更新日:2023/07/27
何かを決断するとき、「他の人はどうか」を知ろうとすることは悪いことではありません。転職は人生の大きな転換点。当然、迷いもあります。他の人が何をきっかけにして転職を決意したのかは気になりますし、そのきっかけを自分の決断の参考にしたいと思うのは自然なことといえます。
ここでは、多くの人が転職を決めたきっかけと、転職すべきかどうか迷ったときの解決方法をご紹介します。
目次
転職を意識するきっかけは、大きく8つに分けることができます。これらのうちのどれかひとつ、あるいはいくつかが複合したときに、人は転職を意識することが多くなります。
単純に給与が低い、給与が上がらないというケースもあれば、自分よりも仕事ができないと思われる従業員が高い給与をもらっていて納得できないというケースもあります。
また、給与が低い場合も、「任されている仕事に対して得られる給与が低い」という場合と、「単純に最低賃金ぎりぎり程度しかもらえていなくて生活が苦しい」という場合があります。どちらも転職のきっかけになりうるものだといえるでしょう。
近年、ワークライフバランスを重視する方が増えてきています。あまりにも長時間の労働は、心身の健康に良くありません。仕事とプライベートの時間をきっちり分けて、効率良く仕事をするのが、今の時代に即した働き方だといえます。
ところが、企業の中には、いまだ長時間の労働が当たり前になっているところが少なくありません。プライベートの時間を確保できなかったり、そもそも体調を崩すおそれがあったりするような場合は、転職を意識することになるでしょう。
企業というのは、同じ目的を持って業務を行っていく組織です。友達や家族ではありませんから、それぞれが適切な距離を保ち、敬意と礼儀を持って接するのが理想だといえます。
ところが、人が集まればどうしても軋轢が生まれることもあります。円満な人間関係を築こうと思っていても、相手がそうとは限りません。
パワハラや嫌がらせといった明らかな問題だけでなく、同僚との仕事に関する考え方が合わない、距離感が異なる相手とどう付き合っていいかわからないといった問題が起こりえます。
また、同じ職場の方は、毎日顔を合わせる身近な存在です。その中にどうしても合わない方がいるというのは、強いストレスにつながります。
転職をすれば、苦手な方とも顔を合わせなくて済みますから、転職したいと感じるきっかけになります。とはいえ、部署異動などで対処できるのであれば、転職ではなく人事に相談して対処するといった方法もとれるでしょう。
どうせ仕事をするのであれば、意欲的に取り組みたいものです。しかし、仕事をしていく中で、「ルーティンワークがつまらない」「無理矢理顧客に物を売り付けるような仕事をしたくない」など、仕事そのものに嫌気がさしてしまうこともあります。
このような問題を解決するのは難しいことです。仕事の良いところを見つけてポジティブに取り組めるようになればいいものの、そうでない場合は、やりがいを感じられる別の仕事を探すことになるでしょう。
自分自身の考えと企業の経営方針やビジョンが、マッチしていないケースもあります。
経営方針は、企業に入社する前に確認しておくべきポイントです。しかし、実際に入ってみたところ、思っていたのとは違っていたということもあるでしょう。また、経営陣が代わることで、企業の方針が転換されることもあります。
そもそも、企業の風土と合わないこともあります。社員旅行といったイベントが苦痛、飲み会が多いなど、企業が良かれと思ってやっていることが自分自身の考え方と合わない場合、企業の目指す方向性と自分の希望する働き方がマッチしていない可能性が高いといえます。
企業が大きく成長すれば、それとともに従業員も成長していくことができます。
しかし、企業の業績が悪くなれば、福利厚生制度が廃止されたり、賞与が減額されたりと、待遇は悪化していきます。企業の存続自体が危ぶまれるおそれもあるでしょう。
仕事は自分の生活基盤を支えてくれるものでもありますから、業績が悪化している企業や、後継者が育っておらず、将来は廃業かM&Aか...というような企業では、安心して勤め続けることができません。
これまでにご紹介した転職のきっかけは、全て現状に対する不満や問題点についてでした。しかし、転職を意識するきっかけは、ネガティブなものばかりではありません。
たとえば、ヘッドハンティングで今よりも責任のある仕事ができるポジションを提示された場合や、より専門的なスキルを身に付けられる企業への転職を考える場合などがあたります。
ひとつの企業に長く勤めてスペシャリストを目指すのも、ひとつのキャリア形成の在り方です。しかし、複数の企業を経験してキャリアアップをしていくというキャリアの築き方もあります。
自分の志望する業界や職務内容に応じて、キャリアプランを立てましょう。
プライベートな事情が転職のきっかけになるケースもあります。
「遠方に暮らす家族が要介護になってしまい、面倒を見なければいけない」「結婚して引越しをすることになった」「病気になって現職を続けるのが難しい」といったケースがあります。
「個人的な理由で転職を考えているが、現職には満足している」というときは、仕事を変えずに問題を解決する方法がないかどうか、十分に検討してから結論を出しましょう。信頼できる第三者や上司などに、働き方を相談してみてください。
転職のきっかけというと「現職への不満」というネガティブなイメージがありますが、前述したように「やりたい仕事が見つかった」「スキルアップやキャリアアップのため」などの理由もあり、必ずしもネガティブなものとは限りません。
また、「給与の低さが不満」という理由だとしても、「自分の実力を発揮する機会が欲しい」「成果を上げ、正当に評価されたい」ということにも言い換えられます。このように、退職理由は言い方ひとつで印象が変わります。面接で転職のきっかけを聞かれた場合は、意識して答えたほうが良いでしょう。
価値観は人それぞれなので、他人にとっての転職の決め手が自分にあてはまるとは限りません。あくまで、参考程度にとどめておきましょう。
それでは、転職すべきかどうか迷ったときは、どうやって決めるのが良いのでしょうか。最もおすすめの方法は、転職によって何を叶えたいのかを検討してみることです。
自分の希望が完璧に叶えられている状態では、誰も転職したいとは思いません。転職を考える以上、自分は何を解決したいのか、つまりは現状でどんな問題があるのかをリストアップしましょう。
現状では叶っていないことが出揃ったら、転職市場での自身が評価される想定値や他の会社の状況なども参考にしつつ、本当に転職がベストな解決方法なのかを考えてみます。
例えば、上司との人間関係が問題なら、配置換えを希望したり、さらに上の上司に頼んだりすることで解決できる可能性もあります。しかし、配置換えや上司の介入が望めず、過度なストレスから体に異常が出ているような状態なら、早めに転職したほうが良いかもしれません。
一方、給与や待遇面に不満があっても、他の会社とほぼ同等の水準であるなら、転職しても希望が叶えられる可能性は低く、リスクを冒してまで転職するメリットはありません。しかし、同じような業種、年齢、スキルの求人を調べてみて、自分の給与は明らかに低いということであれば、転職により待遇を改善できる見込みは十分にあります。
転職をすることで解決しやすいことがいくつかあります。一方で、必ずしも解決するとは限らないことも存在します。それぞれ、代表的なことをご紹介しますので、転職を検討する際の参考にしてください。
会社の社員構成や制度、社風、将来性といったものが不満の原因になっている場合、個人の努力や工夫では解決するのが難しいため、転職したほうが効果的である場合が多いです。
また、他にやりたい仕事ができて、どうしても挑戦したいという場合、社内でその仕事に就ける可能性がないのなら、転職が唯一の解決策になります。
人間関係は、転職が解決策になる場合もありますが、どんな職場にも1人は反りが合わない人がいるものです。転職さえすれば問題が解決されるという保証はないので、慎重に考える必要があります。
また、やりがいのなさや給与、待遇に不満を持っている場合、「どうなりたいのか」を突き詰めずに転職を決めてしまうと、新しい職場でも結局やりがいを感じられなかったり、さらに状況が悪化したりということが起こりがちです。転職をする際は、しっかり自己分析をするようにしましょう。
転職しようと考えた場合、いつが転職に適したタイミングなのでしょうか。転職に適したタイミングについて、詳しくご紹介していきます。
仕事のスキルアップにつながる資格を習得したときは、転職に適しているといえます。
資格があると転職先での年収アップにつながりやすく、転職活動を有利に進められます。
資格そのものだけでなく、在職中にコツコツと努力したことや、スキルアップをしようという前向きな姿勢といった、取得までの過程を評価される可能性も高いでしょう。
また、転職しようとしているのが未経験の業界の場合、業務で役立つ資格を持っているとアピールポイントになります。
結婚や育児、介護など、自分の生活に大きな変化があったときも転職のタイミングです。
現職では育児休暇が取れない、介護への理解が薄く時短勤務が難しいなど、制度が整っていない場合は仕事を続けることが困難です。仕事より家族を優先したいと考えた場合は、転職をするタイミングといえるでしょう。
譲れない条件が固まっていて、業界研究や自己分析も終わっている状態で理想的な求人が見かったら、転職するタイミングです。
自己PRや志望動機は、応募企業に合わせて作成する必要がありますが、それ以外の部分はあらかじめまとめておきましょう。そうすれば、気になる会社が見つかったら、すぐに応募できます。
今の職場に不満がある場合、転職しても「逃げの転職」になってしまう可能性が高く、転職先でも同じことで悩むことになるかもしれません。
まずは現職で、不満の解決を図ってください。それでも、結果として何も変わらなかった場合は、転職してもいいかもしれません。できることをやりきってからの転職であれば、今の職場に対しての後悔や未練がなくなり、スッキリした気持ちで転職活動に臨めるでしょう。そうした意味では、この場合も転職するタイミングといえるでしょう。
最近は、通年採用を行う企業が多いため、転職に有利な時期は明確ではありません。しかし、4月と10月は人事異動が多くなり、この時期の入社を想定した2月と3月、8月と9月は、比較的求人数が多くなります。この時期は、積極的に転職活動を進めてもいい時期といえるかもしれません。
その他の時期でも、掘り出しものの求人に出会える可能性がありますので、求人はこまめにチェックしてください。
ここまで、転職のきっかけはどういうものがあるのか、また、転職すべきかどうか迷った場合の解決方法、転職に適したタイミングなどについてご紹介してきました。前述したように、転職は大きな決断です。自分ではなかなか決められないという人もいるのではないでしょうか。
一人では判断するのが難しいのであれば、マイナビエージェントにご相談ください。キャリアアドバイザーは、これまで多くの人をサポートしてきた転職のプロですから、転職をするか・しないかを含めて、あなたが決断をするお手伝いをさせていただきます。
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