更新日:2024/03/07
この記事のまとめ
履歴書には、これまでの職歴をすべて記入する必要があります。その際、退職理由を書くべきかどうか悩む方も多いのではないでしょうか。特に、ネガティブな理由で会社を辞めている場合、どのように伝えたらよいか分からない方もいるでしょう。
この記事では、履歴書の退職理由の書き方や記入時の注意点についてご紹介します。ケース別の例文やよくある質問もまとめましたので、退職理由の書き方で悩んでいる方はぜひご一読ください。
目次
履歴書に退職理由を記入するかどうかは、応募者の自由です。必ず書かなければいけないという決まりはありませんが、「なぜ会社を辞めたのか」を伝えたほうがよい場合もあります。まずは、退職理由を記入するケース・記入しなくても問題のないケースについて確認していきましょう。
過去に退職した会社を職歴として書く際は退職理由を記入します。退職の理由が自己都合の場合は「一身上の都合により退職」、会社側からの申し出の場合は「会社都合により退職」と記入しましょう。
転職回数が多いなど、採用担当者へマイナスの印象を与えかねないときには、詳細を補足しても構いません。「海外移住により退職」「他業界へ挑戦するため退職」などと記入すると、離職に至った背景を理解してもらいやすくなります。
これまでに退職の経験がない方は、職歴欄に退職理由は書きません。新卒で入社した企業に現在も勤めているケースがこのパターンに当てはまるでしょう。また在職中の方は職歴欄の最後に「在職中」または「現在に至る」と記載し、退社日が決まっている場合は「在職中(退職予定日:2023年4月1日)」といったように退職予定日を記載します。
職務経歴書は基本的に退職理由を書かなくても問題ないため、退職した理由がネガティブなものであればなおさら記入を避けるのが賢明です。しかし、退職理由を書くことがプラスに働くのであれば、採用担当者へアピールするために記載しましょう。内容に合わせて必要性を判断することが大切です。
履歴書では、離職に至った経緯を詳細に説明する必要はありません。退職理由には決められた言い回しがあるため、状況に合わせて定型文を記入しましょう。ここでは、ケースごとの退職理由の書き方を解説します。退職理由をどのように伝えればよいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
会社を辞める理由として多いのが、自己都合によるものです。自己都合とは、個人的な事情により退職を申し出たケースを指します。結婚や出産などのライフイベント、夫や妻の転勤、育児や介護、社内の人間関係トラブルなども自己都合による退職理由のひとつです。
「経験を積むため」といった向上心を持った理由での退職も自己都合に該当します。自己都合で会社を辞めた方は「一身上の都合により退職」と書きましょう。ただし結婚や介護など、やむを得ない事情は書いてもマイナスにならないため「結婚に伴い退職」「親の介護に伴い退職」と記載するとよいでしょう。
期間の定めがある雇用の契約終了により会社を辞めた場合は、職歴欄に退職年月と「契約期間満了につき退職」と記入します。契約社員や派遣社員、期間社員や臨時社員などがこのケースに当てはまるでしょう。
契約期間中に何らかの理由で自ら退職を願い出たときは、自己都合に該当します。その場合は期間満了とは記入せず、「一身上の都合により退職」と書きましょう。
会社側の都合によって離職に至ったときには、「会社都合により退職」と記入します。たとえば経営不振や倒産などの理由で解雇・リストラされた方はこのケースに当てはまるでしょう。
企業側の一方的な意思表示によって労働契約が終了したわけではなくても、会社都合に含まれるケースもあります。退職勧奨のように会社側からの働きかけで退職した方や、早期退職に応募した方は、「会社都合の退職」と記入しても問題ありません。
退職理由は必須項目ではありませんが、記入しないと採用担当者に誤解を与えてしまうこともあります。離職に至った理由を述べるだけで印象がガラリと変わることもあるため、状況に合わせて記入の有無を判断するのが賢明です。
ここでは、退職理由を書いたほうがよいケースを4つご紹介します。記入すべきか迷ったときには、参考にしてみてください。
転職回数の多さは、採用担当者にネガティブな印象を与える恐れがあります。「入社してもすぐに辞めてしまうのではないか」と思われないためにも、これまでの退職理由を記入したほうがよいでしょう。
その際、「一身上の都合」と書くだけではマイナスイメージの払拭は難しいといえます。「親の介護のため退職」「スキルアップのため退職」など、採用担当者が納得する理由を簡潔に記入しましょう。
退職してから就職するまでの期間が空いている場合も退職理由を記入しましょう。長期にわたって離職していたにもかかわらず退職理由が述べられていなければ、「この期間はどう過ごしていたのだろう」と採用担当者は疑問を抱きます。
前職を辞めてから現在までの空白期間が長いと、「社会復帰が難しいのではないか」と思われかねません。選考を有利に進めるためにも、どのような事情があったのかを簡潔に伝え、ネガティブな印象を消し去りましょう。
短期間での転職を繰り返している、またはあまりにも短い期間で前職を退職している場合、「この応募者は何か問題を抱えているのではないか」と採用担当者が懸念を抱くこともあります。
「一身上の都合」と記入しただけでは、短期間での退職に対するマイナスイメージを拭えません。具体的な退職理由で補足し、印象を悪化させないようにしましょう。退職理由はできるだけポジティブな内容に変換するとイメージアップにつながります。
「営業職」から「エンジニア」、「美容師」から「事務職」といったように、業種や職種の異なる職歴を持つ方はなぜ異業種へキャリアチェンジしたのかその理由をしっかりと記入するのがよいでしょう。
キャリアの一貫性のなさはマイナスポイントになりかねません。「何を目指しているのだろう」と採用担当者から疑問を持たれることもあるため、退職理由を通して自分の考えを伝えましょう。目標が明確であり、そこへ向かうための転職であるならば、その旨を自己PR欄や職務経歴書で補足するのもひとつの手です。
退職理由の書き方によって、応募者の印象は大きく変わります。選考を有利に進めるためにも、相手へ伝わりやすく、なおかつ好印象を持ってもらえるような退職理由を記入することが大切です。ここでは、退職理由を書く際のポイントを3つご紹介します。
退職理由によって応募者の印象は大きく変わるため、できるだけ選考に有利な内容にしたいと考える方も多いのではないでしょうか。そこで注意したいのが、うその退職理由を記入することです。
解雇されてしまったのに「一身上の都合」と記入したり、自己都合で会社を辞めたのに「会社都合」と書いたりすると、経歴詐称となります。一見すると選考に不利と思える退職理由であっても、伝え方しだいでプラスの印象を与えられるため、事実を書くようにしましょう。
離職歴がある方の中には、「スキルアップができない」「仕事がきつい」などの不満があって会社を辞めた方もいるでしょう。ネガティブな理由での退職の場合、職務経歴書にありのままを記載するのは避けるのが無難。なぜなら、単なる愚痴や不満だと捉えられる可能性が高いからです。
たとえば「職場環境が悪い」といった理由であれば、「知識を活かして新たな環境で活躍したい」と変換できます。仕事が大変で嫌になったケースでは、「ほかの分野に挑戦してみたい」と伝えられます。このように、退職理由はネガティブからポジティブなものに変換できるため、好印象を与えられる伝え方を考えてみましょう。
職歴欄だけでは退職理由をうまく伝えられない場合は、備考欄を使用するのもひとつの手です。「転職回数が多い」「短期間で職を変えている」「前職からの空白期間が長い」などの理由は、採用担当者の不安材料になることも。
やむを得ない理由や特別な事情、経験を積むための転職であれば、背景を伝えることでマイナスイメージを拭えます。文字数が多くなってしまい、職歴欄に背景を書ききれないときには、備考欄を活用しましょう。
企業側は長期的に働いてくれる人材を雇いたいと考えています。そのためこれまでの退職理由は注目されやすく、内容によっては採用の可否に影響するため注意が必要です。ここでは、企業が退職理由のどのような点に注目しているか解説します。
退職理由を聞くことで、採用担当者は応募者の仕事への意欲を確認します。退職理由は「人間関係に問題があった」「給与が低い」「社風が合わない」といったネガティブなものが多い傾向にありますが、それらをそのまま伝えてしまえば印象は悪くなるでしょう。
大事なのは退職理由を前向きに捉えているかどうかです。「給与が低い」ではなく「評価される仕事がしたい」と考え方を変えれば仕事への意欲をアピールできます。
採用担当者は、退職理由からあなたが責任を持って仕事を進められる人物かどうかを見ています。たとえば「給与が低かった」と伝えれば「自分が努力しなかったせいでは」と思われるかもしれません。このように「退職理由が軽い」「人や環境のせいにしている」といった場合は、責任感がない人物と評価される恐れがあるため注意しましょう。
退職理由が自社でも起こり得る内容だった場合、採用担当者は応募者を採用するかどうか悩んでしまうでしょう。「残業が多かった」「上司と合わなかった」といった前職の不平不満ばかりを述べると、同じような理由で退職するのではないかと思われます。仕事に対し何らかの不満があっても、それを退職理由としてストレートに伝えないことが大事です。
退職理由は基本的に、決められた定型文を記入しても問題ありません。しかし、書類の形式によっては具体的な理由を求められることも。ここでは、退職理由に関するよくある質問をまとめました。それぞれの理由に合った書き方も紹介しますので、採用担当者に好印象を与えられるようぜひチェックしてみてください。
「一身上の都合により退職」と記入して構いません。「病気治療のため退職」と書く方法もありますが、その場合は現在の体調や病状にも触れる必要があります。「病気療養のため退職」(現在は完治しており、勤務には支障ありません)といったように記載すると、現在は問題なく働けることをアピールできるでしょう。
「一身上の都合により退職」と記入するのが望ましいでしょう。「給与に不満があり退職」などと書いてしまうと愚痴と思われ、マイナスの印象を持たれることもあります。前向きな理由を伝えたいのであれば、「成果を重視する環境に身を置きたいため」などと言い換えるのがおすすめです。
「チームワークを活かした働き方がしたいため」など、前向きな理由への変換をおすすめします。「人間関係が悪化したため」といったストレートな理由を記入するのは避けましょう。「人間関係」「コミュニケーション」といったワードには触れず、「キャリアアップのため」「経験を積むため」というように次の職場で取り組みたいことについて書くのもひとつの方法です。
面接で一身上の都合とは何か聞かれても、基本的には答える必要はありません。しかし、企業側の本音としても一身上の都合とは何か気になるもの。頑なに答えないと不信感を抱かれることもあります。万が一聞かれたときのために、退職理由をポジティブな表現に言い換えて説明できるようにしておくとよいでしょう。
履歴書には、職歴欄のほかに「退職理由欄」が設けられている場合があります。退職理由欄には志望動機と一貫性を持たせる内容を記載しましょう。志望動機は、「自分がなぜこの企業を選んだのか」という理由を採用担当者に納得してもらうためのものでもあります。
自分が活躍できる人材であるとアピールするだけでは、採用担当者を納得させられません。「なぜ前職を離れたのか」「企業のどこに惹かれたのか」「自分のスキルや経験をどう活かせるのか」筋道を立てて説明することが大切です。ここで退職理由が抜けてしまうと、採用担当者を納得させるのは難しいといえます。
退職理由の内容によって志望動機の納得感は大きく変わるため、一貫性を持たせることを意識しながら記入しましょう。
退職理由の書き方ひとつで、応募者の印象はよくも悪くも変化します。たとえネガティブな理由で会社を辞めても、うまく伝えることで採用担当者へポジティブな印象を与えられるでしょう。
自分ひとりで魅力的な履歴書を作成するのが難しいと感じる方は、転職エージェントを頼るのもひとつの手です。マイナビエージェントでは求人紹介だけでなく応募書類の添削サービスも行っています。退職理由の書き方についてキャリアアドバイザーからアドバイスを受けられるので、好印象を与える履歴書を作成したい方は積極的に利用してみてください。
履歴書に退職理由を書くことは必須ではなく、応募者が自由に判断できます。しかし、退職している会社を職歴欄に書く場合や、採用担当者へネガティブな印象を与えそうな場合には、退職理由を明記したほうがよいでしょう。退職理由の伝え方で迷っている方は、転職エージェントを利用してみるのもひとつの方法です。
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