株式会社Thirdverse
取締役COO 伴哲
住 所 | 東京都千代田区神田錦町2丁目2番地1 神田スクエア11階 WeWork内 |
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URL | https://www.thirdverse.io/ |
―社名の由来と御社のミッションを教えてください。
Thirdverseという社名は、弊社のビジョンそのものを表しており、 ”Third place” と “Metaverse”の掛け合わせから来ています。“Third Place(サードプレイス)”とは、アメリカの社会学者オルデンバーグ氏が提唱した、自宅(第1の場所)でもなく、職場や学校(第2の場所)でもない、自分の心が落ち着く「第3の居場所」という概念です。代表的な例としては、公園・カフェ・公共施設など、個人によって様々なものがあります。しかし、そのほぼ全てが「現実世界」にあるものです。
私たちはこのサードプレイスをメタバース上に創りたいと考えています。ただのVR SNSコミュニティを創るというのではなく、ゲームという手法でアプローチしていきます。これには理由があって、仮に人がコミュニティに集まっても共通の目的がないと長続きしません。ゲームという入り口であれば、敵を倒すという共通の目的や話題があり、知り合い同士だけではなく全世界の人々が繋がりやすい点からゲームコンテンツからのアプローチが最適と考えました。歴史的にもゲームから立ち上がっていたコミュ二ティサービスは多く、ゲームはコミュニティづくりの王道です。私たちはここに、バーチャルファーストでデザインされた、サードプレイスを創造していきます。
―貴社が考えるMetaverseとはどういう概念でしょうか。
『バーチャルファーストでデザインされたインターネット x ブロックチェーンによるリアル経済との融合』だと思っています。FacebookがMetaと社名を変えて以降、世界中で「Metaverse」という単語がバズワード化し、様々な会社やコンテンツでMetaverse関連の発表が続いています。しかし現時点、これらの多くは、以前まで「バーチャルSNS」「仮想空間」と呼んでいたものを「Metaverse」と名前を置き換えて発表しているもので、急激に何かの機能や概念を変えてきたものではないと思っています。
バーチャルファーストでデザインされているという一例は、Metaが発表した「Horizon Workrooms」が理解しやすいと思います。コロナ禍以降、ZoomやGoogle Meetなど様々なオンライン会議ツールを使うようになりましたが、これらはあくまで2DのPC画面上に最適化されたものです。同様の機能を「バーチャルファーストで再デザイン」したものが「Horizon Workrooms」です。VR空間内でのコミュニケーションを前提にデザインされており、アバターによる表情変化やハンドトラッキングによる身振り手振りなども表現されており、画面越しのオンライン会議ツールでは感じられなかった「その場にいる感じ」が体験できます。ちなみに、Thirdverseの役員会議は、Zoom等のオンライン会議ツールは使わず、いつも日米間をつないでHorizon Workroomsで行っています。
「ブロックチェーンによるリアル経済との融合」については、リアル世界の生計を、VR世界(Metaverse)の中で立てられるようになることです。今、多くの方は1日の可処分時間の多くをスマホやPC画面を見ることに費やしており、その中で様々な課金などでお金や時間を消費しています。今後、VRが普及すると生きている時間の大部分をVRに使う世界が間違いなくおとずれます。そうなると自分が費やしている時間が長いところでお金を使うのが自然なので、そこで経済活動も活発化していきます。
ここにブロックチェーン技術が加わることで、デジタルデータに唯一性が担保されることになります。例えば、マインクラフトで「すごいお城」を作った人がいたとして、このお城はいくらでもコピー可能ですが、NFTとして唯一性が担保できれば、「誰でもコピー可能なお城」ではなく「世界に一つしかないすごいお城」になり価値が生まれます。さらに、ブロックチェーンに記録されることで、その唯一性を他のコンテンツに持ち越すことも可能になってきます。これまで一部のインフルエンサーしか生計を立てることができなかったものが、より多くの人たちが自分の活動を経済化できるようになります。
これらは、ここ数年でいきなり実現できる世界観ではありませんが、その世界の先にあるものが、「ソードアート・オンライン」や「レディープレイヤー1」のような真のMetaverseではないかと思っています。
伴氏は、「VRデバイスは現状はまだサイズが大きく表現力も進化中のところもあるが、技術の進歩によって確実に解決されていき、スマートフォン同様、生活必需品として普及する」と話す。
―VRの魅力とは何でしょうか。
一番は、VRの魅力は「没入感」にあります。ご存じのとおり、VRデバイスをかぶると360度広がる空間に入る体験ができます。ハンドコントローラーを使って、実際の身体の動きもVR空間上に表現することができ、これらの体験・感覚による没入感はこれまでの家庭用ゲーム機やモバイルゲームでは、一切表現ができなかったことです。
現状のVRデバイスは、まだサイズが大きく表現力も進化中のところもあるため、現時点ではVRに興味がない人も多いかもしれません、しかし、この点は技術の進歩によって確実に解決されていきます。最初のスマートフォンが発売された時、「このデバイス、誰が使うの?」と言われていた中、あっという間に生活必需品になりました。VRの普及も同じプロセスをたどると思っています。
2022年1月現在、世界のVR市場でいちばんアクティブなデバイスはMeta社のQuest2です。既に1000万台近く販売がされたとの見通しもあります。今年はSIEから発売予定のPlayStation VR2や中国のByteDanceが買収したPicoもVR市場に対して大きな動きがあると思われ、今後ますますVR市場は競争が激しくなっていくと思います。また、市場が活性化すれば、ユーザーだけでなく開発者も集まりますので、さらに良質なコンテンツが集まるサイクルに入っていきます。
―伴さんがThirdverseにジョインした理由を教えて下さい。
私はソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)からGoogleを経て当社に入社しました。SIEの時にもPlayStation VR向けのゲームを創ったこともありましたので、その当時からVRがゲーム業界において次のトレンドになる確信をもっていました。
一方で、VRが一般レベルにまで市場拡大するのはもう少し先かな、とも感じていたんです。Google在籍時に、現在の弊社代表の國光(当時はgumi会長)と話す機会があり衝撃をうけました。私がVRが市場拡大するタイミングでその波に乗ろうと考えていた中で、國光は何年も前から「”自分が”VRとブロックチェーンで未来を創る!世界を獲る!」と言っていたのです。
これまでVRの未来を語る人には何人も会ってきましたが、國光が一番ビッグピクチャーを描いていました(一番難易度も高そうでしたが。笑)。それに加えて、國光自身が一番リスクを取ってこの事業にチャレンジをしていることに惹かれ、Thirdverseにジョインすることを決めました。
実際に入ってみると、COOとしてプロダクトをみるだけではなく、企業カルチャーや組織設計など、様々なものをゼロから作り上げる必要がありました。こういった環境は今まで経験したことがなかったため、非常にエキサイティングに感じています。新しくジョインされる方も、このような環境を楽しめる方が合っていると思います。
―現在の制作体制はどのようになっていますか。
東京にある日本スタジオと、サンフランシスコにある北米スタジオの2拠点体制です。それぞれの拠点で、新作のVRゲーム開発に取り組んでいます。1チームは30〜50人ぐらいの規模です。
今後も様々なプロジェクトが予定されており、オールポジションでクリエイターを採用中です。まずはゲームスタジオとしての総合力をつけたいと考えているため、即戦力となるゲーム開発経験のあるクリエイターを優先して採用しています。
―どのような方に入社してほしいでしょうか。
私たちThirdverseの文化は、”First to try, First to fail, First to recover!”です。最先端のことに誰よりも先に挑戦し、誰よりも先に失敗し、そこから学び誰よりも先に復活し、”One Step Beyond”を目指します。 VRやブロックチェーンという技術は、まだまだ進化していきます。未踏に向かって積極的に挑戦しつづけるエネルギー、好奇心、行動力がある、提案型の方とご縁をつなぎたいです。私たちはスタートアップ企業なので、何もないところから始まっています。そのような環境を楽しめる方とぜひお会いしたいと思っています。
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