株式会社Srush 代表取締役CEO 樋口 海｜求人・転職エージェント
中小企業がAIで大量のデータを活用できる基盤を提供 - 「データ維新」を起こし、地方から日本の未来を変革
株式会社Srush
代表取締役CEO 樋口 海
| 住 所 | 東京都品川区西五反田8丁目4−13 五反田JPビルディング2F co-lab 五反田 with JPRE A02 |
|---|---|
| URL | https://www.srush.co.jp/ |
- 株式会社Srush代表取締役CEO 樋口 海
- NTTの法人営業部にて大手自動車を担当、グローバルインフラの導入に従事し、全社表彰や最高評価を受賞。退職後、シンガポールにて日系製造業の営業戦略を担当。帰国後、製造業向けSaaSを提供する会社の立ち上げを経て、代表取締役として株式会社Srushを共同創業。 早稲田大学卒、一橋大学大学院商学研究科修了(MBA)
データ活用基盤「データ統一クラウド」でAIがデータを分析・提案
――貴社の事業内容を教えていただけますか。
AIを軸に据えた専門知識なしでも扱えるデータ活用基盤「データ統一クラウド」の開発提供のほか、企業に寄り添うコンサルティングサービス、そして実践的な教育事業を三位一体で展開しています。
このうち、「データ統一クラウド」は、企業の日々の業務で発生するデータを入力すれば、AIがデータの整理、加工、分析からレポートにまとめることまでできるSaaS(※1)です。
使い方ですが、企業のデータをもとに、まずAIが「こうした分析ができます」という選択肢を示してくれます。現場で必要とされる分析が網羅されており、選択肢の中から選ぶだけでインサイトをまとめたレポートを出力してくれます。
出力後、この分析からさらに深掘りした選択肢も示されるので、それを選んでいくだけで分析を進めていくことができます。さまざまな指示を入力して、角度の異なる分析や精密な分析をさせることも可能です。ChatGPTなどのチャットボット生成AIを使う感覚で、ノーコード（※2）でデータの可視化や分析レポートの生成が可能です。業種、業界、業務を問わずにお使いいただけるというのも大きな特長です。あらゆるデータ、あらゆる目的に柔軟にご活用いただくことができます。
――どうしてそのような分析ができるのでしょうか？
データ基盤をつくる仕組みが内蔵されているからです。企業が持っているデータには、Excel、財務データ、CRM（顧客管理）などさまざまな形式のデータがあると思います。これらを横断して分析しようとすると、まずデータを整理統合するところから始めなくてはなりませんが、こうした作業は極めて負荷の高い作業になります。「データ統一クラウド」では、こうしたデータを統合する機能を備えているので、どんなデータでも「データ統一クラウド」の中に保存をしていただければ、AIが横断して統合・分析します。
私たちは分析SaaSの中では後発に当たりますが、後発だからこそユーザーにとってのメリットを追求した上で最新の技術を使うことができています。さらに、業務プロセスの中に組み込めるように分析からレポート出力までをいかに速くできるかという点も意識して開発を進めています。
(※1 SaaS 「Software as a Service」の略。インターネット経由でソフトウェアをサービスとして利用できる仕組み)
(※2 ノーコード コードを書かないこと)
(図は「データ統一クラウド」データ活用イメージ)
中小企業のデータ活用の遅れを実感、”データを味方にできる”サービス目指す
――素晴らしいサービスですね。樋口さんはどういった経緯で起業されたのでしょうか。
私は新卒でNTTに入社しました。法人営業部時代、お客様は地方の中小企業から東京の大企業まで幅広く担当させて頂いたのですが、経営者の方と話をする機会が増えていくと、経営者の方と自分が考えている目線がまったく違うことに気づかされました。これではお客様にとって最善の提案ができないと退職して経営大学院に進みましたが、その時期に「クリームパン」で有名な株式会社八天堂の3代目社長の森光孝雅氏の著作を読んで、「人を大切にする」という経営大学院では学べないことがあると強い衝撃を受けました。そこで、八天堂 に直接連絡をすると海外現地法人のシンガポール支社で働かせて頂けることになりました。
そこで学んだ後日本に戻ってきて起業したのですが、一番身近な「人を大切にする」を蔑ろにした働き方をしてしまい、大きな失敗となりました。結局、座学も実務も自身が当事者になって体験しない限り、過ちは起こるということを手痛く学びました。
そうした経験の後、Srushの共同創業者の山崎康久(Srush取締役最高技術責任者)との出会いがあり、「人を幸せにする事業を始めよう」という目的で意見が一致し、Srushを起業したのです。SrushとはSalesとGoldrushの合成語で、みんなが幸せになる、つるはしのような存在になりたいと縁起をかついだ会社名です。
――事業内容として「データ統一クラウド」を開発しようとお考えになったのはなぜでしょうか？
先ほど述べた通り、NTTにいた頃はお客様に地方の中小企業の方が多かったのですが、その時の体験で日本の地方には多くの素晴らしい中小企業があることを知りました。
一方、法人営業を通して企業が抱えるシステムの老朽化やデータ活用の遅れを実感し、多くの企業がデータ活用に課題を抱えながらも、適切なツールやサポートを得られていない現状も目の当たりにしました。
ただ現在の状況では、大企業はビッグデータを活用する態勢を整えて生産性をあげていくことができますが、中小企業の方々はデータ活用に関して問題意識は持っているのにその手段が見つからず困っている場合が多々あります。
誰もが「データ活用に対する動機」を持ち、「データを味方に」できるようなサービスが必要だと強く思いました。そこで中小企業の皆様にデータ統一基盤を提供して、日本全体のデータ活用を底上げしていきたいと思ったのです。
地方企業のデータ活用によって日本は復活できる
樋口氏は、大企業のように専門家に頼らなくても、336万社あるといわれる日本の中小企業がAIデータ基盤活用によって生産性を上げることで日本は復活可能だと話す。
「データ維新」によって日本を変えていくことがSrushの大きなミッション
――地方の中小企業の潜在的な可能性を引き出したいと強く思われたわけですね。
日本企業のデータ活用率はわずか数%だという話もあるほどです。また、データサイエンティストやデータアナリストという専門家は日本には数千人しかないとも言われていて、その多くは大企業に所属しています。
しかし、中小企業だからといってデータ量が少なかったり、データ活用の必要性が低かったりするわけではありません。数十店舗の地域スーパーを例に挙げると、1店舗で扱う商品種類は数万点、例えばきゅうりにしても1本売りなのか3本売りなのかで販売データが異なってきます。さらに時間によって価格が変わる商品もあります。こうした大量のデータがありながら、大量すぎて分析が追いついていないというのが現状です。
日本は衰退していると盛んに言われますが、課題の一つが中小企業の生産性の低さです。データ活用によって、336万社あるといわれる日本の中小企業の生産性をあげていくこと、この「データ維新」によって日本の未来を変えていくことができます。
私たちSrushは、大量のデータを日々生み出しながら、その活用に課題を感じている中小企業のお客様にSrushのサービスを導入していただきたいと思っています。
データガーディアンを100万人育成することが目標
――データ分析から活用まではどのように行えばいいのでしょうか。
先ほど触れたように、基本的な分析・提案はAIが行いますから、データ分析技術の専門知識は不要です。ただし、そこからインサイトを読み解き、活用する能力は必要です。例えば、AIは「xx店の売り場面積を増やす必要がある」などという提案をしてくれます。しかし、それをそのとおり実行するというのではなく、その提案をもとにスタッフの皆さんで議論をして施策を決定していただきたいのです。
データ分析をして提案内容を考えるまでは多くの時間がかかりますが、「データ統一クラウド」を使えば分析・提案が極めて短時間で出力されます。会議中に 課題があることが分かれば、その場でAIに質問すればすぐに可視化されたデータが出てきます。
私達は、データからインサイトを引き出すスキルを持ったデータガーディアンを100万人育成する計画を進めています。データガーディアンとは、自社のデータを活用して、自社の事業を推進することができる人材のころです。スタッフの方が一定のトレーニングを受けることで、データガーディアンになることが可能で、身につけるべきデータ活用技術は複雑なものではありません。
「データ統一クラウド」を導入した企業に、コンサルティングサービスである「データ活用伴走サポート」、実践的な教育プログラム「データ人材育成プログラム」を提供することによって、スタッフの方々にスキルを身につけていただくことが可能です。
海外進出は現時点では意識はしておらず、まずは日本企業様に導入していただきたいです。ただ、日本企業の海外進出に伴って海外支社でSrushを使っていただいている例は増えてきました。日本企業が海外進出すると、やはり市場特性の違いに戸惑うことが多くあります。市場の特性を素早くつかむために、Srushによる分析を活用していただいている例もあります。
――Srushではどのような人材を求めていますか。
私たちが求める人材は、課題解決能力が高い人です。課題解決の重要なツールとしてAIはもはや無視することができない手段になっていますので、AI活用の価値を理解できる人に来ていただきたいですね。
「AIはChatGPTだけしか使ったことがない」、という方でも入社する際は問題ありません。AIの価値を理解できる人であれば、AIの使い方はすぐに身につけられると思います。
また、Srushで働くことを楽しい思い出にできるような人というのも重要な要素です。私たちの業界は競争環境が厳しく、難易度も高いマーケットなのでハードなことに直面することはたびたびあると思います。データ活用SaaSの開発からコンサルティング、人材育成まで、顧客企業と伴走をしていくビジネスですので、普通のスタートアップの5社か6社分の仕事の幅があると思っています。
楽な仕事ではないのですが、その中でもSrushで働くことを楽しめる人にきていただきたいですね。
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