プライベートバンカー
顧客一人一人に専属で付く「金庫番」。富裕層の資産の総合コンサルティングを行います。
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活かせる資格
プライベートバンカー資格など
顧客一人一人に専属で付き、「金庫番」として富裕層の資産の
総合コンサルティングを行うのが、プライベートバンカーです。
ここでは、プライベートバンカーの主な仕事内容や年収、キャリアパス、
転職するときに必要なスキルや資格などについてご紹介します。
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プライベートバンカーとは?
プライベートバンクとは、富裕層向けにまとまった金融資産の運用やその相続対策サービスを提供する金融機関です。一般的に預入資産1億円以上を条件とし、銀行、証券、信託、保険、不動産などトータルでの資産管理や運用を提案します。
そこで顧客一人一人に専属で付き、場合によっては一生、その一族の「金庫番」として富裕層の資産の総合コンサルティングを行うのが、プライベートバンカーということになります。
もともとプライベートバンクはスイス発祥であることから、欧米では富裕層のあらゆる悩みにワンストップで答えるサービスとして古くから定着しています。しかし最近では日本国内でも金融商品の多様化、業務規制の緩和などによって注目を集めており、日系・外資の金融機関(銀行、投資銀行、信託銀行)がプライベートバンキング業務に力を入れています。
また、リーマンショックや東日本大震災、新型コロナウイルスの大流行といった想定外の市場暴落や経済停滞などが立て続けに起こったことによって、富裕層の中でも「資産を守る」という意識が高まり、今後ますます注目されるサービスであると言えます。
プライベートバンカーの仕事内容
前述の通り、プライベートバンカーはある顧客1人の専属となり、長期的に顧客の資産の運用・管理などのあらゆる相談の窓口になります。そのため、1人当たりのバンカーが担当する顧客の数は他のバンカーと比較すると少なくなります。しかし、顧客1人あたりの取扱金額は高額となることが多く、その分強い信頼関係を築くことが求められます。
仕事の進め方としては、まず、新規の顧客に対しては、どういったニーズや課題があるのかの初期面談を行います。一口に富裕層といっても、保有資産の構成内容や運用・管理の仕方についてのニーズ・課題は千差万別です。そこで、バンカー側も詳細な調査をし、コミュニケーションを密に取りながら慎重にヒアリングを行います。このとき、顧客が抱える悩みはもちろんのこと、顧客自身も気づかず、顕在化もしていない課題やニーズをくみ取り、顧客の資産運用の目的や考え方を徹底的に理解することが重要となります。
その上で、豊富な金融知識に加え、自社の専門家集団からの意見を組み込みながら、法律や税制を考慮に入れたオーダーメイドの資産管理を提案します。その後無事に取引が開始したら、定期的に報告を兼ねた面談をし、提供しているサービスが顧客の目的や要望に合っているのか継続的に検証し、必要であれば修正を加えていきます。
また、顧客の心強いパートナーとして、顧客のあらゆる相談に乗るのもプライベートバンカーの果たす重要な役割です。その相談内容は、金融資産の管理に関する問題はもちろんのこと、事業再構築やグローバル化への対応などのビジネスの問題から、老後のライフプランや相続などの家族の問題まで、多岐にわたることが予想されます。そのような様々な相談に対し、あらゆる人脈、情報、サービスを使って解決を図ることも仕事の一つです。
プライベートバンカーのやりがい
プライベートバンカーは、顧客の専属担当者として、顧客の資産状況や運用についての考え方、悩みなどの顧客のデリケートな情報を扱う仕事ですので、深い信頼関係の上で成り立つ仕事です。そのため、顧客から資産運用を任せてもらったときには、自分自身の能力や人間性が評価されたという深い喜びを味わうことができます。
また、長期的に顧客を担当し信頼関係が築けていているからこそ顧客から相談されることも多く、身に付けた専門的な知識を活用し顧客の期待に応えたときには大きな達成感を得ることができます。また、普段の生活では関わることのない富裕層の人々との人脈が築けることも大きな特徴であり、これは一生の財産となります。
プライベートバンカーに向いている人
プライベートバンカーは顧客の資産運用のすべてを任される立場になります。そのために、資産運用に関して一人で適切な提案を行えるような、金融・法律・税制・不動産などに関する膨大な知識が必要となります。
さらに、それらの情報は刻一刻と変化するため、常に勉強など自分自身の知識を深めるために努力し続けることが苦ではない人が向いていると言えます。
また、このような個人の能力の高さは大前提として、それ以上にプライベートバンカーとして顧客との信頼関係を築くことのできる人間力を持っている必要があります。そのため、顧客の話から求めるものを正確に把握する力や、顧客の期待に誠心誠意応える責任感などが備わっており、顧客とのコミュニケーションが上手く取れる人が向いていると言えます。
プライベートバンカーに必要なスキル・資格
プライベートバンカーになるために絶対に必要な資格はありません。しかしながら、顧客の資産運用にたった一人で対応するという仕事上、政治・経済・社会などに関する幅広い知識を持っている必要があります。
また、日本国内では日本アナリスト協会が運営している「プライベートバンカー(PB)資格」の資格を有していることが転職やキャリアアップに有利に働きます。PB資格は、富裕層営業実務に直結する内容を学習できる上に、レベルも3段階設けられているので取り組みやすくなっています。加えて一度試験に合格すると日本証券アナリスト協会に登録され、PB資格保有者リストとして名前が公表されます。顧客が信頼できる情報源から、自分が勉強熱心だと認識できることは信頼の醸成に有利に働くでしょう。
プライベートバンカーの年収
マイナビエージェントの調査では、プライベートバンカーの年収に関する実際のデータはありません。しかしながら、前述の通り、金融業界の中でも最高峰の専門的な知識を必要とする職業であるため、アナリストやエコノミストの平均年収824万円が参考となります。また、外資系の企業に勤めることになれば、実力さえあればさらに高い年収を目指すことも可能です。
プライベートバンカーの就職/転職先・活躍の場
プライベートバンカーになる場合、就職先として、プライベートバンク専門の金融機関かプライベートバンク部門のある金融機関への入社を目指すこととなります。また、日本の企業で転職やキャリアアップを考えている際は、前述の「プライベートバンカー(PB)資格」を持っていることが大きな加点要素となります。
一方、顧客の資産管理を長期間に渡りサポートするという仕事の特性上、他の仕事へ転職する人はあまり多くありません。転職する際にはプライベートバンカーとして独立をしたり、その知識を活かして他の金融機関に転職したりするケースがあります。
特集コンテンツ
プライベートバンカーのキャリアパス
プライベートバンカーは、顧客の資産管理の一生涯のパートナーとして、長期的にサポートをする仕事です。そのため、基本的には企業間での転職を何度も繰り返すというよりは、同じ会社でキャリアアップを目指すのが一般的です。
そのために、より難易度の高いPB資格を取得したり、より信頼を得るために会計士の資格を取得したりする人もいるようです。また少数ではありますが、プライベートバンカーとして独立し仕事を行う人もいるようです。
プライベートバンカーに転職する際の志望動機
プライベートバンキングを行う金融機関への転職をめざす際は、まずはなぜ一般のバンカーではなくプライベートバンカーを選ぶのかという点を明確に説明できるようになっていることが当然必要です。
前述の通り、一般のバンカーと比較してプライベートバンカーには主に①一人で長期的に顧客の資産管理を担当すること②資産運用の相談に限らず、あらゆる分野の相談に対応する必要があることなどに特徴があります。そのため、この2点を念頭に置きつつ、なぜプライベートバンカーになりたいのか、自分のキャリアやスキルを交えながら語れるようになるとよいでしょう。
また、個人の深い専門知識とともに顧客に寄り添う人間力も求められる仕事です。そのため志望動機を書く際には、ただ自分のスキルの高さをアピールするのではなく、その能力を活かして顧客といかに向き合おうと考えているのかという点も忘れずに述べるようにしましょう。
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