アクチュアリー
保険料率・支払保険金額の算定をはじめとする数理業務を担当する専門家。生命保険・損害保険・企業年金といった制度の運営を、数理的な側面から支えます。
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活かせる資格
アクチュアリー資格試験など
アクチュアリーとは、生命保険・損害保険・企業年金などの金融分野で、
保険料率・支払保険金額の算定をはじめとする数理業務を担当する専門職です。
ここでは、アクチュアリーの主な仕事内容や年収、キャリアパス、
転職するときに必要なスキルや資格などについてご紹介します。
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アクチュアリーとは?
アクチュアリーは、生命保険・損害保険・企業年金などの金融分野で、保険料率・支払保険金額の算定をはじめとする数理業務を担当する専門職です。
統計学や確率論といった非常に高度な知識・技術を駆使する専門職であるため人数が少なく、日本で正式にアクチュアリーを名乗ることができる日本アクチュアリー会正会員には、2020年3月末時点で1800名ほどしか認定されていません。
なお、アクチュアリーは日本語では多くの場合「保険数理士」と訳されますが、近年では保険・年金以外の分野にも進出し、企業の資産管理などに携わるケースも増えてきています。
アクチュアリーの仕事内容
アクチュアリー業務では、おもに生命保険・損害保険・企業年金といった制度の運営を、数理的な側面から支えます。医療・経済・自然災害などに関するさまざまな統計データをもとに保険料・支払保険金額の算定や企業の収支状況の評価、商品開発といった業務に携わるのが、現在に至るまで一貫してアクチュアリーの主要な仕事になっています。
とはいえ近年では、統計学・確率論の手法が社会のさまざまな場面で求められるようになったことで、従来の保険数理・年金数理業務だけでなく、企業のリスク管理や経営企画といった業務にも携わることが増えており、また活躍する業界自体も拡大してきています。
アクチュアリーのやりがい
金融業界は、業界全体が一般には馴染みの薄い世界ですので、程度の差はあれどの職種にも専門性が伴っていると言えます。しかし、アクチュアリーはその中でも特に人数が少ない、いわば専門職の中の専門職です。そのため重要な仕事を背負うことが多く、責任感は並大抵のものではありませんが、そのぶん、商品開発や経営状況分析などの場面で責務を全うできたときの達成感は他では味わえないものがあります。
また仕事の性格上、アクチュアリーになる人は学生時代の専攻が数学であるなど、もともと数理系の学問や技術に関心がある人が多いため、自分の得意分野・好きな分野で仕事ができるという点に魅力ややりがいを感じている人が少なくありません。
アクチュアリーに向いている人
アクチュアリーは数理系の専門職ですので、何よりもまず、数学をはじめとする学問・技術に関心があったり、そうした分野の作業が得意であったりする人が向いていると言えるでしょう。
しかし、日本アクチュアリー会の正会員になるためには通常数年かかると言われていますから、ただ関心があったり好きであったりするだけでなく、難関試験に合格するために継続的に努力できることも求められます。
また実際の業務では、ただ計算作業を行うだけでなく、さまざまな分野に関する統計データから的確に情報を読み取ることも必要ですので、日頃から政治や経済、ITなど幅広い分野に興味を持ってアンテナを張ることができる人は、アクチュアリーとして一層高い評価を受けることができるでしょう。
アクチュアリーに必要なスキル・資格
日本では、正式にアクチュアリーを名乗るためには、日本アクチュアリー会が実施する難関資格「アクチュアリー資格試験」に合格し、正会員として認定される必要があります。
正会員として認定されるためには、第1次試験で基礎科目5科目すべてに合格して準会員として認定されたうえで、さらに第2次試験で専門科目2科目を受験し、そのすべてに合格しなければなりません。
ただし、正会員でなければアクチュアリー業務自体を行うことができないということはなく、実際には多くの場合、企業でアクチュアリー業務を行いながら並行して勉強を進め、正会員認定をめざすことになります。とはいえ、全く無資格でアクチュアリー業務に携わることができるケースは少なく、やはり第1次試験の数科目に合格していたり、第1次試験すべてに合格して準会員として認定されていたりすることが求められる傾向にあります。
また、具体的な資格ではありませんが、アクチュアリーはじつはコミュニケーション能力が問われる職業でもあります。というのも、自分の計算や分析が何を意味しているのかを周囲にわかりやすく説明し、他部署と連携しながら商品開発などの業務を進めていく必要があるからです。
アクチュアリーの年収
アクチュアリーの年収は、企業や日本アクチュアリー会の会員資格などによって異なりますが、やはり難関資格が必要な専門職ということもあり、日本企業で正会員として勤務する場合なら1000万円を超えることが多く、正会員でない場合でも700万円程度と高い水準にあります。
また、外資系企業で勤務する場合はさらに数百万円以上年収が上がることが少なくありません。総じて、専門職にふさわしい報酬を得られる職業であると言えるでしょう。
アクチュアリーの就職/転職先・活躍の場
アクチュアリーの勤務先として代表的なのは、保険会社、信託銀行、官公庁などですが、そのほかにも監査法人やアクチュアリー系コンサルティング会社、また保険会社が加入する再保険会社などでも活躍の場があります。
またアクチュアリーは、企業の需要に対して供給人数が少ないため厚遇される傾向にあり、引き続き専門知識・技術を活かせる形でステップアップをめざすことができる職種です。特に収入の面で、外資系企業はよく注目されます。
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アクチュアリーのキャリアパス
アクチュアリーは資格取得に時間がかかる職種ですので、基本的にはこれまで身につけてきた専門知識・技術を活用できる分野でステップアップをめざすことになります。
ですが、先に述べたとおりアクチュアリーの活躍の場は広がってきていますので、コンサルタントとして保険会社の商品開発・経営管理に関わったり、監査法人で保険会社の外部監査を担当したりと、自分の専門性を発揮できる選択肢は少なくありません。
また、収入の面で言えばやはり、外資系企業への転職が有力な選択肢になるでしょう。しかしその場合、英語でコミュニケーションをとる能力が求められる点に注意が必要です。
アクチュアリーに転職する際の志望動機
アクチュアリーの場合、転職市場では実務経験のある人向けの求人が大多数を占めますが、その中でも大きくわけると、正会員を採用条件にしている場合と、準会員などでも採用される場合の2パターンがあります。
志望動機について述べる際には、まずいずれの場合にも、志望先の企業で携わる業務に強い関心を持っていることを強調すべきですが、実務経験のある人向けの求人である以上は、これまでの実績とむすびつけた説明を行って説得力をもたせる必要があるでしょう。
また後者のように準会員などでも採用される求人では、少しでも他の志望者と差をつけるためにも、今後もあくまで正会員をめざして勉強を続けるという意識を持ち、専門性への高いモチベーションがあることを述べるとよいでしょう。
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