更新日:2023/11/14
この記事のまとめ
30代になると今後のキャリアへの不安や現職の働き方への不満などから転職を検討することがあるでしょう。特に女性の場合は出産や子育てといったライフステージの変化によって長期的に仕事を休み、別の仕事へ復帰するケースも珍しくありません。
転職理由は人それぞれですが、転職活動をスムーズに進めるためには「自分がなぜ転職するのか」を明確にすることが大切です。自分の転職理由が言語化できない場合は、自分以外の女性がどのような理由で転職をしているのかを知っておくとよいでしょう。
この記事では、30代女性が転職を考える理由を紹介します。また、転職先選びのポイントや面接時の転職理由の伝え方についても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
転職を成功させるには、まず転職理由を明確にすることが大切です。転職理由が曖昧なまま転職活動を始めると、何を軸に転職先を選べばよいのかが分からなくなり、入社後のミスマッチにつながる可能性があるためです。ここでは、マイナビが行った「転職動向調査 2022年版」の結果をもとに、30代女性が転職活動を始めた理由について紹介します。
マイナビが行った「転職動向調査2022年版」によると、30代女性が転職活動を始めた理由で多いものは以下の10個です。
「転職活動を始めた理由」の複数回答では、20代と40代の女性が「職場の人間関係」を多く選んでいたのに対し、30代女性は「仕事内容への不満」が多い結果となりました。
単一回答では、20代から40代まで共通して「職場の人間関係への不満」が最も多い結果となっています。職場の人間関係を変えるのは難しいため、転職して職場環境を一新したいと考える方が多いことが分かります。
30代男性の場合、複数回答では「給与が低かった」が最も多く、続いて「仕事内容」「人間関係」といった結果になっています。単一回答も同様に「給与が低かった」が最も多い結果でした。30代の女性は複数回答で「仕事内容への不満」、単一回答で「職場の人間関係」といった結果となっています。同じ30代でも、女性よりも男性のほうが給与面を気にしての転職が多いと分析できます。
ここからは、厚生労働省が行った「令和3年雇用動向調査結果の概況」の結果をもとに30代女性が前職を辞めた理由を紹介します。いったいどのような理由で辞職した方が多いのか、自身の状況と照らし合わせながら読み進めていくことをおすすめします。
厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、30歳〜34歳の女性が前職を辞めた理由で多いのは「労働時間・休日などの労働条件が悪かった」という回答です(「その他の個人的な理由」を除く)。結婚や育児といったライフイベントと仕事を両立するにあたり、現状の働き方に不安を感じたり、フレキシブルな働き方をしたいと考えたりする方が多いのでしょう。
労働条件の改善を求めて転職をする場合は、柔軟な働き方ができる職場環境であるかどうかを事前に確認しておくことで転職後のミスマッチを防げます。
「現職で成長できないのではないか」「今後のキャリア形成のために、さらにスキルを磨きたい」と考えて転職活動を始める女性は多い傾向にあります。
一方、職場の人間関係に不満を持つ女性も少なくありません。実際、厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、35歳〜39歳の女性が前職を辞めた理由で最も多かったのは「職場の人間関係が好ましくなかった」という回答でした(「その他の個人的理由」を除く)。
職場の人間関係を改善するのは難しいため、転職して環境を変えたほうが早いということでしょう。しかし、新しい環境になれば一から人間関係を形成しなくてはなりません。給与や待遇、働き方などが変化することに不安を抱くこともあるでしょう。キャリアアップを望んでいても、実際に転職へ踏み切るのは難しいといえます。
厚生労働省の『令和3年雇用動向調査結果の概況』をひもとくと、30代前半と後半の女性とでは転職理由に違いがあることが分かります。30代前半の女性の転職理由で多いのは以下の5つです(「その他の個人的な理由」を除く)。
一方、30代後半の女性の転職理由で多いのは以下の5つです(「その他の個人的理由」を除く)。
転職理由として「能力・個性・資格を活かせなかった」と挙げた方の数は30代前半と後半とで大きく差があり、30代後半の女性のほうが多いことが分かります。また、「結婚」を転職理由として挙げた方の割合は30代後半よりも30代前半の女性のほうが多いという結果が出ています。
仕事は生きていくうえで必要なことであり、一生の中でも働いている時間は大きな割合を占めます。自分に合った仕事・職場を選ぶことで、人生にも大きな充実感が得られるでしょう。とはいえ、自分に合った転職先選びは難しいものです。ここでは、30代女性が理想の職場に出合うために押さえておきたい転職先選びのポイントを4つ紹介します。
基本的に転職では即戦力が求められ、特に30代の選考では応募者のスキルや経験が重視されます。20代であれば未経験の業界・職種であっても将来性を見込まれてポテンシャル採用が狙えますが、年齢が上がるほど未経験での転職は難しくなるのが現状です。
スムーズに転職先を決めたいのであれば、これまでに培ってきた能力を活かせる同業種・同職種への転職がおすすめです。また、同職種ではなくても、前職と業務内容に共通点がある職種を選ぶと選考時にアピールしやすいでしょう。とはいえ、未経験の業界・職種への転職が不可能なわけではありません。やりたい仕事がある場合は挑戦してみるとよいでしょう。
転職先を決める際に給与や待遇、通勤時間などの条件は重要です。しかし、理想をすべて叶えられる職場は見つかりにくく、時間がかかってしまううえに選択肢を狭めてしまう恐れもあります。転職をスムーズに進めるためにも、譲れない条件と妥協できる条件を決めておくとよいでしょう。たとえば「通勤時間が30分以内であれば、残業はある程度気にしない」「土・日・祝日が休みであれば、年収はそれほど気にしない」などです。
転職後のミスマッチを防ぐためには、ワークライフバランスにも目を向ける意識が大切です。特に女性は出産や育児で仕事を休まなければいけない場合もあるため、ライフステージの変化を踏まえたキャリアプランを練りましょう。
具体的なキャリアプランを考えるためには自己分析が必須です。自分が大事にしていることや得意なこと、苦手なことなどを棚卸ししたうえで、5年後、10年後、20年後に目指したいキャリアを考えましょう。
職場の人間関係や給与など、転職すればすぐに解決できる問題もあるでしょう。しかし、転職するのは簡単ではありません。また、新しい環境に慣れるまでには時間がかかるほか、転職してから「前の職場のほうがよかった」と後悔する可能性もあります。
転職理由は人によってさまざまですが、一度冷静になって上司や同僚、人事部などに相談してみるのもおすすめです。場合によってはすぐに問題が解決でき、転職しなくても済む可能性があります。
転職では、志望先企業がどのような人材を求めているのかを知っておくことが大切です。志望先企業が求めるスキル水準に達していない場合、採用されるのは難しいでしょう。転職をスムーズに進めるためにも、ある程度スキルを身につけてから転職活動を始めるのもおすすめです。ここでは、30代女性の転職に役立つスキルを3つ紹介します。
専門性の高いスキルを身につけることで、転職を有利に進められます。専門性の高さを証明するためにおすすめの方法は、資格を取得することです。転職で評価されやすい資格には以下が挙げられます。
難易度の低い資格はそこまでアピールにならないため注意しましょう。難関資格はすぐに取得できるものではありませんが、資格は勉強中であっても履歴書に記載できるため、転職活動を進めながら難関資格の取得を目指すのもよいでしょう。
転職では基本的に即戦力となる人材が求められます。前職での実績や経験が採用可否に大きく影響するため、異業種・異業界への転職は簡単ではありません。しかし、以下のような汎用的スキルがあれば、未経験の業種・職種でも柔軟に対応できるでしょう。
上記のスキルは資格や実績のように数値化や見える化できるものではありません。過去の仕事を振り返り、「どのように仕事をこなしてきたか」といったエピソードを交えて上記のスキルをアピールするとよいでしょう。
AIの発展により、ルーティン作業や事務処理といった一部の仕事がAIに代替されるようになってきました。10年後や20年後、AIはさらに進歩していくことが予想されるため、AIやロボットに代替されないスキルを身につけることが重要です。
AIやロボットが担当できるのは主に「作業」であって、コミュニケーションやクリエイティブな部分は現状では対応が難しいといわれています。40代や50代になっても働き続けるために必要なスキルを磨き続けましょう。
面接では応募者の入社意欲や自社とのマッチ度、人柄などを図るために転職理由を聞かれることがあります。転職理由がネガティブであったり、どの企業でも通じるような内容だったりする場合は採用担当者にマイナスな印象を与えかねないので注意が必要です。ここでは、30代女性が転職理由を伝えるときのポイントについて詳しく解説します。
転職理由が「人間関係の不満」であったとしても、それをストレートに伝えるのはNGです。「上司が苦手だったため転職した」「同僚と合わなかった」などと伝えてしまうと、採用担当者に「採用しても同じ理由で退職するのでは」「応募者の人間性にも問題があるのでは」と思われてしまいます。
人間関係に不満があった場合は「チームワークを重んじる会社で働きたいと思い転職した」「自分のコミュニケーションスキルを活かせる仕事がしたかった」といったように、ポジティブな理由に変換して伝えましょう。
給与や待遇の不満が転職理由である場合も同様に、ネガティブな内容のまま伝えるとマイナスな印象を与えてしまいかねません。たとえば「いくら頑張っても評価されない」といった場合は、「頑張りが評価される会社へ転職したい」と言い換えられます。また「評価制度が明確な会社へ転職したい」「インセンティブのある会社へ転職したい」と言い換えるのもおすすめです。
「待遇を転職理由にするのは気が引ける」と思う方もいるでしょう。しかし、正直に話すことでよいイメージを与えられ、入社後のミスマッチを防止するのにも役立ちます。面接は企業側が応募者の採用可否を判断する場であるとともに、応募者側にとっても志望先企業で働いていけるかを判断する場ともいえます。
転職理由が結婚や出産といったライフイベントの場合、正直に話したほうがよいでしょう。出産・育児のために働いていた職場を退職し、育児が落ち着いた際に別の職場に転職するケースは少なくありません。ただし、会社によっては「再び退職する可能性があるのでは」と不安視されてしまう場合もあるでしょう。
選考では「長期的に働く意思がある」「家族のサポート体制が整っている」など面接官が抱きかねない懸念材料を先回りして払拭することが大切です。たとえば「子育てが落ち着き、本腰を入れて働きたいと思っている」「家族が協力して子育てや家事をサポートしてくれ、仕事への復帰を応援してくれている」などと伝えるとよいでしょう。
「残業が多い」「割り当てられた仕事量が多かった」「休日出勤が多かった」など、労働環境への不満が転職理由の場合、そのまま伝えると「条件で自社を選んだのか」と思われてしまいます。また、労働環境への不満は仕事への意欲が低いと受け取られかねません。
「残業が多いから転職した」ではなく、「残業が多いため成長する時間が確保できなかった」と伝えるのがポイントです。たとえば「資格取得するための時間がほしい」「スクールに通うために休みがほしい」などが挙げられます。
転職活動はひとりで進めることも可能ですが、仕事や家事をしながらの転職活動は簡単ではありません。また、自分に合った求人を探して転職を成功させるためにはコツやノウハウが必要です。スムーズに転職活動を進めるためにも、転職エージェントを活用しましょう。
マイナビエージェントでは、30代女性の転職活動を支援しています。各業界に精通したキャリアアドバイザーが、求人の紹介や応募書類の添削、模擬面接など転職活動におけるさまざまなサポートを行います。転職活動に不安のある方、ワークライフバランスを重視して仕事をしたい方はぜひマイナビエージェントにご相談ください。
30代女性の転職理由で特に多いのは「仕事内容への不満」「職場の人間関係の不満」です。転職理由は転職先選びの軸となるため、これから転職を考えている方は自分の転職理由をきちんと言語化できるようにしておくとよいでしょう。
面接で転職理由を伝える際は、ネガティブな内容をそのまま伝えず、ポジティブな内容に変換して伝えることが大切です。前向きな転職理由を伝えることで、入社意欲の高さや仕事への前向きな姿勢をアピールできます。マイナビエージェントでは30代女性の転職活動をサポートしているため、転職活動をスムーズに進めたい方はぜひご相談ください。
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