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生活に密着したマネー情報から資産運用のアドバイスまで一気通貫でサービス提供、お客様に寄り添い将来設計支援

株式会社モニクル
代表取締役CEO 原田 慎司

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住 所 東京都千代田区永田町2-14-3 東急不動産赤坂ビル6階
URL https://monicle.co.jp/company
株式会社モニクル代表取締役CEO 原田 慎司
一橋大学経済学部卒業後、大和総研、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ドイツ証券およびシティグループ証券に証券アナリスト/M&Aバンカーとして勤務。シティグループ証券では総合電機業界の調査責任者を務める。金融のプロとしてキャリアを重ねる中、「投資家だけでなく、世の中のより多くの方ができる資産運用とは何か」という思いが強くなり起業を決意。2013年に株式会社ナビゲータープラットフォーム、2018年に株式会社株式会社OneMile Partnersを設立した後、グループ会社を統括するかたちで2021年に株式会社モニクルを設立、現在へと至る。
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高校生時代から株式に興味、証券アナリストとしてキャリアを重ねる

――まずは簡単なご経歴からお聞かせください。

高校生の頃から株式に興味があり、毎日新聞の株式欄をチェックすることを日課とするような青春時代でした(笑)。

日経平均などの指数や為替レートをチェックするというよりは、気になった企業の銘柄を絞り込み、その企業に関連したニュースが報じられることでチャートにどのよう変動が生じるのか、といったことをチェックするのが日課で、それによって損益が発生する点に面白さを感じていました。

当時はまだネット証券がない時代であり、私自身はトレードを行っておらず、あくまでも分析を楽しみながら投資を学ぶことによろこびを見出していました。

その後、大学に入学し、経済学を学ぶ中でトレードを行うようになり、より深く投資の世界にのめり込んでいきました。暇さえあれば投資関連書籍や、いろいろな企業の有価証券報告書をはじめとした開示資料に目を通し、授業でも証券投資論や企業分析といった投資に関わるものを積極的にとっていましたね(笑)。

株価を見る上ではファンダメンタルズを読み解く必要があり、それを企業分析へと広げていくことで企業の思惑やビジョンといった本質的なものが明確に見えてくる。「これは面白いぞ」となって、卒業後は大手シンクタンクへと就職しました。

――シンクタンクではどのような仕事をされていたのでしょうか。

証券アナリストとして、通信やエレクトロニクス企業などテクノロジーセクターを専門領域とした分析業務に携わっていました。さまざまな分析を通じて将来的なリターンやリスクを予測の上、株式評価や投資判断を行うことをミッションとした仕事で、もともと企業や資本市場に強い関心があった私にとってはとてもやりがいのあるものでしたね。

そこで3年間ほど証券アナリストとしてキャリアを重ねた後、メガバンクグループの投資銀行部門に移籍しました。ここでは、主に企業のM&Aに係る業務に携わりました。

それまで証券アナリストとして企業分析にもとづく株式評価や投資判断を行っていましたが、「今度はコーポレートファイナンスなど“企業の裏側”を見ることで、金融プロフェッショナルとしてさらに成長できるのではないか」という思いをもっての転職でしたね。

そこでM&Aアドバイザリー業務を経験した後、再び証券アナリストとしてドイツに本拠地を置く証券会社や米国系金融グループの証券会社に勤務し、キャリアを重ねました。

「資産形成に対して抱く不安に寄り添いサポートできないか」と考え起業

――そこから起業に至るわけですね。どのような心境の変化があったのでしょうか。

証券アナリストのような仕事をしていると、私を「お金のプロ」と見なした友人・知人から、資産運用や将来に備えての資産形成などについてアドバイスを求められることが頻繁にありました。

そうした質問やアドバイスにできる範囲で応えていく中で、自分が思う以上に多くの人達が資産形成を図る上で不安を抱えており、なんとかそれを助けるようなことはできないだろうか、と考えるようになりました。

私は証券アナリストとして投資判断を行っていたこともあって、自分自身ではトレードはやりませんでしたが、代わりに早いうちから不動産投資をやっており、それなりにコツのようなものも掴んでいました。

それを踏まえ、相談を受けた友人・知人にかなり具体的なアドバイスを行ったのですが、意外にもほとんど誰も実行に移すようなことはしなかったのです(笑)。

理由を訊くと「金融のプロである原田さんだからできること。素人の自分たちにとっては手が出せない」といった声が多く、将来への備えには関心が高いものの、リスクをとることを恐れている人が思った以上に多いことが分かりました。

また、同じ金融のプロフェッショナルたちであっても、株式は得意なものの不動産など他の領域での投資には消極的といった人が大半で、プロですら自分が預かり知らない領域への畏れといったものがあることに気付きました。

そうした資産運用全般に関する「不安」や「恐れ」に寄り添い、解決へと導くようなサービスはきっと大きなニーズがあるだろうと確信したのが起業のきっかけです。

――「プロのアドバイスでも実行にうつすにはハードルがある」というのが一つのきっかけなのですね。

そうです。誰もが人生に必要なお金を形成し、守っていきたいと思っています。

しかしそこにはリスクがあり、誰もがそれを恐れているのです。

そうした前提があった上で、どうやったら安全で再現性のある資産形成や運用が実現できるかを具体的にアドバイスしたり、サービスとして提供したりしていくことができるだろうか、と考え抜いたことが起業のきっかけとなりました。

そこで会社員を辞め、起業に向けての準備に取り掛かかったのです。

「ある一部分の人ではなく、世の中のより多くの方ができる資産運用ってなんだろう」という考え方をベースとした上でいろいろなビジネスモデルを模索する中で、不動産に関連したサービスや資産運用のための教育サービス、その他、さまざまなビジネスモデルを考えるうちに10個くらいのプランが生まれました。

「これはそろそろ本気で行動しないといけない」と考えているタイミングで、元々仕事で付き合いのあった泉田(泉田良輔氏 現モニクル取締役CCO)という共同創業者のパートナーとなる人物と話をしました。

彼も証券アナリストであり、ファンドマネージャーなども担ってきた金融のプロフェッショナルです。

それゆえ知識やスキルなどは文句つけようがなく、さらにそれに加えて、企業としてのコンプラインスやガバナンスに対する基準やバランス感覚、遵守意識などが私と近い点に心強さを感じました。

泉田の存在は同じ価値観を抱いて仕事ができる非常に心強いパートナーとして、起業へのギアを一段上げてくれましたね。

そんな泉田と起業に向けての準備を行う中で、「まずは自分たちが一番得意な資産運用の情報発信を行うメディアを作ろう」ということになり、2013年3月に現在のグループ会社となる株式会社ナビゲータープラットフォームを立ち上げました。

当初は資産運用をテーマとした情報発信に加え、個人の方に向け、プロのアナリストが投資判断を行うようなサービスを展開していました。ですが、それは株式投資の経験がある人向けの色合いが強く、結果的にあまり大きな広がりがないままクローズしました。

その経験から、「本当に基本的なことを、いかに一般の方々に分かりやすく伝えた上で実践していただくか」という自分たちの原点に立ち返り、「LIMO」というメディアを立ち上げたのです。

これはくらしとお金にまつわる経済ニュースをわかりやすくお伝えするメディアで、潜在的にお金に関心のあった人々から好評をいただき、大きな反響を呼びました。

現在では月間のユニークユーザーが500万人を超え、お金に特化したメディアの中ではトップクラスの規模にまで発展しています。

さらに2018年11月に株式会社OneMile Partners(ワンマイルパートナーズ)という会社を設立し、「マネイロ(moneiro)」というサービスを立ち上げました。

「マネイロ(moneiro)」は資産運用に対する課題を診断・勉強・相談の3つからサポートするサービスです。

「LIMO」がお金に関する基本的な情報発信を行うメディアならば、「マネイロ」はより具体的に自分に適った資産運用のかたちを見つけるためのサービスだと言えます。

まだ「LIMO」のような規模には発展してはいませんが、急成長を続けています。SBI証券様と提携の上、同社の投資信託や債券をはじめとする金融商品・サービスの提供が可能となり、お客様により充実した資産運用サービスが提供できるようになるなど、サービス基盤も日々充実を図っています。

――「LIMO」を運営するナビゲータープラットフォームと、「マネイロ」を運営するOneMile Partnersの2つの事業会社の持ち株会社となるのが株式会社モニクルという訳ですね。

「お客様に寄り添い、一緒になって将来設計を考えていきたい」

原田氏は、「マネイロ(moneiro)」について、「相談ではいきなり金融商品を勧めるということはせず、将来設計を行う上で何が必要なのかをお客様と一緒に考えていくことを大切にしている」と話す。

生活に密着したマネー情報から資産運用のアドバイスまで一気通貫でサービス提供、お客様に寄り添い将来設計をサポート

顧客体験を大事にしたいからこそ、一気通貫ですべてのサービスを提供

――グループ全体で見たサービスの特徴はどんなところにありますか?

たとえば、「マネイロ」は、初めて資産運用を始めるような方をターゲットとしたサービスですが、まずは診断を通じて「将来的にどれだけのお金が必要になるのか」という“ゴール”を設定し、次にそのゴールを達成するために最適な投資方法をピックアップします。

さらにいつでもお金のプロである「マネイロコンシェル」に確認・相談することができるので、「資産運用には興味があるけど不安で次の一歩を踏み出せない」「正しい投資判断ができない」といった興味とともに不安を感じているような方にとって心強いサービスだと言えます。

――「将来必要になるお金」というゴールを明確化した上で、ではそのゴールに向かうために何が必要なのかを考え、アドバイスしていくサービスなのですね。

そうです。まずは「LIMO」で資産形成や運用などに関心を抱いてもらい、「マネイロ」を通じて投資の知識がない方でも正しい投資方法や具体的な金融商品を知ることができ、最後に自分で意思決定を行い将来に向けての資産形成や運用をスタートする、といった実際にアクションへとつなげてもらいやすいサービスになっているのが私たちの強みだと言えます。

なお、これらのサービスはすべて無料で利用することができます。「マネイロ」の診断、セミナーへの参加、お金のプロへの相談、すべて無料で何度も利用することができます。顧客体験を第一に考えており、お客様に具体的なアクションを起こしてもらいたいからこそ無料にこだわっているのです。

――ビジネスモデルはどうなっているのでしょうか。

「マネイロ」ですが、先にも述べたように、診断~投資方法のピックアップ~お金のプロへの相談まですべて無料で利用することができます。

では、どこで売上が発生するのかといえば、さまざまな金融商品をご購入いただいた際、金融機関様から仲介料をいただいています。一方「LIMO」では、Google AdsenseやYahoo!広告などアドネットワークによる収益がメインとなっています。

――グループ全体ならではの「強み」はどこにあるとお考えですか。

「自社で一気通貫のサービスを構築している」という点です。

「LIMO」「マネイロ」ともにコンテンツを内製しているほか、「マネイロ」に関しては、バックグラウンドで動くシステムもすべて自前で開発・運用しています。

さらに「マネイロ」のアドバイザーであるマネイロコンシェルも自前のトレーニングを受けた社員たちが担っており、セミナーなども社員たちが進行役を務めるなど、自社で一気通貫のサービスを構築の上、提供できるのが私たちの強みだと言えます。

もちろん、コストを抑えたり、効率面を追及したりする事だけを求めるのであれば、相談以降のフェーズを外部の事業者に送客する、という手段もあります。

たとえばメディアやセミナーなどを通じてお金に興味のある人を集め、外部のFP(ファイナンシャル・プランナー)に紹介することで利便性向上や効率化を図ることはできます。

ただ、それだとお客様の体験が分断されてしまい、私たちが大切にしているお客様に寄り添うという理念に影響が生じることになります。

お客様に徹底的に寄り添うために、コンテンツ~診断~アドバイスまですべてを一気通貫でサービスを垂直統合することにこだわり、それによってお客様たちに具体的なアクションを起こしてもらいやすくなるものと信じています。

こうしたビジネスモデルを私たちは「垂直統合型のモデル」と呼んでいます。

――具体的にはどのような点で「寄り添い」を実現していますか。

「お客様に寄り添い、一緒になって将来設計を考えていく」という点でしょうか。

相談においてもいきなり金融商品を勧めるということはせず、「将来設計を行う上で何が必要なのか」、「何歳までにいくら作るべきなのか」、「途中で病気になった場合、誰がどのように困るのか」、といった、人生の中で起こりうるさまざまなリスクやライフイベントを想定し、投資商品だけではなく保険商品なども組み合わせて、長期積立投資をベースにお客様一人ひとりに最適だと思われる提案を行っています。

「インデックス投資を行っておけばまず間違いはない」といった意見もありますが、それはずっと健康で常に今以上の所得を得られる状態が続くことを前提とした考え方といえるでしょう。

しかしインデックス投資を行っている途中で、大きな病気を患ったり、怪我をしたり、勤めていた会社が倒産したり、家族が増えて支出が増大するなど、さまざまなことが起こる可能性もあり、それによって将来設計が崩れてしまう可能性も十分に考えられます。

そこで私たちは、投資商品だけでなく、さまざまなリスクに備える保障として保険商品も含めた提案を大切にしているのです。

もちろん、お客様によっては「保険商品は必要ありません」という方もいらっしゃるので、そうした場合は投資商品に絞ったご提案をさせていただいています。

投資商品に関しては、できるだけ低リスクで長期積立投資に向いた債券や投資信託などが中心となります。

また、保険商品の中にも資産形成に向いたものもあるので、保障を重視される方には医療保険を含む生命保険とともにそうした商品もご提案しています。

もちろん、長期積立投資ということで、つみたてNISAやiDeCoと組み合わせた運用をご提案させていただいていただく場合も多くあります。

教育体制を強化し、未経験の方が活躍できる環境を整えていきたい

――御社のサービス開発や運用の体制はどのようになっていますか。

コンテンツサービスが中心となるナビゲータープラットフォームと、金融サービスが中心となるOneMile Partners、そして両社の持株会社であるモニクルと、それぞれの所属メンバーの属性は異なります。

ナビゲータープラットフォームはコンテンツ制作や情報発信が好きな編集者・企画担当者が多く、OneMile Partnersはファイナンシャルアドバイザーが中心の会社です。

そしてモニクルはしくみを作ることが多いことからエンジニアやデザイナーなどのクリエイターが多い会社です。

そうした人材の中には、ユーザーとして当社のサービスを利用し、そこに感動してくれたり、強く共感してくれたりして入社した人も少なくありません。

そうした人材が中心となるだけに、とてもいい雰囲気とチームワークの中でビジネス展開が行えていると実感しています。

――「実体験に勝るものはなし」ですね。

同様に、外部の企業の方が私たちのサービスを体験することでこれまでにないような価値と可能性をリアルに感じてくださり、協業のご相談を受けることも少なくありません。

――今後、さらなるサービス拡大を図るために必要な人材は?

コンテンツ制作における編集やライター、金融サービスを提供するファイナンシャルアドバイザー、しくみづくりを行うエンジニアとすべての領域にわたって新たな仲間を必要としています。

中でも「マネイロ」でご相談を希望するお客様が増えているため、ファイナンシャルアドバイザーとして活躍してくださる方を特に歓迎したいですね。

また、今後は、当社のシステムを外部に提供し、同業他社と一体となったバリューチェーンを築いていく構想もあることから、エンジニアも特に必要としています。

――原田さんが考える理想の人材像は?

ファイナンシャルアドバイザーに関して、一言で言えば「素直な方」です。実は入社前のスキルをあまり厳しく求めるつもりはありません。

私たちには未経験の方を育成するしくみやツールもあり、これを用いることで一定レベルの基礎を身につけることができます。

従って、学ぶことに素直で吸収力があれば、未経験でも十分に活躍することは可能です。

また、採用方針も、これまでは会社としての創業期ということで経験者メインの採用を行ってきましたが、今後は、私たちのDNAを正しく受け継ぎ、一緒になって社会から必要とされるサービスを創っていってくださる仲間を迎え入れる人物重視の採用へとシフトしていくつもりです。

そのためにもっと教育体制の充実化を図り、未経験の方を自社で育成していけるしくみを整えていきたいと考えています。

――今後の展望についてお聞かせください

実際に「マネイロ」や「LIMO」といったサービスを提供してみて、人々の「老後への備え」「将来に対する資産形成」というニーズは本当に大きなものとなっていることを実感しており、私たちが2013年から取り組んできたことは間違っていなかったと確信しています。

世の中には資産運用に関するメディアやサービスはいくつもありますが、「お客様に実際にアクションへとつなげていただく」ということにおいては、私たちに大きなアドバンテージがあると自負しており、実際に私たちのサービスを通じて、多くのお客様が将来に向けた資産形成へのアクションを起こしてくださっています。

そういった意味では、私が証券アナリスト時代に思い描いていたものがモニクルという会社でかたちとなり、人々が人生を有意義なものとするためのアクションを起こしやすい土壌が少しずつ整いつつあることを感じています。

――資産運用へのハードルが低くなるのは本当に革新的だと思います。

これからも私たちは一人でも多くの方に資産形成や運用体験を行ってもらいたいと思っており、そのために今以上に最初の接点からサービス提供までデータが一気通貫でつながっていくしくみづくりを強化していくことが大切だと考えています。

また、そうしたしくみを自分たちだけのものにするのではなく、外部のファイナンシャルアドバイザーにも積極的に提供していくことにも力を入れていきたいと思っています。

それによって私たちの思いがより広く社会に伝わっていくことでしょう。そのためにもエンジニアチームの拡充に努め、サービスの外部提供にも注力するつもりです。

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