更新日:2024/04/18
この記事のまとめ
システムのインフラである「サーバー」「ネットワーク」「データベース」を構築するインフラエンジニアは、将来性が高い職業といわれています。しかし「AIに仕事を奪われるのではないか」と心配する方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではインフラエンジニアの将来性について、AIに代替される可能性はあるか、5年後にはどうなっているのかの観点から解説します。市場価値を高めるために取得したいスキルや資格についても紹介しているため、転職を成功させたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
転職先を選ぶうえでは給与や労働条件に加え、将来性があるかどうかも大切な要素です。これからインフラエンジニアを目指すにあたり、将来性のある職種なのかが気になる方も多いでしょう。そこでここでは、インフラエンジニアの将来性について解説します。
IT技術は年々進歩しており、さまざまな企業が業務効率化や生産性アップのためにデジタル化に取り組んでいます。その過程で必要となるITインフラの構築においてインフラエンジニアは欠かせない存在であり、今後も安定した需要があると予想されます。
かつては、クラウド化の浸透によってサーバーがなくなり、インフラエンジニアが不要となることが懸念されていました。しかし、クラウド上のサーバーやネットワーク、セキュリティーシステムの構築などにインフラエンジニアが必要とされるため、仕事が減少する心配はないといえます。また、オンプレミスの案件がなくなることも考えにくいでしょう。
世の中のいくつかの仕事はAIに取って代わられるといわれていますが、AIを支えるITインフラ自体がなくなることはなく、インフラエンジニアの仕事が減少する可能性は少ないといえます。ただし、AIがインフラエンジニアの仕事をサポートするツールとして活用されることはあるでしょう。
インフラエンジニアの将来性は高いものの、数年後には求められる人材要件が変化している可能性があります。クラウド化が浸透しているように、IT業界は技術やトレンドの変化が早い業界です。時代の変化に対応できないと、インフラエンジニアとしての市場価値は低下してしまいかねません。市場価値を高めるには、常に新たな知識やスキルを習得する心構えが必要です。
インフラエンジニアとして将来性を高めるには、スキルを磨いたり資格を取得したりと自身の市場価値を向上させることが大切です。ここでは、インフラエンジニアとして長く安定して働きたい方へ向けて、磨いておきたいスキルを3つ紹介します。
ITインフラの環境はクラウドが主流になりつつあるため、AWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azureなどの代表的なクラウドサービスの知識の習得が欠かせません。主要な機能を正しく理解し、設定・運用できるように学んでおきましょう。
また、それぞれのクラウドサービスの特徴やメリット・デメリットが何なのかも把握しておくと、設計時の比較検討に役立ちます。
従来、インフラエンジニアにプログラミングスキルは必須ではありませんでした。しかし、ITインフラがクラウドに変化しつつあることでコードによる環境設定が主流となり、インフラエンジニアにもプログラミングスキルが求められています。
また、インフラ設定をコード化することで、設定ファイルの作成や複数サーバーへのファイルコピーなど業務の効率化にもつながります。まずは、覚えやすく利用しやすい軽量プログラミング言語の「Python」や「Ruby」の習得がおすすめです。
プロジェクトリーダーや管理職などのリーダー的ポジションに就くと上流工程に携わる機会が増え、プロジェクトやチームのマネジメント業務がメインとなります。
チームをまとめ上げながらプロジェクトを円滑に進めるときに重要なのが、プロジェクトマネジメントスキルです。クライアントやチームメンバーと円滑にコミュニケーションを取り、進行状況を適切に管理できるようになれば企業から重宝される人材となれます。
資格の取得は、自身のスキルを客観的に証明する手段として有効です。しかしITエンジニアに関する資格はさまざまな種類があり、何を取得すればよいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、インフラエンジニア未経験者にもおすすめの資格を5つピックアップして紹介します。
ITパスポート試験(IP)は「独立行政法人情報処理推進機構(IPA)」が主催する情報処理技術者試験のひとつです。技術者向けというよりも、IT業務に携わるすべての人に向けた国家試験で、情報リテラシーやコンプライアンスといった分野まで出題範囲に含まれます。文系の人でも比較的取り組みやすい試験といえるでしょう。
令和5年4月度〜令和6年2月度の合格率は51.1%であり、難度はそれほど高くありません。IT業界未経験者で、ITの基礎知識を身につけたい方は合格を目指すとよいでしょう。
参照:ITパスポート試験 | 試験情報|独立行政法人情報処理推進機構
基本情報技術者試験は、ITパスポート試験と同じく「独立行政法人情報処理推進機構(IPA)」が主催している国家試験です。情報処理技術者試験の中でもスタンダードな試験で、合格すればITの基本的知識・技能を習得していることを証明できます。
ITパスポートはすべての社会人や学生を対象としているのに対し、基本情報技術者試験はITエンジニア向けです。令和5年度の合格率は47.8%であり、未経験者が試験に合格するには計画的に学習を進める必要があります。
参照:統計情報(基本情報技術者試験) | 試験情報|独立行政法人情報処理推進機構
ネットワークスペシャリスト試験も「独立行政法人情報処理推進機構(IPA)」が主催する情報処理技術者試験のひとつです。ネットワークに関する幅広い知識が問われるため、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアに適した国家試験といえます。
合格率は令和5年度春期の試験で14.3%と、難度は高めです。未経験から合格するのは容易ではありませんが、インフラエンジニアとして市場価値を高めるうえでおすすめの資格です。
参照:ネットワークスペシャリスト試験 | 試験情報|独立行政法人情報処理推進機構
Linux技術者認定 LinuCは、サーバーOSのLinuxに関する知識を問う資格です。Linuxに関する資格には、「LPIC」と呼ばれる全世界に対応している国際的な資格もあります。LinuCは日本国内向けに作られているため、取得しやすい資格といえるでしょう。
LinuCは、レベル1~レベル3、システムアーキテクトの4つの難度に分かれています。未経験者は取得しやすいレベル1から挑戦してみるとよいでしょう。
シスコ認定は、アメリカの大手ネットワーク機器メーカーであるCisco Systems社が認定するベンダー資格です。認定レベルは4つあり、エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートの順に難度が上がっていきます。
また、セキュリティー・サービスプロバイダーなど認定技術も8つに細分化されており、自分の学びたい分野に合わせて受験できる点が魅力です。高度なネットワーク技術の知識を学びたい方は、シスコ認定の受験をおすすめします。
参照:トレーニング & 認定 - Cisco|シスコシステムズ合同会社
多くの企業がデジタル化に向けて取り組んでいる背景から、ITインフラを構築するインフラエンジニアの需要は増加しています。AIに仕事を奪われる心配が少ない職業ですが、求められるスキルは変化しつつあるため、日々情報のアップデートが大切です。インフラエンジニアへの転職を検討している方は、スキルを磨いたり、資格を取得したりして市場価値を高めるとよいでしょう。
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