界と比べても年収が高い傾向にあります。特にアナリスト・ディーラーは年齢による年収アップにも期待できるため、年収の高い金融専門職へ転職したい方は、ぜひ目指してみてください。
「金融専門職に転職したい」「転職して年収を上げたい」といった方は、ぜひマイナビ金融エージェントへご相談ください。業界に精通したキャリアアドバイザーが、スキルやキャリアに合った求人の紹介や応募書類の添削など、転職成功に向けてサポートいたします。
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