更新日:2022/04/12
証券会社にはさまざまな業務がありますが、花形ともいえる「ディーラー」は特に認知度が高く、転職市場でも人気があります。
ここでは、証券会社のディーラーの業務内容について、またディーラーに向いている人の特徴などについて紹介します。
目次
まずは、証券会社がどのような構造で成り立っているのかについて解説します。
証券会社の仕事場は株式市場であり、利害関係者となるのは投資家や投資銀行、証券会社、証券取引所などに関連する個人や法人です。
証券会社には主に「リテール部門」「投資銀行部門」「リサーチ部門」の3つの部門が存在します。
リテール部門は個人を相手としたセールスが仕事であり、証券口座の開設や株式の提案などを行います。投資銀行部門は法人に対してM&AやIPO、資金調達のサポートを行う部門であり、専門的な知識を活用して企業にアプローチします。リサーチ部門は世界の経済動向や株式に関するリサーチを行い、今後値上がりが期待できそうな株式を予測するのが仕事です。
では、証券会社のディーラーとはいったいどんな仕事を担う人なのでしょうか。
ディーラーは、株式の売買を通じて自社に利益をもたらす仕事であり、株式に影響がありそうな国内および世界の経済動向を毎朝必ずチェックします。十分な情報収集がトレードの成否を決めるため、常に最新の情報を仕入れるルーティンが欠かせません。
出社後は銘柄を吟味し、売買予定の銘柄をリストアップ、9時からの前場に備え、前場が開いたら株価の値動きを注視しつつ株式の売買を実行します。通常は複数のモニターを駆使して業務を行うため、高い集中力と判断力が問われます。
前場が11:30にクローズしたら、お昼休憩を取ります。12:30から後場が開いたら、前場同様株式の売買を実施し、市場がクローズした時点で1日の取引をまとめ、業務は終了です。
証券会社には、ディーリング以外にも「ブローカー業務」「アンダーライティング」「セリング」の3つの業務が存在します。
ブローカーは、株を売りたい人と買いたい人の間を仲介する仕事であり、取引を成立させる役割を担っています。
アンダーライティングは、株式を発行した企業から債権を買い受けて、株式の売却先を探す業務です。セリングは株式の売却先を探す点においてはアンダーライティングと同様ですが、債券を買い受けるのではなく、一時的に預かるという点で異なっています。
なお、ディーラーの中には、顧客を担当するブローカー的な位置づけの「カスタマーディーラー」という業務を行う人もいます。
2つの職種は似通っているため、企業によってはほとんど同じ意味合いで用いられるケースもあります。
しかし一般的には、「ディーラー」は自社の資金を使って株式の売買を行うことを目的としており、「トレーダー」は顧客の注文を受けてブローカーへ発注して取引を成立させることを目的としている、という点で使い分けられます。
市場の動向を見極め瞬時の判断力が求められるディーラー。いったいどんな人であればその仕事に向いているのでしょうか。
ディーラーの業務は成功ばかりではなく、時には大きな損失を出してしまう可能性もあります。失敗してしまった時も長く引きずらず、すぐに切り替えて平常心を保ち、反省を次に活かそうとする。そんな人はディーラーに向いていると言えるでしょう。
ディーリングは運やセンスが絡んでくる場面もありますが、運やセンスを活かすためには、常に最新の情報を収集し、向上心を高く持ち続ける努力が必要です。ニュースを欠かさず見聞きし、売買対象の企業についてリサーチを行い、取引の悪かった点は素直に反省できる。そんな人がディーラーに適しています。
自分がどのようなディーラーになりたいのかについて明確なビジョンを持ち、思い描いたビジョンに到達するための目標を立て、それに向けて突き進める人もディーラーには向いていると言えます。
相場は、国内や世界の情勢、最新ニュースや新技術の開発など、さまざまな要素が絡み合って変動します。日常の些細な出来事にもアンテナを張り、情報収集に努め、その情報と相場のつながりに関連性を見出すことができる人ならば、ディーラーになっても成果を上げやすいでしょう。
ディーラーは完全実力主義の側面が強いため、安定性を求める人には向いていません。また、自分の判断で仕事を進めなければならないので、一人ですべての責任を負うことに抵抗がある人や、誰かの下に付き指示に従うほうが楽だと感じる人には不向きです。そのため、自分で一日の取引の計画を立て、戦略的に仕事に取り組める人でなければ、ディーラーを長く続けるのは難しいでしょう。
証券会社のディーラーになるために必須の資格はありませんが、「証券アナリスト」や「証券外務員」の資格を取得しておくと、転職の際に有利に働くでしょう。
証券アナリストは金融業界の専門的な知識を問う資格であり、1次試験と2次試験で構成されます。証券外務員は金融商品を取引するために必要な資格で、一種と二種の2種類があります。
ディーラーの求人は、一般的な求人サイトにはなかなか掲載されることがありません。一方、専門性の高い求人も豊富に取り扱う転職エージェントなら、希望にマッチしたディーラーの仕事を見つけることができる可能性が高まります。
転職エージェントは、単に転職先を紹介するだけでなく、専門のキャリアアドバイザーが転職における様々なサポートを行ってくれます。マイナビエージェントが扱っている求人情報のうち、サイト内でご覧いただける求人は一部となります。ご登録後あなたにあった求人をご紹介し、手厚いサポート体制で希望の転職を叶えるためのお手伝いたします。ディーラーとして活躍したいとお考えの際は、ぜひマイナビエージェントのご利用をご検討ください。
ここまで、証券会社のディーラーの業務内容や、ディーラーに向いている人の特徴についてお解説してきました。
ディーラーには、国内外の経済状況の確認など、常に最新の情報を収集することが大切であり、業務中には複数のモニターを使用し業務を進めていくため、集中力と判断力も不可欠です。そのため、目標に向けて向上心高く進めていける方や、常にアンテナを張り続け情報収集ができる方に向いています。
この記事を参考に、これまでのあなたの経験やスキルを踏まえた上で、ぜひ選択肢の一つとしてディーラーへの転職を考えてみてはいかがでしょうか。
金融業界
フィンテック業界で役立つ資格5選!資格勉強や選び方のポイントも解説
金融業界
フィンテック業界は未経験でも転職可能?求められるスキルと転職のコツを紹介
金融業界
銀行業界に将来性はある?銀行員として働くメリット・デメリットも解説